広島(☆5対0★)巨人 =リーグ戦1回戦(2019.03.29)・マツダスタジアム=
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巨人
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広島
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勝利投手:大瀬良 大地(1勝0敗0S)
敗戦投手:菅野 智之(0勝1敗0S)

本塁打
【広島】安部 友裕(1号・3回裏ソロ)

  DAZN
◆広島は3回裏、8番・安部のソロで先制する。そのまま迎えた8回には、野間と會澤の適時打などで4点を挙げ、試合を決めた。投げては、先発・大瀬良が8回無失点11奪三振の快投で今季初勝利。敗れた巨人は、先発・菅野が好投を見せるも、打線が援護できなかった。

◆広島長野久義外野手が高級車で新天地の再出発を切った。開幕戦を控えた午後0時10分、マツダスタジアムの駐車場に高級車ロールスロイスが到着した。 報道陣が注目する中、後部座席から長野が「僕でした」と満面の笑みで出て来て、ロッカールームに入った。 マツダスタジアム主催試合では、広島の選手はタクシー通勤を義務づけられている。ロールスロイスのハイヤーは広島球団が契約する「つばめ交通」が今年から始めたサービスで、開幕2日前に長野が自ら予約を入れたという。ロールスロイスの中でも最高級クラス「ファントム」は車体相場約8000万円。ド派手な高級車に長野が降車した後もチームメートの安部が試乗に訪れるなど、しばらく球団関係者の注目を集めた。 新天地での開幕戦はベンチスタートとなり、11年から続いた開幕スタメンは8年連続で途切れた。

◆KAT-TUN亀梨和也(33)が29日、広島-巨人の開幕戦で君が代を独唱した。 事前発表なくサプライズ登場すると、大歓声で迎えられた。初の大役を終え「お話を頂いた時は本当に受けて良いのか悩みました。光栄なことですし、野球に携わらせていただいている立場として、何とか自分にプレッシャーをかけて大役をやり切れました」。安堵(あんど)の表情を浮かべた。

◆広島OBの山本浩二氏(72)が広島-巨人の開幕戦始球式を務めた。球団永久欠番8のユニホームを身にまとい、マウンドに上がった。 投じた1球は左打席に立つ巨人吉川尚の背後でワンバウンドし、捕手会沢も止められない暴投となった。「開幕戦で始球式をやるのは初めて。ストライクを投げようとしたけど、球が離れてくれなかった」と苦笑いで振り返った。

◆巨人丸佳浩外野手(29)が、古巣広島との開幕戦で4打席連続三振と沈黙した。 広島大瀬良の前に、1回は外角のカットボールをハーフスイング。4回は外角のカットボールを見逃し三振した。6回にはカーブを空振り三振し、8回には外角の直球で見逃し三振を喫した。「結果が出なかったので悔しいです。(大瀬良は)いい球投げていたと思います。ちょっと自分のポイントで打てない球が多かった。いいコースに来ていましたけど、その中でも甘い球はあったので、それを仕留めきれなかった。次はもうちょっと自分の中で考えをまとめて、対戦できればと思います」と話した。

◆開幕1番を任された巨人吉川尚輝内野手が、沈黙した打線の中で3安打と気を吐いた。 1回にチーム初安打となる二塁内野安打で出塁。3回には中前打、8回にも左前打をマークした。「点に絡んでいないので。また明日切り替えて」と話した。守備では8回の悪送球が失点に直結。チームも敗戦し、表情は暗かった。

◆自身初の開幕スタメンの巨人田中俊太内野手(25)が、兄の広島田中広輔内野手とプロ野球史上初の開幕戦での兄弟スタメン対決を記録した。 打席では広島投手陣の前に4打数無安打。守備では悪送球による1失策を犯したが、フル出場した。「声援がすごかったので、独特な雰囲気は感じた」と話した。

◆開幕戦は広島大瀬良、巨人菅野の投手戦となった。3回、広島先頭の安部が右翼へ1号ソロを放ち、均衡を破った。 中盤も投手戦。大瀬良は6回、丸、岡本、陽岱鋼の中軸を3者連続三振。菅野はその裏1死一、二塁のピンチをしのいだ。 菅野は7回1失点で降板。広島は8回、会沢の適時打などで4点を追加。大瀬良は丸から4三振を奪い、開幕ゲームを飾った。 広島大瀬良は1勝目、巨人菅野は1敗目。

