DeNA(☆1対0★)広島 =オープン戦3回戦(2019.03.20)・横浜スタジアム=
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広島
0000000000500
DeNA
00010000X1800
勝利投手:大貫 晋一(1勝0敗0S)
(セーブ:三嶋 一輝(0勝0敗1S))
敗戦投手:床田 寛樹(1勝1敗0S)
  DAZN
◆DeNAはルーキー・大貫が先発。毎回走者を許しながらも、粘りのピッチングで5回を無失点に抑えた。一方の広島は、田中広と菊池涼がマルチ安打を記録。上位打線を担う2人が、状態の良さを見せた。

◆地元横浜出身のDeNAドラフト3位大貫晋一投手(25=新日鉄住金鹿島)の開幕ローテ入りが、濃厚となった。 オープン戦の広島戦(横浜)で対外試合初先発。毎回走者を背負う苦しい展開となったが、5回を無失点に抑えた。アレックス・ラミレス監督(44)の評価も急上昇。同1位上茶谷大河投手(22=東洋大)のローテ入りは決定的。球団史上初となる新人2人のアベック開幕ローテが現実味を帯びてきた。大貫は「試合前から、本当に緊張して、えずいていました」と振り返った。かつて「憧れの場所」と夢見ていた横浜スタジアム。日体大時代に1度だけ上がったマウンドは、中継ぎで1イニングだけだった。「聖地」と称す場所。入団後、初先発としてそんな舞台に立った。神奈川県横浜市出身の25歳。生粋のハマっ子は「平日のデーゲームなのに、たくさんのファンの人が応援しに来て、声援が力になりました」と、新人らしく喜びをかみしめた。 投球は一転、ベテランのようだった。0-0の3回2死走者なしから田中広、菊池涼に連打を食らい一、三塁のピンチも、カーブで難を逃れた。4回には3四球が絡み満塁のピンチを背負ったが、無失点に切り抜けた。「緊張がすごかった」の言葉がうそのよう。毎回走者を背負いながら、得意のツーシームを軸にフォーク、カーブなど多彩な変化球をちりばめ、リーグ3連覇の広島を相手に5回無失点と試合をつくった。 ラミレス監督も「彼は1年目だからルーキー。でもルーキーとは思えない振る舞い、セルフコントロールが素晴らしい」とマウンドさばきを大絶賛。そして続けた。「キャンプで打撃投手をした際はローテ争いに入るとは思わなかった。でもゲームで投げるたびに、安定度が増している。ローテ入りに向けて忘れることができない投球となった」と珍しく言葉が弾んだ。 同期入団の上茶谷は、開幕ローテ入りが確実視されている。大貫にとっては、オープン戦最後の登板で"最終テスト"を迎え、首脳陣の期待に応えた。「無駄なフォアボールや変化球の精度が良くなかったという課題を見つけた中で、粘り強く投げられたことは収穫。0に抑えられたことは良かった」。球団の歴史をさかのぼっても、開幕から6戦以内でルーキー2人が先発した記録はない。球団史上初の上茶谷&大貫のアベック開幕ローテ入りがクッキリと見えてきた。【栗田尚樹】

◆DeNA2年目の楠本泰史外野手が3安打と活躍した。前日には2安打。2試合続けて入った「2番」で存在感を示し、激化する外野手争いへ猛アピールした。 ラミレス監督は「ポジションをつかんだら、二度と離さないつもりでやってもらいたい」と飛躍を願った。

◆広島は無得点に終わり、0封負けを喫した。それでも先発床田が5回まで93球を投げ、6安打1失点の粘りの投球。中継ぎも無失点リレーだった。 打線は得点こそ奪えなかったものの、1、2番のタナキクコンビがそろってマルチ安打、フル出場。14日オリックス戦で右足に死球を受けた長野も今年初めて指名打者以外でスタメン出場した。広島緒方孝市監督(50)の談話は以下の通り。 -先発床田投手は今日も内容ある投球だった 緒方監督 入りは良かったし、前回(課題のあった)セットからの投球も修正していたし、全然OK。 -田中、菊池の主軸の仕上がりは順調 緒方監督 順調。順調に来ていると思うし、いいんじゃない。 -残り4試合は最終仕上げか? 緒方監督 明日はメンバー変えるよ。 -長野選手が中堅に入った。 緒方監督 残り試合も少ないし、なるべく打席、プラス守りも考えている。いっぺんには考えていない。そこは徐々にやってもらう。 -中堅で指示も出していた 緒方監督 センターは本職だからね。センターとライトは。あとは実戦感覚のところを。足とか不安がなければ、徐々にゲーム慣れしていってくれれば。

