阪神(★1対5☆)西武 =オープン戦1回戦(2019.03.16)・阪神甲子園球場=
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西武
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阪神
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勝利投手:伊藤 翔(1勝0敗0S)
敗戦投手:浜地 真澄(0勝2敗0S)
  DAZN
◆阪神は、先発・岩貞が5回2安打無失点の好投。開幕へ向け、順調な調整ぶりを示した。一方、西武の先発・武隈も5回1失点の投球を披露。先発候補の左腕に故障者が相次ぐ中、開幕ローテーション入りへアピールに成功した。

◆阪神ドラフト1位の近本光司外野手(24=大阪ガス)が先制適時打を放った。 3回1死一、三塁で打席に立つと、西武先発武隈の103キロ変化球を捉えた。ライナー性の打球は遊撃手のグラブをかすめてレフト前へ。近本のオープン戦初となる適時打に、スタンドは拍手を送った。

◆阪神糸井嘉男外野手(37)が今季初実戦で、初安打をマークした。1打席目に粘って四球を選ぶと、3回の第2打席では中前打を放った。 当初は12日の中日戦(ナゴヤドーム)から出場する予定だったが、練習中に右膝を痛めて様子を見ていた。 19年シーズン初の実戦を終えた糸井は「試合勘をしっかり調整して。今日は生きたボールが見られたので、よかった」と開幕戦を見据えていた。

◆西武武隈祥太投手が、先発に抜てきされ5回6安打1失点と好投した。 2回まで無安打投球を展開。3回に4連打を浴び先制点を許すも、1死満塁で4番大山を三ゴロで併殺に打ち取り乗り切った。 追加点も許さず、予定通り5回85球を投げきった。武隈は「試合での80球はしんどかった。それを感じることができてよかった」と振り返った。 内海、榎田に代わって、先発ローテーション6人目として急きょ先発調整。及第点の投球内容で、開幕ローテに浮上した。

◆開幕2戦目の30日ヤクルト戦先発が決定的な阪神岩貞祐太投手が、5回2安打無失点と好投した。 金子侑、源田、秋山に対した初回は9日日本ハム戦から2戦連続の3者凡退で、矢野監督は「貯金ができるような内容」と評価。次戦は開幕2戦目と同じ京セラドーム大阪でのオリックス戦(23日)に向かう流れ。左腕は「シーズンと同じサイクル(中6日)で疲労を残さずにやる」と総仕上げにかかる。

◆阪神はここまで甲子園でオープン戦3試合を行ったが、いまだ勝ちがない。9日の日本ハム戦は先発の岩貞祐太投手が好投したが、3-3の引き分け。 10日の巨人戦は西が先発し3回1安打無失点と試合を作ったが、1-3と打線の援護なく敗れた。 この日も岩貞が完璧な投球を見せたが、勝利には結びつかず。昨季は甲子園で21勝39敗2分けと苦戦していただけに、17日に西武との本拠地最後のオープン戦に勝利し、すっきり開幕といきたいところだ。

◆中継ぎが専門の西武武隈祥太投手(29)が、先発抜てきに応え開幕ローテーション入りに名乗り上げた。 阪神戦(甲子園)に先発し5回6安打1失点。直球とスライダーを軸にしたスタイルの中で、先発仕様でカーブを有効活用した。2回、ナバーロを1-2から100キロのカーブで二ゴロに仕留め、3回先頭の坂本には同じく追い込んでから空振り三振を奪った。「中継ぎとは違いカーブを多めに使っていった」と配球の幅を広げた。 榎田に続き内海の負傷離脱を受け、急きょ先発調整に切り替えた。当初の登板予定だった10日楽天戦が雨天中止。ドタバタで迎えた先発マウンドにも、いたって冷静だったのは、ここ5年で271登板とリリーフでフル回転してきた経験があるから。3回、4連打を浴びても、1死満塁で4番大山を三ゴロ併殺に仕留め切り抜けた。 「試合での80球(球数85球)はしんどかった」と息をついた。開幕ローテ抜てきとなれば4月3日、本拠地でのロッテ戦が浮上。公式戦では14年7月以来5年ぶりの先発となる。「榎田さんと内海さんが早く帰ってこられるように、僕は中埋めします」と、つなぎ役を果たす。【栗田成芳】

