ソフトバンク(☆5対2★)日本ハム =リーグ戦3回戦(2019.04.11)・福岡ヤフオクドーム=
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日本ハム
0000002002910
ソフトバンク
00050000X51110
勝利投手:武田 翔太(2勝0敗0S)
(セーブ:森 唯斗(0勝0敗4S))
敗戦投手:加藤 貴之(0勝1敗0S)
  DAZN
◆ソフトバンクは0-0で迎えた4回裏、上林、甲斐、釜元の3者連続適時打が飛び出し、一挙5点を先制する。投げては、先発・武田が7回途中2失点の好投。その後は、4人の継投で逃げ切り、武田が今季2勝目を挙げた。敗れた日本ハムは、先発・加藤が4回に突如崩れた。

◆ソフトバンク武田翔太投手(26)は日本ハム中田翔内野手(29)を抑えられるか。 両者の対戦成績は53打数18安打で被打率3割4分。武田が50打席以上対戦した打者の中では最も苦手な相手で、17年から2年連続で被打率5割と打ち込まれている。

◆日本ハムは9安打で2点と拙攻が目立った。1回1死一、二塁の先制機、追い上げムードの7回2死一、三塁と、チャンスで凡退した4番中田翔内野手は「アカンな...」と悔しさをにじませた。 今季12試合で5得点以上は、2試合だけ。4番の不振が成績に直結している。得点圏打率1割4分3厘と低迷する主砲は「今は何をしたらいいかも分からない」と、伏し目がちだった。

◆ソフトバンク武田翔太が粘りの投球で2勝目を挙げた。7回途中116球。7安打3四球を与えたものの日本ハム打線を2点(自責1)に抑え白星を手にした。 初回に32球を要した。1死から大田、近藤に連続四球。2死一、三塁のピンチを招いたが、5番王柏融を二ゴロに仕留めた。「(初回は)慎重にいきすぎました。球自体は問題なかった」。空振りが取れないと自らの投球を自己分析すると、無走者でもクイック投法で投げるなど工夫もこらした。「手堅く内野ゴロを打たせようと思った。クイックは1つの武器。球種を掛け合わせると2倍になりますから」。マウンド上のクレバーさも見せた。 エースナンバーともいえる背番号「18」を背負いながら昨年は4勝。2ケタ勝利からは2年遠ざかった。「8、9回と投げられるようにしていきたい」。屈辱を晴らすにはまだまだ白星が足りない。

◆日本ハム3番手の金子弌大投手が、2回2安打無失点と安定した投球で試合を落ち着かせた。「どこでも行ける準備はしていた」と、6回からマウンドへ。 先頭の上林に安打を許すなど1死二塁のピンチも、冷静に後続を断った。開幕から2戦連続で制球に苦しんだが、この日は無四球。「ストライク先行を意識した。走者を出した後に、しっかり抑えられたのが良かった」と納得の表情だった。

◆今季2度目の3安打猛打賞だった日本ハム西川遥輝外野手は「ヒットになっているから、いいんじゃないですかね」と言いながらも、敗戦に不満顔だった。 会心の当たりは1点を返した直後の7回1死二塁。真ん中に入ったスライダーを捉え、右翼フェンス直撃の適時打とした。「甘い球だったので」と見逃さずに一振り。ベンチの期待に応え、打率を3割に戻した。

◆昨年途中に広島からトレード加入したソフトバンク美間優槻内野手が、移籍後初昇格初出場で初安打を放った。 8回2死で代打として登場し、左腕公文から右翼線へ二塁打。「うれしかったですね。チャンスが来て、1打席でアピールできて良かった」。本職は内野で主に一塁、三塁ながら、首脳陣は今後、外野守備の練習もさせる方針。右の代打だけでなく可能性を広げていく。

◆日本ハムの新投手起用「ショート・スターター」は、またも実らなかった。 ソフトバンク3回戦(ヤフオクドーム)は、先発した加藤貴之投手(26)が、打者2巡目となる4回に一挙5失点。第2先発として準備していた金子弌大投手(35)と2人で1試合を乗り切るプランが崩れて、3カードぶりの勝ち越しを逃した。連投していたリリーフ陣を休ませることはできたが、借金2に逆戻り。12日からは開幕カード以来の本拠地・札幌ドーム(対ロッテ)で仕切りなおす。今季は未踏だった4回に突入した加藤が、ソフトバンク打線につかまった。「連打を食らったところで、自分でリズムを崩してしまった。自分の責任です」。1死から内川に内野安打で出塁を許すと、続くデスパイネの打球は左すねに直撃(強襲安打)。その後、2死満塁から上林に2点適時打を献上するなど、結果的に3回2/3を5安打5失点と試合をつくれなかった。 苦境を打破することができなかった。栗山監督は試合後「今日は、ある程度、イニングの割り振りはしていた。行ける人、行けない人がはっきりしていた」と、この日の投手起用プランを明かした。2試合連続延長戦の影響で、連投中のリリーフ陣が5人(宮西、浦野、秋吉、玉井、堀)もいた。長いシーズンを見据えて3連投は避けたかった。 ここまで「ショート・スターター」として2試合無失点だった加藤と、第2先発の金子の2人で1試合を乗り切ることがベストのシナリオだったもよう。だが初めて打者2巡目と対戦した加藤が、つかまった。栗山監督は「あの回(4回)は行ってほしかった。今は全て、こっちがのみ込んで我慢しないといけない時期」。結果は受け止めるしかない。12日からはロッテと札幌ドームで3連戦。勢いよく勝ち越した開幕カード以来の本拠地から巻き返す。【木下大輔】

