DeNA(★1対3☆)阪神 =リーグ戦5回戦(2019.04.24)・横浜スタジアム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
阪神
0010010013801
DeNA
0000010001610
勝利投手:才木 浩人(1勝0敗0S)
(セーブ:ドリス(0勝0敗4S))
敗戦投手:大貫 晋一(1勝1敗0S)

本塁打
【阪神】陽川 尚将(1号・9回表ソロ)

  DAZN
◆阪神は3回表、2死一二塁から糸井が適時打を放ち1点を先制する。1点リードで迎えた9回には、代打・陽川のソロが飛び出し、貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・才木が6回途中1失点で今季初勝利。敗れたDeNAは打線が1得点と振るわず、泥沼の7連敗を喫した。

◆6連敗中のDeNAが、6選手の入れ替えを断行した。この日先発の大貫晋一投手(25)中継ぎ強化で進藤拓也投手(26)野手強化で梶谷隆幸外野手(30)が昇格し、砂田毅樹投手(23)中川大志内野手(28)桑原将志外野手(25)が2軍再調整となった。 昨季まで2年連続で60試合以上登板を果たし、ブルペンの柱だった砂田は今季7試合に登板も防御率4・50と不調。外野のレギュラー復帰を目指した桑原も14試合で15打数1安打、打率6分7厘と苦しんでいた。 アレックス・ラミレス監督(44)は「梶谷は2軍でいい成績を挙げている。進藤はリリーフのポジションで。使うならば早い回から、3イニングくらい。砂田はここ何日かいいピッチングができていなかった。能力は分かっているので、2軍でリフレッシュして帰ってきてくれれば。桑原も同様に3年間レギュラーをやってきていて、レギュラータイプの選手。2軍で状態を上げてほしい」と入れ替えの意図を説明した。

◆阪神糸井嘉男外野手(37)が、先制タイムリーを放った。 3回2死一、二塁から、DeNA先発の大貫の低めフォークを拾い、センター前へ運んだ。今季初登板の先発才木を援護する1点。糸井は「2死から1、2番が作ってくれたチャンスだったので、先制することができてよかったです」と話した。

◆阪神才木浩人投手(20)が、今季初登板で先発の役割を果たした。 1回に2安打されたが、捕手梅野が盗塁を刺すなどで無失点。6回に1死から3連打されて1点を失ったところで島本にマウンドを譲ったが、5回1/3を1失点と試合を作った。 才木は「初回から力んでしまった部分はありましたが、先発としてなんとかゲームを作ることはできました。厳しい場面で助けていただいた島本さんに感謝します」と話した。

◆阪神は3回2死一、二塁から糸井の適時打で先制。先発才木は3回まで無失点。DeNA先発大貫は3回まで1失点も6奪三振。 阪神は6回に梅野の二ゴロで1点追加。DeNAは6回、ソトの適時打で1点差に。先発の大貫は6回2失点、9奪三振で降板。 阪神は9回に代打陽川の1号ソロで点差を広げ2連勝。才木は今季初勝利、ドリス4セーブ目、大貫1敗。DeNAは15年6月以来、4年ぶりの7連敗となった。

◆阪神ラファエル・ドリス投手(31)が9回を締め、今季4セーブ目を挙げた。これで来日通算81セーブとし、球団の外国人最多記録を塗り替えた。試合後、ドリスの一問一答は以下の通り。   -今日のピッチングから振り返っていただきましょう。小差の場面で怖いクリーンアップ相手。見事に0点で締めくくりました。今日のピッチングいかがでしたか。 ドリス 好打者続きますけども、意識しすぎてもよくないので、とにかく自分の投球を心掛けて、仕事をしようと。いい結果になってよかったです。 -今日のセーブで、阪神の球団外国人史上最多という、呉昇桓投手を抜いて81セーブ、トップに立ちました。この数字はいかがでしょうか。 ドリス はじめ(日本に)来たときは、そんな偉大な記録に意識するなんてしてなかったんですけど、近づくにつれて皆さんに声も掛けていただいて、こうして記録を超えられて、非常にうれしいですし、そういう機会を与えてくださった、チームにほんと感謝したいと思います。 -まだ今シーズン始まったばかりですが、この数字どこまで伸ばしていきましょうか。 ドリス まだまだありますけども、あまり自分の数字意識せずに、とにかく与えられたところで、それがセーブがつくところならもちろんそうですけれども、自分の仕事に集中して、一生懸命やっていきたいと思います。 -多くの阪神ファンが今日も横浜でエールを送ってくれました。できれば、日本語で一言メッセージをいただけますでしょうか。 ドリス (大笑いした後で)ガンバリマス。