◆外角低めに伸びた直球に、2年連続MVPのバットがピクリとも動かない。1点を追う8回1死一、二塁。一打同点の場面で、巨人丸佳浩外野手(29)は1ボール2ストライクから、142キロの直球で見逃し三振に倒れた。FA移籍後初戦で、大瀬良からまさかの4打席連続三振。「結果が出なかったので悔しい。いい球投げていたと思います」。真っ赤に染まったマツダスタジアムが大興奮につつまれる中、口元を結んで三塁側ベンチに下がった。 オープン戦2試合、開幕セレモニーまでは拍手が送られた古巣の雰囲気が、試合に入ると一変した。1回の第1打席、ハーフスイングが三振と判定されると大歓声がわき起こる。4回は見逃し、6回は118キロのカーブで崩され、バットが空を切った。原辰徳監督は「何とか打線がね。0点じゃいけませんね。(丸は)すべて糧ですよ」と言った。 昨季マツダスタジアムでは2年越しの13連敗を喫するなど2勝9敗(1分)と苦しみ、4年連続V逸の鬼門になった。4年ぶりに復帰した指揮官は「勢いを付けさせると今まで以上の圧力がある。何とか先取点、先行できる形がとても大事なような気はしますね」と感じ取った。 開幕戦の試合前。選手の前に立ち、長いシーズンに向けて訓示した。「試合に出たらノビノビ、ハツラツと『陽』になろう。少々『陰』に入っても立ち直るように。全員が『陰』の気持ちを分かって『陽』に向けて戦う。最後の最後まで戦い抜こう」。原監督が指揮した12年間で5度開幕戦に敗れたが、そのうち4度はリーグ制覇した。「陰」から「陽」へ、30日から転じていく。【前田祐輔】

◆危機感弾!! 広島安部友裕内野手(29)が巨人との開幕戦で巨人のエース菅野から先制1号となる決勝弾を右翼席に突き刺した。打線で「ポスト丸」と期待されるも、今季は8番からのスタートとなった。一昨年の覇気から今季は危機感を胸に、ここからはい上がっていくつもりだ。振り抜いたバットがわずかに見えた大投手の突破口を開いた。3回。先頭の安部はカウント1-1から巨人菅野の浮いたカットボールに反応した。上からたたくように振り抜いた弾道は広島の夜空に舞い上がり、真っ赤に揺れる右翼スタンドに吸い込まれた。巨人菅野から先制点を奪うとともに、広島打線を勢いづけ、先発大瀬良を勇気づけた。 「打っていく球と捨てる球を整理して入った。いい投手なので、数少ない、甘い球を仕留められた」 2年前は「覇気」を連呼し、リーグ4位の打率をマーク。だが、昨年は大不振を極めた。参加予定のなかった昨秋キャンプに参加志願し、オフのイベントは球団に頭を下げて極力断った。今年1月の沖縄での自主トレも、報道陣からの公開要望を拒否。昨季終了時から不言実行を貫いてきた。今季開幕は「危機」を胸に迎えた。 ユニホームが代わった丸への思いもあった。移籍時には「そりゃあ僕だって寂しい。言いたいこともある...」。同期入団で同学年。苦楽をともにした球友への言葉をのみこみ「もう巨人の選手ですから。丸に成長した姿を見せたいですね」とキッパリ言った。打線では「ポスト丸」とも期待されるバットマンが、再会初戦で成長を示した。 迎えた開幕戦の打順は野手では最下位の8番だった。「自分が招いた結果、内容。8番でしたが、また練習していいものを出せれば、いい打順で打てると思う」。すべてはグラウンドで答えを出すだけだ。 緒方監督は「本人もこれで乗っていけるでしょう」と期待する。それでも本人は表情を引き締める。「うかうかしていると足をすくわれる。どの選手もそう思っていると思う。しっかり明日からもやっていきたい」まだ開幕戦が終わったばかり。本人の危機感は薄れていない。【前原淳】

◆巨人菅野智之投手が1発に屈した。下位打線から始まった3回に8番安部にカウント1-1から真ん中に甘く入ったカットボールを右翼席へ先制ソロを運ばれた。 強力広島打線に7回4安打1失点と踏ん張ったが「ホームランはもったいなかった」と悔やんだ。打線の援護もなく自身5度目の開幕マウンドで黒星を喫した。 万全の調整で門出の一戦に臨んだ。「攻撃を見てからの開幕戦だから開幕戦という感じはしなかった」と平常心だったと強調。さらに「昨日から今日にかけていいマインドで球場に来られたと思う。試合の入り方は悪くなかった」と得点圏に走者を置いたのは2度だけと、テンポよくイニングを進めた。自身の反省点と同時に「大江と宮国がゼロで抑えていたら1点で分からなかったと思う。チームとして勝てなかったことが悔しい」とも言った。孤高ではない。一丸で残り142試合を戦う。

