巨人(★6対11☆)ヤクルト =リーグ戦2回戦(2019.04.13)・東京ドーム=
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ヤクルト
200200331111504
巨人
00031101061413
勝利投手:マクガフ(2勝0敗0S)
敗戦投手:吉川 光夫(0勝1敗0S)

本塁打
【ヤクルト】山田 哲人(3号・1回表2ラン),バレンティン(2号・4回表ソロ),雄平(3号・4回表ソロ),バレンティン(3号・7回表3ラン)
【巨人】岡本 和真(4号・4回裏ソロ),坂本 勇人(4号・5回裏ソロ),田中 俊太(1号・8回裏ソロ)

  DAZN
◆ヤクルトが空中戦を制した。ヤクルトは1点を追う7回表、バレンティンに3ランが飛び出し、逆転に成功する。続く8回には上田、田代、青木の3者連続適時打で3点を挙げ、リードを広げた。投げては、2番手・マクガフが今季2勝目。敗れた巨人は投手陣が精彩を欠いた。

◆巨人坂本勇人内野手(30)が2戦連続となる4号同点ソロを放った。 5回1死、1ボールからヤクルト石川の内角130キロをフルスイング。左翼ポール奥へ運んだ。打った瞬間、手応えでスタンドインを確信。一塁ベンチへ向け、笑みをこぼした。「打ったのはカットボール。インサイドの球に対して、切れないようにうまく振り抜けました」と振り返った。

◆巨人岡本和真内野手(22)が、7戦30打席ぶりの1発となる4号ソロを放った。 4点を追う4回1死。カウント2-2からヤクルト石川の真ん中低め119キロシンカーを左翼スタンドへ運んだ。「思い切って振りにいきました。まだまだ頑張ります」と振り返った。 その後2死一、二塁の場面で、8番炭谷が左中間を破る2点適時二塁打。4日の阪神戦以来、7試合ぶりの出場での移籍後初打点に「うれしいです。チャンスだったので、なんとかしたかった。ここから反撃していきます」と話した。

◆ヤクルトが巨人と入れ替わり首位に浮上した。4-5の7回にバレンティンのこの日2本目の3号3ランで逆転し8回に3点を加えた。2番手のマクガフが2勝目。巨人は4点差を追いつき6回に勝ち越したが、救援陣が打ち込まれた。

◆育成から支配下登録された巨人坂本工宜投手が、ほろ苦い公式戦デビューを果たした。 2点を追う8回に登板。死球と犠打などで2死二塁とし、3者連続適時打で3失点。関学大準硬式野球部出身の右腕は「2点差のままでつなげれば分からない試合だったので、悔しい初登板でした」と唇をかんだ。宮本投手総合コーチは「東京ドームの景色、においを今後の野球人生の糧にしてくれれば」と期待を込めた。

◆巨人は3本塁打を含む14安打で6点を奪ったが、ヤクルトに15安打11失点され打ち負けた。 4点差を6回に逆転する展開だったが、投手陣が粘り切れず。原監督は「クリーンアップに4本ではなかなか厳しいゲームになりますね」と中軸に許した4発を悔やんだ。 1点リードの7回は勝利の方程式の一角、吉川光がバレンティンに逆転3ランを許した。「低く」とジェスチャーで強調した炭谷に対して、143キロの直球が高く浮き、バックスクリーンに運ばれた。「ホームランが一番よくなかった。最悪ゴロヒットにしなければ」と反省。直前の守備では、1死一、二塁からの右飛でヤクルトの二塁走者が大きく飛び出したが、亀井の送球が遅れて併殺を取れなかった。直後に決勝弾が飛び出し、原監督は「勝負には、しっかり見てる神様がいる感じはしますね。あれは守備側のミスだと思います」と言った。連勝はならず、首位を明け渡した。