◆淡々と受け止めた。15年6月以来4年ぶりの7連敗。DeNAラミレス監督は「勝つ日もあれば、負ける日もある。今日は負ける日だった」と振り返った。 打線の一押しが足りなかった。先発大貫は6回2失点9奪三振の好投。降板直後の6回にようやく阪神才木を捉え、3連打で1点差に詰め寄る。なおも1死一、二塁の好機に筒香、宮崎が凡退。勝利への扉をこじ開けられなかった。 流れを変えるべく、もがいている。23日には4併殺。苦しい状況を打破すべく、ロペスの発案でこの日は監督、コーチ、野手らがストッキングを上げたオールドスタイルで試合に挑んだ。それでも本塁は遠く、わずか1得点に終わった。連敗中の7試合の総得点は13。ラミレス監督は「選手1人1人がベストを尽くしている。打つ時も打たない時もある」とかばうが、白星は遠い。 3三振に倒れた筒香は「負けたいと思っている選手はいない。結果を受け止め、勝つためのエネルギーを使いたい」と前を向く。一致団結し、連敗を止める。【島根純】   ▽DeNA大貫(6回2失点もプロ初黒星)「直球が走っていたので、普段より押す投球ができた。テンポのいい投球を心がけたい」

◆低迷打開の光だ! 阪神才木浩人投手(20)がDeNA打線を6回途中まで1失点に抑え、今季初先発で初勝利を挙げた。昨年6勝を記録したが、今季は調子が上がらず開幕を2軍スタート。メッセンジャー、ガルシアと主力投手が2軍調整中と苦しい台所事情にあって、若手右腕の好投は明るい材料になった。DeNAに連勝し、5カードぶりの勝ち越しを飾った。無理してオトナになる必要なんてなかった。マウンドに立つ才木の胸中は、燃えていた。「やっぱり、ピッチングは『満力』です。いろいろ工夫して考えて投げてましたけど...。今は全力で投げてます!」。答えにたどり着いた20歳右腕の表情はスッキリとしていた。 先発陣の相次ぐ離脱で巡ってきたチャンスを、見事にモノにした。今季初登板初先発は6回途中1失点で白星をゲット。矢野監督からも「球も力があった。まだ伸びしろもある。これから年間を通して頑張ってくれたら」と認められた。 ただ、反省は忘れない。6回の失点。ソトにタイムリーを浴びた1球だ。146キロ直球で内角を突いたが、詰まりながらも適時打を許した。「意識は高低よりもコース。バットをへし折るぐらいの強いボールを投げていきたい」。1つでも上のステージへ。自然と言葉に思いがあふれる。 プロ3年目。環境にも慣れてきた。心にも余裕が生まれ、「力」でなく「技」を磨こうと創意工夫を重ねた。「キャンプ中は6割の力や8割ぐらいで投げて、というのをやろうとしていたんです...」。握りの違う直球やタイミングを変える「抜き真っすぐ」にも着手。「深く握らずに投げてみたり、投球の奥行きを意識した。タイミングを外すことだけを考えていました」。緩急に重点を置くことばかりに気をとられ、持ち味であった直球の威力は影を潜めた。「まだ自分のレベルではできなかった。それに、今の自分には合ってなかった」。 目指した開幕ローテーションから脱落。結果が出せない自分にムシャクシャした。訳もなく叫びたくなる日もあった。それでも鳴尾浜で自らの現在地を見つめ直した。「もう1度フォームだとかリリースを見直す時間。そういう時間だと思うようにした。はやく1軍にという気持ちも強かった。でも、このままでは絶対にダメ。1軍にいるだけじゃなくて、投げて勝てないと意味がない」。 迷えば原点へ-。悩み抜いたから、今がある。「ダメなときもある。もう1回、自分を底上げして(先発ローテを)奪うだけです」。迷いの消えた20歳が先発ローテーションの救世主になる。【真柴健】   ▽阪神福原投手コーチ(先発した才木に)「よく投げてくれました。いいボールが多かった」

