日本ハム(★1対5☆)ソフトバンク =リーグ戦4回戦(2019.04.27)・札幌ドーム=
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ソフトバンク
12100010051211
日本ハム
0000001001601
勝利投手:千賀 滉大(2勝0敗0S)
敗戦投手:上原 健太(0勝2敗0S)

本塁打
【ソフトバンク】デスパイネ(3号・3回表ソロ)
【日本ハム】中田 翔(4号・7回裏ソロ)

  DAZN
◆ソフトバンクは初回、松田宣の適時打で先制する。その後は、2回表に川島と牧原の連続適時打で加点すると、3回にはデスパイネのソロが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・千賀が7回1失点の力投で今季2勝目。敗れた日本ハムは、先発・上原が試合をつくれなかった。

◆ソフトバンク千賀滉大投手(26)が6回に王柏融からこの日10個目の三振を奪い、球団では09年杉内(5試合連続)以来10年ぶりの4試合連続2桁奪三振を記録した。 今季2戦目の5日ロッテ戦では12個、12日楽天戦は14個、19日西武戦では11個の三振を奪っている。前日26日には「球自体は継続していい球が投げられている」と話していた通りの好投を見せている。

◆札幌市出身で俳優の武田真治(46)が27日、ソフトバンク戦(札幌ドーム)の試合前に400人の子どもたちがダンスを披露する「ミライフェス」にゲストとして登場した。 サックスを吹いてダンスを踊るこどもたちを後押しするなど、球場を盛り上げた。「故郷でこういうことができてうれしかった。思い出の一部になれば」と話した。

◆ソフトバンクは初回、松田宣の適時打で先制。2回も2点を追加し、3回はデスパイネの3号ソロでリードを4点に広げた。 ソフトバンク先発千賀は6回まで3安打無失点10奪三振の快投。日本ハムは3回途中から継投し、中盤は追加点を与えなかった。 ソフトバンクは7回、松田宣の適時打でダメ押し。先発千賀は7回、中田に4号ソロを被弾も7回1失点の好投で2勝目を挙げた。日本ハムは上原が2敗目。

◆ソフトバンクの「野手版オープナー」作戦が的中した。工藤公康監督は「ここぞというときに使いたいが、千賀くんが先発するし、早めに相手の先発を打ちたい」と代打の切り札川島を1番起用した。 今季5度目の先発で、2度目の1番に入った川島は初回に初球打ちで出塁すると、1死二塁から三盗を決め松田宣の先制打を呼んだ。2打席目には2点目の適時打、3打席目も中越え二塁打を打ち猛打賞の活躍を見せた。4打数3安打で7回の守備から退き、役目をしっかり果たした。 川島は「マッキー(牧原)に初球の打ち方を教えて下さいと言われたので。それは冗談ですけど、初球いってみて下さいと言われていたので、打てて良かったです。(盗塁は)隙を突けたと思います。(今宮)健太もよく見送ってくれた。1番バッターの仕事ができたと思います」と振り返った。

◆日本ハム上原健太投手が3回途中でKOされた。2回までに3点を失うと、3回1死で、デスパイネに左翼席上段へソロ本塁打を浴び降板となった。 「できることができなかった。要所要所を投げ切れればうまくまとまるのかなと思う。制球力をつけないと」と課題を挙げた。

