阪神(★0対2☆)DeNA =リーグ戦2回戦(2019.04.10)・阪神甲子園球場=
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DeNA
00001010021002
阪神
0000000000110
勝利投手:濵口 遥大(1勝0敗0S)
敗戦投手:青柳 晃洋(0勝2敗0S)

本塁打
【DeNA】神里 和毅(1号・5回表ソロ),ロペス(1号・7回表ソロ)

  DAZN
◆DeNAは5回表、神里の今季1号となるソロで先制する。そのまま迎えた7回には、ロペスのソロが飛び出し、貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・濱口が9回1安打無失点の快投。プロ初完封で今季初勝利を挙げた。敗れた阪神は、終盤の好機であと1本が出なかった。

◆阪神はDeNA浜口遥大投手(24)に通算1勝4敗。ベテランの福留孝介外野手(41)糸井嘉男外野手(37)鳥谷敬内野手(37)は3人合わせて通算41打数16安打、打率3割9分を記録も、3人を除いた阪神打者は打率1割9分7厘。今日は3人以外の若手が打てるか。

◆阪神先発の青柳晃洋投手(25)が6回6安打1失点で降板した。 「序盤にランナーを背負った状況で、なんとか粘ることができたことは良かったですが、前回同様に先制点を与えてしまったことが悔やまれます」 失点は5回に1番神里に浴びたソロ本塁打のみだったが、打線が6回まで無得点に終わり、今季初白星とはならなかった。

◆阪神は9回に登板した島本浩也が3試合ぶりに無失点でしのいだ。 先頭神里に二塁打を浴びるなど2安打を許したが、大山の好守にも助けられた。「絶対抑えないといけないところ。昨日も長打(本塁打)されているのに。先頭は何が何でも抑えないといけない」と納得していなかった。

◆阪神は初回に糸原健斗内野手が放った左前打が最初で最後の安打になった。 2番打者は外角に逃げていくスライダーをコンパクトにたたいた。だが2死一塁で、4番大山の初球を投げる前にけん制死。「失敗してしまったことは仕方ない。同じことのないように切り替えたい」。しっかりとした口調で話した。

◆DeNAの1番神里和毅外野手が絶好調だ。5回に今季1号となる先制弾をバックスクリーン右へ放り込むと、3安打猛打賞の活躍。 6日の巨人戦(横浜)から4戦連続で2安打以上を放つなど、リードオフマンとして存在感を示す。ラミレス監督は「いい状態をキープしてくれている」と称賛した。

◆ハマの2代目「虎キラー」が、前夜の悪夢を払拭(ふっしょく)した。DeNA浜口遥大投手(24)が、阪神相手に1安打完封勝利を飾った。7四球を出しながら1安打完封はセ・リーグ初の珍事。これで阪神相手に甲子園球場では、デビューから5戦3勝。前日に5点リードから逆転負けを喫したチームを左腕が救った。思わず、阪神ファンから「すごいぞ。浜口」と声が掛かった。甲子園のヒーローインタビュー。いつもは、ヤジを飛ばす虎党もうなるしかなかった。浜口が9回136球1安打で、自身初完封&今季チーム初完封勝利をもたらした。 浜口 三浦コーチが『俺が監督に推しておく』と言ってくださった。それに応えるだけだった。 最大のピンチは8回。3個の四球で満塁を迎えた。2死満塁で糸原。唯一の安打を許した相手だった。マウンドに駆け付けた三浦コーチからは「攻め続けろ」とだけ伝えられた。昨季は左肩の違和感で4勝どまりの16年ドラフト1位左腕。オフに股関節、尻周りのトレーニングを強化。「下半身で投げることを再確認した」。スライダー、チェンジアップと2球で追い込み、1球直球を挟み、最後は宝刀チェンジアップで遊飛。思わず「おっしゃー」と雄たけびを上げた。 チームの流れを変えた。初回2死一塁から糸原をけん制で刺した。3回にも、四球で出塁させた北條をけん制死。7四球を与えながら、要所で膝元への直球、チェンジアップでタイミングを外した。ラミレス監督も思わず「終盤にリリーフを準備させていた。それでも、彼の1人で抑えるという力強さを感じた」と最後まで任せた。 試合の流れだけでなく、チームの雰囲気まで変えた。ルーキー上茶谷が先発した前夜、一時は5点のリードがあった。8回2死満塁から右翼手・ソトが右中間への飛球を落球。この回に6失点。悪夢とも言うべき逆転負けから一夜明け、浜口が一転させた。 甲子園で、阪神相手に負けなし。かつて現役時代に「虎キラー」の異名を持った三浦コーチが「めっちゃうれしいよ。俺は。めっちゃうれしい」と珍しく声を上げるほど、2代目の背中は頼もしかった。【栗田尚樹】