◆女房役の阪神梅野隆太郎捕手が攻守で奮闘した。 1点リードの6回には1死一、三塁の場面で、追い込まれてから左手1本で二ゴロを放ち、貴重な1点をもぎ取った。4打数無安打に終わったが、打率は3割5分5厘で首位打者をキープだ。 守っては今季初登板の才木を好リード。矢野監督は「梅野がよく引っ張っていた。構え方とか、意識づけとか」とたたえた。

◆阪神能見篤史投手が悲しみを胸に自分の仕事を果たした。父謙次さんが死去したため、20、21日の巨人戦を欠場。 この日が復帰後初登板だったが、6回のピンチを島本がしのいだ後、7回の1イニングを3人でピシャリと抑えた。能見は「仕事としてやっているのでね。シマ(島本)が本当に頑張ってくれたので、つなげられてよかったです」と振り返った。

◆阪神才木浩人投手(20)がDeNA打線を6回途中まで1失点に抑え、今季初先発で初勝利を挙げた。昨年6勝を記録したが、今季は調子が上がらず開幕を2軍スタート。メッセンジャー、ガルシアと主力投手が2軍調整中と苦しい台所事情にあって、若手右腕の好投は明るい材料になった。DeNAに連勝し、5カードぶりの勝ち越しを飾った。才木が、全力投球でも力まなくなったのは藤川にもらった「助言」があるからだ。 「投げるときに『上半身に力が入りやすいから、できるだけ下半身に意識を向けていけ』と言ってもらいました。球児さんは、上半身を一切触らないそうなので。上半身と下半身の連動性が大事だと気づかせてもらいました」 憧れだった火の玉ストレートは、体全体で生み出されていた。そんな直球の質に、才木のボールも近いという証人がいる。藤川のボールをずっと受けてきた片山プルペン捕手だ。「上からたたくので、ボールの回転が(2人は)似ている。指先でリリースにスピンを伝えているので軌道が一緒。思いっきり腕を振ってくるから、フォークも同じように落ちてくる」。憧れは見て、まねして学ぶ。チーム内に生きた教科書がいる才木は、まだまだ伸びる。【阪神担当=真柴健】

◆阪神陽川尚将内野手(27)が、貴重な1発を放った。1点リードの9回1死に代打で登場。DeNA三嶋の2球目スライダーをとらえた。 打球は左中間スタンドへ飛び込む今季1号ソロ。プロ入り2度目の代打アーチは、リードを広げ、勝利を確かなものにする一撃だった。「しっかりと、どんな形でも塁に出ようと心掛けていました。少ないチャンスでも打席で自分のスイングをしようと思って、しっかりそれができました」と充実した表情で振り返った。 矢野監督ら阪神ベンチも、両手で胸をたたく"ゴリラ・ポーズ"で出迎えた。陽川も笑顔でドンドンと胸をたたき、歓喜の輪に加わった。指揮官は「チーム状況としては苦しいけど、苦しい中で楽しむっていうことが選手の成長につながると思うし。うれしい時は思い切り喜んで、悔しい時は思い切り悔しいでいいんじゃないかなと思うので。陽川の得意なポーズなのでね」とたたえた。昨季、本塁打を2本打った相性のいい球場で、陽川も「そういうことをもっともっとやれるように、切り替えて明日もやっていきたい」とチーム浮上を誓った。

◆DeNAは15年6月以来4年ぶりの7連敗。アレックス・ラミレス監督のコメント。 「勝つ日もあれば、負ける日もある。今日は負ける日だった」 「選手1人1人がベストを尽くしている。打つ時も打たない時もある」

