広島(☆2対0★)中日 =リーグ戦6回戦(2019.04.25)・マツダスタジアム=
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中日
0000000000700
広島
00000002X2500
勝利投手:大瀬良 大地(2勝2敗0S)
敗戦投手:ロドリゲス(0勝1敗0S)
  DAZN
◆広島が7連勝。広島は両軍無得点のまま迎えた8回裏、2死一二塁の好機から會澤が適時二塁打を放ち、2点を先制する。投げては、先発・大瀬良が9回無失点の快投で今季2勝目。敗れた中日は、先発・ロメロが7回無失点の力投を見せるも、打線が援護できなかった。

◆2試合連続欠場中の広島鈴木誠也外野手(24)が全体練習に復帰した。 ウオーミングアップに姿を見せると、トレーナーとともに外野でキャッチボール。その後フリー打撃では右投手から18スイング中4本の柵越え、左投手からも18スイング中4本の柵越えを記録した。 鈴木は前日24日まで2日続けて全体練習を回避し、試合も欠場していた。前日まではベンチ登録されながらベンチに姿はなかったが、この日はスタメンからは外れる見込みながらベンチ入りする予定。久しぶりにチームメートと汗を流した鈴木は「頑張ります。(患部は)大丈夫です」と爽やかに汗を拭った。高ヘッドコーチは「あれだけ振れれば大丈夫じゃないか。(起用は)状態を確認してからまた考える」と話すにとどめた。

◆広島が長野久義外野手(34)の思わぬ珍プレーで先制を逃した。両軍無得点の4回。1死から左前打で出塁した長野は、続くバティスタの三塁線を破る当たりで一気に三塁を回って本塁を狙った。 だが、ベースを蹴った直後から足がもつれると、三本間でずっこけた。左翼からの送球が戻り、捕手加藤からのタッチで走塁死。その後2死一、三塁とするも、得点には結びつかなかった。 それでも右翼のポジションに向かう長野には、スタンドから大きな拍手が送られた。

◆序盤は両先発の投手戦。中日ロメロが1死三塁を切り抜けると、広島先発大瀬良も3回まで毎回走者を背負いながら後続を断った。 中日は6回まで3併殺。広島は4回2死一、三塁、6回1死三塁であと1本が出なかった。両軍無得点のまま終盤へ。 広島は8回2死一、二塁から会沢が中越え2点二塁打を放ち7連勝。先発大瀬良が完封で2勝目。中日は今季初の3連敗。 中日ロドリゲスが1敗目。

◆中日が必勝パターンに持ち込んだものの、打ち砕かれた。7回まで0-0。先発ロメロからバトンを受けたロドリゲスが、2死一、二塁から会沢に中越え二塁打を許してしまった。 16年5月5日の阪神戦以来、3年ぶりの2試合連続完封負け。今季初の3連敗で中日は貯金をなくした。 「いい投球をされると簡単にはいかない。この3連敗を次につなげるかが大事だ」。悔しさをかみ殺し、与田監督は話した。収穫は今季3度目の先発ロメロが好投。「球を低めに集めて、ストライクゾーンで勝負する自分の投球ができた」と、自身も納得できる来日最多の7回、107球を投じ、4安打無失点だった。 打線は22イニング無得点。この日も好機に3併殺と大瀬良を打ち崩せず、8回2死二塁での平田の左前打で高橋は本塁を狙ったがクロスプレーでアウト。執念のリクエストも判定は覆らなかった。「勝つための準備をしてやっていくだけ」。指揮官は平成最後の本拠地ナゴヤドームでの阪神3連戦へ気持ちを切り替えた。【伊東大介】

◆女房役が投打でチームをけん引した。広島会沢翼捕手(31)が7連勝に大きく貢献。2度の得点機で凡退も、8回に中日ロドリゲスの156キロ直球を中堅にはじき返す決勝打を放った。 守っては完封勝利の大瀬良を好リード。2試合連続0封勝利に導いた。平成最後の本拠地マツダスタジアムでの試合を勝利で締めくくり、最大8あった借金は「1」。完済を目前とした。二塁ベース上で2度、右拳を握ると、もう1度力を込めて右拳を握った。会沢は大瀬良への愛情と、自身への怒りをバットにぶつけた。同点の8回2死一、二塁から中日ロドリゲスの156キロ直球をぶったたいた。鋭い打球は中堅手の頭上を襲い、2人が生還。均衡を破るとともに先発大瀬良に2勝目を届けた。 4回は2死一、三塁、6回は2死一、二塁でいずれも凡退。ブレーキとなっていた。「ここで打たなかったら、やばいと思っていた。本当に大地に勝ちが付いたことが一番良かった」。自分のことよりも、開幕戦勝利を最後に白星から遠ざかっていた大瀬良のために打った。リードでは中盤までは直球系の球種で押し、終盤はフォークを増やすなど、最後まで中日打線に的を絞らせなかった。 野手の中では兄貴分も、投手との関係は女房役に徹する。前面に出るのではなく、投手を引き立てるタイプ。投手の内面を知るため、普段からさりげなく近づき、声をかける、表情を見る...。「何を考えているのか分かるし、意外とそういう性格しているんだと気づくこともある」。この日バッテリーを組んだ大瀬良は2年前から「僕もアツ(会沢)さんに近づこうとしています」という。共同作業だった。この日も試合中、意見交換する姿も見られた。2人で積み重ねた信頼関係が、完封勝利につながった。 会沢は前日の野村に続き、2試合続けて先発投手とお立ち台に上がった。「なかなかないことなので良かったです。バッテリー間でいい試合をつくれているのかな」と、2試合連続0封勝利に優しい笑顔を見せた。緒方監督も「今日もリードが本当に良かった。何より8回の打撃は大瀬良を助けてくれて。いい女房じゃない?」と内助の功をたたえた。頼れる扇の要が緒方野球の屋台骨を支えている。【前原淳】