◆黄色く染まるスタンドから白いため息が漏れた。DeNA先発の浜口に抵抗できず迎えた8回。3四球で2死満塁のチャンスを作ったが、2番糸原が4球目チェンジアップを打ち上げて遊飛。 9回には糸井、大山、福留の主軸が3者凡退に封じられた。虎打線が「H」ランプをともしたのは、初回の糸原による左前打だけ。寒の戻りで小雨の舞う本拠地に、9個のゼロが並んだ。 前夜、最大5点差大逆転の勢いを持ってしても、天敵を克服できない。左腕浜口に完封勝利を献上し、これで通算1勝5敗。キレのあるチェンジアップ、スライダーをつかまえ切れない。7四球をもぎ取り、出塁するもあと一本が出ず。矢野監督は「う~ん。変化球はね。結構低めに来たり、逆に抜けた球も、なかなかタイミングが取れず、ちょっと打てなさすぎました」と悩ましげだ。 武器である機動力も封じられた。1回には左前打で出塁した糸原が、一塁けん制で戻りきれずにタッチアウト。3回には四球で塁に出た北條が逆を突かれてけん制アウトになった。果敢な走塁が矢野阪神の旗印でもあるが、清水ヘッドは「流れを止めちゃったな。(盗塁の)サインが出ていないので、あそこで引っかかるのはね」とガックリ。踏み出す右足の歩幅が短く素早いけん制に虎の足が止められた。 お祭りムードで5割復帰した9日から一転、また借金生活に逆戻りした。巨人メルセデス、高橋、広島床田、そしてDeNA浜口と、6敗中4敗は左腕からだ。上位に左打者がズラリと並ぶ打線だけに矢野監督は「僕らは僕らとして、それを打破していかないとダメだと思う」と力を込める。11日は右膝手術からの復活を期す秋山がマウンドに上がる。援護できるか...。2試合連続でお寒い結果は避けたい。【桝井聡】 ▼阪神はDeNA浜口と10試合対戦し、5勝を献上と苦戦が続く。とりわけ甲子園では5試合で3勝0敗1ホールド、防御率1・53と数字を稼がれている。主軸は昨季までの通算対戦打率で、鳥谷4割5分5厘、糸井4割1分2厘、福留3割8厘と苦にしていなかったが、今季は初対戦で抑え込まれた。 ▼阪神は糸原の1安打だけで完封負け。1安打完封負けは昨年10月1日DeNA戦以来で、この試合も相手先発が浜口。さらに石田-笠井の継投で抑えられたが、同試合でも3回に唯一のヒットを打ったのが糸原だった。 ▼相手投手に完投を許しての1安打負けは、15年8月18日に巨人マイコラスにゴメスの安打だけに抑えられ、1-8で敗れて以来3年ぶり(1得点は敵失)。完投シャットアウトされてとなると、12年5月4日巨人杉内俊哉に鳥谷の1本だけに封じられた0-4以来、7年ぶり。 ▼初回の1安打だけの敗戦は、02年9月28日に横浜ホルトから赤星が中前打しただけに終わり、0-2で敗れて以来、17年ぶり。

◆1発に泣いた。阪神青柳晃洋投手(25)が、5回の先頭打者・神里に投じた68球目を悔やんだ。 「失投になってしまった。梅野さんが低く構えていたツーシームが高くなってしまった」 カウント1-1からの3球目だった。外角高め140キロを右翼席に運ばれた。先制の1号ソロを浴び「粘っている中で先制点を与えたのは先発としてよくなかった。そこが負けにつながってしまった」と猛省した。前回登板した3日の巨人戦(東京ドーム)では3回に丸、岡本に連続被弾。「前回も本塁打でやられた。自分の力不足が失点につながった」。6回1失点と試合は作ったが、反省の言葉を並べた。 それでも収穫はある。強打のDeNA打線から自己最多タイの8三振を奪った。「梅野さんの配球が内を使っていた。意図通り、外で三振が取れた。序盤にランナーを背負った状況で、なんとか粘ることができたことは良かった」と手応えも口にした。この日の甲子園は午前中から雨が降っており、気温も低かったが「なるべくベンチに入ったり、暖まったりして準備していたので、気温は関係なく投げられた」と工夫も凝らした。 矢野監督は「オープン戦から、ずっと調子はいい。青柳の責任はしっかり果たしてくれたピッチングをしてくれた」と及第点を与えた。投手が役割を果たしても、打線の援護がなければ白星はゲットできない。次戦も青柳は、チームのために腕を振る。【真柴健】

