中日(☆7対4★)広島 =リーグ戦1回戦(2019.04.02)・ナゴヤドーム=
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広島
1020001004723
中日
02001013X7810
勝利投手:祖父江 大輔(1勝0敗0S)
(セーブ:鈴木 博志(0勝0敗1S))
敗戦投手:フランスア(0勝1敗0S)

本塁打
【広島】野間 峻祥(1号・1回表ソロ),菊池 涼介(1号・3回表2ラン),長野 久義(1号・7回表ソロ)

  DAZN
◆中日は1点ビハインドで迎えた7回裏、2死一三塁から京田の適時打が飛び出し同点とする。続く8回には、代打・阿部の2点適時打などで3点を奪い、勝ち越しに成功した。投げては、3番手・祖父江が今季初勝利。敗れた広島は、4番手・フランスアが誤算だった。

◆広島長野久義外野手(34)が2日、中日戦に6番左翼で先発出場した。 3月31日の本拠地巨人戦で移籍後初めて途中出場し、初安打をマークしたが、スタメン入りは初めて。試合前には入念に打撃練習を行っていた。

◆中日の本拠地開幕戦のセレモニーとしてOB2人による始球式を行った。 マウンドには60年代にエースを務めた権藤博氏(80=野球評論家)が上がり、打席には3代目ミスタードラゴンズとして立浪和義氏(49=野球評論家)が立った。2人はともに入団当時のユニホームに身を包み、権藤氏はマウンド前から投球。55キロの内角直球を立浪氏が右前にクリーンヒットした。権藤氏は「マウンドの土の部分は、先発投手のもの(だから汚せない)。久しぶりに投手のプレッシャーを感じた」と話した。立浪氏も「権藤さんといっしょに殿堂に入れて良かった。球がバットに当たって良かった」と感想を述べた。 2人はともに今年、野球殿堂入りしたこともあり、本拠地開幕戦の始球式を務めた。 権藤氏は61年に中日に入団。杉下茂氏の背番号20を引き継ぎ、新人の61年に35勝、翌年も30勝を挙げ、2年連続で最多勝投手に輝いた。登板数が多いことで「権藤、権藤、雨、権藤」という流行語にもなった。68年現役引退後は中日、近鉄(現オリックス)、ダイエー(現ソフトバンク)、横浜(現DeNA)などのコーチを経験。98年は横浜監督としてリーグ優勝、日本一を達成した。 立浪氏は69年生まれ。87年のドラフト1位で中日入団。球団史上唯一の高卒新人として1軍開幕戦フルイニング出場を果たし、優勝に貢献した。同年は新人王とゴールデングラブ賞を受賞。その後、遊撃、二塁、三塁で合計5回、ゴールデングラブ賞を受賞した。引退するまでの22年間、中日一筋でプレー。通算2480安打は中日最多。

◆広島の野間峻祥外野手が先制の1号ソロを放った。3番中堅で先発。1回、田中広、菊池涼が連続三振に倒れた後の打席。 大野雄のカウント2-2からの5球目のスライダーをうまくバットに乗せ、右翼スタンドに突き刺した。「追い込まれていたのでなんとか食らいついていきました。入ってくれてよかったです」と話した。

◆広島菊池涼介内野手(29)が1号逆転2ランを放った。1点を追う3回2死一塁。 大野雄がカウント1-1から投じた145キロのストレートを、バットのヘッドを利かせて左翼スタンドまで運んだ。2回裏に逆転された直後。効果的な1発を「やっとバットに当たってくれました」と振り返った。

◆広島長野久義外野手(34)が勝ち越しの移籍1号本塁打を放った。6番左翼で移籍後初めてスタメン出場。 3-3の7回先頭で、大野雄のカウント3-2からの147キロ直球を捉えた。ライナー性の打球が、広島ファンで赤く染まった左翼スタンドに突き刺さった。「イニングの先頭だったので、塁に出ることを心がけていきました」と話した。

◆中日キラーの広島クリス・ジョンソン投手が苦しんだ。巨人との開幕2戦目先発が予定されていたが、コンディション不良の影響で、この日に変更されていた。 昨季中日戦は5試合で3勝0敗、防御率2・38と好投したが、制球がままならず5回5安打3失点。1点リードの5回には自らの二塁悪送球も絡み、同点に追いつかれた。「制球の問題。(悪送球は)最悪のミスをしてしまった」と話した。