◆巨人坂本勇人内野手、岡本和真内野手がアベック弾を放ったが、空砲に終わった。 4点を追う4回に岡本が30打席ぶりの4号ソロを放ち、1点を追う5回には坂本勇の2試合連続の4号ソロで同点。6回には代打大城の適時二塁打で勝ち越したが、リリーフ陣が逆転を許した。坂本勇は「1発以外の打席では打てなかったので。明日頑張ります」と話した。

◆巨人宮本和知投手総合コーチが、11失点への責任を背負った。 先発のヤングマンが5回途中4失点。1点リードの7回には吉川光がバレンティンに逆転3ランを浴び、8回には1軍公式戦デビュー登板の坂本工が3点を失った。 宮本コーチは吉川光について「責任感のある選手だし、あそこで1発打たれたということに関しては彼は反省するだろうし。ただ、それがあったからといって、私たちの評価が変わりはしない。試合後にも『お前があっての巨人投手陣だよ』って話しました」と変わらぬ信頼を置いた。 坂本工には「やられたことは反省するしかない。でも、今後の野球人生の糧となってくれれば。彼が感じた東京ドームの景色やにおいだったりとか、そういったのが彼が今後に生かしてくれればいいと思います」と期待を込め「彼を責めたりはしない。責めるなら私を責めてください」と頭を下げた。

◆ヤクルト5番雄平外野手が4回、バレンティンに続いて右翼ポール際へ連続アーチ。この日は4安打の固め打ちで打率を2割6分9厘に上げた。 本塁打について「すごい大きなカーブを、まさか拾えるとは思わなかった。普通に打ったらファウル。もう1回やれと言われても簡単にはできない。ココ(バレンティン)の勢いに乗せてもらった感じですね」と笑顔で話した。

◆打った瞬間、それと分かる1発だった。1点を追う7回2死一、二塁。ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手はカウント2-1から、巨人吉川光夫投手の143キロ高め直球を、バックスクリーン中ほどにぶち当てた。 「前の打席で同じような状況でダブルプレーだったので、何とかしようとホームランを狙っていた。チャンスで回してくれた前の打者に感謝しないとね」。勝負を決める逆転3ランに左翼スタンドは傘を開いて東京音頭の大合唱。バレンティンも二塁を回ると、プロレスラーのスタン・ハンセンのように人さし指と小指を立てて腕を突き上げ、声援に応えた。 4回にもライナーで右中間に飛び込む1発。菅野から1点しか奪えずに敗れた12日から一転、クリーンアップの山田哲、雄平とともに本塁打そろい踏みで巨人を倒した。バレンティンは「いい順位をキープするには連敗しないことが大事。今日は絶対勝とうと思っていた」とうなずいた。 今年に入り、試合前には必ず石井琢打撃コーチと屋内でミーティングするようになった。同コーチは「何を意識するかで打ち方が変わってくる。打ちたい、打ちたいじゃ上体も突っ込んでいくしバットも出ない。試合前に意見を交換して。メンタルコーディネーターですね」と説明する。本人の変化もある。今年で来日9年目。「もう日本人みたいなものだよ」。以前は態度に表れていた判定への不満もグッとこらえ、1球に集中する姿が多くなった。 3ランの直前。山田哲の右飛で二塁走者の田代が飛び出した。右翼手の亀井が二塁へ投げていれば、併殺でバレンティンに打席は回ってこなかった。「今日ホームランを打つことは運命で決まっていたように思う。だからあそこで併殺にならず、自分に回ってきたんじゃないかな」。運命について説明する姿も、どこか東洋的な雰囲気を醸し出していた。【千葉修宏】

◆ヤクルトが巨人投手陣を粉砕した。4番ウラディミール・バレンティン外野手(34)が7回の3号逆転3ランを含む2発4打点の大活躍でチームを勝利に導いた。前後を打つ3番山田哲、5番雄平にも1発が飛び出し、計4発を含む15安打11得点で圧倒。1日で首位を奪い返した。 ▼ヤクルトのクリーンアップがそろって1発を放ったのは18年8月9日DeNA戦以来で、前回もこの日と同じ3番山田哲、4番バレンティン、5番雄平で記録。巨人戦でクリーンアップそろい踏みは、01年7月11日の1回に3番稲葉→4番ペタジーニ→5番古田と3者連発して以来、チーム18年ぶりだ。なお、山田哲とバレンティンのアベック弾は通算27度目で、山田哲、バレンティン、雄平のトリオ弾は18年8月2日広島戦、同9日DeNA戦に次いで3度目。

