ソフトバンク(★2対3☆)オリックス =リーグ戦5回戦(2019.04.24)・福岡ヤフオクドーム=
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ORIX
0001000023610
ソフトバンク
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勝利投手:近藤 大亮(1勝1敗0S)
(セーブ:増井 浩俊(0勝0敗6S))
敗戦投手:森 唯斗(0勝1敗7S)
  DAZN
◆オリックスが逆転勝利。オリックスは1点を追う9回表、1死三塁から中川の適時三塁打が飛び出し、土壇場で試合を振り出しに戻す。続く好機には伏見が適時打を放ち、リードを奪った。2番手・近藤が今季初勝利。敗れたソフトバンクは抑えの森がリードを守れなかった。

◆ソフトバンク上林誠知外野手(23)が24日のオリックス5回戦(ヤフオクドーム)を欠場する。 上林は17日ロッテ戦で右手甲に死球を受けた。打撲でその後も試合に出続けてきた。チームはこの日遠征から戻り、工藤監督によると上林は福岡市内の病院で再検査を行い、状態を確認するという。 工藤監督は「よくなったり悪くなったりなので、今日は外して。休めば急激に回復することもある。今、ケガをしてもらうわけにはいかないので」と説明した。出場選手登録は抹消せず、まずは休養させる。 柳田、グラシアルら外野手の故障者は多く、この日は左翼明石、中堅牧原、右翼周東と内野手登録の3人をスタメン起用する。

◆オリックス・ドラフト7位の中川圭太内野手(23)がプロ初ヒットを記録した。 3回先頭の打席で1ボールからの2球目、武田の真ん中高めの直球をとらえた。打球は二塁を守る三森のグラブをはじき、右前に転がった。6番三塁でプロ初のスタメン起用に1打席目で応えた。

◆ソフトバンクは2回、2死三塁から1番牧原の一塁内野安打で1点を先制した。中5日の先発武田は3回まで1安打無失点投球。 ソフトバンクは同点の5回無死三塁、牧原の中犠飛で勝ち越し。オリックスは6回2死一、二塁としたが無得点。 オリックスは9回、中川、伏見の連続適時打で2点を挙げ逆転勝ち。連敗を3で止めた。近藤が1勝目。増井が6セーブ、森1敗。ソフトバンクは3連勝ならず。

◆オリックス・ドラフト7位の中川圭太内野手(23)が起死回生の同点打を放った。1点を追う9回、1死三塁。守護神森を相手にファウルで粘り、フルカウントからの10球目だった。 外角低めの変化球にくらいつき、右翼線を破る同点適時三塁打を放った。この日は6番三塁でプロ初スタメン出場し、プロ初ヒットに加え、プロ初打点と大仕事を果たした。直後の打席で、1死三塁から伏見が右前へタイムリーを放ち、勝ち越しに成功した。

◆ソフトバンクは守護神森唯斗投手が9回に1点リードを守れず、2失点で逆転負けした。 セーブ機会で失敗は18年6月27日の日本ハム戦(沖縄セルラー那覇)以来。先頭に死球を与え新人中川圭太内野手に同点三塁打、伏見寅威捕手に決勝適時打を許した。開幕から12試合目で初失点で初黒星となった。工藤監督は「森で負けたらチームとしても納得。100%の信頼で投げてもらっている」と変わらぬ信頼を口にした。

◆ソフトバンク先発の武田翔太投手は、3勝目ならずも自らの反省の弁を繰り返した。 6回まで1失点で1点差を守っていたが、7回先頭打者を出したところで降板。「3回から体重移動がおかしかった。もっと長いイニングを投げないといけなかった」。結局、9回に逆転されての敗戦に「中継ぎのみなさんに迷惑をかけてしまった。(逆転は)そういう時もありますから」と納得のいかない投球内容を悔やんだ。「修正ポイントは分かっているつもりです」。中5日の調整にも結果を出した右腕が、次回先発で3勝目を狙う。