◆西武木村文紀外野手が3安打3打点と躍動した。 6番右翼で先発し7回1死一、二塁で右前へ同点適時打。さらに8回には2死二、三塁で再び右前へ運び2者生還した。第1打席の中前を含め、3本すべてがセンターから右方向。 春季2次キャンプで、赤田打撃コーチから軸足の右足の使い方を指導され「ボールを長く見られている」と手応え。オープン戦打率を3割2分1厘と上げた。

◆上位打線は超積極的や! 阪神糸井嘉男外野手(37)が16日、西武とのオープン戦(甲子園)に「3番右翼」で今季の実戦初出場した。 3回に中前に初安打を放ち、売り出し中の1番木浪&2番近本と連動。4連打の最後を締めた。右膝炎症の不安も解消。新人コンビとの新たなハーモニーで魅力的な上位打線誕生の予感だ。大トリ登場の糸井が試行錯誤の続く打線に活力を与えた。甲子園で今季初実戦を迎えた。2打席目の3回1死一、二塁。低めのスライダーをとらえ、中前にはじき返した。「高ぶるものがありました。試合勘を調整していきたい。今日は生きたボールが見られたので、よかったです。まだ開幕まで時間があるので、しっかり調整して調子を(開幕に)もっていきたい」。さすがのベテランも初実戦への思いは格別。力強いスイングにスタンドは沸いた。 打線に躍動感が出てきた。3回の集中打は北條の左前打に、1番木浪&2番近本がヒットで続いた。好調をキープし、新人コンビによる開幕1、2番起用の可能性は高まっている。その流れに、糸井がさっそくフィットした。「初めて生で見ましたけど、いいスイングをしている。対応もすごい」と売り出し中の2人を絶賛した。 糸井は右膝の炎症で今季初実戦をズレ込んだ。調整遅れが不安視されていたが、心配は無用だ。この日は予定通り、2打席で交代。「まだスタートじゃないので。スタートは開幕。体の面も含めて、まず今日は守れた。足の状態も確認できた。走塁も100%。体の面はケガなく100%でいけるようにしたい」と慎重に状態をチェックしながら、調整のギアを上げていく。主軸の打席に、矢野監督は「しっかり振っている。さすがというか。2打席目もヒットを打って。球も結構、見られた。ファウルで粘るというのもあったし、いいんじゃない」と目を細めた。 指揮官は今季の構想として「3番糸井プラン」を明かしている。糸井は3番の打順について「これまでも数多く立ってきた打順なので。そこは、そう言っていただいてありがたいんですけど...」。そう言った直後に「僕は2番が良いです!」と突然、アピール(?)した。3・29の開幕戦まで残すは7試合。「自分の形で振れるように。それだけを目指してやっている」。超人が19年シーズンに向け、心と体を燃やしていく。【真柴健】 <糸井阪神移籍後の初実戦> ◆17年3月15日オリックス戦(京セラドーム大阪) 右膝関節炎からの再起を期して3番DHで先発し、移籍後初出場。第1打席で中前打を決めた。阪神へのFA移籍選手の初打席初安打は金本や片岡、新井らも打てなかったあいさつ代わりの一打。「変化球を拾えたのは良かった」と喜んだ。 ◆18年3月13日ヤクルト戦(甲子園) 5番指名打者でスタメン出場。2回に先頭で迎えた初打席は一塁ゴロ、4回2死無走者の第2打席は二塁ゴロでベンチに下がった。「感覚はめっちゃいい!」と言い残し、室内練習場へ消えた。