◆ヤクルト・山田哲人内野手(26)が2試合連続となる3号先制2ランを放った。  山田哲は一回、2死三塁のチャンスで打席に立つと、カウント1-1から巨人先発のヤングマンの高め真っすぐをフルスイング。「狙っていた高めを一発で仕留めることができました」の言葉どおり、高く上がった打球はバックスクリーンへ飛び込んだ。

◆ヤクルト・山田哲人内野手(26)が13日、巨人2回戦(東京ドーム)に「3番・二塁」で先発し、一回1死三塁から2試合連続本塁打となる先制の3号2ランを放った。  カウント1-1からヤングマンが投じた真ん中高めの直球を捉えた山田哲は「青木さんが走者を三塁に進めてくれたので犠飛でもいいという気持ちで入りました。狙っていた高めを一発で仕留めることができました」と振り返った。

◆ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(34)と雄平外野手(34)が2者連続弾を放った。  バレンティンは2点リードの四回、先頭で打席に立つと、カウント2-2からヤングマンの125キロスライダーを右翼スタンドへ運ぶ2号ソロ。さらに続く雄平は初球のカーブを右翼スタンドに運ぶ3号ソロを放った。4番、5番の連続弾で4-0リードを広げた。  バレンティは「力強く叩くことが出来ました。凄くキモチイイです」、雄平は「自分でビックリするくらい、上手くまわれたと思います」とコメントした。

◆ヤクルト・ウラディミール・バレンティン外野手(34)と雄平外野手(34)が13日、巨人2回戦(東京ドーム)で四回に2者連続本塁打を放った。四回、先頭打者だったバレンティンは「力強くたたくことができました。すごく気持ちいいです」とスライダーを捉え、右中間席へ2号ソロ。雄平は初球のカーブを捉え「自分でもびっくりするぐらい(体が)うまく回れたと思います」と右翼ポールギリギリに3号ソロを運んだ。  一回には山田哲が3号2ランを放っており、クリーンアップ3人がアーチを描いた。

◆西武からFAで加入した巨人・炭谷銀仁朗捕手(31)が13日、ヤクルト2回戦(東京ドーム)で今季初打点をマークした。  「8番・捕手」で先発した炭谷は、3点を追う四回2死一、二塁で、ヤクルト・石川の低めのシンカーを捉え、左中間を真っ二つに割る2点二塁打。今季3試合目の出場で値千金の一打を放ち、「チャンスだったので、なんとかしたかった。うれしいです」とコメントした。

◆巨人・坂本勇人内野手(30)が13日、ヤクルト2回戦(東京ドーム)で2戦連発となる4号ソロを放った。  1点を追う五回1死。ヤクルト・石川のカットボールが高めに浮いたのを見逃さず、左翼席中段へ運んだ。前日12日の左翼席中段への3号ソロに続く特大の一発で、試合を振り出しに戻し、「インサイドの球に対して、きれないようにうまく振り抜けました」とコメント。試合前時点の打率・405、出塁率・519、13得点はいずれもリーグトップと絶好調が止まらない。

◆巨人・大城卓三捕手(26)が13日、ヤクルト2回戦(東京ドーム)の4-4と同点の六回に代打で出場。マクガフから中堅フェンス直撃の勝ち越し適時二塁打を放った。  一塁走者の炭谷が激走し、一挙ホームイン。ヤクルト側のリクエストによる約3分間の映像検証の結果、判定通りセーフとなり、5-4と勝ち越しに成功した。  強打が売りの2年目捕手は「チャンスで打席に送り出してもらったので、集中して打席に向かいました。ぎりぎりの判定でしたが、セーフで良かったです。気持ちの一振りです」と振り返った。