◆広島は、初の開幕投手を務めた大瀬良の8回無失点の好投に、打線が安部の先制ソロなどで応えた。巨人の8安打よりも少ない7安打で5点を奪い、白星発進となった。緒方孝市監督(50)の談話は以下の通り。 -大瀬良投手が好投 緒方監督 (今日は大瀬良)大地に尽きるね。初回から走者を背負ってからの投球が続いたけど、粘り強く投げてくれた。 -中盤以降、安定感が増した 緒方監督 昨年まではあまりなかった。昨年は(シーズン)序盤(足がつるなどで)球数があったからね。今年は開幕でプレッシャーがかかる中、あれだけの投球を粘り強くしてくれた。球数もしっかり投げてくれたしね。ナイスピッチング。 -開幕投手を託した期待に応える投球 緒方監督 みんなに期待しているけどね。うちはみんなで戦うチームだから。その中でいろんな意味でプレッシャーがかかるオープニングゲーム。言うことないでしょう。8回もあの投手の姿を見たら、野手も何とかしようという気持ちになって、あの攻撃になった。球場と一体となって、ファンとなって7回の攻撃ができたと思うし、あの4点は非常に大きかったと思います。 -8番に置いた安部が先制弾 緒方監督 一昨年は(菅野を打つ)イメージがあったけど、昨年はちょっとイメージがなくて。でも1打席目で出るんだから本人もこれで乗っていけるでしょう。 -8番起用は 緒方監督 深い意味はない。打撃コーチがいろいろ考えた打順。 -いいスタートを切った 緒方監督 本当に初日こうやって勝てて、大観衆の中、みんなで並んであいさつ、お礼ができたので、また明日も明後日もできるように頑張ります。

◆伝説の4打席連続三振だ!! 初の開幕投手となった広島大瀬良大地投手(27)が、昨年までの同僚、巨人丸から4連続三振を奪った。3つのウイニングショットで翻弄(ほんろう)し、強力打線を分断。8回を7安打無失点、11三振の内容で初勝利を挙げた。菅野との投げ合いにも勝ち、完封リレーを演出。リーグ4連覇を目指すチームのエース格として、最高のスタートを切った。 大瀬良が投じた魂のストレートが、外角低めに決まった。丸はバットを出すこともできず、ぼうぜんと見送った。8回1死一、二塁。初めて得点圏に走者を背負った場面で元同僚を迎え、4打席連続となる三振を奪った。大歓声で球場が揺れる。「ほっとしました。抑えることが恩返しになる」。絶対に抑えたい相手を完璧に封じ込め、さわやかに笑った。 すべての神経をそそぎ、丸に対した。初回1死一塁ではカウント1-2から内角のボールになるカットボールで空振り三振。4回先頭ではカットボールを外角のボールゾーンからストライクゾーンをかすめる「バックドア」で見逃し三振。6回は初めて投じたスローカーブで空振りを奪った。そして8回は一転、力勝負。かつて国鉄のエース金田正一が、巨人のルーキー長嶋茂雄のデビュー戦で4連続三振を奪ったが、そんな伝説をほうふつとさせる衝撃だった。 大瀬良にとって丸は尊敬の対象だった。「いろいろ野球の話をして、お世話になった方」。数年前の秋季キャンプ。練習後、丸がシーズン中にメモした相手投手のデータを丁寧に整理する姿を見て衝撃を受けた。疲れているはずなのに、翌年に向けた準備をしていた。プロとはどうあるべきかを学んだ。昨オフ、丸の巨人移籍決定後、ユーチューブで何度も打撃を見た。どう抑えるか、繰り返し考えた。「内角に投げるときは厳しく」。出した答えをマウンドにぶつけた。 佐々岡投手コーチは7回裏の打席に立たせ、8回も続投させた。「エースとしてやってほしい気持ちもあった」と振り返る。8回で7安打を許したが11三振を奪い、数字以上に圧倒的な内容だった。緒方監督は「大地に尽きるね。初回から走者を背負ってからの投球が続いたけど、粘り強く投げてくれた」と絶賛した。 球界のエース菅野との投げ合いも制した大瀬良は「これを続けていけるように」と言った。頼もしい右腕が新生カープを引っ張っていく。【村野森】