◆3年目の阪神浜地真澄投手にロング救援での1軍起用構想が浮上した。 6回からの3イニングは味方失策もあったが、4安打5失点と踏ん張れず「ついていなかったけれど、それだけで済ませてはいけない」と反省した。 矢野監督は「使えるメドというのは、ある程度立つような投球内容をずっと見せている。もちろん(ロング救援を)頭の中に入れている」と評価し、今後も1軍で先発を含めた適性を見極めていく。

◆遊撃レギュラーを狙う阪神ドラフト3位木浪聖也内野手(24=ホンダ)が甲子園の洗礼を浴びた。 人生初の本拠地での遊撃守備は試練の連続だった。歯車が狂ったのは7回だ。外崎のゴロにチャージしたが、つんのめって捕球。ショート初失策を犯した。1死一、二塁で今度は呉念庭の打球が一塁正面へ。併殺を狙い、大山は二塁転送も、送球が走者と重なり、木浪の捕球ミスで適時失策になった。 オープン戦の打撃好調が光っていたが、この日は守備で苦戦。「まだ慣れていない部分がある。それを分かって守らないといけないです。技術不足というか、準備が足りなかった」と猛省した。8回も秋山の打球を捕れず、痛恨の3失策。それでも、矢野監督は「どんどん、いまのうちにミスをすればいいんじゃない。ここを本拠地にするわけだから」とフォローした。 指揮官はあくまで本番を見据える。この日は雨上がりで白い砂もまかれ、黒土は"重馬場"の状態だ。足場が悪いなかでの失敗。「俺らは、グラウンド状況も、風もある、この甲子園でやる。人工芝のグラウンドでやるより、もっと難しさが出てくる。逆に、こういうグラウンドでやれたことはプラス。別に下がったミスとか、消極的なミスとかではない」と前向きにとらえた。 それでも、打撃で存在感を示した。3回1死一塁。バットを折られながら右前に運び、先制のお膳立て。左腕を苦にしない姿は頼もしい。2戦連続の1番先発。「任された打席で一生懸命やるだけです」。開幕スタメンに向けて貴重な経験になった。【酒井俊作】

◆阪神・糸井嘉男外野手(37)が16日、西武戦(甲子園)に「3番・右翼」で先発し、2019年初実戦の場に立った。  一回2死走者なしで迎えた第1打席は四球を選び、1-0の三回1死一、二塁で西武先発・武隈の123キロを中前へ弾き返し、さっそく今季初安打を刻んだ。  この日は1安打1四球で、4回の守備からベンチに下がった糸井は「きょうはもう(打席に)立てただけで、生きたボールをみれたのでよかったです。2打席目はいいスイングをしようと思って」と明るい表情で振り返った。  矢野監督が3番起用を見込んでいる虎の超人は実戦一発目からきっちり結果を残し、開幕を見据えてさらに状態をあげていく。

◆阪神・岩貞祐太投手(27)が16日、西武とのオープン戦(甲子園)に先発し、5回を2安打無失点とした。  「立ち上がりからある程度ボールもコントロールできていましたし、坂本がテンポよくリードしてくれたのでリズムよく投げることができました」  開幕カードの2戦目を任される見通しの左腕が、強力西武打線をねじ伏せた。立ち上がりは三者凡退。唯一のピンチは三回で、先頭の愛斗に右前打から二死三塁まで走者を進められたが、冷静に後続を断った。無四球、3奪三振で予定通りの5回を投げ終え、充実の汗をぬぐった。

◆西武は武隈が先発で5回1失点とまずまずの投球を見せた。キャンプでは中継ぎで調整していたが、内海、榎田と実績のある左投手の故障による調整遅れを受け、先発を試された。不慣れな役割で奮戦し「試合での80球(超え)はしんどかった。中継ぎと違う、いい経験ができた」と前向きに捉えた。  三回には4連打を浴びても崩れず「中継ぎと違うスタイルでいかないといけないと思った」とカーブを多めに交え、打たせて取る投球が光った。シーズン公式戦での先発登板は2014年を最後に遠ざかるが、辻監督は「もちろん(先発候補に)考えている」と評価した。