◆逆転負けの中、ソフトバンクのドラフト1位甲斐野央投手が安定感ある投球で開幕戦初勝利に続いてまた1つ「勲章」を手に入れた。 この日、ルーキー右腕は8回を無失点に抑えた。ドラフト制後の新人で開幕から10試合連続無失点投球はプロ野球タイ記録。17年には有吉(ロッテ)森原、菅原(楽天)らが記録しているメモリアルに肩を並べた。 「10試合、タイですか? 明日打たれるヤツですね」と笑わせたが「(投球が)安定しているように見えるけど、まだまだです」と甲斐野は口元を引き締めた。 悔しさをバネにしている。オープン戦は7試合に登板し防御率8・53と数字を残せなかった。「悔しかったし、シーズンは緊張感が違う」と気を抜くことはない。この日もメネセスを152キロの直球で見逃し三振に仕留めるなど力で押した。「中継ぎは打たれれば終わり」。緊張感を持ち続け、新記録に挑む。

◆ソフトバンク三森大貴内野手(20)が、本拠地ヤフオクドームデビューで強烈な三塁打を放った。5回、先頭で打席に立つと外角高め直球を逆らわず左翼へ。打球はフェンスに直撃。一気に三塁を狙いヘッドスライディングで滑り込んだ。 「ヤバイと思って頭からいきました。ヘッドスライディングはあまりしないけれど、速いので」と笑った。 7回の打席では2ストライクと追い込まれていたのに、セーフティーバントを試みファウル。結果、スリーバント失敗となった。「初球の見逃したストライクをボールだと思っていました。ミスです。申し訳ないです」と試合後は反省しきりだった。 第1打席の二塁ゴロでも一塁へヘッドスライディングをするなど、故障者続出のチーム状況の中やってきたチャンスをものにしようと必死のプレーを続けている。

◆オリックス西村徳文監督がロッテ時代を含め監督通算200勝を記録した。 「信は力なり」。帽子のつばに記した言葉を実践し、節目を迎えた。ロッテのコーチ時代から親交があるという「泣き虫先生」こと京都工学院(旧・伏見工)ラグビー部総監督の山口良治氏から授かった。3月29日、日本ハムとの開幕戦に向かう直前の全体ミーティングで、その言葉を選手たちに伝えた。「仲間を信じたり、人を信じることによって、大きな力が生まれる。仲間を信じて自信を持っていこう!」。この日の劇的な逆転勝利も選手を信じた結果だ。