◆阪神は24日のDeNA戦(横浜)で2試合連続となる先制点を奪った。  三回2死からD1位・近本光司外野手(大阪ガス)が三塁線に転がる絶妙なセーフティバントで出塁すると、続く糸原が右前打。一、二塁としたころで糸井の中前適時打で先制した。糸井は「打ったのはフォーク。2死から1、2番が作ってくれたチャンスだったので、先制することができてよかったです」とコメントした。  最下位の阪神は勝てばDeNAとゲーム差なしで並ぶ一戦。まずは先手を取ることに成功した。

◆阪神は24日、DeNAに3-1で競り勝った。メッセンジャー、ガルシアと先発要員が次々に離脱する中、今季初先発した才木浩人投手(20)が5回1/3を5安打1失点と力投。自身初勝利を挙げるとともに、チームを勝利に導いた。  「力んでしまった部分はあったが、何とか試合をつくれた」  一回、先頭の神里に右前に運ばれたが、続くソトの打席で女房役の梅野が二盗を阻止。味方の好守もあり、ソトを外角低めの152キロのストレートで空振り三振。続くロペスに左翼フェンス直撃の左安打を許して、4番・筒香を高めの直球で空振り三振に斬り、無失点で切り抜けた。  最大のピンチは2-0の六回。1死から神里に左翼フェンス直撃の二塁打で初めて得点圏に走者を背負うと、ソトに内角の146キロを左前へ運ばれる適時打。さらに1死一塁でロペスに左前打を浴び一、二塁としたところでマウンドを降りた。  ここで登板した2番手・島本が奮投。筒香をキレのいいストレートで中飛に仕留めると、右打者の宮崎でも続投。ここも直球で二ゴロに抑えて「緊張感もあったが、自信を持って投げた」と胸を張った。矢野監督も「しびれる場面でナイスピッチング」と大絶賛だった。

◆阪神は九回、代打で登場した陽川が今季1号ソロを放って、貴重な追加点を挙げた。1死で打席に入ると、1ボールからの2球目、真ん中にきたスライダーを左翼スタンド中段へ。「少ないチャンスで、しっかり自分のスイングをしようと心がけていた。それができたと思います」。矢野監督も一緒になってやったゴリラポーズは「もっと見せられるように、きょうはきょう、明日は明日でやっていきたい」と量産を誓った。

◆--才木が初先発で好投  「球も力があった。まだ伸びしろもあるし、課題という部分もあるけど。でも、本当に1点でよく頑張ってくれた。なかなか先発ピッチャーが苦しい中で、岩田も出てきて、こうやって才木も出てきてくれたというのは大きい」  --六回途中の島本への継投は  「多少の迷いはあるけどね。才木も球数以上に疲れてるなっていうのがあったし。もちろん、筒香に対して三振、三振って分かってるんだけど、それよりもまあ、疲れてきてるなかと、シマ(島本)っていうのは迷いはそんななかった」  --昨日も九回をしっかり抑えただけに  「もちろん、つながりというのはあると思うし、信頼度というのは日々高まっている」