◆初の開幕投手となった広島大瀬良大地投手(27)が、昨年までの同僚、巨人丸から4連続三振を奪った。3つのウイニングショットで翻弄(ほんろう)し、強力打線を分断。8回を7安打無失点、11三振の内容で初勝利を挙げた。 大瀬良はウイニングボールを新妻に届ける。「いつも世話になっているんで」と照れずに話した。昨オフ、タレントの浅田真由さん(29)との結婚を発表。開幕までに婚姻届も提出した。真由さんは大学の家政学部管理栄養士学科出身で栄養士の資格を持ち、料理が得意。バラエティー豊かなメニューで支えてくれており「何でもおいしいです」と話す。愛妻との二人三脚で勝ち星を重ねていく。

◆初の開幕投手となった広島大瀬良大地投手(27)が、昨年までの同僚、巨人丸から4連続三振を奪った。3つのウイニングショットで翻弄(ほんろう)し、強力打線を分断。8回を7安打無失点、11三振の内容で初勝利を挙げた。 ▼大瀬良が8回を投げ11奪三振。今年の開幕戦は今永(DeNA)も2桁奪三振をマークしたが、広島の開幕投手が2桁奪三振は初めてになる。巨人相手の開幕戦で2桁奪三振を記録したのは58年に14奪三振、59年に11奪三振の金田(国鉄)以来、60年ぶり2人目だ。58年の金田は3番長嶋から4三振を奪ったが、この日の大瀬良は3番丸から4三振を奪った。

◆外角低めに伸びた直球に、2年連続MVPのバットがピクリとも動かない。1点を追う8回1死一、二塁。一打同点の場面で、巨人丸佳浩外野手(29)は1ボール2ストライクから、142キロの直球で見逃し三振に倒れた。FA移籍後初戦で、大瀬良からまさかの4打席連続三振。「結果が出なかったので悔しい。いい球投げていたと思います」。真っ赤に染まったマツダスタジアムが大興奮に包まれる中、口元を結んで三塁側ベンチに下がった。 オープン戦2試合、開幕セレモニーまでは拍手が送られた古巣の雰囲気が、試合に入ると一変した。1回の第1打席、ハーフスイングが三振と判定されると大歓声がわき起こる。4回は見逃し、6回は118キロのカーブで崩され、バットが空を切った。原監督は「何とか打線がね。0点じゃいけませんね。(丸は)すべて糧ですよ」と言った。 昨季マツダスタジアムでは2年越しの13連敗を喫するなど2勝9敗(1分け)と苦しみ、4年連続V逸の鬼門になった。4年ぶりに復帰した指揮官は「勢いを付けさせると今まで以上の圧力がある。何とか先取点、先行できる形がとても大事なような気はしますね」と感じ取った。 開幕戦の試合前。選手の前に立ち、長いシーズンに向けて訓示した。「試合に出たらノビノビ、ハツラツと『陽』になろう。少々『陰』に入っても立ち直るように。全員が『陰』の気持ちを分かって『陽』に向けて戦う。最後の最後まで戦い抜こう」。原監督が指揮した12年間で5度開幕戦に敗れたが、そのうち4度はリーグ制覇した。「陰」から「陽」へ、30日から転じていく。【前田祐輔】 ▼丸の移籍初戦は4打席4三振。巨人で開幕戦に4三振は、投手の槙原が92年広島戦で記録して以来、27年ぶり。開幕戦で4三振の野手はプロ1年目の58年長嶋以来、チーム61年ぶり。

◆広島野間が足で2安打をもぎ取った。 2回に三塁前へのボテボテの内野安打で菅野から初安打をゲット(三塁悪送球で二塁進塁)。1点リードの8回2死満塁では二塁へのボテボテの当たりで内野安打と悪送球が再び重なり、2点を追加した(打点は1)。持ち味を発揮したマルチ安打に「形はぶさいくでも、シーズンに入ったらこういうヒットが大事」とうなずいた。

◆攻守に広島会沢が光った。1回2死一塁から吉川尚の盗塁を刺すと、先発大瀬良の8回無失点の好投を引き出した。 特に丸からは4打席連続三振を奪い「スコアラーさんがよく研究してくれている。1本打たせなかったのは良かった」と胸を張った。8回には中越えのダメ押し2点二塁打。勝利に大きく貢献した。