◆中日が必勝パターンに持ち込んだものの、打ち砕かれた。7回まで0-0。先発ロメロからバトンを受けたロドリゲスが、2死一、二塁から会沢に中越え二塁打を許してしまった。 16年5月5日の阪神戦以来、3年ぶりの2試合連続完封負け。今季初の3連敗で中日は貯金をなくした。 村上隆行打撃コーチ(2試合連続完封負けを喫するなど打撃不振について)「みんな難しく考え過ぎていた。いい勉強になったはず」

◆広島が2試合連続0封勝利で連勝を7に伸ばした。最大8あった借金は完済目前の1とした。5割到達目前で27日から12連戦に臨む。緒方孝市監督(50)の談話は以下の通り。 -大瀬良投手が完封 緒方監督 粘り強く最後まで投げ切ってくれたので、大地に尽きるでしょう。プラスそれをリードした会沢。今日もリードが本当に良かったと思うし、しっかりインサイドと外の球をうまく使い分けていたし、何より8回の打撃というのは大瀬良を助けてくれて、良い女房じゃない。 -開幕から好投を続ける 緒方監督 勝ち星こそ1つだったけど、それ以上の内容はずっと見せてくれているし、今シーズン柱として引っ張っていっていく十分の投球内容を今日もしてくれた。次回も頑張って欲しい。 -会沢選手はそれまでの打席の悔しさをぶつけたよう 緒方監督 今日は簡単に打てるような投手ではなく、難しくてこずることもある。最後うまくコンパクトにいい打球を飛ばしてくれたね。目の覚めるような。いい打撃でした。 -8回には西川の好返球もあった 緒方監督 守備? どんどん慣れてきている。その前のフライもあれくらいは捕らないといけないフライもあった。打撃内容も良くなってきている。守備でもそれくらいの能力があると思って、こちらも外野に回している。平均以上のものを出してくれると思っている。 -進塁打もあった 緒方監督 バントにしても、長野の打席の右打ちにしても、ランエンドヒットの形の進塁打にしても、いいつなぎだった。攻撃の形はしっかりできていた。得点こそできていなかったけどね。こういう形が我々がやっている攻撃。 -明後日から12連戦 緒方監督 12連戦というよりも、うちは1試合1試合戦っていくだけなのでね。

◆広島大瀬良大地投手(27)が、新人の14年9月6日DeNA戦以来5年ぶり、プロ2度目の完封勝ちで、7連勝を引き寄せた。8回を終え102球。佐々岡投手コーチに「いくぞ」とはっぱをかけられ、力がみなぎった。9回最後の打者阿部は、145キロの真っ向勝負で中飛。本拠地の大歓声に包まれた。 「いや、うれしいです! 1人1人アウトにすることだけ考えました。最後の『大瀬良コール』はしびれました!」 パワーの源は新婚の真由夫人が用意するナイター後の手料理だ。いつも栄養のバランスを考え、おかずを多い時は7、8品用意して待ってくれている。あまりにおいしく「翌朝の分も入っているからね」と言われている炊飯器のご飯まで、ついついおかわり。夜のうちに食べ尽くしてしまう。疲れがたまる時期にもかかわらず、開幕前より体重が1キロ増え94キロ。増量はいい傾向で、最多勝&最高勝率の2冠を獲得した昨年も、夏場は99キロまで増えた。 開幕戦で巨人菅野に投げ勝って以来、勝ち星から遠ざかっていたが、チームが連勝を重ねる中「今度こそ自分も」と燃えていた。今季2勝目は平成最後のマツダスタジアムでの勝利にもなった。「あっ、そうか...」。そんなことも忘れるほど、目の前の1球に没頭していた。