◆ヤクルト・ウラディミール・バレンティン外野手(34)が、4-5と1点を追う七回、逆転の3ランを放った。  バレンティンは七回2死一、二塁のチャンスで打席に立つと、カウント2-1から吉川の143キロ真っすぐをフルスイング。打った瞬間に本塁打と分かる打球はバックスクリーンへ飛び込んだ。四回に続き、この日2本目の本塁打となる特大3号3ランでヤクルトが7-5と逆転した。  頼れる4番は「前の打席の同じような場面でダブルプレーになってしまったので、甘い球はシッカリ仕留めようと心掛けた。良い場面で打ててよかった」と胸を張った。

◆ヤクルト・上田剛史外野手(30)が代打で出場し、今季初安打となる適時打をマーク。さらに途中出場の田代将太郎外野手(29)、青木宣親外野手(37)にも適時打が飛び出しリードを広げた。  上田は2点リードの八回、二死二塁の場面で打席に立つと、カウント3-1から巨人5番手の坂本工の146キロ真っすぐを左前に運ぶ適時打を放った。続く田代は二死一塁から右中間へ適時三塁打、さらに青木が二死三塁から右前適時打を放ち10-5とした。

◆巨人・坂本工宜投手(24)が13日、ヤクルト2回戦(東京ドーム)でプロ初登板を果たすも、1回3安打3失点の内容だった。  2点ビハインドの八回に5番手で登板。先頭の西浦を空振り三振に仕留めたが、村上に死球、中村の投前犠打で2死二塁とし、上田に左前適時打を許した。そこから大引に適時三塁打、青木に適時打を続けて浴び、3失点。3月に育成から支配下登録された右腕にとって、ほろ苦いデビュー戦となった。

◆ヤクルトはウラディミール・バレンティン外野手(34)が七回に3号3ランを放ち巨人に逆転勝ち。首位に返り咲いた。  頼れる4番の一発で巨人から勝利を挙げた。4回に2号ソロを放ったバレンティンは1点を追う七回、2死一、二塁のチャンスで打席に立つと、カウント2-1から吉川の143キロ真っすぐをフルスイング。打った瞬間に本塁打と分かる打球はバックスクリーンへ飛び込む逆転3ラン。  その後も攻撃の手を緩めないヤクルトは八回、代打・上田、田代、青木の連続適時打で3点を奪うと、九回は村上に適時打が飛び出し、15安打11点を奪った。  ヒーローのバレンティンは「前の打席の同じような場面でダブルプレーになってしまったので、なんとかしようと思って、ホームランを狙ってました」と逆転弾に笑顔。巨人戦勝ち越しに向け、「明日もがんばりまーす」と日本語で絶叫した。

◆巨人の炭谷が西武から移籍後初打点をマークした。1-4の四回2死一、二塁で外角低めの球を捉えて左中間への2点二塁打とし「チャンスだったので何とかしたかった。(初打点は)うれしい」と喜んだ。  4-4の六回は右前打で出塁し、大城の適時二塁打で生還したが、チームは逆転負け。「本当はあの1点を守り切りたかったんですけどね」と表情は晴れなかった。 坂本工(プロ初登板し1回3失点) 「悔しい初登板になった」 大城(六回に代打で適時二塁打) 「チャンスで打席に送り出してもらったので集中して打席に向かった。気持ちの一振り」 ヤングマン(五回途中4失点) 「捕手の構えたところに投げられなかった」

◆ヤクルトの山田哲が2試合連続で一回に先制本塁打を放った。1死三塁で直球を捉えてバックスクリーンへ運ぶ3号2ラン。「狙っていた高めを一発で仕留めることができた」とうなずいた。  前日12日はソロ。この日は太田が二塁打を放ち、青木が二ゴロで1死三塁から打席に立ち「青木さんが走者を三塁に進めてくれたので、犠飛でもいいという気持ちで打席に入った」と感謝した。(東京ドーム) 雄平(3号ソロ含む4安打) 「ヒットを1本打つのも難しい。(本塁打は)大きいカーブをよく拾えた」 上田(八回に今季初安打の適時打) 「チームのいい勢いの中で打てた」 青木(八回に適時打) 「この(狭い)球場だから取れるときに取っておかないと」 村上(九回に適時二塁打) 「最後に打てて良かった。1日1本打つのは大事なこと」 石川(五回途中4失点で勝敗は付かず) 「こういう試合を粘らないと勝ちが付かない」