◆阪神の岩貞は前回9日の日本ハム戦に続いて無失点投球。西武の秋山、森といった好打者を抑え、5回を投げて単打2本、無四球と安定感を示し「立ち上がりから、ある程度コントロールできた。坂本がテンポ良くリードしてくれた」と充実感を口にした。  ピンチは三回のみ。先頭の愛斗に右前打を許して犠打と内野ゴロで2死三塁とされたが、源田を二ゴロにして難なく切り抜けた。6年目の左投手に大きな期待を寄せる矢野監督も「貯金できる投球、勝てる投球だった。問題ない」と活躍に太鼓判を押した。 浜地(味方の拙守も絡んで5失点) 「ついていなかったが、それだけで済ませてはいけない」 木浪(源田の守備に) 「ポジショニングも参考にしないといけない」 矢野監督(木浪の失策に) 「今のうちにミスしたらいいんじゃない」

◆阪神・木浪は初めて甲子園で遊撃守備についたがホロ苦い3失策だ。雨上がりで柔らかく、難しいグラウンド状況ではあったが「技術とか準備の問題。1歩目が悪かった」と猛省。まず七回1死一塁で外崎の遊撃前への当たりをファンブル。なお1死一、二塁での一ゴロで、走者に送球が当たる不運もあった、二塁ベースカバー時に捕球できなかった。八回にも前方へのゴロをはじいた。打撃では三回にバットを折りながらも右前打。矢野監督は「消極的なミスではない。どんどん"いいミス"はしてくれていい」とかばった。

◆阪神のドラフト1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=は16日、西武戦(甲子園)に「2番・中堅」で先発し、オープン戦初打点となる適時打を放つなど、2安打1盗塁。これまで7打数無安打と"苦手"としていたサウスポーをクリアし、2番定着へ、大前進だ。  「(相手左腕の持ち球が)スライダーとカーブだったので...。そのときそのとき、何をするか考えてやっていました」  相手先発の変則左腕・武隈を攻略した。三回1死から北條と木浪の連打で一、三塁とし、打席に入った。初球、外角のカーブにうまくバットを合わせ、流し打ち。打球は遊撃手の上を越えた。これがオープン戦初打点。五回には外角低めの直球をしぶとく左前に運んだ。

◆4番固定を指揮官から明言されている大山は、1-0の三回一死満塁の打席で初球を三ゴロ併殺。矢野監督が「糸井、大山、福留」のクリーンアップを継続していくことを語って以降、初めて3人がそろったゲームだったが、快音は響かず3打数無安打1死球だった。13日の中日戦(ナゴヤドーム)ではオープン戦2号弾も放つなど復調気配もあっただけに、期待に応えたい。