◆広島-巨人の開幕戦前、マツダスタジアムで試合前セレモニーが行われた。広島からフリーエージェント権を行使して、巨人に移籍した丸佳浩外野手(29)の名前がコールされると、スタンドからは拍手が起こった。  丸はこの日、「3番・中堅」で先発出場。「巨人・丸」として新たなスタートを切った。

◆"ミスター赤ヘル"こと元広島監督の山本浩二氏(72)が29日、マツダスタジアムでの広島-巨人との開幕戦で始球式を務めた。大声援の中で投げたボールは左打者の後ろを通過する"大暴投"になり「ボールがうまく手から離れなかったね」と苦笑い。投球後に緒方監督から「緊張がとれましたよ」と"フォロー"が入ったことを明かした山本氏は「こんなに盛り上がっている。必死に頑張って欲しい」と4連覇を目指す後輩にエールを送った。

◆巨人・菅野智之投手(29)が29日、広島との開幕戦(マツダ)に先発。7回102球を投げ、4安打1失点で降板した。  2年連続5度目の開幕投手を務めた菅野。抜群の制球力で最速150キロの直球とスライダー、カットボールなどを両サイドに集め、広島打線に的を絞らせなかった。だが、三回。先頭の安部に右翼席へのソロを浴び、先制を許した。  その後は、広島・大瀬良との"最多勝対決"で沸かせたが、7回終了後に代打を送られて交代。勝利すれば開幕戦4勝目で、別所毅彦、斎藤雅樹の球団記録に並んだが、来年以降にお預けとなった。

◆広島からフリーエージェント(FA)で加入した巨人・丸佳浩外野手(29)が29日、広島との開幕戦(マツダ)で4打席4三振を喫した。  巨人でのデビュー戦で、「3番・中堅」で先発出場した2年連続MVP男は広島のエース、大瀬良の前に2度の空振り三振、2度の見逃し三振を喫した。1点を追う八回1死一、二塁の好機では、追い込まれて外角低めへの142キロの直球に手が出なかった。  丸の1試合4三振はプロ入り後最多タイで、広島に在籍した昨年9月22日の阪神戦以来3度目。試合は0-5で完封負けを喫した。

◆リーグ4連覇を狙う広島は6年目で初の開幕投手を務めた大瀬良大地投手(27)が8回7安打無失点の快投で今季1勝目。チームは安部の右翼席へのソロで三回に先制。さらに八回にも会沢の2点二塁打などで4点を追加した。  巨人は広島からFA権を行使して移籍した丸佳浩外野手(29)が「3番・中堅」で先発したが、4打数無安打4三振。5度目の開幕投手を務めた菅野智之投手(29)は7回4安打1失点と好投したが、打線の援護が無かった。

◆5度目の開幕投手を務めた巨人の菅野は7回1失点と奮闘したが、援護に恵まれず黒星を喫した。三回、安部にカットボールを右翼席に運ばれて先制点を奪われ「チームとして勝てなかったことが悔しい」と責任を痛感している様子だった。  ただ、中盤からはフォークボールを使って得点を与えなかった。八回に代打を送られ、102球で降板。「余力は十分あった。ピンチもバッテリーで攻めていけた」と今後への好材料も口にした。 巨人・宮本投手総合コーチ 「菅野は試合をしっかりつくってくれた。菅野に申し訳なかった」 大江(八回にプロ初登板し2/3回で2失点) 「緊張はなかった」 吉川尚(3安打) 「思い切っていくだけだった」

◆巨人・菅野智之投手(29)が29日、広島との開幕戦(マツダ)に先発。7回102球を投げ4安打1失点と好投したが、今季初黒星を喫した。  「ぼくが点をとられなかったら負けなかったし、ぼくだけじゃなくて最後、大江と宮国がゼロで抑えていたら1点差で分からなかったと思うし、チームとして勝てなかったことは悔しいです」  エースとして、しっかりと流れは呼び込んだ。一回、先頭の田中からカットボールで見逃し三振を奪うなど、抜群の制球力で両サイドに球を集めた。だが、三回。先頭の安部に決勝の右越えソロを被弾。失点はその1点のみだったが、味方の援護もなく、敗戦投手となった。  チームとして2011年以来、8年ぶりの遠征での開幕。それでも、「守備から始まる開幕戦ではなくて、攻撃を見てからの開幕戦だから開幕戦という感じはしなかった。それだけ昨日から今日にかけていいマインドで球場に来られたと思う。試合の入り方は悪くなかった」と振り返るように、しっかりと心身共に準備をしてマウンドに上がった。  「ピンチもありましたけど、うまくバッテリーで攻めていけたのかなと思います。ホームランはもったいなかったけど、反省を次に生かしていきます」と菅野。次戦で、今季初白星を狙う。