◆ソフトバンクの金星根(キム・ソングン)コーチングアドバイザーがよく言っていた言葉がある。 「左翼線、右翼線の守備を強化することで、チーム防御率が年間で0・5は改善する」 金氏は韓国プロ野球で監督として通算1000勝以上を挙げている「名将」である。左翼線、右翼線へ飛んだ打球をいかに長打にしないか。外野手の打球処理、送球の練習は特に力を入れたという。ノックは捕球ミスだけでなく二塁、三塁への送球がベース上から30センチ以上外れた場合も本数にカウントしなかった。「だいたい1日に100本はキャンプでやらせていたね。きちんとベース上に送球しないとやり直しですよ」と、金氏は涼しい顔で話していた。 ソフトバンクは24日のオリックス戦(ヤフオクドーム)で9回に守護神・森が2点を失い逆転負けを喫した。先頭打者への死球から盗塁と進塁打で1死三塁。7番中川は右翼線へ同点三塁打を放った。右翼手の周東は懸命に捕球し、カットマンの二塁手・三森へ送球。だが、三森の送球タイミングがワンテンポ遅れた。三塁への送球はワンバウンド。微妙なタイミングではあったがセーフ。続く伏見に一、二塁間を割られ、決勝点となった。 「あのプレーは、三森も他の野手も走者が三塁へは『行かない』と思ってしまっていた。行くものと思ってプレーしなくてはいけなかった」。試合後、本多内野守備走塁コーチは言った。カットに入った三森は走者に対して背を向けているだけに「他の選手の『サード!』という声もなかった。反省です」とも本多コーチは付け加えた。二塁で止めていれば決勝点を奪われいない、とも言い切れないが。だが、ミスとも言えない1つの進塁を許したことは今後の戦いの中でも修正していかなければならないことだろう。ホークスは故障者続出の中、釜元、周東、三森など若手の頑張りも大きい。そんな若鷹たちもワンプレーの重要さを知ることができたのではないだろうか。確かに敗戦は痛いが、若手のさらなる成長へつなぐ収穫ある1敗としなければならない。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆ルーキーが大仕事をやってのけた。オリックス・ドラフト7位の中川圭太内野手(23)がプロ初スタメンとなる「7番三塁」で出場。1点を追う9回1死三塁の場面でソフトバンクの守護神森から値千金の一打を放った。追い込まれてからもしぶとくファウルで粘り、フルカウントでの10球目。外角低めのスライダーにくらいつき、右翼線を破る同点適時三塁打で逆転勝利をたぐり寄せた。 「チャンスで回ってきたので、なんとしてでも振り出しに戻そうと思った。必死にくらいついた結果が打点につながって、よかった」 2軍公式戦に22試合出場で打率2割9分3厘、2本塁打、17打点と奮闘し、20日に1軍昇格。昇格後の試合は代打で2度出場し、凡退していたが、西村監督は「結果は出てなかったんですけど、頭から使ってみようと思った。最高の結果を出してくれた。足もあるし、すごく楽しみな選手ですね」と絶賛した。 先輩の言葉がルーキーの背中を押した。「試合前に(後藤)駿太さんから『忘れられない1日にしろよ』と言われ、いい精神状態で試合に入れた」。結果的に西村監督通算200勝につなげる一打となり、「自分自身でも忘れられない1日になりました」とお立ち台で胸を張った。3回先頭の第1打席ではプロ初安打。記念球については「お母さんにあげたいです」と親孝行ぶりをみせた。 "最後のPL戦士"に注目が集まるが、「PLの先輩でもまだプロを目指している人もいるので、自分は最後だと思っていない。OBの皆さんが応援してくださっている中で野球ができているので、まだまだ頑張っていかないといけないです」と話した。新人の奮闘でチームの連敗も「3」でストップし、最下位を脱出。新戦力が一躍救世主となった。【古財稜明】

◆ソフトバンクのプロ3年目、三森が「9番・二塁」でヤフオクドームでの初出場を飾り、本拠地での自身初安打となる三塁打をマークした。1-1の五回に先頭で左中間フェンス直撃の当たりを放ち、気迫のヘッドスライディングで三塁へ到達。直後の牧原の中犠飛で勝ち越しのホームを踏んだ。  青森山田高出の左打者。故障者が続出する中で18日に1軍初昇格を果たし、21日の西武戦でプロ初安打を含む3安打1打点とアピールに成功した。「行けと言われれば行くだけ」と気合十分で臨んだ一戦で、20歳のホープがまた期待に応えた。

◆ソフトバンク・上林誠知外野手(23)が24日のオリックス戦(ヤフオクドーム)で今季初めて欠場した。17日のロッテ戦(ZOZOマリン)での右手甲への死球の影響。福岡市内の病院で再検査を受けて「打撲」と診断された。  「思ったより長引いて、きょうの朝はけっこう痛かったので。よかったり悪かったりなので、あしたの朝の状態をみて。ぶり返すのはよくないので」  骨に異常はなく、出場選手登録の抹消は避けられた。工藤監督も「状況をみて(出場の可否を)判断していきたい」と話した。