◆前夜サイクル安打のヒーロー阪神梅野が、先発青柳を援護できなかったことを悔やんだ。 守備では1回に神里の二盗を刺して助けたが、5回2死一、二塁の好機には三ゴロに倒れ、6回1失点の青柳の好投に応えられなかった。「(青柳は)よかったと思う。1点でよく粘ってくれた。打線が打てず負けをつけてしまったので、次はなんとか援護したい」と前を向いた。

◆DeNA・神里が10日の阪神戦(甲子園)に「1番・中堅」で出場。第2打席で中前打をはなつと、0-0の五回に青柳から右中間フェンスを越える先制の1号ソロをはなった。  「打ったのはツーシームだと思います。なんとか出塁してチャンスを作ろうと思い、打席に向かいました」  開幕6戦目となった4日のヤクルト戦(神宮)からスタメン起用されると、ここまで6試合連続でヒットを打ち、この日で4試合連続複数安打をマークした。中軸に強力の打者が並んでいるだけに、上位打線を任される打者の出塁はチームにとって大きな鍵となる。

◆前日、今季最多の15安打12得点で本拠地開幕戦を飾った阪神だが、この日は0-2で完封負け。DeNAの先発・浜口の前に、わずか1安打しか放てなかった。  一回1死から糸原が左前へチーム初安打を放ったものの、その後は浜口のチェンジアップにタイミングが合わず、凡打の山を築いた。五回には2つの四球で2死一、二塁、八回には3つの四球で2死満塁のチャンスをもらったものの、もう1本が出なかった。  先発・青柳は五回に神里に一発を浴びただけで、6回6安打1失点と粘りの投球。リリーフ陣も能見がロペスに一発を許しただけで1失点に抑えたが、打線の援護がなかった。

◆9日にサイクル安打を達成した阪神の梅野は、先制された直後の五回2死一、二塁で三ゴロに倒れるなど無安打。「自分が絞った球を捉え切れなかった」と悔やんだ。荒れ球が多かった青柳を辛抱強く支え、6回1失点の好投を引き出したものの「(次回)投げる時に援護してあげられたら」と誓った。  起死回生の大逆転勝利から一転、昨季終盤の対戦でも手を焼いた浜口に1安打でプロ初完封を許した。再び負け数が先行したが「もちろん毎日打てるわけじゃない。切り替えてやるしかない」とナインの思いを代弁した。 矢野監督(青柳に) 「ずっと調子はいい。(好投を)生かしたいところだった」 糸原(一回にチーム唯一となる安打を放ったが、けん制死) 「失敗してしまったことは仕方ない。同じことをしないように」 北條(三回にけん制で刺され) 「アウトになってはいけない場面」 阪神・清水ヘッドコーチ(けん制死を) 「二つやられるのは駄目。ベンチも勉強」 阪神・浜中打撃コーチ(浜口を崩せず) 「チェンジアップに対して対策不足だった」

◆前夜の15安打12得点の猛攻がウソのように、阪神はわずか1安打で今季初の完封負け。矢野監督はため息をついた。  「(浜口のけん制が)うまいのはもちろん分かってるんですけど、そういうところで流れを止めてしまったというのはありますね」  まずは一回1死から左前打で出塁した糸原だ。浜口のけん制球に頭から帰塁してセーフの判定も、ラミレス監督がリクエスト。リプレー検証の結果、アウトとなった。  三回には先頭で四球を選んだ北條が、またも刺された。前夜はDeNAバッテリーを揺さぶった機動力を封じられ、清水ヘッドコーチは「流れを止められちゃった。(盗塁の)サインも出していない。2つやられるのはダメ。俺らが反省しないと。勉強不足です」。一塁コーチボックスの筒井外野守備走塁コーチも「揺さぶろうとしたけど、相手のキレに負けてしまった。自分も含めて反省したい」と語った。  これでサウスポーには今季5戦4敗と苦戦。浜中打撃コーチは「チェンジアップに対して対策不足だった。気をつけられるようにしたかったけど、それができなかったのはこっちの責任。申し訳ない」と懺悔した。  1投手に1安打完封負けするのは、2012年5月4日の巨人・杉内以来7年ぶり。左腕対策について、指揮官は「何とかしていけるように頑張ります」。これをブチ破らなければ、矢野虎の未来は開かない。(大石豊佳)