◆ソフトバンク千賀滉大投手(26)が7回1失点の好投で2勝目を挙げ、チームは16日以来の首位に浮上させた。日本ハム打線から11三振を奪い、球団では09年杉内俊哉(5試合連続)以来、10年ぶりの4試合連続2桁奪三振を記録した。 この日最速158キロの直球を変化球が引き立てた。序盤はスライダーを、3回以降は開幕から苦しんできたフォークを決め球に、三振の山を築いた。「しっかりフォークが使えた。まだ自分の中でフィットできていないが、今日のところは」と手応え十分だった。 受けた甲斐が「今日はフォークの落ちもよくて、腕が振れていた」と振り返れば、工藤監督も「今日は久しぶりにお化けフォークだとみんなで話をしていた」と、代名詞復活を喜んだ。 7回、先頭の中田に1発を浴び、さらに2死二、三塁のピンチでは代打田中賢をフォークで二直に仕留め、最少失点で踏ん張った。工藤監督は「最後の踏ん張りも今までなかったとは言わないが、自分を奮い立たせて辛抱して投げた」と、スタミナ面でも精神面でも成長している姿を喜んだ。 体を強くするために筋力トレーニングで追い込んできた。1月の自主トレでは、福岡・筑後市のファーム施設を往復する車の運転を知人に頼んだ。「ヘトヘトになるまで練習できるから」。高速道路で1時間以上かかる運転には集中力も必要。少しでも練習をセーブしたくなかった。 札幌ドームはこれで7試合6先発で5勝0敗と不敗神話を伸ばした。「あと4つ頑張ります。冗談ですけど」。侍ジャパンで一緒に戦い、仲の良い楽天則本昂が17年に記録した8試合連続2桁奪三振の日本記録を目標とした。ここまで54奪三振は両リーグトップ。奪三振率13・14は驚異だ。投げるたびにたくましさを増している。【石橋隆雄】

◆ソフトバンク高田知季内野手が日本ハム斎藤の技に舌を巻いた。 4点リードの9回1死三塁。1-1からの3球目で工藤監督はダメ押し点を狙い、高田にスクイズのサインを送った。だが高田がバントを試みると、斎藤の投球はホームベース手前でワンバウンド。バットに当てるのがやっとで、ファウルとなった。続く4球目で空振り三振。後続も倒れ、追加点を挙げられなかった。 高田は「スライダーだったんですが、軌道修正された。投げる瞬間に...。さすがですね。決めたかったんですが」。斎藤がスクイズの動きを察知し、本来よりリリースを遅らせてわざとワンバウンドさせたように見えたと言い、悔しがった。

◆日本ハム斎藤佑樹投手が2回を無失点に抑えた。8回から4番手で登板。9回1死三塁のピンチを背負った場面で、高田がしかけたスクイズに「(走者の動きが)見えていました」とスライダーをうまくバウンドさせる投球で阻止した。 「1つ1つ(結果を)積み重ねていくしかない」と次の試合へ気持ちを切り替えていた。

◆日本ハムがソフトバンク4回戦(札幌ドーム)で難攻不落のエース右腕に完敗した。相手先発の千賀の前に打線が沈黙。7回に中田翔内野手(30)の4号ソロで一矢報いたが、7回までに11三振を奪われ、要所も締められるなど攻略に至らなかった。これで3カード連続で初戦は黒星。勝率5割に再び逆戻りした。敗戦の中で、一番盛りあがったのは7回だった。中田のフルスイングが、ようやく千賀をとらえた。初球の124キロのスライダーを左中間スタンドへ運んだ。5試合ぶりの4号ソロが唯一の得点。打線全体では7回まで毎回の11三振を奪われ、数少ない好機も決定打は封じられた。主将は潔く、完敗を認めた。 中田 完璧にやられてしまった悔しさしかない。ピッチャーに申し訳ない。今日は手も足も出なかった。もちろん、悔しいですけど。それがチームの状況。現にチームも負けている。 難敵は進化を遂げていた。150キロ台中盤の直球に押され、お化けフォークには何度もバットが空を切らされた。1発を放っても、肌感覚で味わったすごさを、素直にたたえた。 中田 千賀も正直、去年よりすごいピッチャーになっている。(球速が)5、6キロ上がっている。今年からウエートだったり、けっこう取り入れているみたいだからね...聞いた話ではね。それを、ああやって試合に出せるのは、さすが。今日の千賀の球なら、ど真ん中でも打ち返せてもいない。打席に立っていて、脅威を感じる球だった。 日本を代表する右腕を打ち崩すのは、容易ではない。ただ、シーズンは長い。必ずリベンジのチャンスはやってくる。 中田 やられたままではダメ。チーム全体で、またミーティングとかで話し合って、何かを見つけられればいい。次はチームが1つになって、やり返したい。 主将はチームの思いを代弁した。悔しさを晴らす次の機会へ向けて、前を向いた。【木下大輔】