◆広島の安部が三回に先制ソロを放った。先頭打者で打席に入ると、相手エース菅野の浮いたカットボールを右翼スタンドに運んだ。「甘い球を積極的にいけた。ミーティングしたことと照らし合わせて(狙い球を)整理して入っていけた」と胸を張った。  レギュラーとして期待された昨季は打率2割3分6厘と低迷し、72試合の出場にとどまった。巻き返しを期した今季の沖縄キャンプではインフルエンザで離脱。オープン戦も打率1割9分5厘と調子が上がってこなかったが、守備、走塁を含めた総合力を評価され、開幕戦の先発メンバーに名を連ねた。  プロ12年目で、この本塁打が通算17本目。初の開幕投手を務めた大瀬良を援護した伏兵は「チームとして先に点を取ることができて良かった」と話した。 緒方監督(開幕戦勝利に) 「大地(大瀬良)の投球に尽きるでしょう。粘り強く投げてくれた」 会沢(捕手として大瀬良に) 「大地がいい形で投げてくれた。開幕戦からしびれました」 小園(開幕1軍で出番がなく) 「最高の場所だった。早く1軍でプレーしたい気持ちになった」

◆広島からフリーエージェント権を行使して入団した、巨人・丸佳浩外野手(29)が29日、広島との開幕戦(マツダ)に「3番・中堅」で先発出場。相手先発・大瀬良の前に4打席に立ち、4三振と悔しいデビュー戦となった。  「結果が出なかったので悔しい。切り替えて」  古巣のエースの前に、苦汁を飲んだ。一回1死一塁の1打席目は空振り三振。四回先頭の2打席目は見逃し三振を喫し、六回先頭の3打席目は見逃し三振に倒れた。1点を追う八回1死一、二塁の4打席目は同点に追いつく好機だったが、最後は142キロの外角直球に手が出なかった。  「迷ったというか、ちょっと自分のポイントで打てない球が多かったので、投げている球もいいコースに来ていましたけど、その中でも甘い球はあったので、それを僕が仕留めきれなかったな」と丸。あす以降は切り替えて、チームの5年ぶりV奪回に貢献する。

◆巨人・菅野智之投手(29)が29日、広島との開幕戦(マツダ)に先発。7回102球を投げ4安打1失点で、今季初黒星を喫した。開幕マスクをかぶった小林誠司捕手(29)はエースの好投を振り返った。  「試合は作ってくれたと思います。いいコースに投げて、しっかりと抑えてくれました」  三回、先頭の安部に決勝の右越えソロを浴びたが「(カットボールが)多少甘く入りましたけど、あれはうまく打たれたなという印象」と小林。1失点以外は、背番号18を背負ったエースをリードし、最少失点に抑えた。

◆巨人・吉川尚輝内野手(24)が29日、広島との開幕戦(マツダ)に「1番・二塁」で先発出場し、猛打賞をマークした。  広島先発の大瀬良を相手に一回は俊足を飛ばして二塁内野安打し、三回2死では中前打。五回1死二塁では走者を進める一ゴロ。八回には低めのフォークボールを左前へはじき返し、この日3安打目をマークした。  積極的にバットを振る姿勢が目立ち、「思い切りいくだけだった」と振り返ったが、「点にからんでいないので」と表情は険しかった。2年連続で開幕スタメンに名を連ねたリードオフマンは「明日は切り替えてやりたい」と球場を後にした。