◆本人はいたって真剣に思い詰めているのだが、ヨコからみていると「おい、何かヘンなモノに手を出してるんじゃないのか...」と冗談の1つもいってヒヤカしてみたくなるコトってよくある。  サンケイスポーツ東京版が17日付で2万号を迎えた。そんなおめでたい節目の日を前に、若手のトラ番織原祥平はさっそうとした髪形で登場した。  どんなヘアスタイルなのか? といえば「心機一転。ガンバレ若虎!という気持ちをこめた」のだそうだが、織原のダーツはちょっと違う方向に飛んだかもしれない。  これを客観的に説明してくれたのがサブキャップ長友孝輔で「アニメちびまる子ちゃんのまるちゃんのM字の前髪にビシッと決めて、本人は個性派俳優の松田翔太風に決まっていると断然、気に入っている...」らしい。  織原といえば今年が厄年なのでその『厄払い』に奈良まで出かけて東大寺のお水取りの日に春日大社に足を運び「ボクと阪神タイガースの厄落としを祈願した」ヤツだ。  そして...まるちゃんカットにしたらしいが...え、写真ですか? そんなの掲載するこたぁねぇよ。朝っぱらから嘔吐する読者に申し訳ない。ただ、本人は至極マジメなのだ。そしてこの朝も鏡をみて「ヨシ、決まってる」と思いつつ...甲子園に駆けつけてきた。  すると...三回に北條-木浪-近本-糸井の4連打...。正確に言うと木浪と近本のコンビで甲子園初打点...この2人の新人コンビはひょっとするとひょっとするかもしれない...。つまり、織原の春日大社詣でに御利益があったのか?  球場入りしても誰からも「どうしたんや、その髪形は」とか「何かあったん?」と聞かれたらしい。本人は何も聞かれないよりはいいでしょ...それだけ決まってるんだから...と強気なのだ。  ああ...だがしかし阪神打線はまだ"花冷え"でござんした。その1点だけ。七、八回の守備ではチト春風に髪形が乱れたのか若虎の守備と呼吸がハァハァしまして...早い話が当番Dの阿部祐亮までがハァハァとなりまして、結局の逆転負け。大阪・難波のサンスポ編集局「虎ソナ班」の窓際席で本日もまたイイ年かっ食らっておじさんもハァハァしました。  要するに勝負はゲタをはくまでわからないのだから途中で「勝った」とハァハァしないことなのです。まだピヨピヨのトラ番の頃に甲子園の記者席でサンケイスポーツ評論家の松木謙治郎氏がキチンとみんなが仕事がおわるまでNHKの放送席などで残っていらした。それで昔話をズケズケと聞いた。  実はその時にとても印象に残っているのを思い出した。タイガース発足時から巨人沢村栄治投手に「仁木弾正」と呼ばれておそれられた人だが、2リーグ分立直後に監督を任された。  「残った者が勝つか、出ていった者が勝つか」という気分だが分立直後は残った若手が中心では苦戦した。つまり今の阪神と同じように豪快な攻撃力はなかった。その1950(昭和25)年のこの日と同じ3月16日に、田宮謙次郎は倉敷での国鉄戦で9回2死まで1人の走者もださずにプロ野球史上初の『完全試合』に王手をかけた。倉敷の観衆3000人も固唾をのんで見守ったが...3球目のカーブが「ボール」となり天を仰ぐ。そして...三塁手藤村富美男が相手打者中村栄のセーフティーバントを警戒して前進守備。その頭上をフワリと打球が越えて...。  この年の6月28日の西日本戦(青森)で巨人藤本英雄が史上初の『完全試合』をやる3カ月以上も前なのだ...。  「あの時、ウチは珍しく7点もとっていた。野球ってのはわからんもんだョ。あの1球の小フライが田宮と藤村に微妙な空気を生んだとするなら...」と松木さん。  この年の藤村富美男の安打数191を後にイチロー(マリナーズ)がズッと目標にして挑み、200本をクリアしたのである...。

◆――糸井がオープン戦戦初出場。打席での姿に安心する部分もあったか  矢野監督 「うん、しっかり振っているしね。さすがというか、2打席目もヒットを打って。球数も結構見られたしね。ファウルで粘るという部分もあったし。うん、いいんじゃない」  ――岩貞はきょうも腕を振れていた  「いつも言うように『自分がこう投げて、こうやって、こうやって抑える』というものが数多くできていたと思うし。相手打者のやりたいようなことをさせないようなピッチングになっていたと思うんで。中身もしっかりあった投球やったと思う。良かったね」  ――木浪、近本の1、2番。開幕以降もやっていこうというのは  「いや、そら、この時期にやってんねんから、そりゃもちろん、それは想定しているからやっているわけで。別にだから、これで開幕で決めているわけでもないし。まだもう少し、時間あるんで。その中で考えます」

◆七回の守備から三塁で途中出場した糸原が、好守で魅せた。失策絡みで2点を失った七回2死一、二塁で栗山の三塁線のゴロを好捕。安定したスローイングできっちりアウトにした。「(三塁も)しっかり守れるように頑張ります」。複数ポジションを堅実にこなし、出場の幅を増やす。

