オリックス(★0対3☆)ソフトバンク =リーグ戦3回戦(2019.04.04)・大阪ドーム=
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ソフトバンク
0101001003901
ORIX
0000000000500
勝利投手:武田 翔太(1勝0敗0S)
(セーブ:森山 孔介(0勝0敗3S))
敗戦投手:松葉 貴大(0勝1敗0S)

本塁打
【ソフトバンク】グラシアル(1号・2回表ソロ)

  DAZN
◆ソフトバンクが5連勝。ソフトバンクは2回表、グラシアルのソロで先制に成功する。その後は、4回に松田宣の適時打、7回には柳田の適時打でリードを広げた。投げては、先発・武田が8回途中無失点の好投で今季初勝利。敗れたオリックスは、打線が5安打と沈黙した。

◆ソフトバンク松田宣浩内野手が二塁打2本の活躍を見せた。 2回1死走者なしでは豪快に左翼フェンスを直撃。4回2死三塁では、右中間を真っ二つに破る技ありの一打で追加点を奪った。開幕から無安打は1試合で、打率も3割4分8厘と好調をキープ。「クリーンナップの後ろで働くことができたら、チームの勝ちにつながる。今年はこの役割でやっていきたい」と殊勝だった。

◆ソフトバンクのドラ1右腕の甲斐野央投手が1発が出れば同点のピンチをしのいだ。3-0の8回2死一、二塁で連投のマウンドへ。 代打大城に粘られたが、最後は低めの変化球で投ゴロに打ち取った。無失点リレーを守り「しびれました」と安堵(あんど)の表情。倉野投手コーチは「信頼は上がっている」と連日の好救援に目を細めた。

◆ソフトバンク・グラシアルが1号決勝弾を放った。2回先頭。松葉のチェンジアップに体勢を崩しながら、弾丸ライナーで左中間スタンドまで運んだ。 「積極的に打ちに行った。コンパクトに打って、芯に当たった。行くかどうかわからなかったけど、良かったね」とクールに振り返った。 4回1死でも中越えの二塁打を放ち、武田を援護する貴重な追加点を呼び込んだ。2年目の今季は開幕から6試合すべて「5番左翼」で出場。打率も3割超えと堅実に結果を残している。本来は三塁を守るが、中村晃の離脱にともない左翼へ。内川が負傷した際には、一塁守備にも挑んだ。「自分の可能性が広げられるなら、何でもやる」と謙虚な姿勢でチームに欠かせない存在になった。 試合後もウエートトレーニングなどで汗を流し、若手より帰りが遅いことも少なくない。勤勉な助っ人がチームの勢いをつないだ。

◆ソフトバンクがオリックスに快勝し、08年以来11年ぶりに開幕5連勝(1分け挟む)を飾った。先発武田翔太投手(26)が7回2/3を投げ、5安打無失点で今季初勝利。開幕ローテーション最後の出番で、先発6人もうち最長イニングを投げる頼もしさを見せた。12球団でソフトバンクだけが負け知らず。今季のスローガン「奪Sh!」の通り開幕ダッシュに成功した。経験豊富な武田が緊張していた。「そりゃ、緊張しましたよ。だいぶ待ったから。みんないい投球をしていたから、その流れに乗りたかった」。開幕から5戦負けなしで回ってきたマウンドで、負けるわけにはいかないプレッシャーがあった。 それでも冷静なのが武田だ。「今日はタイミングを外すこと。自分のスイングをさせないように」と、クイックモーションを交ぜるなどオリックス打線を幻惑。2回2死満塁のピンチも得意の縦スライダーで山足を二ゴロに仕留めた。3点リードの8回2死一塁、好調な左の1番福田を迎えたところで交代。工藤監督が「武田はナイスピッチングだった。あそこ(流れ)を切るか切らないかが大事だと思った」と理由を説明したが、7回2/3を投げて無失点と先発の役割を果たし、今季1勝目を挙げた。 昨季はわずか4勝。終盤は「第2先発」という中継ぎだった。「先発復帰」への強い思いでキャンプインしたが、対外試合2試合、5回1/3で11失点。めった打ちを食らい候補から外される瀬戸際で、武田を救ったのが自宅の自作マウンドだった。 木製のマウンドでシャドーピッチング。「左手のバランスが崩れているのかな?」。昔のグラブを使った時にピンときた。キッチンに直行し、今のグラブとはかりで比べると、120グラムほど昔の方が重かった。次の日、福岡市内のスラッガー社の店舗へグラブを持って行き「重くしてください。622グラムで」と注文。グラブを1度バラバラにして指先にある綿を外し、代わりに革を張り、オイルを塗り込んで重くした。 重いグラブを使った3月13日巨人戦では2回無失点。打者9人で7奪三振。別人のような快投。「体が開くのがワンテンポ遅れて、よくなりました」と武田はニヤリ。21日楽天戦でも4回1失点で開幕ローテーション入りした。 「まだ投げられる体力はあった。次はまた長いイニングを投げたい」。昨季3完封した右腕は、次回以降の完投に意欲を見せた。開幕6戦を5勝1分け。6番目に武田が待ちかまえる充実の戦力で、このまま首位を突っ走る。【石橋隆雄】