◆リードオフマンの神里が、五回に右中間席への1号ソロなど、今季初の3安打で勝利に貢献した。「(本塁打は)なんとか出塁してチャンスを作ろうと思い、打席に向かった」。6試合連続安打で、複数安打は4試合連続。頼れるプロ2年生にラミレス監督は「1番打者として、これ以上望むのは酷だというくらいに塁に出てくれる」と信頼を寄せた。

◆日本の紙幣で1万円に聖徳太子が登場したのは1958(昭和33)年だったかなぁ...とにかくずいぶん昔だ。それ以来...聖徳太子どころか84年登場の福沢諭吉にもトンとご縁がない人生を送ってきた。  今度は5年後(2024年)に渋沢栄一さんが登場するというけど...1万円札はほとんど俺の人生には登場しなかった。  ピヨピヨのトラ番の頃にオープン戦で小倉に出張して、試合後に必死で記事を書き、深夜の急行で通路に寝て...時効になったから書くが、宿泊代を浮かせた。そうまでしても...聖徳太子にお目にかかれない時代...。  遠征先のチーム宿舎に駆けつけると球団に「すまないが、選手が遊びに出てしまったので、夕食を食べてくれませんか...」といわれて、どれだけありがたかったか...。  そんな時代をフト思い出して...胸キュンとなったりした。  1979(昭和54)年の4月10日、甲子園のTG戦で『阪神の投手』として移籍してきた小林繁は悲壮な思いを胸に秘め、古巣の巨人戦に初先発したときも、まだ聖徳太子が1万円だった。小林繁は八回途中まで巨人打線に対してほとんどストレートを勝負球に使い、3失点で降りた。  直後のプレスルームで彼の細い指はブルブルと震え、タバコに火をつけようとして、なかなかつけられなかった。「あいつの球は遅いといわれたくなかったので、変化球は意地でも勝負球に使いたくなかった...」。このセリフにしびれた。  試合は打線が援護して4-3で勝利。炎の139球...それより震えの止まらない細い指が、今でも強烈に印象に残る。  つまり...小林繁にとっても、ピヨピヨ時代のトラ番記者にとっても、聖徳太子のあの切れ長の目と、小林繁という不思議な運命に遭遇して意地を貫いた細腕繁盛記とは、同列のインプレッションを抱いた。以後、なぜか彼に親しみを抱き、よく話しかけた。つまり...どこかに必死さが残っていた時代の仲間意識だ。  「もちろん試合前のムードはよかったです。気合も入っていたし、声もよく出ていました。しかし...この寒さは若い阪神の気勢をそぐんじゃないか...。それに雨もようで...野性味では、DeNAのほうがリセットできているでしょうから...」とはキャップ大石豊佳の電話だ。前夜にあれだけ"荒ぶる攻防"を演じた若い阪神とDeNA。大石は冷静に心配した。勝った阪神ナインの嬉々とした動きより、負けたDeNA側の底意地みたいなものを警戒していた。  それが...DeNAの先発・浜口の執念深く丁寧なけん制に、よくあらわれていた。  前夜に続いて甲子園に駆けつけたデスク阿部祐亮もセッセと動きまわったが、こう言っていた。  「やはり僕は前夜のサイクル梅チャンに期待をかけます。だからDeNAは必死で彼をワンポイントで抑えにかかるハズです。それがどちらに傾くかです」  阿部は梅野捕手に祝福のメールをした。すると早朝にちゃんと返事をくれたそうだ。ものすごい祝福の中、キチッと返事をくれたことに驚いた。  「今年の阪神は梅野捕手がリンとしていてくれたら大丈夫です...」  一転して投手戦...。必死さにおいて浜口に一日の長がある。一発攻勢はもともとDeNAのお家芸だ。タッタの1安打。だけど7四球の虎。季節が冬に戻ったのか?