◆地元横浜出身のDeNAドラフト3位大貫晋一投手(25=新日鉄住金鹿島)の開幕ローテ入りが、濃厚となった。オープン戦の広島戦(横浜)で対外試合初先発。毎回走者を背負う苦しい展開となったが、5回を無失点に抑えた。アレックス・ラミレス監督(44)の評価も急上昇。同1位上茶谷大河投手(22=東洋大)のローテ入りは決定的。球団史上初となる新人2人のアベック開幕ローテが現実味を帯びてきた。 ◆新人2人が開幕ローテーション入り 最近では16年広島で、5戦目にルーキー横山、6戦目に開幕投手のジョンソンが中5日で投げ、7戦目にルーキー岡田が先発した。DeNAで開幕10試合までに新人2人が先発登板は、横浜時代の97年に川村が3、7戦目、森中が8戦目に先発したケースがあるが、森中はそれまでに2試合救援で登板していた。今年の上茶谷、大貫がともに10試合目までに初登板初先発を飾ると、球団史上初めてになる。

◆広島田中広輔内野手と菊池涼介内野手の「タナキク」がそろってフル出場し、マルチ安打と順調な仕上がりを印象づけた。 3回、2人の連打でチャンスメークすると、田中広は5回に中前打後にオープン戦2個目の二盗を決め「ちゃんとスタートを切られた。もう開幕してもいい」。3番を固定できない打線を、1、2番コンビがけん引していく。

◆広島床田寛樹投手(24)が20日のDeNA戦(横浜)で5回6安打1失点と好投し、開幕準備を完了した。4番筒香からストレートとカーブで連続三振を奪うなど、リーグ屈指の強力打線から計7奪三振。打線の援護がなく負けがついたが、首脳陣の信頼をまた深めた。開幕2カード目の4月3日中日戦(ナゴヤドーム)に先発する見込み。ジョンソンと並ぶ左の柱として、チームをリーグ4連覇へ引っ張っていく。床田は渾身(こんしん)の148キロを投げ込んだ。外角いっぱいを狙ったが、真ん中に入った。それでも筒香のバットに空を切らせるには十分だった。1回2死一塁から、文句なしの空振り三振。さっそうと三塁側ベンチに引き揚げた。「たまたま三振になってくれた。厳しいところにいかないと」。豪快な力勝負を、苦笑いで振り返った。 3回には雪辱を狙う筒香を返り討ちにした。今度は緩いカーブだ。2死一塁から、真っすぐ2球で追い込んだ3球目。筒香はまったく反応できなかった。「見逃し三振になっちゃったんですけど、カーブももっと厳しく投げないと」。日本を代表する4番打者から連続三振を奪っても、床田は満足していなかった。 DeNAの強打線から、筒香の2つを加え、計7奪三振。4回に連打で1点を失ったが、続く大和を併殺打に仕留めるなど粘りも見せた。緒方監督は「入りはよかったし、前回(課題のあった)セットからの投球も修正していた。ぜんぜんOK」と話した。DHを使わず9番打者として打席に立たせたのは、シーズンを見据えてのシミュレーション。すでに戦力として計算している証しだった。 今季のキーマンになる。1年目の17年に開幕ローテ入りしたが左肘を故障。靱帯(じんたい)を再建する「トミージョン手術」を受け、1年間マウンドから遠ざかった。昨年復帰したが登板は2軍戦のみ。そんな男がオープン戦4試合で1勝1敗、防御率1・59。この日は援護なく負けがついたが、信頼度は抜群。開幕2カード目の3日中日戦に先発する見込みだ。 怖いもの知らずだった1年目とは違う。思い切りのよさと粘りの源は「投げられる喜びを感じる」という感謝の心。どん底からはい上がった床田がチームを引っ張っていく。【村野森】

◆広島長野久義外野手が今年初めて指名打者以外でスタメン出場した。 巨人まで慣れ親しんだ中堅に就き、両翼の選手に指示を出すなど落ち着いたプレーを見せた。緒方監督も「センターは本職だからね。あとは実戦感覚。足とか不安がなければ、徐々にゲーム慣れしていってくれれば」と信頼を寄せる。 打撃では9打席連続無安打も、高ヘッドコーチは「だいぶ振れるようになってきた」と評価した。