◆先発の石川は五回途中まで9安打4失点。四回は岡本にソロ、2死一、二塁からは炭谷に2点二塁打を浴びた。打線の援護があったが、新人から18年連続勝利はお預けとなり「(炭谷の2点二塁打は)もったいなかった。もう1個低めになげないと」と反省した。それでも39歳左腕は「次はもっと長いイニングを投げたい」と前を向いた。

◆2点リードの八回2死二塁で代打・上田が駄目押しの左前適時打を放った。執念の今季初安打を、「受けに入らずに振っていこうと思っていた」と振り返った。その後、打線がつながり八、九回で計4得点。代打や守備固めが主で出場機会が限られる中、「毎日振り込みをしているので、自信を持ってやれている」と胸を張った。 九回に中越えの適時二塁打を放ったヤクルト・村上 「最後に打ててよかった。1日1本打つのは大事なこと」

◆坂本勇が2戦連発の4号ソロを放った。1点を追う五回、石川のカットボールを左翼席上段まで運び、一時同点となったが、「状態はよくても、他の打席で打っていない」と六回2死二塁の捕邪飛を反省。開幕から13試合連続出塁と好調はキープしている。 石川から四回に左越えの4号ソロを放った巨人・岡本 「打ったのはチェンジアップかシンカー。思い切って、振りにいきました」 来日初の3安打を放った巨人・ビヤヌエバ 「バットを振れて、調子は上がっている。負けたら仕方ない」

◆手痛い一発に沈み、1日で首位から陥落した。今季初の2桁となる11失点を喫した投手陣に巨人・原辰徳監督(60)は首をかしげた。  「クリーンアップに4本も(本塁打を打たれた)。なかなか状況としては厳しいゲームになりますね」  先発のヤングマンが4回0/3を4失点で降板し、中継ぎ5投手が継投した。打線が奮起して五回に同点とし、六回に逆転したものの、中継ぎの柱と期待される吉川光が七回、バレンティンにこの日2発目となる逆転3ランを被弾。「球数を使ってでもゼロで抑えないといけない場面だった」と肩を落とした。  その後、八回には育成出身の坂本工がプロ初登板を果たしたが3失点。相手打線の勢いを止めることはできなかった。  今季は守護神のクックを除く勝ちパターンが現時点で流動的。宮本投手総合コーチは、シーズンを通して勝利の方程式を完成させていく意図で「ピヨピヨ方程式」と表現している。  それでも指揮官は、その核となるべき吉川光の救援失敗に「次につなげることが大事。本人も反省はあるでしょう」と揺るがない信頼を表した。終盤の失点が響いた一戦。打線は好調だけに、5年ぶりのリーグVには、救援陣が"ヒヨコ"から"成鳥"へと飛躍することが求められる。 (谷川直之) 3本塁打を浴びるなど、五回途中まで7安打4失点の巨人・ヤングマン 「長いイニングを投げられず、チームに申し訳ない。真っすぐの制球力が足りなかった」 八回にプロ初登板も1回3安打3失点の巨人・坂本工 「2点差のまま、つなげば分からないゲームだった。悔しい初登板になった」