◆--DeNAの浜口に翻弄された  矢野監督「ちょっと打てなさすぎましたね。変化球がやっぱりね、つかみづらいというか。低めにきたボールはキレあるし、高めにきたボールは、みんながポイントが逆に、近いような感じで打ってるので曲がりそうで曲がらん、落ちそうで落ちないっていうね」  --けん制球でも  「うまいのは、もちろん分かってるんですけどね。そういうところでちょっと流れを、止めてしまったかな。あと1本どこかで出てると流れも大きく変わったんですけどね。明日(11日)打つしかないですね」  --本塁と一塁への投げ方が似ていた  「似てるというより速い。くるな、って思ってからの球というか、モーションも速いし、球も速い」  --左投手を攻略できない  「それは打破していかないとダメだと思う。うちの打線は左打者が多いので、左が来るっていうことは考えられるので、何とかしていけるように頑張ります」  --先発の青柳は  「オープン戦からずっと調子はいいと思いますし、巨人戦(3日)も打たれましたけど、状態自体はいいと思う。きょうも本当は(もっと)行かせたいところではあった。(先発の)責任はしっかり果たしてくれた」  --明日は秋山が先発  「早い回に打線の援護があると、秋山も投げやすいと思うので。あしたは打ってくれると思います」

◆ムカムカムカー! ここ2試合の9得点と12得点はなんやったんや~!! 1安打ポッキリに完封負けって。確かに世間は働き方改革とやらで働き過ぎが問題になっているけど、いくらなんでも働かなすぎやろー!!  悔しいけど、DeNA・浜口の初完封には投球だけではないプロの『コク』があったのだ。  「将を射んと欲すればまず馬を射よ」。一回2死一塁で糸原を牽制(けんせい)でアウトにし、三回にも北條を牽制で射す!! さらに1点を追う六回、打者・糸原の場面で一走・上本があわや3度目の牽制死のきわどいタイミング(冷や汗タラー)。打てないなら盗塁やエンドランの機動力を使わなければ、仕掛けなければと思っても、矢野監督は動くに動けなかったのだ(結果は普通に打たせて投ゴロ併殺打)!!  ちなみに、2014年にヤクルト・久古が牽制アウトだけで打者0人勝利投手という記録もあるのだ。まさに芸は身を助けるのです。阪神先発青柳は好投も無念!! 猛虎打線よ、次は青柳に12点(延長十回にヤクルト打線が挙げた得点)くらい取ったれー!!

◆前日に自身初のサイクル安打を記録した梅野も2打数無安打。「青柳にこういった点差で負けがついたので、またあいつがしっかり投げるときに打線が援護できれば」と6回1失点の好投を生かせなかったことを悔やんだ。自身の打席については「絞った球を捉えきれなかった」。一回には神里の二盗を刺して2日連続の補殺。打率・406で首位打者は堅持した。

◆先発としての役割を十分に果たしても、たった1球の失投を悔やんだ。先発の青柳は6回6安打1失点。神里のソロ本塁打のみだったが、前回登板に続き、先制点を献上したことを反省した。  「相手に先に先制点を与えたというのは、先発としてよくないと思いますし。そういうところが負けにつながったと思います」  反省の言葉とともに振り返ったのは五回無死。1番・神里にカウント1-1からの3球目を右中間席へ放り込まれた場面だ。「本当に失投。梅野さんも低く構えていたツーシームが高めに浮いて、そのまま(スタンドに)入ってしまったので。僕の技術不足、力不足だったと思います」。スタンドを見つめて悔しさをにじませた。  前回3日の巨人戦(東京ドーム)でも一発に泣いた。三回に丸、岡本に連続弾を浴びて4失点。それ以外のイニングは無失点としていただけに、悔やまれる2発だった。「前回もホームランでしたし、今回もホームラン」-。弱雨が降り続き、気温も約10度と冷え込むコンディションの中懸命に試合をつくったが、笑顔はなかった。  それでも力のこもった直球を軸に、度々のピンチを切り抜けた。一回1死二、三塁では筒香を直球勝負で3球三振。三回には2死一、二塁でまたも筒香を迎えたが、140キロ直球で右飛に仕留め「真っすぐで押し込めました。すごくいい経験だったと思います」と手応えを口にした。  気持ちを切り替えられる場所があるから、また次の試合にも全力で向かっていける。昨年末に結婚。家に帰れば、新妻があたたかいご飯をつくって待ってくれている。  「バランスや品数を考えてくれて。好きなメニュー? 選べないです。つくってくれるだけで本当にありがたいですから」  今まで帰宅後は寝るだけだった自宅も、癒やしの空間に変わった。「話す相手がいるだけで気分転換になります。リラックスできますね」。支えてくれる人のためにも-。次戦こそ、チームも自身も白星をつかみ取る。  「次回もそういう(真っすぐで押す)ピッチングができるようにやっていきたいです」  反省と収穫を次につなげる。次こそ、納得の快投で虎を勝利へと導く。 (箭内桃子) ★前回の青柳VTR  4月3日の巨人戦(東京ドーム)。開幕ローテ入りし、5戦目のマウンドを託されたが、0-0の三回2死から丸に3ラン、岡本にソロと連続被弾。一気に4点を失った。結局、5回を5安打4失点で1敗目。「先発として、先に点を与えてしまったのが一番よくなかったと思います」と反省した。