◆セットアッパーの広島フランスア投手が3K斬りだ。 1点を追う8回に登板。ソトと中井から連続三振を奪うと、四球を挟み、倉本には再び空を切らせた。 外国人枠争いとともに勝利の方程式入りをアピールする好投。150キロ超の速球を連発も「今日は、あまりよくなかった。右肩が早く開いてしまっていた」と反省の弁を口にした。

◆広島・床田寛樹投手(24)が20日、DeNAとのオープン戦(横浜)に先発した。筒香から2三振を奪うなど開幕前の最後の登板で5回6安打1失点、7奪三振の好投をした。  「失点はしてしまったけど、大きく試合を崩すことはなかった。試合を作ることができて良かったです」  一回にいきなり先頭の桑原をチェンジアップで空振り三振。楠本に中前打を浴びたが、2年前の首位打者の宮崎をスライダーで、4番・筒香には自己最速タイ148キロの直球で空転させて、勢いに乗った。  筒香には三回1死でもカーブで見逃し三振を奪うなど3打数2奪三振1四球だった。力強い速球と変化球のコンビネーションで5回まで毎回の奪三振ショーを展開した左腕は「直球をで空振り三振が取れるようになってきました」と手応えを口にする。新人時代の2017年に左肘のトミー・ジョン手術(靱帯を再建する手術)を受けた24歳は開幕へ向けて視界良好だ。

◆DeNAは広島とのオープン戦(横浜)に1-0で勝利した。  ルーキーの大貫が5回無失点と試合を作ると、六回からは中継ぎ陣が盤石のリレーで相手打線を制圧した。六回から2番手のエスコバーは150キロ超の直球を主体に1回2三振を奪って三者凡退。七回は笠井、八回はパットン、九回は三嶋が代打・バティスタのバットをへし折るなど、気迫の投球で締めくくった。  中継ぎ4投手は一人の走者も許さずに、打者12人から7個の三振を奪う安定ぶりで、リーグ3連覇中の強力広島打線を制圧し、完封リレーを演出した。

◆野手は2年目の楠本泰史外野手(23)が3安打。オープン戦の規定打席に3打席足りないものの、打率を・405とし、開幕スタメンを猛アピールした。  「体がうまく反応してくれた。これは去年にはなかったこと」。手応えを明かしたのは五回の第3打席だ。左腕・床田の4球目、内角高めの直球をよけながらバットに当ててファウル。誘うようにきた外角低めに落ちるカーブにしっかりと踏み込み、逆方向の左前へはじき返した。  右の一岡と対戦した七回無死一塁では「それまで真っすぐを見逃していたので、今度は来ると思って冷静になっていた」と読み勝ちで右越え二塁打。自身初の開幕スタメンへ前進した。  「アドバンテージがない人間が先輩に勝つには結果を残すしかない」。アピールを続けて定位置を勝ち取る。