◆オリックスが勝てない。この日のソフトバンク戦に競り負け、開幕から引き分け2つを挟み4連敗。開幕から6試合勝ちがないのは、02年に開幕6連敗して以来、17年ぶりとなる屈辱だ。 とにかく打てない。相手先発の武田を捕まえきれない。2回2死満塁で山足が二ゴロ。6回は先頭福田が安打で出塁も、捕手甲斐のけん制で刺され、その直後の回に失点した。 結局、4投手に5安打に抑えられ完封を許した。2日のソフトバンク戦の5回に3点を奪ってから、これで25イニング無得点が続く。6試合で計12得点はパ・リーグワースト。西村監督も「もう、そこに尽きるでしょう。投手陣がかわいそう。(先発の)松葉も十分試合を作ってくれた。やはり野手陣。状況をしっかり頭に入れながらやらないと、ミスは相手に流れを渡してしまう」と渋い表情で話した。 総帥もがっかりだ。この日、京セラドーム大阪に観戦に訪れた宮内オーナーは試合後、勝利が遠いことに「近いかもしれない」と話したものの、ゼロ行進が続く打線については「(点が)取れないねえ。心配だよ」。オープン戦は好調だっただけに、開幕直後のつまずきは予想外かと問われ「そりゃそうだ」と肩を落とした。 昨季打率3割2分1厘で、26本塁打を放った吉田正は単打2本しか打てていない。苦しんでいる主砲は、早出でロングティーに取り組むなど野手陣も状況打開に必死。指揮官は「(焦りは)あるかもしれないが、明るく前向きにと言っている。乗り越えなければいけない。明日からまたやるしかない」と自分に言い聞かせるように言った。 ▼オリックスの開幕6戦勝ちなしは、6連敗した02年以来17年ぶり。石毛宏典監督が率いた同年は、首位から39ゲーム差をつけられ、球団39年ぶりの最下位に転落。翌03年開幕早々の石毛監督解任にもつながった。なお5日も●または△で勝ちなしが7試合に伸びれば、開幕10連敗を喫した阪急時代の61年に次ぎ、1リーグ時代も含め球団ワースト2位となる。

◆オリックスは開幕6試合で4敗2分けと白星がない。2日のソフトバンク戦の六回から25イニング連続無得点と打線の不振が目立つ。西村監督は「点が取れていない。勝ち星はないが、明るく前向きにいかないと」と我慢が続く。  昨季打率3割2分1厘で、26本塁打を放った吉田正は「ミートポイントがずれている」と単打2本しか打てていない。主砲の不調も響き、チームの得点はパ・リーグ最下位の12点にとどまっている。

◆常に涼しい顔でマウンドを守る姿が戻った。ソフトバンク・武田が復活を誓う今季の意気込みを初登板にぶつけた。  「自信になるし、みんながいい投球をしていたので、流れを崩したくなかったです」  二回2死満塁で山足を二ゴロ。以降は降板する八回2死一塁まで二塁を踏ませなかった。7回2/3を5安打無失点で1勝目を挙げ、チームは1分けを挟んで11年ぶりの開幕5連勝。工藤監督は「(先発)みんなが一回投げるまで負けず、次の投手も勇気をもらえた。(武田は)これを自信にしてほしい」とスタートダッシュに満足した。  過去2年の不振で出番が6戦目になったが、武田も柱を担うべき存在だ。昨季中に投球を大改造した。右肩を痛めて断念した入団時の高い位置から投げ下ろすフォームに再挑戦。オフ返上で固め、木の棒や足場の狭い平均台を使って体の動きを確認する地道な作業を現在も欠かさず、手応えに変えた。  「緊張しましたよ。だいぶ待ったので」  最後に登場も、決して6番手ではない。強力先発陣の形成に背番号「18」の復活は不可欠だ。 (安藤理)