◆執念の白星だった。同点の8回。1死満塁のチャンスで代打に送られたのは阿部。プロ入り初の開幕スタメンを決めながら3月31日のDeNA戦(横浜)から控えに甘んじていた。 フランスアの最速154キロの直球とチェンジアップにも耐えて粘り、カウント3-2からの9球目。直球にバットを折られながらも中前へはじき返した。3万2475人の歓声が阿部に結果を伝えてくれた。 「秋からしっかり振ることをやってきた。しっかり振れて良かった。(折れた)バットのおかげです」と阿部。就任後、与田監督は「バットをしっかり振る」ことを何度も口にしてきた。その意味をヒーローは、今季初のお立ち台でかみしめた。 総力戦だった。先発大野雄が7回4失点と粘投。8回2死三塁で登板した祖父江は鈴木を空振り三振に打ち取り、最後は守護神鈴木博が締めた。2試合連続でスタメンの京田も奮闘。6回にバティスタのショート後方への飛球を好捕し、併殺を完成。7回には貴重な同点打も放った。 チームにとっては3年ぶりの本拠地開幕戦の白星。与田監督の声はかれていた。「準備してきた選手を出来るだけ使う。(阿部は)自信をつけてほしい。選手たちが応えてくれた」。これで勝率5割に復帰。3日は3年ぶりの貯金を狙う。【伊東大介】

◆広島移籍後初スタメンの長野久義外野手が、渾身(こんしん)のスイングで大野雄の147キロ直球を捉えた。 広島ファンで赤く染まったナゴヤドームの左翼スタンドに、ライナーが突き刺さった。3-3の7回先頭。カウント3-2からの勝ち越し1号ソロ。「まぐれです。まだまだ始まったばかり」。最後は逆転負けで4年ぶりの単独最下位となっただけに、控えめに振り返った。 複雑な思いをバットに込めた。開幕カードの巨人3連戦では、1、2戦目はベンチを温めた。2戦目は9回裏に代打の準備をし、次打者席から展開を見守ったが試合終了。3戦目に途中出場で初安打を放っても「打撃の方がまだまだ全然です」と喜ばなかった。巨人でレギュラーを張ってきたプライドだった。 巨人入りした2年連続MVP、丸の代役として見られる重圧と闘ってきた。キャンプではハイペースの周囲を尻目に、冷静に自らの肉体と向き合った。体調がよければペースを上げ、不安があれば自重。周囲に焦りは見せなかった。 緒方監督は「よかったね。打席での感じも悪くなかった」と話した。第2打席でも右前打しており、初のマルチ安打もマーク。この日は左腕大野雄対策で先発したが、相手の左右を問わず起用される可能性も高まった。【村野森】

◆広島は昨年3勝9敗のナゴヤドームでの今季初戦を、逆転負けで落とした。単独最下位となるのは15年6月24日以来、4年ぶり。緒方孝市監督(50)の一問一答は以下の通り。 -ナゴヤドームはやりにくいか 緒方監督 そんなことはない。 -リリーフ陣が踏ん張れなかった 緒方監督 こっちが代えて点を取られてるんだから、俺の責任。ピッチャーはしっかりマウンドに上がったとき、自分のボールを自信を持って投げてくれたらいいんだから。 -長野が1号 よかったね。打席の感じもぜんぜん悪くなかったし。どんどん試合に出てもらうように、考えている。 -単独最下位 緒方監督 ああ、そう。

◆ナゴヤドーム開幕戦の2日の中日-広島戦の試合前セレモニーに1月15日、野球殿堂入りした中日OBの権藤博氏(80)と立浪和義氏(49)が出席。始球式では権藤氏が投げて立浪氏が打席に立った。  2人は入団当時のユニホームを着用。権藤氏の55キロ直球を立浪氏が右前に運ぶとスタンドからは大きな拍手が送られた。権藤氏は「久しぶりに投手のプレッシャーを感じたよ。(立浪氏の打撃フォームは)現役時代と変わっていないね」といえば、立浪氏は「ちゃんと打てるところに投げてくれました。権藤さんといっしょに(始球式を)やれて光栄です」と話した。  権藤氏は1961年、中日に入団し、2年連続で最多勝。連投が多く「権藤、権藤、雨、権藤」という流行語も生まれた。横浜の監督に就任した1998年にはチームを38年ぶりの日本一に導いた。立浪氏は中日一筋22年で歴代8位の2480安打を放ち、「ミスタードラゴンズ」と呼ばれている。

◆広島の菊池涼が1-2の三回、今季初安打となる1号2ランを放った。2死から田中広を塁上に置き、大野雄の145キロを捉えてカープファンが真っ赤に染めた左翼席に放り込んだ。  本拠地での巨人との開幕3連戦は好守でチームをもり立てたが安打はなし。昨季3勝9敗と鬼門だったナゴヤドームで、今季15打席目にしてようやくHランプをともし「打ったのはストレートかな。やっとバットに当たってくれました」と相好を崩した。  球界屈指の二塁手は昨冬、契約更改の記者会見で今季終了後にポスティングシステムを利用して米大リーグに挑む希望を表明。「成績を残さなければ行けないし、自分にハッパを掛ける」と強い気持ちでリーグ4連覇を狙うシーズンに臨んでいる。