◆ハマの浜ちゃんが初完封だ! DeNAは10日、阪神2回戦(甲子園)に2-0で勝利。3年目の浜口遥大投手(24)が9回1安打9奪三振、136球の熱投で今季1勝目をプロ初完投となる完封で飾った。プロ入り前は大の阪神ファンだった左腕が、甲子園では通算5試合で3勝1ホールドと虎キラーぶりを発揮。拙守が絡んでの大逆転負けを喫した前日9日の悪夢を振り払い、貯金1とした。  "ハマちゃん"が猛虎を釣り上げた...。最後の打者、福留の二飛が柴田のグラブにおさまると、浜口はグラブを2度たたき、左拳を強く握った。敵地、甲子園で念願のプロ初完投を完封で飾った。  「九回(のマウンド)にあがるのも初めてだったので、本当にうれしいです。気持ちで投げました」  許したのは一回に糸原が放った左前打のみ。阪神先発、青柳との息詰まる投手戦だった。四球で走者をためる場面もあったが、決定打は最後まで許さなかった。  八回だ。連続四球で1死一、二塁とすると、マウンドに駆け寄った三浦投手コーチに「攻め続けろ」とハッパをかけられた。代打・鳥谷を二飛、上本に四球で満塁後は、糸原を遊飛に抑え、聖地のマウンドでほえた。  「三浦コーチが信じてくれて推してくれたので、それに応えようという思いでした。最後までいくつもりでした」  八回を終えて125球。中継ぎ陣も待機していたが、三浦投手コーチがラミレス監督に続投を進言し、未体験だった九回は中軸を三者凡退に仕留めた。  「荒れ球が持ち味です」と苦笑する。昨年8月には1イニング6四球の不名誉なセ・リーグ記録に並んだこともある。この日も四球は7個。それでも先頭打者の出塁は三回だけで、その走者を牽制(けんせい)球で刺すなど2度の牽制死を奪った。  実は、プロ入り前は熱狂的な虎党の父・顕人さんの影響で阪神ファンだった。マウンドから見るタテジマにアドレナリンを大放出し、阪神戦は通算5勝1敗。甲子園では3勝無敗と堂々の"虎キラー"となった。  ラミレス監督も「すごいファイティングスピリットをみせてくれた。俺は絶対に一人で投げきるという力強さを感じた」と絶賛した。昨季はリーグ最少の2完投だったチームに心強い先発完投型が誕生。ハマの浜ちゃんが憧れの甲子園で輝きを放った。 (湯浅大) ★浜口 遥大(はまぐち・はるひろ)という男  ◆生まれ 1995(平成7)年3月16日生まれ、24歳。佐賀県出身。  ◆球歴 小学5年で軟式野球を始め、基山中時代は外野手、三養基(みやき)高では投手。3年春の県大会8強が最高。神奈川大では2年春にリーグ優勝し全日本大学選手権準優勝。2-4年時に大学日本代表選出。2017年ドラフト1位でDeNA入団。  ◆大舞台で活躍 1年目は球団(前身時代を含む)の新人左腕では58年の鈴木隆(15勝)以来59年ぶりの2桁勝利となる10勝(6敗、防御率3・57)をマーク。ソフトバンクとの日本シリーズでは、球団19年ぶりのシリーズ勝利に貢献し、優秀選手賞。シーズンの新人特別賞を受賞した。  ◆2年目のジンクス 18年は侍ジャパン強化試合で日本代表に初選出されたが、左肩の違和感のため出場を辞退。5月に初登板も、4勝止まり(5敗、防御率3・90)でシーズンを終える。  ◆球種 最速151キロの直球にスライダー、チェンジアップ、フォークボール、カーブ。  ◆憧れ ベラスケス(フィリーズ)。  ◆好きな言葉 「素直さ、謙虚さ、朗らかさ」。神奈川大・古川前監督の教え。  ◆好きな食べ物 肉、魚。キノコ、ナスは苦手。  ◆好きな女性のタイプ 芸能人なら女優・川口春奈、北川景子。  ◆家族 両親と兄2人。  ◆サイズなど 173センチ、80キロ。左投げ左打ち。50メートル走6秒3、遠投95メートル。