◆浜地が六回から2番手で3回4安打5失点(自責2)。3失策が絡んでの失点も「ついていないといえばついていないですが、それだけで済ませてはいけない」と反省した。次回登板も1軍の見通しだが、矢野監督は「何がチームにとって、浜地にとって一番いいのか、っていうのは、これからもうちょっと考えながら判断していく」と話した。

◆先発した岩貞は5回2安打無失点。開幕2戦目となる30日のヤクルト戦(京セラ)に向けて順調な仕上がりを披露した。  「右打者への外の直球がきょうはうまいこと投げられたので、先週からの課題はひとつクリアできてよかったです」  立ち上がりから危なげなく三者凡退。三回は走者を三塁に背負ったが、後続を断った。矢野監督は「きょうのピッチングやったら、貯金ができるような内容。たくさん貯金をしてほしいね」と厳命。過去5年で1度(2016年。10勝9敗)しか貯金シーズンがない左腕は「開幕してからのことを見据えてまた自分のスキルアップ、技術アップのために練習していきたい」と力を込めた。 岩貞について、阪神・坂本 「きょうは上手に攻められていた。(課題の立ち上がりに関しては)意識的に投げているのを感じた」

◆木浪は初めて甲子園で遊撃守備についたがホロ苦い3失策だ。雨上がりで柔らかく、難しいグラウンド状況ではあったが「技術とか準備の問題。1歩目が悪かった」と猛省。まず七回1死一塁で外崎の遊撃前への当たりをファンブル。なお1死一、二塁での一ゴロで、走者に送球が当たる不運もあった、二塁ベースカバー時に捕球できなかった。八回にも前方へのゴロを弾いた。打撃では三回にバットを折りながらも右前打。矢野監督は「消極的なミスではない。どんどん"いいミス"はしてくれていい」とかばった。 木浪の3失策について阪神・久慈内野守備走塁コーチ 「締まった試合が、あのエラーから(失点が)2点、3点となっていく怖さも本人が身に染みていると思う。引きずらないように、気持ちさえしっかりしてやってもらえたら」

◆「左」攻略や! 阪神のドラフト1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=は16日、西武戦(甲子園)に「2番・中堅」で先発し、オープン戦初打点となる適時打を放つなど、2安打1盗塁。これまで7打数無安打と"苦手"としていたサウスポーをクリアし、2番定着へ、大前進だ。  聖地が歓声と興奮に包まれる中、ガッツポーズで喜びを表現した。近本が2試合連続のマルチ安打。左腕から打ったことに大きな意味があった。  「(相手左腕の持ち球が)スライダーとカーブだったので...。そのときそのとき、何をするか考えてやっていました」  シュアな打撃で相手先発の変則左腕・武隈を攻略した。まずは三回の第2打席。1死から北條と木浪の連打で一、三塁とし、打席に入った。初球、外角のカーブにうまくバットを合わせ、流し打ち。打球は遊撃手の上を越え、左翼の芝生に弾んだ。これがオープン戦初打点。しかし本人は「たぶんそうですね、あんまり覚えていないです」と泰然自若だった。  五回は、セーフティーバントなどの小技を使って揺さぶりをかけながら、最後はフルカウントから外角低めの直球をしぶとく左前に運んだ。  これまでのオープン戦では左投手に対し、7打数無安打と快音はなかったが、この日マークした2つの「H」ランプで問題なしを証明。矢野監督は「左(投手)もそんなに苦にするような感じにもともと見えていないし。自分の持ち味というのを、自分自身を分かっている部分があると思うから」と称賛した。1番にD3位・木浪聖也内野手(ホンダ)が入れば糸井も含めて左打者が3枚並ぶ。近本の対左への対応力が今後を左右する。  オープン戦打率も・314まで上昇させ、同規定打席に到達。五回にはチームトップとなる5個目の盗塁を成功させた。  「(2番として)慣れはないですけど、2番(目で打席回ってくるの)は初回だけなので。次からは打順関係なく、そのとき回ってきた状況に応じてやらないといけないと思います」  現状では破壊力不足の打線。電光石火のドライチが激変させてみせる。 (織原祥平)