◆人的補償で巨人から移籍後初めて先発した広島の長野が、1号ソロを含む2安打を放った。「6番・左翼」で出場すると、左投手の中日・大野雄に対して四回は外角の変化球を右前打、七回は直球をカープファンが埋め尽くした左翼スタンドに運んだ。  一時勝ち越しとなるアーチにも「まぐれです。まだまだ始まったばかりですから」と逆転負けに表情は晴れなかった。

◆広島は早めの継投が裏目に出てリードを守れず、3連敗を喫した。ジョンソンは自らの失策もあり、5回3失点で降板。長野のソロで4-3とした七回もピンチで登板したフランスアが適時打を許し、八回もミスで走者をためて痛打を浴びた。  緒方監督は「こっちが代えて点を取られている。俺の責任」と話し、フランスアは「打たれることだってある。次頑張る」と気持ちの切り替えに努めた。 ジョンソン(5回3失点) 「修正しながら粘ろうとしたけど、こういう結果になった」 野間(先制1号ソロ) 「追い込まれていたので何とか食らいついていった」 広島・東出打撃コーチ(今季初安打の菊池涼に) 「これで楽になる」

◆中日は課題とされてきた救援陣が活躍した。同点の八回2死三塁で登板した祖父江は広島の鈴木を低めの変化球で三振に仕留めた。流れを引き寄せて勝利投手になり「大野雄も必死に頑張っていた。0点で帰ってこようと思っていた」と満足げだった。  九回の鈴木博は走者を出しながらも失点は許さず、今季初セーブ。「とりあえず勝ててよかった。きょうは勝って帰ろうと思っていた。1セーブ挙げられてよかった」と安堵した。 与田監督(ホーム開幕戦勝利) 「疲れたね。終盤ひっくり返してくれて、野手の手助けがあった。よく頑張ってくれた」 大野雄(7回4失点も負けはつかず) 「勝って反省できるのは大きく違う。野手がよく守って追い付いてくれた。感謝したい」 渡辺(八回、プロ初打点となる犠飛) 「良い雰囲気に乗ることができた。とにかく必死だった」

◆こちらも移籍後初アーチだ。巨人へFA移籍した丸の人的補償で広島に加わった長野が、3-3の七回、大野雄の直球を一閃。左翼席に運ぶ1号ソロを放った。  「(本塁打は)まぐれです。まだまだシーズンは始まったばかり...。みんなで明日は...」  逆転負けで"空砲"となり、試合後は多くは語らなかったが、4試合目で初めて「6番・左翼」で先発出場し、2安打と結果を出した。  チームは昨季3勝9敗など2年連続で負け越している相性の悪いナゴヤドームで、今年も黒星スタート。3連敗で2015年6月24日以来の単独最下位となった。緒方監督は「(長野は)よかったね。打席で見た感じは悪くない。どんどん試合に出てほしい」と、調子を上げてきた34歳のベテランに期待した。 (三木建次)

◆ホーム開幕戦で競り勝った。同点で迎えた八回1死満塁の好機に代打の阿部が2点中前打。広島4番手、フランスアが投じた153キロの直球にバットを折られながら、結果を出した。昨季は18試合の出場にとどまった29歳の内野手は「平成も終わる。令和はいい年にできるようにしたい。結果だけを求めたい」と力強く話した。 八回にプロ初打点となる中犠飛を放った4年目の中日・渡辺 「良い雰囲気に乗ることができた。とにかく必死だった」 本拠地開幕戦の勝利に中日・与田監督 「疲れたね。終盤ひっくり返してくれて、野手の手助けがあった。よく頑張ってくれた」

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
310 0.750
(↑0.083)
-
(-)
139
(-1)
20
(+9)
13
(+3)
3
(+2)
0.000
(-)
0.000
(-)
2
(2↑)
ヤクルト
220 0.500
(↑0.167)
1
(-)
139
(-1)
8
(+5)
6
(+2)
1
(+1)
0.000
(-)
0.000
(-)
2
(1↓)
DeNA
220 0.500
(↓0.167)
1
(↓1)
139
(-1)
14
(+2)
17
(+5)
1
(-)
0.000
(-)
0.000
(-)
2
(2↑)
中日
220 0.500
(↑0.167)
1
(-)
139
(-1)
19
(+7)
16
(+4)
1
(-)
2.000
(-)
0.000
(-)
2
(1↓)
阪神
220 0.500
(↓0.167)
1
(↓1)
139
(-1)
7
(+3)
12
(+9)
1
(-)
2.000
(↑1)
0.000
(-)
6
(2↓)
広島
130 0.250
(↓0.083)
2
(↓1)
139
(-1)
14
(+4)
18
(+7)
5
(+3)
1.000
(-)
0.000
(-)