◆あぁ、けん制地獄...。阪神は前夜の劇勝から一転、DeNA・浜口にわずか1安打に抑えられ、0-2で今季初の完封負け。2度もけん制死するなど機動力を完全に封じられ、矢野燿大監督(50)ら首脳陣は懺悔の嵐だ。借金1で4位に転落。今後、浜口ら左腕との対決をどう「ブチ破る」か。V奪回シーズンのポイントとなる。  急降下した気温とともに、猛虎打線も冷えついた。前夜は興奮のるつぼと化した甲子園が、たった一日で静まり返った。2度のけん制死で流れを手放し、1安打で今季初の完封負け。矢野監督が白いため息をついた。  「(浜口のけん制が)うまいのは、もちろん分かってるんですけど。そういうところでちょっと流れを止めてしまったかなというのはあります」  自滅だった。3連勝への勢いが、一回にいきなりしぼんだ。2死一塁。大山に初球を投げる前、浜口のけん制球に一走・糸原は慌てて頭から帰塁。間一髪セーフの判定も、ラミレス監督がリクエストし、リプレー検証の末、アウトに覆った。  三回には先頭で四球を選んだ北條が刺された。しかも絶好調・梅野の打席で-。序盤で2度は異例で、痛すぎる。0-1の六回1死でも上本が狙われ、あわや3度目。リプレー検証でセーフのままだったが、直後に糸原が投ゴロ併殺とチグハグ。とにかく1試合でこれだけ、けん制でやられていては、責められてもしかたがない。  試合後、清水ヘッドコーチは「流れを止められちゃったね。(盗塁の)サインも出していない(場面)。2つやられるのはダメ。俺らが反省しないと。勉強不足です」と厳しい表情。一塁コーチボックスの筒井外野守備走塁コーチも「揺さぶろうとしたけど、相手のキレに負けてしまった。自分も含めて、反省したい」と猛省した。  前夜はDeNAを揺さぶった機動力が一転、封じ込められた。相手にリズムをつけさせるアウトを献上し、浜口に136球でのプロ初完封を許した。阪神にとっては"たかが1敗"ではない。  一塁へけん制しやすい左投手に機動力を使うのは当然、難しい。ただ浜口の技術もあったとはいえ、左腕相手でもかき回していかなくては、一発長打の少ない虎は苦しい。しかも打線に左打者が多く、これで今季、サウスポーには5戦4敗と早くも深刻な事態だ。  7四球も生かせず、1投手に1安打完封負けは2012年5月4日の巨人・杉内以来、7年ぶりの屈辱。浜中打撃コーチは「(浜口の)チェンジアップに対して対策不足だった。気をつけられるようにしてあげたかったが、できなかったのはこっちの責任。申し訳ない」と懺悔したが、浜口を含め、左対策は大きな鍵となってくる。  「そういうふうに(左腕に勝てない)データとか、みなさんも言っていくでしょうから。それは打破していかないとダメだと思う。うちの打線は左打者が多いので、左が(より)来ることは考えられる。何とかしていけるように頑張ります」  指揮官は苦手を認め、正面から向き合った。これをブチ破らなければ、未来は開かない。 (大石豊佳) 一回にこの日チーム唯一の安打を左前へ放ったが、けん制死し、八回2死満塁でも遊飛に倒れた阪神・糸原 「失敗したことは帰ってこないので、同じことがないようにしたい。明日から切り替えてやります」 3四球を選ぶも、三回にけん制死した阪神・北條 「アウトになってはいけない場面で、なってしまった。こっちに流れがこないので、ダメなことをした」 ★星野氏「癖を修正したのかも」  通算176勝を挙げた左腕、星野伸之氏(サンケイスポーツ専属評論家)は「(浜口のけん制は)もともとうまいが、これだけやられるのは、癖がないのか、または癖を修正したのかもしれない。顔の向きも一定で、タイミングもうまいのだろう」と話した。「ただ走者はギリギリのところまでリードしているはずだし、それが矢野監督の目指す野球。この結果を受けて、リードを少し狭めるのか、どうするのか。次回の対戦に注目したい」とした。