◆――甲子園は寒かった  糸井 「メッチャ、寒い(笑)」  ――足の影響でオープン戦の出場は遅れてしまったが、開幕に向けての状態は  「そうやるしかないんで」  ――打席での球の見え方の感覚は  「いや、毎年一緒です」  ――三回、大ファウルもあったが、室内よりも気持ちいいか  「そうですね、まぁ...。大飛球?」  ――ファウルですが...  「ファウルか。まあ、自分の形で振れる、それだけを目指してやっているので。はい」  ――近本、木浪について  「初めて生でみましたけど、やっぱりいいスイングしてるし、対応もすごいと思うんで。すごいなぁ」

◆阪神・糸井嘉男外野手(37)が16日、西武戦(甲子園)に「3番・右翼」で登場。今年初実戦で三回に初安打を放った。足のアクシデントにより出場が先延ばしになっていた中、「100%」と全快宣言。3月29日の開幕ヤクルト戦(京セラ)にむけ、驚きの打順構想まで炸裂させた。  火の出るような打球だった。塁上のD1位・近本光司外野手(大阪ガス)、同3位・木浪聖也内野手(ホンダ)も目を丸くしただろう。やはり、超人だ。順調であることを証明してみせた。  「走塁とか全部、100%できたので。体の面は100%でいけるように、けがなく、まずそれを重点的に開幕に向けてやります」  テレビインタビューで初実戦での初安打を問われると「打てた!!」とおどけるほど。右ふくらはぎを痛めたマルテ以外ほぼフルメンバーで臨んだ西武戦で主役になったのだから、さすがとしかいいようがない。  ハイライトは1-0の三回1死一、二塁。第2打席だった。左腕・武隈の真ん中低めのスライダーをとらえた。鋭いライナーが中前へ飛ぶ。打球が速すぎて、二走・木浪はなくなく三塁でストップし、適時打とはならなかったが、一回の四球を含めて貫禄たっぷり。5日の練習中に足を滑らせた関係で実戦が遅れていたが、右翼の守備ではファウルゾーンへの飛球にも全力疾走。甲子園での出場に「ちょっと高ぶるものがありました」と武者震いしたと力説した。  糸井節もフルパワーだ。矢野監督の3番構想を伝え聞くと、「これまでも数多く立ってきた打順なんで、そこはそういっていただいてありがたいんですけど」とマジメな顔をした後「僕は2番がいいです」とニカッ。球団広報が取材を打ち切ろうとすると、「おい、止めんなよ」と白い歯をこぼし「今、アピールしているところだから」と必死の形相。広報が再び「2番、カッコ笑いで」と「2番(笑)」を報道陣に嘆願すると「ガチって書いといて」とメチャクチャな展開だ。  このやりとりを聞いた矢野監督はさすがに吹き出した。「それは間接的にアピールしてきてんの?」と苦笑いすると「それはこっちが決めることだけど、いろんなところに興味持つっていうのはいいんじゃないの?」とフォローに全力だった。  「試合勘というか、そういうものは、あと2週間でしっかり調整して。まだスタートではないので。スタートはやっぱり開幕なので」  今後も「3番・右翼」でスタメン出場する見通し。17日の西武戦は開幕前の甲子園ラストゲーム。本拠地初勝利をあげ、虎党を喜ばせる。 (新里公章) ★糸井のここまであらかると  ◆甲子園でワッショイ 1月25日に甲子園で自主トレを公開。狙いたいタイトルを問われ「一番はワッショイ」と優勝宣言。自主トレ期間は瞬発系の練習に重点を置いてきたことを力説  ◆2019年チーム1号 キャンプ初日の2月1日からハッスルし、ランチタイムのフリー打撃ではチーム1号など3連発を含む14柵越え  ◆花のキャンプ チームで唯一、沖縄での実戦出場がなかったが、徹底的に走り込みをこなし大満足。2月27日の打ち上げ時には「ひと言で表わすと? 花のキャンプ!!」と超人節で締める  ◆足を滑らせ 3月5日に甲子園で行われた練習の右翼守備で、雨水を多く含んでいた芝生に足を取られバランスを崩す。その後、患部への炎症が判明。当初は初実戦にとにらんでいた12日の中日戦(ナゴヤドーム)への出場を見送る