◆女子マラソンの名伯楽小出義雄さんが亡くなられた。享年80。お元気なときは、とてもお酒の好きな方だったらしい。  シンは強いが、女性はデリケートだ。それを長距離という競技で高橋尚子さんや有森裕子さんらを五輪でメダルに導いたのは「まずほめる...」ことだったらしい。  女性をほめる...ことにおいては筆者も自信があるけれども、そう簡単にはいかない。ましてや「いいねぇ。ワンダフルだョ」と心にもないことを並べても、微妙な女性心理は操縦不能な曲線を描くのだ。  ことごとくヨメさんに小馬鹿にされ続けてきただけに、その繊細なテクニックについては語る資格はないので割愛させていただく。  つまりは...誠実に尽くすしかない。  なんとなく神妙な気分で出社して...早速、鳴尾浜の菊地峻太朗記者に電話をした。おい...僕たちのマルテ選手と藤浪晋太郎投手はどうだったい? と...。すると鳴尾浜の菊地は電話の向こうでちょっと沈黙だ。自分の性格分析を「長所=まじめ。短所は心配性」と書いた横浜出身の若者らしく、こんな答えが返ってきた。  「マルテは『3番・DH』で試合に出て、3打数で1安打でした。やったぁ! というわけでもないし...。まだもう少しかなぁ...」とまじめにいう。これが藤浪のことになると声のトーンが低くなって「あの、実はゲームには出ていないんです。つまり...いつものように投球練習だけなんです。ですが...どこか問題があるかというのでもありません。...大丈夫ですョ」という。  なんだか禅問答みたいになってきたぞ。われわれはなぜか藤浪晋太郎が好きなのだ。アテにしている。祈るような思いだ。しかし...アレだけ甲子園で高校時代に実績を残した大器が、どこで逡巡しているのだろうか。そのメンタリティーは平田2軍監督でも見守るしかないのかもしれない。  名探偵コナンでも、灰色の脳細胞の名探偵ポアロでも、今は待つしかないナゾなのだろう...。  実は...47年前の1972年の今日4月25日、甲子園での中日戦で兼任監督の村山実投手は先発して完投勝利を飾っている。陣頭指揮の熱投をあてこんで、若すぎるという批判と心配のなかで当時の野田オーナーは強引に若い村山に二刀流を強いた。そのため彼は身体を壊す...ひそかに点滴を打って球場に出勤する日々...だが兼任3年目についに「村山投げろ!」の声に、彼は追い詰められる。チームは開幕から連敗続き...村山は投手専念を決意して、指揮権を金田ヘッド(当時)に委嘱する。この時点で監督村山の二刀流は音を立てて崩れて...投手村山が必死で投げれば投げるほど監督村山のイスは遠のいていって...そのジレンマはシーズン終了まで続き、監督の座も失う非情な終幕...。  藤浪晋太郎はそこまで瀬戸際に立ってはいないが、自分探しの旅のまだ途中なのだ。あれだけの逸材を早くマウンドに戻して、その雄姿を見たい! 藤浪がエースに戻らねば、タイガースの栄光はないとまで思うのは、単なる老トラ番の感傷ではあるまい...。  この夜、横浜スタジアムには試合直前にハラハラと春愁の雨が降った。しかし、先発した才木の気迫の96球はそれをすぐ吹き飛ばした...。いささかのピストル打線がそれでも必死の2点と陽川のソロを阪神の抑えのカルテットが踏ん張った...。昨夜の酒はまた格別だったでしょうが。  春光の 海よりそゝぐ 木々のの肌...(嶽水)

◆『虎は死なない~梅野が古田に見えた夜~』  わが阪神の先発は昨年6勝を挙げたとはいえ、開幕に出遅れ今季初登板の20歳、才木浩人であった。  一回、DeNA先頭の神里にヒットを許し、気持ち的に大ピンチの場面に...、出ましたァ!! 梅ちゃんバズーカで盗塁アウト!! そこから才木が落ち着いたのだ。  そして、1点リードの六回1死一、三塁で迎えた梅野の打席がまさに野球頭脳の極みの一打だったのだ。セオリーなら外野への犠飛を狙うのだが、あえて外のボール気味の球を当てにいって、ボテボテの二ゴロで2点目をいただき!!  言っておきますけれど、梅ちゃんって一応、ここまでセ・リーグの首位打者でっせ。あそこでヒットを欲しがっても決して悪くないのに...。俺はその時、史上最高捕手の古田に見えたのだ。と、同時に古田を育てた監督のノムさん(野村克也氏)の教え子が矢野監督で、その指導を受けているのが梅ちゃんで、ノムさんの野球因果に寒気さえ覚えたのだった...。  六回のピンチに能見でもなく、岩崎でもなくあえて若虎の島本をぶち込み、後続を断った矢野采配もしびれた~。よって、矢野阪神は死にましぇ~ん!!