◆ソフトバンクが試合のなかった楽天と並んで再び首位に立った。4回。日本ハムの「ショート・スターター」加藤に通算12打数無安打7三振と抑え込まれていた上林が、2点先制の適時打で口火を切り、甲斐、釜元も適時打で続いた。下位打線による3連打で5点を奪って、逃げ切った。3試合ぶり、主砲柳田の負傷離脱後は初勝利で、12日からの敵地楽天3連戦にはずみをつけた。「開き直るしかない」。前打者の川島が半ば勝負を避けられる形で歩かされ、7番上林は打席に向かった。「1本も打てていなかったので」と苦手意識を持つ天敵加藤に対し、初球から持ち前の思い切りの良さでぶつかった。初球をファウルして2球目。「スライダーを待っていたけど、びっくりして手を出しました」。低めのフォークを鋭いライナーで右前に運び、先制の2点をもぎ取った。 上林が打てば、続く甲斐も右翼フェンス直撃の2点適時二塁打で今季初打点。さらに釜元も適時三塁打と、この回だけで一挙5点を奪った。下位打線がつながっての快勝に、工藤監督も「みんなの集中力が一気に出た」と拍手を送った。 柳田、グラシアルが不在のここ2試合は攻めあぐねて引き分け、延長負け。前日10日の試合後はコーチ会議に時間をかけ、首脳陣が球場を出たのは日付が変わったあとだった。工藤監督は「真剣にみんなが考えてくれているからこそ、いろんな意見が出る。時間がかかろうが、そういう話をしていった方がいい」。チーム一丸で打開策を練った。 主軸不在の間、期待が寄せられるのは殊勲打の上林だ。オープン戦から不振が続き、ここまで打率2割台前半と本調子ではない。だが立花打撃コーチは「上林は試合に出るのが大前提。その中で、調子を上げてもらわないと」。目先の結果に左右されない「レギュラー」として、自らを立て直し、チームを引っ張る役割を期待する。工藤監督も「頑張ってもらわなきゃいけない選手。期待は120%あります」と、語気を強めた。 今日12日からは、同率首位で並んだ楽天と敵地仙台で首位攻防3連戦だ。上林は「明日(12日)は弟の誕生日なので。かっこいい兄でありたいですね」とクールに笑い、活躍を誓った。【山本大地】

◆長丁場のシーズンを通して万全の状態で戦えるチームはほぼ皆無に等しい。十分すぎる戦力を整えても、故障あり、不調ありで、やりくりに腐心するのはどのチームでもある。言い換えれば「窮地」をいかに乗り越えるか。これが強いチームと弱いチームの差と言っていい。 ソフトバンクは主砲・柳田が左膝裏の肉離れで離脱した。開幕から好調を維持していた助っ人グラシアルも左脇腹痛ですでにチームを離れ、好打者の中村晃も開幕からいない。打線は本来の姿からはほど遠く、苦肉の日が続く。確かに痛かろう。でも、これこそ首脳陣の腕の見せどころではないだろうか。破壊力満点の打線が万全なら、選手に任せればいい。窮地をいかに乗り切るか。ベンチワークからすれば「大変」なことだろうが、どう戦うのだろうか? というファンの視線からすれば楽しみの1つかもしれない。 打つしかない、という2死満塁というシチュエーションもよかったが、この日の下位打線には留飲を下げた。上林、甲斐、釜元が3連続タイムリー。全5点をたたき出した。大黒柱が不在ならば文字通り「打線」でカバーするしかない。二塁から巨漢を揺らして果敢に本塁へ滑り込んだデスパイネの激走も一丸を象徴していた。 8回にはこの日登録された美間が移籍初ヒット(右二塁打)を放った。キャンプからしぶとい打撃をアピールしていただけに、自身もチームも「乗せる」一打になったかもしれない。今日12日から楽天、ロッテ、西武と3カード連続のロード。新戦力の踏ん張りも楽しみではある。それにしてもファームではベテラン長谷川勇も打撃好調を維持している。悲観するほどの窮地でもない。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆ソフトバンクの上林が四回2死満塁から先制の2点適時打を放った。変化球を右前に運び「うまく反応して打てた感じ」と誇った。相手先発の左腕、加藤には試合前まで通算11打数無安打6三振と抑え込まれ、昨季は「打てる気がしない」と吐露したこともある天敵。第1打席も三振に倒れていたが、続く打席で見事に鬱憤を晴らした。  10日は5打数無安打と苦しむなど、ここまで打撃の確実性を欠いていたが、六回にも右前打を放ち今季2度目の複数安打をマーク。復調気配を漂わせた。