◆巨人は29日、開幕・広島戦(マツダ)に0-5で敗れ、黒星発進。4年ぶりに復帰した原辰徳監督(60)は初戦を勝利で飾れなかった。試合後の主なやりとりは以下の通り。  --エース対決。菅野の投球は  「いいピッチングだったと思いますね。なんとか打線がね、0点ではいけませんね」  --あと一本が出なかった  「まあそうですね、それが野球だから」  --丸は古巣との対戦で4三振  「そうですね、まあまあ、すべて糧ですよ」  --吉川尚が3安打  「この上ないでしょう。素晴らしいスタートですよね」  --八回2死三塁、打者・鈴木の場面でマウンドに行った  「意思確認ですね。申告敬遠? そうですね」  --久しぶりのマツダスタジアムは  「やっぱり勢いをつけさせると、今まで以上の圧力はあると思いますね。やっぱり先取点というか、先行できるような形というものはとても大事なような気がしますね」  --開幕戦に負けた年は意外と優勝が多い  「それは信じましょう」  --大江、宮国と若手の投手が救援したが  「ちょっと苦言的に言うならば、あそこで(宮国がバティスタに)四球、というところ。彼も悔いを残しているところでしょう。悔いを残すような勝負はよくない」  --明日はヤングマンが先発  「明日また切り替えていきます」

◆巨人から丸の人的補償で移籍した広島・長野がロールスロイスで球場入り。待ち構える報道陣が騒然とする中、後部座席からさっそうと降り立ち「最高ですね」と乗り心地をかみしめた。地元タクシー会社の観光ハイヤーで、車両価格約7890万円の高級車にチームメートも興味津々。チーム最年長の石原から「やっぱり違うな、長野さんは」とからかわれたが、この日は出場機会がなかった。

◆2年連続5度目の開幕投手を務めた菅野は7回1失点ながら、打線の援護がなく敗戦投手になった。三回、安部に許した右越えソロが痛恨の1球に。球団記録に並ぶ開幕戦4勝目はならず、「チームとして勝てなかったことは悔しい。ピンチもあったけど、うまくバッテリーで攻めていけたと思う。反省を次に生かしていきます」と気持ちを切り替えた。

◆開幕セレモニーで国歌独唱は男性アイドルグループ「KAT-TUN」の亀梨和也、始球式はOBの山本浩二氏が務めた。亀梨は人生初の経験に、「とっても緊張しました。コンサートと雰囲気が全然違いますね。それにしても緊張した」と安堵(あんど)の表情。山本氏は投球が左打者の背中を通り抜ける"大暴投"になり、「手がうまく(球から)離れなかったね」と豪快に笑った。

◆「1番・二塁」で出場した吉川尚が、チームでただ一人の複数安打となる3安打をマークした。2年連続で開幕スタメンに名を連ねた24歳は「思い切りいくだけだった」と大瀬良を苦にせずリードオフマンとしての役割を果たしたが、「点にからんでいないので」と険しい表情。八回の失点にからんだ悪送球に「ミスはミス」と反省した。

◆慣れ親しんだマツダスタジアムの打席で沈黙した。丸の"巨人デビュー戦"は、4打席連続三振という結果に終わった。  「悔しい。自分のポイントで打てない球が多かった。いいコースに来ていた中でも甘い球はあった。それを仕留めきれなかった」  大瀬良の制球力に翻弄され、2度の空振りと2度の見逃し。1点を追う八回1死一、二塁の好機で迎えた第4打席は、追い込まれて外角低めへの142キロの直球に手が出ず、力なくバットの先を地面に落とした。  1試合4三振は自身ワーストタイ。広島に在籍した昨年9月22日の阪神戦以来3度目で、2年連続セ・リーグMVPに輝いた本来の姿を見せられなかった。  4年ぶりに復帰した原辰徳監督(60)だが、第3次政権を白星で始めることはできず。「やっぱり勢いをつけさせると今まで以上の圧力はある。先行できるような形は、とても大事」と黄金期にある鯉の実力を肌で感じ取った。山口・宇部で開催された2011年以来の遠征地での開幕戦。5年総額25億5000万円の大型契約で加わった新主砲とチームにとって、悔しい船出となった。 (谷川直之) 菅野について巨人・宮本投手総合コーチ 「菅野は試合をつくってくれた。菅野に申し訳ないという感じですね」 3番手で登板し2失点の巨人・宮国 「いい試合運びをしていたので、あそこで壊してしまって申し訳ない」