◆陽川は今季7打席目で待望の今季初アーチ。九回1死から代打で登場し、1ボールからの2球目、真ん中にきたスライダーを左翼スタンド中段へ運んだ。「少ないチャンスで、しっかり自分のスイングをしようと心がけていた。それができたと思います」。指揮官も一緒になってやったゴリラポーズは「もっと見せられるように、きょうはきょう、明日は明日でやっていきたい」と量産を誓った。

◆先発のD3位・大貫(新日鉄住金鹿島)が6回2失点も、打線が相手投手陣を崩せなかった。野手陣がユニホームを膝下まで上げるオールドスタイルで統一し、一丸となったが阪神と並ぶ最下位に転落。就任4年目でワーストの7連敗を喫したラミレス監督は「野球は勝つこともあれば、負けることもある。あす(25日)はナンバーワン投手が投げる。高い期待を持っています」と今永に勝利を託した。 6回2失点で初黒星を喫したDeNAのD3位・大貫(新日鉄住金鹿島) 「安打を7本許し、走者を塁に置く時間が長く、攻撃につなげづらくしてしまったことは反省点です」

◆4試合連続で「1番・中堅」で出場したD1位・近本光司外野手(大阪ガス)が先制をおぜん立て。三回2死で先発・大貫の初球をセーフティーバント。三塁線ギリギリに転がし、内野安打で出塁して、糸井のタイムリーにつなげた。「1巡目(の打席)がいい流れじゃなかったので、流れを変えようと思っていた。先制できてよかった」。これで6試合連続安打と好調を維持している。

◆圧巻の3球三振締めだった。九回2死一塁。ドリスが最後の打者・佐野に対してフォーク3連投で今季4セーブ目。通算81セーブで、呉昇桓(現ロッキーズ)が2014年から2年間の在籍でマークした「80」を1つ上回った。「記録は近づくにつれて気にしていた。でも、きょうのマウンドでは意識していなかったね。セーブの機会を作ってくれたチームメートに感謝したい」。虎4年目で、防御率は依然0・00をキープしたまま。不滅の球団記録保持者になりそうだ。

◆力強い直球でねじ伏せた。今季初先発した才木が5回1/3を投げ、5安打1失点。今季初白星も走者を残したままマウンドを降りたことを悔やんだ。  「五回まで投げて、中継ぎの方にああいう形で負担をかけてしまったので、そこは反省点です」  六回1死から神里に左中間二塁打を許すと、ソトに内角の直球を左前に運ばれて、失点。続くロペスにも左前にはじき返され、一、二塁としたところで、交代を告げられた。それでも五回までは二塁を踏ませない圧巻の投球を披露。最速152キロの速球で押し、5安打に封じた。  「まだ(シーズンは)始まったばかりなので、ここからチームの勝ちに貢献できるように」  メッセンジャーやガルシアが2軍で調整するなど先発事情が苦しい中、高卒3年目の20歳が"救世主"となる。 (織原祥平)

◆勝敗のかかるシビれる場面で、自身の価値を証明してみせた。渾身の力で左腕を振り、島本が筒香、宮崎を仕留めて相手打線の勢いをピタリと止めた。"矢野チルドレン"が魂の6球で、連勝への流れを守りきった。  「気持ちで抑えました。(筒香の1球目に)フォークで空振りをとれたことが大きかったです」  淡々と、冷静に振り返るコメントが頼もしい。好投の才木が1点差に詰め寄られ、なおも六回1死一、二塁の大ピンチで筒香を迎え、矢野監督はビハインドの展開などで起用してきた島本の名をコールした。  「大きかった」という初球は梅野のサインに何度も首を振り、フォークで空振り。2球目は真ん中144キロ直球で中飛に抑え、続く宮崎もカウント2-1からキレのある直球で二ゴロに打ちとり任務完了。強力リリーフ陣へバトンを渡し、接戦を制した。  2/3回を無安打無失点で連続無失点を7試合に伸ばし、今季11試合で防御率1・59と存在感を増してきている。金本前政権で一気にブレークした桑原の背中を追ってきた。2016年オフから弟子入りし、時には"師匠"のために自らスマートフォンをにぎって、練習するグラウンド探しに奔走したこともある。  ただ、17年は登板なし、18年は1試合のみで悔しさしか残らない数字が続いた。自己分析は「投げる体力があまりないと見られやすい」。鉄腕へ生まれ変わるため、今オフは休日を減らしてジムやランニングメニューで追い込んだ。1月中旬からは桑原と甲子園で自主トレに励んだ。どん欲な日々をキャンプでの猛アピール、そしてこの日の結果にも結びつけた。  昨季2軍で見てきた矢野監督も「もともと使えるというかね。ファームで見ていても守屋も」と期待を隠さない。藤川、桑原は2軍調整中で、今後はさらに厳しい場面での登板も見込まれる。「あいつ(島本)自身も成長していけると思うような場面の登板で、(成長できるような)抑え方だったので申し分ないです」と声を弾ませた。  育成からはい上がってきた"矢野チルドレン"が、巻き返しの秘密兵器になる。 (新里公章) 六回に好リリーフした島本について阪神・金村投手コーチ 「根性がある。打者に向かっていく姿勢が一番強い」