◆中日は16年5月5日の阪神戦以来、3年ぶりの2試合連続完封負け。今季初の3連敗で貯金をなくした。与田剛監督のコメント。 「いい投球をされると簡単にはいかない。この3連敗を次につなげるかが大事だ」 「勝つための準備をしてやっていくだけ」

◆広島が中日を2-0で破り、今季初の7連勝。開幕投手を務めるなどエースとしてフル回転している大瀬良大地投手が今季初の中5日のマウンドで、7安打完封の快投。2勝目を挙げた。  0-0の八回2死一、二塁のチャンスから、会沢の2点二塁打を放ち、ついに均衡を破った。大瀬良は5年ぶりの完封勝利。2カード連続の同一カード3連勝、そして昨年8月28日から9月4日以来の7連勝を決めた。

◆広島の会沢が殊勲の2点二塁打を放ち、2夜続けてお立ち台に上がった。0-0の八回2死一、二塁からロドリゲスの真ん中に入った速球を左中間にはじき返し、均衡を破った。  六回2死一、二塁の好機で三ゴロに倒れた悔しさをバネにした。「前の打席で凡退していたので、何とか大地に勝ちを付けてあげようと思って打席に入った」と、昨季は最優秀バッテリー賞に輝いた大瀬良を援護する一打に誇らしげだった。

◆中日のロメロは今季3度目の先発でも好調だった。左腕から155キロを超す剛速球を力いっぱい投げ、7回無失点。三塁に走者を置いたピンチも全てしのいだ。「ボールを低めに集めてどんどんストライクゾーンで勝負する自分の投球ができた」と語った。広島戦は6回無失点に封じた前回に続く好投だった。  味方打線が振るわず3勝目は逃したが、今後も相手を脅かす存在なのは間違いないだろう。

◆123球目、阿部を145キロの直球で中飛に打ち取ると、珍しく拳を握った。平成最後のマツダスタジアムに、広島・大瀬良が仁王立ちだ。新人時代の2014年9月6日のDeNA戦(横浜)以来1692日ぶりの完封勝利で、チームを7連勝に導いた。  「大瀬良コールに、シビれました。ガッツポーズは無意識に出ました。恥ずかしいですね」  今季初の中5日。五回まで毎回走者を背負うなど7被安打も、粘り強かった。八回2死二塁では平田に左前打を浴びたが、西川の好返球で本塁アウトに。敵将がリクエストする微妙なタイミングだったがリプレー検証でも判定は覆らず。直後に2点の援護を受けた。  投手戦を制し、開幕以来4試合ぶりの2勝目を手にした右腕を、緒方監督も「(大瀬良)大地に尽きる。十分な投球内容だった」と絶賛した。  憧れの存在に近づいている。長崎出身で幼少期には九州に本拠地を置くダイエー(現ソフトバンク)のエース、斉藤和巳氏のファンだった。1年前の春季キャンプでは解説の仕事でキャンプ地にやって来た同氏にフォームについて相談。インターネットでも現役時代の同氏のフォームを何度も見返して、今の"2段モーション"にたどり着いた。昨季は最多勝、勝率第1位を獲得、今季はエースとしてチームを引っ張っている。  「(憧れは)斉藤和巳さん。現役時代は勝率が高くて"負けないエース"と呼ばれていた。チームを勝たせられる投球をしたい」  勝敗が決するまで、チームを背負って投げ続けた伝説の右腕を彷彿とさせる完封劇。チームは2連続の同一カード3連勝で、7連勝。最大8あった借金を、わずか7日で1まで減らし、3位中日とゲーム差0・5。大瀬良が"負けない男"になって、鯉の逆襲の先頭に立つ。 (柏村翔)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
1480 0.636
(↓0.031)
-
(-)
121112
(+2)
84
(+11)
32
(-)
8
(-)
0.275
(↓0.002)
3.590
(↓0.38)
2
(-)
ヤクルト
13101 0.565
(↑0.02)
1.5
(↑1)
119126
(+11)
109
(+2)
30
(+5)
9
(-)
0.257
(↑0.01)
4.210
(↑0.09)
3
(-)
中日
11110 0.500
(↓0.024)
3
(-)
12188
(-)
74
(+2)
19
(-)
16
(-)
0.277
(↓0.002)
3.380
(↑0.04)
4
(-)
広島
11120 0.478
(↑0.023)
3.5
(↑1)
12080
(+2)
101
(-)
20
(-)
8
(+1)
0.228
(↓0.001)
3.570
(↑0.17)
5
(-)
阪神
10131 0.435
(↑0.026)
4.5
(↑1)
11991
(+5)
116
(+3)
20
(+2)
10
(-)
0.241
(↑0.002)
4.000
(↑0.04)
6
(1↓)
DeNA
9140 0.391
(↓0.018)
5.5
(-)
12086
(+3)
99
(+5)
28
(+3)
4
(-)
0.237
(-)
3.720
(↑0.08)