◆ヤクルトは13日、巨人2回戦(東京ドーム)に11-6で勝ち、対巨人通算700勝を達成した。「4番・左翼」で先発出場したウラディミール・バレンティン外野手(34)が、四回のソロに続いて、4-5の七回に3号の逆転3ランを放ち、試合を決定付けた。山田哲人内野手(26)、雄平外野手(34)も本塁打を放ち、今季初のクリーンアップそろい踏み。早くも今季5度目となる逆転勝利で、セ・リーグ単独首位に再浮上した。  打った瞬間に確信し、バットをほうり投げた。これぞ4番。4-5の七回2死一、二塁、バレンティンは吉川光の直球を完璧に捉え、この日2本目となる逆転のアーチを敵地に架けた。  「前の打席で併殺(三ゴロ併殺打)だったので何とかしたかった。本塁打を狙っていました」  一回に3番・山田哲が先制2ランを放ち、四回にはバレ、5番・雄平が連続アーチ。今季初のクリーンアップそろい踏みとなったが、五回に追いつかれ、六回に勝ち越しを許した。嫌な流れの中、再び4番が一発を放ち、両軍計7本塁打の空中戦を制した。  昨季初の打点王に輝いた主砲は、ここ5試合で9打点の荒稼ぎ。10日の広島戦(マツダ)で、延長でのプロ野球1イニング最多記録となる12得点を挙げた打線の核として、自身も調子を上げている。  チームは今季9勝目で早くも逆転勝ちが5度目。昨季リーグ2位となる38度の逆転勝ち(最多は広島の41度)を収めた"逆転の燕"が真価を発揮し、対巨人通算700勝目にも到達した。  7月には35歳になるバレ砲だが、グラウンド内外で存在感を高めている。  2月の沖縄・浦添キャンプで小川監督に締めのあいさつを頼まれると、打ち上げ前夜に同僚の青木に聞いてもらい「この日本語は合っているか」などと何度も内容を確認。当日は「昨年はCSファーストラウンドでフィニッシュ。今年は駄目です。日本シリーズお願いします」と日本語で仲間を鼓舞した。  そんな一生懸命な姿勢に、入団時から見てきた指揮官も「日本人ぽくなってきたね。チームを盛り上げてくれるし、打席では『我慢、我慢』って言い聞かせながらやれている」と信頼を寄せる。「来日9年目だし、日本人になってきているんじゃないか」と笑う助っ人は、順調なら今季中に国内フリーエージェント(FA)権を取得し、来季から日本選手扱いでプレー可能となる。  チームは15安打11得点で快勝し、1日でリーグ単独首位を奪還した。それでもバレンティンは「完璧なスイングには、まだほど遠い」と不敵に笑った。球団設立50周年となる今季も、頼もしい主砲が強力打線を引っ張る。 (横山尚杜) ★山田哲が号砲  号砲は山田哲が鳴らした。「狙っていた高めを一発で仕留めることができました」と一回に2試合連続となる先制弾を放ち打線を勢い付けると、四回は雄平がバレンティンに続く2者連続アーチを描いた。雄平は「ココ(バレンティン)がいいところで打ってくれた。投手も粘ってくれていたので」と自らのことより、チームの勝利を喜んだ。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
ヤクルト
950 0.643
(↑0.028)
-
(↓0.5)
129
(-1)
74
(+11)
51
(+6)
15
(+4)
5.000
(-)
0.000
(-)
2
(1↓)
巨人
850 0.615
(↓0.052)
0.5
(↑0.5)
130
(-1)
59
(+6)
49
(+11)
19
(+3)
5.000
(-)
0.000
(-)
3
(1↓)
DeNA
860 0.571
(↓0.044)
1
(↓0.5)
129
(-1)
66
(+1)
53
(+6)
17
(+1)
4.000
(-)
0.000
(-)
4
(-)
中日
760 0.538
(↑0.038)
1.5
(↑0.5)
130
(-1)
60
(+10)
45
(+2)
15
(+2)
9.000
(-)
0.000
(-)
5
(-)
阪神
590 0.357
(↓0.028)
4
(↓0.5)
129
(-1)
46
(+2)
74
(+10)
8
(+1)
4.000
(-)
0.000
(-)
6
(-)
広島
4100 0.286
(↑0.055)
5
(↑0.5)
129
(-1)
43
(+6)
76
(+1)
12
(-)
5.000
(↑2)
0.000
(-)