◆日本ハム近藤健介外野手(25)が、ソフトバンク千賀から3打数3安打とキラーぶりを発揮、今季初の猛打賞とした。味方が打ちあぐねる中、2回の第1打席で内角の156キロを詰まりながら左前へ運びチーム初安打を記録。5回の第2打席は千賀の代名詞"お化けフォーク"をセンター返し。カウント1ボール2ストライクと追い込まれるまでバットを振らず、狙っていたかのように手を出した。 本人は「狙っていたのではなく、反応で打った。ボール自体が甘かったので」と、いとも簡単に言う。確かに、フォークボールは完全には落ちきらなかった。「直球を引っ張りにいけば、浮いた変化球を引っかけてしまう。反対方向に打つイメージで待っていたら、浮いてきた球を打てる」。第1打席で剛速球を安打し、気分的にも楽だった。どんな投手に対しても、常に意識するのは逆方向。不振に悩んだこれまでがウソのように、バットが振れた。 特に千賀には、めっぽう強い。「相性はいいですね」と自覚もある。通算の対戦打率は3割9分1厘だが、17年以降は18打数9安打で5割ちょうど。なぜか。「相手はスーパーな投手なので、打てる球にだけ手を出すようにしている。球が速い分、シンプルに真っすぐを狙っていけるので、対応できているんだと思います」。多くの打者が手を焼く12球団屈指の右腕攻略法は、実にシンプルだった。【中島宙恵】

◆ソフトバンク千賀が7回1失点の好投で2勝目を挙げ、チームを16日以来11日ぶりの首位に浮上させた。日本ハム打線から11三振を奪い、球団では09年杉内俊哉(5試合連続)以来、10年ぶりの4試合連続2桁奪三振を記録した。工藤公康監督のコメント。 「今日は久しぶりにお化けフォークだとみんなで話をしていた」

◆日本ハム・上原健太投手(25)が27日、ソフトバンク4回戦(札幌ドーム)に先発。2回1/345球を投げて7安打4失点KOされた。  一回に松田の左前適時打で先制を許し、二回に川島、牧原の連続適時打で2点を失った。三回1死からデスパイネに左中間へソロ本塁打を浴び、2番手の玉井に交代した。  5回8失点で今季発黒星を喫した16日のオリックス戦以来のマウンド。「投げ切らないといけないところで、投げ切れなかった。押し通す力がないということ。打ちごろの球やコースにしか投げ切れなかったことが悔やまれます」と反省した。

◆日本ハムの上原は制球が甘く、三回途中7安打4失点で2敗目。前回16日のオリックス戦でも5回10安打8失点と打ち込まれており、2試合連続で試合をつくれなかった。「打ちごろの球やコースにしか投げ切れなかったことが悔やまれる」とうなだれた。  先発投手は上沢と有原に続く存在がおらず、苦しい戦いが続いている。数少ない左腕の先発候補の上原は「自分の力不足なので、また一からやり直して頑張る」と絞り出した。 日本ハム・栗山監督(千賀に) 「いい投手。今日はやられた。次は頑張ります」 日本ハム・木田投手チーフコーチ(上原について) 「立ち上がりからリズムをつくれず、苦しい投球になってしまった」

◆1番に起用されたソフトバンクの川島が、3安打1打点と打線をけん引した。  一回に初球を左前打。1死二塁から三盗を鮮やかに決め、松田宣の適時打で先制のホームを踏んだ。1-0の二回は、好機に右前適時打で追加点をもたらす。相手先発が左腕上原で、左キラーとしての先発出場に応え「1番打者の仕事ができた」と満足げだった。  四回も右投手の玉井から中越え二塁打を放ち、2年ぶりの3安打と気を吐いた。 工藤監督(9球連続ファウルで粘り、11球目で適時内野安打の牧原に) 「あれだけ球に食らいつく姿は、みんなにとっても勇気になった」 松田宣(先制打を含む2適時打) 「走者がいるところで集中して打てた」 デスパイネ(三回に左翼席へ特大の3号ソロ) 「いいスイングができたし、完璧だったね」