◆"間抜け"打線では長続きしない-。梅野のサイクル安打など奇跡の逆転劇から一夜明け、1安打完封負け。通算465本塁打を放ち、西武、中日で打撃コーチなどを務めた土井正博氏(75)=サンケイスポーツ専属評論家=は各打者の工夫のなさを指摘。いかに「間(ま)」を作れるか、意識改革を求めた。  打線爆発の翌日に...という典型的な試合だった。これだけ大味な攻撃では、いい勝ち方をしても波に乗っていけない。  DeNAの浜口は確かによかった。試合序盤に直球とチェンジアップを駆使し、終盤からは変化球を軸に変更していた。さすがの投球術を見せていたが、それにしても...。阪神の打者は浜口のペースに合わせるだけで、まったく自分のタイミング、間(ま)で打てず、"間抜け(まぬけ)打線"となっていた。  打者という立場は受け身から始まる。しかし、その中で何とか間を作り、状況に応じたトップの位置を作るもの。とにかく打つことが求められているクリーンアップ以外の打者は、投手の間をいかに狂わせることができるかを考えないといけないのだが、残念ながら見受けられなかった。  たとえばセーフティーバントの構えをするのも1つ。バットを寝かせなくても足の動きだけでもいい。足に自信がない選手でもできること。点差は1、2点。これが0-5などと離れていてはもう打つだけなのだが、まだいろいろと策が打てる展開だっただけに、残念でならない。  一回の糸原、三回の北條のけん制死については揺さぶる目的だったのかもしれないが、盗塁のサインはどちらも出てなかったはずだ。糸原は3番・糸井の直前であり、北條はイニングの先頭。絶対にアウトになってはいけない場面であることを熟知してほしい。  狙い球に関しても、中途半端過ぎる。対左投手の基本はセンター返し。そうすると変化球がきても、自然と引っ張ることができる。引っ張ろうとか押っつけようとか、複雑に考えすぎだ。トス打撃(ペッパー)の延長線上で、センター返しでいい。各打者が打席で浜口を崩そうという強い意識があれば、七回までわずか97球ということも1安打完封勝利を許してしまうことも、あり得ないはずだ。  浜口に通算5敗目(1勝)を献上した。やられたらやり返す。そのためには"間抜け打線"から脱する。この敗北を教訓にしなければいけない。 (サンケイスポーツ専属評論家)

◆DeNA・浜口が10日の阪神戦(甲子園)で9回を136球の力投でプロ初完投を完封で飾った。阪神打線を1安打に抑える2-0の勝利だったが、浜口は「四球を多く出したので」と7四球を反省することも忘れなかった。だが、捕手の伊藤光は試合後にこう言った。  「荒れ球はハマちゃんの武器ですよ。相手打者には何がくるか分かりませんから」  四球は守備のリズムを狂わせ、試合の流れに影響を及ぼすこともある。それでも攻めにいった四球と、消極的になった逃げの四球は野手に与える信頼感は違う。状況、相手打者によっては「四球もやむなし」の場合もある。  10日の浜口の投球内容で大きかったのは7四球のうち、先頭打者に与えた四球は三回の北條に許した1個だけ。しかも、次打者の打席で北條を牽制(けんせい)で刺したのだ。浜口は阪神戦で1試合2度の牽制死を奪い、流れを断ちきった。  「四球は多かったけど、牽制で刺せば自分を助けるということを他の投手にも示してくれた」と伊藤光。昨年7月にオリックスからトレードで加入した伊藤光にとっても移籍後初完封リードとなり、「素直にうれしいですね」と笑った。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
ヤクルト
740 0.636
(↑0.036)
-
(↓1)
132
(-1)
56
(+15)
37
(+3)
10
(-)
5.000
(-)
0.000
(-)
1
(-)
巨人
740 0.636
(↓0.064)
0
(-)
132
(-1)
47
(+2)
37
(+3)
14
(-)
5.000
(↑1)
0.000
(-)
3
(-)
DeNA
650 0.545
(↑0.045)
1
(↑1)
132
(-1)
54
(+2)
45
(-)
13
(+2)
3.000
(-)
0.000
(-)
4
(1↑)
中日
560 0.455
(↑0.055)
2
(↑1)
132
(-1)
41
(+3)
39
(+2)
11
(+1)
7.000
(-)
0.000
(-)
4
(1↓)
阪神
560 0.455
(↓0.045)
2
(-)
132
(-1)
38
(-)
50
(+2)
5
(-)
4.000
(-)
0.000
(-)
6
(-)
広島
380 0.273
(↓0.027)
4
(-)
132
(-1)
35
(+3)
63
(+15)
11
(-)
3.000
(-)
0.000
(-)