◆"御前試合"も、初星は届けられなかった。今季初の完封負け。開幕2カードを終え、いまだ勝ち星ゼロ。開幕6連敗を喫した2002年以来、17年ぶりの事態。試合終了まで見届けた宮内義彦オーナー(83)にとっても想定外の船出だ。  一度は報道陣に「コメントはなし」と口にした総帥だが、「予想外ですか?」と問われると「そりゃそうだよ」とうなずいた。  西村新監督を迎え、新しくスタートを切ったオリックス。指揮官に「勝ち方を知っている」と期待を寄せ、1996年以来リーグ優勝から遠ざかっている現状を「選手が悪い、監督が悪い、球団社長が悪いと言うてたんですけど、オーナーが一番悪いという気がしています」と自虐的に話したこともあった。  キャンプ視察時には「1人1人、今年が最後だという気持ちを持ってやってほしい」と喝を入れ、3月13日の激励会では「今年はひょっとしますよ」と手応えを口にしていた。実際、チームはオープン戦でチーム打率(・262)、チーム防御率(2・26)ともに12球団トップ。だが蓋を開ければ、開幕から引き分け2つを挟んで4連敗だ。  2日のソフトバンク戦(京セラ)の五回に3点を奪って以降、計25回連続無得点で「(点が)取れないねぇ、取れないねぇ。(チーム状態が)心配だよ」と嘆くしかない。  勝ちが遠い-。それでもオーナーは「近いかもしれんよ」と前を向き、西村監督も「なんとか乗り越えないといけない。明るく前向きにやっていかないと」と奮起を求めた。まずは1勝を、必死につかみ取りたい。 (西垣戸理大) ★宮内オーナー、このオフの発言  ◆昨年12月1日 兵庫・芦屋市内のホテルで行われた「阪急オリックスOB総会」に出席。あいさつで、22年間優勝から遠ざかっている理由として「オーナーが一番悪い」と自虐的に話した。その一方で「来年は大いに期待したい」と期待をかけた  ◆2月9日 宮崎キャンプを視察。1、2軍の首脳陣、選手を集めた訓示で「プロ野球の世界は甘くない。1人1人、今年が最後だという気持ちを持ってやってほしい」「バファローズから何人か抜けて、世間からは大丈夫かなと思われている」「もっと輝いてほしい」「他の11チームはもっとすごいことをやっていると自覚して」などとハッパをかけた  ◆3月13日 大阪市内で行われたオリックスの激励パーティーに出席。83歳と高齢だけに「冥土の土産がないままに、閻魔さんに会うのは非常にまずい。早いところ土産をつくって」とあいさつし、笑いを誘った

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
501 1.000
(-)
-
(-)
137
(-1)
28
(+3)
14
(-)
8
(+1)
3.000
(-)
0.000
(-)
2
(-)
楽天
510 0.833
(↑0.033)
0.5
(-)
137
(-1)
39
(+11)
17
(+2)
8
(-)
2.000
(↑1)
0.000
(-)
3
(1↑)
西武
330 0.500
(↑0.1)
2.5
(-)
137
(-1)
34
(+8)
27
(+6)
5
(-)
8.000
(↑2)
0.000
(-)
4
(1↓)
日本ハム
231 0.400
(↓0.1)
3
(↓1)
137
(-1)
19
(+2)
25
(+11)
3
(+1)
1.000
(-)
0.000
(-)
5
(-)
ロッテ
150 0.167
(↓0.033)
4.5
(↓1)
137
(-1)
25
(+6)
46
(+8)
11
(+3)
6.000
(↑1)
0.000
(-)
6
(-)
ORIX
042 0.000
(-)
4.5
(↓1)
137
(-1)
12
(-)
28
(+3)
1
(-)
8.000
(-)
0.000
(-)