◆とどめの一発に、虎将の興奮も頂点に達した。2-1の九回、代打で送り出した陽川が勝利を決定づけるアーチ。矢野監督も背番号55の代名詞・ゴリラポーズで喜びを爆発させた。  「うれしいときは思い切り喜んで、悔しいときは思い切り悔しい、でいいんじゃないかな」  ハイライトは九回だ。先頭のD3位・木浪聖也内野手(ホンダ)の打席中に、北條をネクストに置いた。しかし木浪が遊ゴロに倒れ、走者なしとなったところで一発のある陽川に切り替え。これがずばり的中した。1ボールからの2球目を左越えへ運び、リードを2点に広げることに成功した。「でかいなぁ。陽川の持ち味を出してくれたと思う。ドリスも1点で(九回に登板)行くのと、全然違うから。すごく助かった」と期待に応た大砲に最敬礼した。  今季はベンチも含めて打てば全員でガッツポーズをしてきたが、陽川バージョンは『ゴリラポーズ』。昨季、2軍から始まったもので、1軍でもホームランを打てばお決まりとなっていた。昨季2軍で指揮を執った矢野監督も、当然とばかりに両手で胸をたたいてベンチで出迎え。「陽川の得意なポーズなのでね」と先頭に立って喜びを爆発させた。  六回には2-1と迫られ、なお1死一、二塁のピンチで4番・筒香を相手に島本を投入。今季リード時の登板は、前日23日に5点リードしている場面でしかなかった左腕を送り出し、これもずばり。采配がさえ渡った。  「チーム状況としては苦しいけど、楽しむっていうことが選手の成長にもつながると思う」  単独最下位は脱出したものの、まだ借金4と手放しで喜べないが、矢野虎の表情が明るくなってきた。  (大石豊佳)