◆DeNAのドラフト3位・大貫晋一投手(25)=新日鉄住金鹿島=が20日、オープン戦初先発となる広島戦で5回5安打無失点と好投し、開幕ローテーション入りを大きく引き寄せた。4四球で毎回走者を背負いながら、強力打線に得点を許さず。アレックス・ラミレス監督(44)もノーマークだったことを明かす"無印右腕"が、ハマの新星として輝きを放った。  主力が顔をそろえた強力打線を前に、大貫が"不沈艦"のごとく立ちはだかった。  一回1死から菊池涼に中前打を許したが、安部、鈴木を変化球で詰まらせ、二回1死一塁は坂倉を投ゴロ併殺打に仕留めた。四回に2四球で招いた2死一、二塁のピンチでは、公式戦さながらに8番・会沢を歩かせて投手の床田と勝負。プロで最長となる五回も2死一、三塁をしのいで得点を許さなかった。  地元横浜出身。初先発の舞台は憧れの地、横浜スタジアムだった。  「球場に来る前から緊張していた。マウンドに上がる前はえづいて(吐き気を催して)いました」  しかし、球を握ると落ち着きを取り戻した。直球は140キロ台中盤ながらスライダー、ツーシームなど変化球の制球がさえ「何とかゼロでいけてよかった。強気に行くことを心掛けていました」と笑みを浮かべた。  2番手で登板した7日の中日戦に続き、オープン戦は計9回無失点。日体大2年春には首都大学リーグのベストナインに輝いたドラフト3位右腕に、ラミレス監督は先発枠入りの明言こそ避けたが「開幕ローテ争いをするとは思っていなかった」と明かしながら「常に球を低めに集めてゴロを打たせている。こういう投球をしたことを忘れることはできないでしょう」と評価を一変させた。  ドラフト1位・上茶谷(東洋大)とともに異例の新人2人の開幕ローテ入りが濃厚で、2カード目の4月2-4日のヤクルト戦(神宮)での先発が予想される。「開幕が近いので一つ一つ結果を残せるようにしていきたい」と大貫。ハマスタで新星がまた一つ輝いた。(佐藤春佳) 大貫についてDeNA・三浦投手コーチ 「しっかり結果を出せた。オープン戦とはいえ、カープ打線の主力(が相手)ですから。現時点では十分」 大貫を好リードしたDeNA・嶺井 「彼の持ち味を出すことを心掛けた。しっかり丁寧に制球できていて、毎回いい投球で応えてくれる」 ★DeNAの先発事情  開幕投手最有力の今永を筆頭に井納、浜口、飯塚、D1位・上茶谷(東洋大)の開幕ローテーション入りが確実。残り1枠を大貫と入団2年目のバリオスが争っていた。バリオスは21日から2軍で再調整となり、外国人枠の調整も必要となるため、この日の好投で大貫が大きく前に出た形だ。昨季チームトップの11勝を挙げた東、5勝の平良、2年連続で開幕投手を務めた石田は故障で離脱中。京山、阪口の若手右腕はオープン戦で結果を残せなかった。

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(2↑)
ソフトバンク
830 0.727
(↑0.027)
-
(↓0.5)
43
(+4)
37
(+3)
10
(+1)
6
(-)
0.242
(↑0.004)
3.270
(↑0.13)
2
(1↓)
広島
732 0.700
(↓0.078)
0.5
(↑0.5)
51
(-)
40
(+1)
7
(-)
5
(+1)
0.232
(↓0.006)
3.280
(↑0.17)
3
(1↓)
楽天
631 0.667
(↓0.083)
1
(↓0.5)
48
(+3)
33
(+4)
7
(-)
7
(+1)
0.251
(↓0.008)
2.830
(↓0.16)
4
(-)
ORIX
742 0.636
(↑0.036)
1
(↑0.5)
50
(+2)
40
(-)
8
(-)
15
(-)
0.262
(↓0.006)
1.940
(↑0.16)
5
(-)
巨人
850 0.615
(↑0.032)
1
(↑0.5)
52
(+6)
51
(+3)
10
(+1)
10
(+2)
0.236
(↑0.004)
3.790
(↑0.07)
6
(2↑)
DeNA
563 0.455
(↑0.055)
3
(↑0.5)
48
(+1)
58
(-)
11
(-)
4
(-)
0.247
(↑0.001
3.790
(↑0.31)
6
(2↑)
西武
561 0.455
(↑0.055)
3
(↑0.5)
51
(+3)
57
(+1)
6
(+1)
16
(+2)
0.254
(↑0.005)
3.580
(↑0.24)
8
(2↓)
ロッテ
461 0.400
(↓0.044)
3.5
(↓0.5)
46
(+1)
43
(+3)
7
(+1)
10
(+1)
0.238
(↓0.003)
3.710
(↑0.03)
9
(2↓)
日本ハム
352 0.375
(↓0.054)
3.5
(↓0.5)
44
(+3)
38
(+6)
13
(+1)
7
(-)
0.271
(↓0.008)
3.870
(↓0.29)
10
(-)
ヤクルト
590 0.357
(↓0.028)
4.5
(↓0.5)
59
(+1)
70
(+10)
13
(-)
17
(+1)
0.249
(↓0.006)
4.410
(↓0.44)
10
(-)
中日
591 0.357
(↓0.028)
4.5
(↓0.5)
37
(-)
49
(+2)
6
(-)
6
(-)
0.205
(↓0.003)
3.090
(↑0.15)
12
(-)
阪神
481 0.333
(↑0.06)
4.5
(↑0.5)
43
(+10)
56
(+1)
10
(+5)
13
(-)
0.231
(↑0.007)
4.050
(↑0.36)