◆広島は巨人1回戦(マツダ)に5-0で快勝し、球団史上初のリーグ4連覇へ好スタートを切った。6年目で初の開幕投手を務めた大瀬良大地投手(27)が、8回7安打無失点と好投。巨人は広島からフリーエージェント(FA)で加入した丸佳浩外野手(29)が4打席連続三振の大ブレーキとなり、原辰徳監督(60)の"初陣勝利"を逃した。  K、K、K、K! 大瀬良が"因縁の"丸に強烈なしっぺ返しだ。表情は柔らかくとも、結果が全て。マツダスタジアムに地鳴りのような歓声が起こった。  「もう、敵のチームなので丸さんに投げにくさはなかったです。すごい歓声だった。打たれなくて良かったです。(昨年まで)野球の話や打者目線で助言をもらったりしました。抑えることが一つの恩返しになると思って投げました」  1点リードの八回1死一、二塁、打席に丸を迎えた場面が最大のピンチだった。プロ6年目で初めて開幕戦のマウンドを任された昨季15勝右腕は、142キロの直球を外角低めに決めた。見逃し三振。続く岡本も空振り三振に仕留め、流れを渡さなかった。  2年連続セ・リーグMVPを獲得したスラッガーとの初対戦は0-0の一回2死一塁。カットボールで空振り三振に仕留めると、四回の先頭では再びカットボールで見逃し。六回先頭ではカーブで空振りを奪った。  丸の決断を知ったのは昨年11月下旬。地元企業のCM撮影中だった。「驚きました!!」。移籍表明後、本拠地での自主トレ中に顔を合わせたときには「マツダで対戦するときはよろしく」と言葉をもらったが「遠慮はしないですよ」と心に誓った。  九回のマウンドは守護神・中崎に譲ったが、8回7安打無失点、11奪三振の力投。昨季3度投げ合って1勝1敗1分けだった球界の大エース、巨人・菅野との投げ合いに完勝した。緒方監督は「粘り強く投げてくれた。開幕投手という重圧の中、ナイスピッチングをしてくれた」と大絶賛。丸への強い気持ちが大瀬良を奮起させた。  投手陣の不安がささやかれた中で、チームとして2年連続白星発進。4年連続で勝ち越している巨人相手に、今季も変わらぬ強さを見せつけた。「お世話になっているので、(勝利球は新妻に)渡そうと思います」と大瀬良。大黒柱に成長した右腕が、チームを球団史上初の4連覇に導く。 (柏村翔)

◆現場復帰の原監督には、"お試しゲーム"になったんじゃないかな。  まず、2番・坂本勇。エモトが以前から危惧していた面が、出ていた。走者一塁の場面が3度あり、いやでも、右打ちの意識が出たのだろう。本来なら引っ張れる内角寄りのストレートに振り遅れ、ファウルにしたり、空振りしたり...。  ベンチも打席に坂本がいるため、一走を動かしにくい。だから安打が出ても二塁止まり。チャンスが広がらないわけだ。  坂本が打たないと、続く丸と岡本も、必要以上に力む。この日の三振の山には、そういう側面があったんだ。  もう一つは、0-1の八回から投入した左腕の大江。いくらなんでも、初登板では荷が重い場面だった。抑えの不安がいきなり露呈した。  原監督のことだから、お試しの結果を受けて、どういう手を打ってくるか注目だね。  なにより、菅野と大瀬良の熱投を見て目が覚めたと思う。ピンチで逃げない。攻めまくる。これぞ開幕投手、最多勝投手の神髄。原監督のブランクを吹き飛ばしてくれそうな、圧巻の投げ合いだったよ。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
100 1.000
(↑0.418)
-
(-)
142
(-579)
5
(-646)
0
(-175)
1
(-94)
0.000
(↓0.262)
0.000
(↑4.12)
1
(3↑)
DeNA
100 1.000
(↑0.525)
0
(↓15)
142
(-430)
8
(-634)
1
(-180)
1
(-70)
0.000
(↓0.25)
0.000
(↑4.18)
1
(5↑)
阪神
100 1.000
(↑0.56)
0
(↓20)
142
(-435)
2
(-626)
1
(-84)
0
(-77)
0.000
(↓0.253)
0.000
(↑4.03)
4
(2↓)
ヤクルト
010 0.000
(↓0.532)
1
(↑6)
142
(-516)
1
(-664)
2
(-133)
0
(-68)
0.000
(↓0.266)
0.000
(↑4.13)
4
(1↓)
巨人
010 0.000
(↓0.486)
1
(↑12.5)
142
(-483)
0
(-575)
5
(-147)
0
(-61)
0.000
(↓0.257)
0.000
(↑3.79)
4
(1↑)
中日
010 0.000
(↓0.447)
1
(↑18)
142
(-456)
1
(-653)
8
(-89)
0
(-61)
1.000
(↑0.735)
0.000
(↑4.36)