◆ソフトバンクのドラフト1位・甲斐野央投手(22)=東洋大=が八回を三者凡退で抑え、デビュー戦から10試合連続無失点とした。1966年のドラフト制後の新人のプロ野球タイ記録。「記録はうれしいけど、自分のレベルが上がる要素を頂いて、毎日発見がある本当にいいチームに入れました」と、日頃の先輩や首脳陣の助言に感謝した。  西浦を中飛、吉田正をフォークで左飛、メネセスを152キロで見逃し三振。中軸を封じ、92年の河本育之(ロッテ)、02年の飯島一彦(ダイエー)、17年の森原康平と菅原秀(楽天)、吉優樹(ロッテ)に並んだ。

◆九回に登板した森は先頭打者への初球を死球とし、2本の適時打で逆転を許して昨年8月以来の黒星。工藤監督は「森君で負けたらチームにとっては納得。これまでいくつもチームを救ってくれている」と責めなかった。昨季は故障で離脱したサファテに代わって抑えを務め、最多セーブのタイトルを獲得した右腕は「しっかり切り替えて絶対にやり返す」と次戦での雪辱に燃えていた。

◆鋭い目で、粘りに粘った。オリックスの3連敗ストップの立役者は"最後のPL戦士"だ。ドラフト7位・中川圭太内野手(東洋大)が今季無失点の鷹の守護神をとらえた。  「何としても食らいついて、1点取ってやろうという気持ちでした」  1点を追う九回1死三塁で、森のカットボールに食らいついた。5球のファウルでフルカウントに持ち込み、10球目を右翼線へ三塁打。プロ初打点が値千金の同点打になり、伏見の右前打で決勝のホームへ。通算200勝とした西村監督も「最高のスリーベース。すごく楽しみな選手」と大きな期待を抱いた。  プロ初スタメンだった。前日23日に首脳陣から示唆され、この日のウオーミングアップ前に決定。後藤から「忘れられない一日にしろよ」と背中を押されたという。三回先頭の第1打席で右前にプロ初安打。「当たりはよくないけど、ヒットになって気持ちが楽になったのも大きいです」。七回に犠打も決め、最後の打席で主役を奪った。  「やってやるぞと思って、結果もよく、忘れられない日になりました」  主将を務めたPL学園高野球部は、中川が卒業した翌年の2016年夏で休部になり、東洋大で「PL最後のドラフト候補」と注目を集めてプロ入り。ウエスタンではトップタイの17打点を挙げて出番をつかんだ。  「プロを目指している先輩もいる。自分が最後とは思っていません。OBの方がたくさん応援してくれる中で野球をやれているので、まだまだ頑張らないと」  "逆転のPL"さながらの粘りで大きな一歩。若返りを図るチームに新たな戦力の台頭だ。 (安藤理)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
楽天
1371 0.650
(↓0.034)
-
(-)
122101
(+5)
82
(+15)
21
(+1)
8
(+1)
0.242
(↑0.001)
3.690
(↓0.57)
2
(-)
ソフトバンク
1292 0.571
(↓0.029)
1.5
(-)
12093
(+2)
69
(+3)
29
(-)
16
(-)
0.253
(-)
2.640
(↓0.01)
3
(-)
日本ハム
10102 0.500
(↑0.026)
3
(↑1)
12177
(+15)
90
(+5)
9
(-)
6
(-)
0.239
(↑0.013)
3.880
(-)
4
(-)
西武
9111 0.450
(↑0.029)
4
(↑1)
122114
(+4)
108
(+1)
23
(+2)
23
(+1)
0.251
(-)
4.330
(↑0.21)
5
(1↑)
ORIX
8113 0.421
(↑0.032)
4.5
(↑1)
12174
(+3)
87
(+2)
20
(-)
24
(+1)
0.224
(-)
3.600
(↑0.08)
6
(2↓)
ロッテ
8121 0.400
(↓0.021)
5
(-)
12274
(+1)
97
(+4)
24
(-)
17
(-)
0.226
(↓0.001)
4.040
(-)