◆日本ハムはこれまで2試合で最長3回だった先発加藤を0-0の四回も続投させたが、一挙に5失点と裏目に出た。球数などを考慮しての采配がはまらずに完敗し、栗山監督は「全て含めて、こちらがのみ込んで我慢しないといけない時期」と淡々と話した。  先発を短い投球回数で代える奇策はこれで4度目。全て勝利にはつながっていないが、監督は「来週から(今までより1試合少ない)5試合。投手全体として全然違う使い方になる」と切り替えを強調した。 加藤(四回途中5失点で今季初黒星) 「打たれるコースに投げてしまった。自分の責任」

◆ソフトバンクの武田が6回2/3を投げて2失点(自責点1)と試合をつくり、2戦2勝とした。7安打を許し、3四球を与えながらも要所を締め、六回まではゼロを並べた。「自分の中でもいい形で結果も出ている。感覚は悪くなかった」と話した。  それでも昨季2連続完封をマークするなど地力があるだけに、満足することはない。「8、9回と投げられるようにしていきたい」と高みを見据えた。

◆ソフトバンクの甲斐が四回に2点二塁打を放ち、今季初打点をマークした。上林の適時打で2点を先制し、なお2死一、三塁。フォークボールを捉え、右中間フェンスを直撃する当たり。5試合ぶりの安打で追加点をもたらし「最近はチャンスをつぶしてばかりで、いいところがなかったので打てて良かった」と一息ついた。  10日は好機でスクイズを決められずに見逃し三振に倒れるなど、振るわなかった。試合前には球団広報のシャドーピッチングに合わせ、スイングを繰り返した。必死の姿勢がようやく実った。 工藤監督(柳田をけがで欠く中、先制打の上林に) 「期待は120パーセントあります」 釜元(四回に適時三塁打) 「いい流れに乗れた。何かしら爪痕を残せるようにやっていきたい」 美間(八回に代打で移籍後初出場し、二塁打) 「ストライクを振ろうというのはあった。1打席目で出て良かった」

◆3カード連続で先発登板した加藤が、四回途中5安打5失点で今季初黒星。先発で短いイニングを投げるオープナーとして2度好投していたが、今季最長の4イニング目で崩れた。2試合連続の延長戦で救援陣が疲弊していただけに「いけるところまで自分がいきたかった」と唇をかんだ。オープナーを使うのは4度目。全て勝利にはつながっていないが、栗山監督は「いろんなことを含めて全てこっちの責任」と強調した。

◆祈りが大歓声に変わった。主砲・柳田を欠くソフトバンク打線を活気づけ、勝利に導いたのは上林誠知外野手(23)だ。四回に先制の2点打。変化球を右前へ運び「きのう負けて勝ちたいところ。2死から点を取れてよかった」と息をついた。  相手先発の左腕、加藤は試合前まで通算11打数無安打6三振と抑え込まれた天敵だった。第1打席も三振に倒れていたが、四回2死満塁でフォークボールを捉えた。ホープが口火を切った打線は、この回一挙5点の爆発を見せた。  前日にチームは初めて首位から陥落したが、すぐ返り咲いた。柳田が左膝裏の肉離れで離脱して3試合目で初勝利。得点力不足に悩む中、工藤監督は上林に「頑張ってもらわないと。期待は120%」と期待した。  埼玉から観戦に駆けつけた両親に雄姿を届け、24歳はお立ち台で「最近打てなくて毎日のように連絡をくれた。ありがとう」と感謝を伝えた。12日は弟・昌義さんの20歳の誕生日。「格好良い兄ちゃんでありたい」とも言い切った。  12日からは首位・楽天との3連戦(楽天生命パーク)。オフに「柳田・秋山(西武)の時代を終わらせたい」と公言した上林にとって、有言実行へ、今が腕の見せどころだ。(安藤理)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
ソフトバンク
732 0.700
(↑0.033)
-
(↓0.5)
131
(-1)
55
(+5)
37
(+2)
20
(-)
9.000
(-)
0.000
(-)
1
(-)
楽天
731 0.700
(-)
0
(-)
132
(-)
59
(-)
38
(-)
10
(-)
3.000
(-)
0.000
(-)
3
(-)
西武
560 0.455
(-)
2.5
(-)
132
(-)
67
(-)
51
(-)
12
(-)
15.000
(-)
0.000
(-)
4
(-)
日本ハム
462 0.400
(↓0.044)
3
(↓0.5)
131
(-1)
37
(+2)
57
(+5)
6
(-)
2.000
(-)
0.000
(-)
5
(1↑)
ORIX
353 0.375
(↑0.089)
3
(↑0.5)
132
(-1)
28
(+2)
40
(+1)
5
(+1)
17.000
(↑3)
0.000
(-)
6
(1↓)
ロッテ
470 0.364
(↓0.036)
3.5
(↓0.5)
132
(-1)
46
(+1)
69
(+2)
20
(-)
10.000
(↑1)
0.000
(-)