◆中田が5点を追いかける七回に千賀から左中間席に4号ソロ。一矢を報いたが、二、五回は空振り三振に倒れ「手も足も出なくて、悔しいです」と唇をかんだ。チームの連勝は「2」で止まり、勝率5割に逆戻り。緑の限定ユニホームで戦う北海道シリーズの初戦を落とし、栗山監督は「明日、頑張ります」と気持ちを切り替えた。 千賀から今季初の3安打を放った日本ハム・近藤 「スーパー投手。初球からどんどん打てる球に手を出した」 八回から登板し、2回1安打無失点に抑えた日本ハム・斎藤 「真っすぐでファウルが取れた。ちょっとずつ結果を積み重ねていくしかない」 三回途中まで7安打4失点で2敗目を喫した日本ハム・上原 「打ちごろの球やコースにしか投げ切れなかったことが悔やまれる。自分の力不足なので、また一からやり直して頑張る」

◆試合後の談話からも余力を感じさせる風格たっぷりの投球だ。ソフトバンク・千賀が自己新となる4試合連続の2桁奪三振で2勝目を挙げ、平成最後の登板を飾った。  「すごくよかったかといえば、そうでもないんですけど」  一回に先制点をもらって「投げやすい環境にしてくれた」と毎回の11三振を奪った。六回2死、王柏融の空振り三振で4試合連続の2桁。リーグ断トツの54奪三振を「いいことだし、欲しいところで取れたらもっといい」と自己分析すると、サラリと言ってのけた。  「あと4つ(試合)頑張ります」  2017年に則本(楽天)が記録した8試合連続のプロ野球記録を口にした。「冗談ですよ」と言い直したが、実現を予感させる安定感だ。七回は中田のソロの後の2死二、三塁で、代打・田中賢を二直。工藤監督は「最後の踏ん張りも。(昨季まで)なかったとはいわないけどね」と成長を確信した。7回6安打1失点で、防御率1・46。エースの好投でチームは首位に立ち、今季最多タイの貯金5とした。  最速157キロを計測した直球は「大したことなかった」と振り返った千賀だが、収穫は代名詞のフォーク。中盤に感覚をつかみ、三回から六回の7奪三振の決め球となった。開幕前から苦戦している球種で、指揮官からも「久しぶりにお化けフォークだったな」と声をかけられた。  「それ(原因)が分かれば苦労しないんですけど。投げ方も変えたし、いろいろ変わっているからじゃないですかね」  オフは肉体強化で体重も5キロ増え、姿勢やグラブの持ち方などフォームも改造した。まだ試行錯誤が続く段階でも結果を出し続けている。 (安藤理)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
ソフトバンク
1492 0.609
(↑0.018)
-
(↓0.5)
118101
(+5)
70
(+1)
31
(+1)
19
(+2)
0.252
(↑0.003
2.470
(↑0.05)
2
(1↓)
楽天
1391 0.591
(↓0.028)
0.5
(↑0.5)
120111
(+5)
94
(+6)
25
(+3)
9
(-)
0.246
(↑0.004)
3.800
(↓0.1)
3
(1↑)
西武
11111 0.500
(↑0.024)
2.5
(↑0.5)
120134
(+11)
123
(+7)
26
(+1)
27
(+3)
0.261
(↑0.007)
4.580
(↓0.11)
3
(-)
日本ハム
11112 0.500
(↓0.024)
2.5
(↓0.5)
11984
(+1)
100
(+5)
13
(+1)
8
(-)
0.238
(↓0.002)
3.920
(↓0.04)
5
(1↑)
ロッテ
9131 0.409
(↑0.028)
4.5
(↑0.5)
12088
(+6)
111
(+5)
28
(+1)
18
(+1)
0.233
(↑0.001)
4.280
(↓0.03)
6
(1↓)
ORIX
8133 0.381
(↓0.019)
5
(↓0.5)
11981
(+7)
101
(+11)
21
(+1)
26
(+2)
0.226
(↑0.003)
3.880
(↓0.3)