◆ホンマ、いい仕事してるやん! 阪神・糸井嘉男外野手(37)が三回に中前へ先制打を放ち、実に56打席ぶりのタイムリーで今季3度目の連勝に導いた。昨季10勝3敗だったハマスタで、その勝負強さも復活。この勢いで矢野虎初の同一カード3連勝いくで~!  燃えるように真っ赤な手袋をバシッと合わせ、一塁上から三塁ベンチへ右手を突き上げる。ほえていた。横浜で火がついた虎打線。その中心で、糸井もついに燃えた。最初のチャンスを、技アリの一打でつかみとった。前夜の福留に続き、糸井もここから本調子だ。  「いい仕事してるやん」  値千金の決勝打に、試合後は"超人節"で自画自賛だ。0-0で三回に入っていた。11日の甲子園での初顔合わせでも5回5安打1失点の好投を許し、プロ初星を献上したDeNAのD3位右腕・大貫晋一投手(新日鉄住金鹿島)は、この日も序盤からグイグイ来ていた。糸井だけは第1打席でも痛烈な中飛を放っていたが、1巡目の打者9人で6三振を奪われた。  そんな中、三回2死から虎のD1位・近本光司外野手(大阪ガス)が三塁線へ絶妙セーフティーバント。糸原も右前打で続いて一、二塁とおぜん立てされ、糸井が燃えないワケにはいかなかった。カウント1-1からの3球目。地面スレスレの139キロフォークを巧みにバットで拾い上げ、ライナーで中前へ運んだ。二走・近本が悠々生還。打つべき男が打てば、やはり勝つ。これが決勝点になった。  試合前の得点圏打率は・250。安打は出ていたが、糸井にここぞでの一打が出ないことが、そのまま苦戦につながっていた。打点も、犠飛を放った18日のヤクルト戦(神宮)以来5戦ぶり。適時打に至っては4月9日のDeNA戦(甲子園)以来56打席ぶりだった。この間には甲子園でのデーゲーム後に、黙々と室内で打ち込む姿もあった。前日23日には福留も3ランを含む4打点で完全復活。チームが大の得意とする横浜で、糸井もついによみがえった。  糸井が導かなくては、虎は上へはいけない。洗練され格好いい超人に、チーム全体が自然と引っ張られていく。今季は燃えるように真っ赤なレガーズを装着しているが、そこへ歩み寄った新加入のガルシアが「めちゃくちゃカッコイイですね! 僕にください!!」と懇願してきた。  面食らったが、太っ腹にプレゼント。そして「メーカーの人にも、手配してもらえるようにお願いしてみたら?」と助言も付け加えた。超人の一挙手一投足が、新助っ人をも魅了し、虎を1つにする。この夜のガッツポーズについては「(チームのために)やらなアカンねん」と照れくさそうに振り返ったが、そのアツさが3-1での逃げ切りを呼び込み、虎を単独最下位からDeNAとの5位タイへ引き揚げたことは間違いない。  「勝ってよかったです」  ベテランに次々と火がつき、約2週間ぶりの連勝で5カードぶりの勝ち越しも決めた。燃える糸井を中心に、今季初のカード3連勝もいただく。 (長友孝輔)

◆阪神の勝因は六回の継投。先発・才木の状態を正確に見極め、島本にスイッチした。島本もキレのある球でピンチをしのいだ。  とはいえ、そこまで力投した才木がこの試合最大の収穫であることには間違いない。力のある速球は、相手がどこでも通用するし、今後もローテの一角を任せていい。  ただ、反省点も浮き彫りになった。変化球の制球があまりにも悪いことだ。立ち上がりは、久々の1軍先発ということで力んでいたし、そこで力で押す投球になるのはやむを得ない。ところが、二回以降もカーブでストライクが取れず、フォークも見極められていたから、ほぼ真っすぐで押し続けることになった。  裏を返せば、カウント球も勝負球も真っすぐだけで、緩急もつけずに五回までゼロに抑えるのだから大したもの。が、この投球では球数以上に疲れてしまう。真っすぐの威力が落ちた六回につかまったのも仕方がない。  いかに変化球でカウントを整えられるか。それさえできれば、勝ち星は重ねられる。  (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
1470 0.667
(↑0.017)
-
(-)
122110
(+7)
73
(+2)
32
(+2)
8
(+2)
0.277
(↓0.001)
3.210
(↑0.06)
2
(-)
ヤクルト
12101 0.545
(↓0.026)
2.5
(↓1)
120115
(+2)
107
(+7)
25
(+1)
9
(+1)
0.247
(↓0.001)
4.300
(↓0.12)
3
(-)
中日
11100 0.524
(↓0.026)
3
(↓1)
12288
(-)
72
(+5)
19
(-)
16
(-)
0.279
(↓0.002)
3.420
(↓0.1)
4
(-)
広島
10120 0.455
(↑0.026)
4.5
(-)
12178
(+5)
101
(-)
20
(+3)
7
(-)
0.229
(↑0.003)
3.740
(↑0.18)
5
(1↓)
DeNA
9130 0.409
(↓0.02)
5.5
(↓1)
12183
(+1)
94
(+3)
25
(-)
4
(-)
0.237
(↓0.003)
3.800
(↑0.04)
5
(1↑)
阪神
9131 0.409
(↑0.028)
5.5
(-)
12086
(+3)
113
(+1)
18
(+1)
10
(-)
0.239
(↓0.001)
4.040
(↑0.14)