◆クリーンアップをこの並びでいくとなると、大山次第で得点能力は変わってくる。だからこそ気になったことがある。  1つはバックスイングを始めるのが早く、大きすぎると感じる。早くタイミングをとればいいわけではない。相手がクイックでもワインドアップでも、同じタイミング、大きさでバックスイングすることが理想。今は大きすぎて、自分が打ちたい形になるまで時間がかかってしまう。この日は左足を早く上げすぎて、一度、つくシーンもあった。工夫して欲しい。  もう1つは、凡打の内容だ。三回1死満塁で初球に詰まって三ゴロ併殺。積極性は悪くない。ただ同じ凡打でも、あの打球は4番としてはいただけない。「体頭心」が充実し、準備万端だったのか。凡打の内容も問われるのが4番。4番としての"器"が試される。  ルーキーでも、木浪は構えからのバックスイングがシンプルで、色々なボールに合いそうに見える。近本は三回の初球カーブをとらえた適時打など、狙い球を決めて打っている。2人は大山と同じ年齢。話をしてみてもいいかもしれない。もちろん簡単には4番の力は備わらない。日々勉強。少しずつ成長していって欲しい。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
621 0.750
(↓0.107)
-
(-)
47
(+3)
36
(+5)
6
(-)
4
(-)
0.250
(↓0.011)
3.890
(↓0.01)
2
(-)
楽天
521 0.714
(↓0.119)
0.5
(-)
41
(-)
27
(+6)
7
(-)
4
(+1)
0.264
(↓0.018)
2.750
(↓0.32)
3
(-)
ORIX
631 0.667
(↑0.042)
0.5
(↓1)
47
(+5)
36
(+3)
8
(+1)
14
(-)
0.287
(↓0.001)
2.100
(↑0.23)
3
(-)
ソフトバンク
630 0.667
(↑0.042)
0.5
(↓1)
32
(+4)
29
(+1)
7
(+1)
4
(+1)
0.224
(↑0.003)
3.220
(↑0.28)
5
(-)
巨人
750 0.583
(↑0.038)
1
(↑1)
46
(+8)
48
(+7)
9
(+2)
8
(+1)
0.232
(↑0.005)
3.860
(↓0.3)
6
(2↑)
西武
441 0.500
(↑0.071)
2
(↑1)
42
(+5)
39
(+1)
4
(-)
11
(+1)
0.251
(↓0.009)
2.710
(↑0.22)
7
(1↓)
ヤクルト
560 0.455
(↓0.045)
2.5
(-)
50
(+7)
49
(+8)
10
(+1)
12
(+4)
0.248
(↑0.007)
3.970
(↓0.43)
8
(2↓)
ロッテ
341 0.429
(↓0.071)
2.5
(-)
31
(+3)
30
(+4)
4
(+1)
7
(-)
0.230
(↑0.012)
3.500
(↓0.07)
8
(1↑)
日本ハム
342 0.429
(↑0.096)
2.5
(↑1)
41
(+4)
32
(+3)
12
(+2)
7
(+2)
0.279
(-)
3.580
(↑0.07)
10
(-)
中日
471 0.364
(↑0.064)
3.5
(↑1)
31
(+6)
42
(-)
6
(+2)
3
(-)
0.199
(↑0.01)
3.420
(↑0.31)
11
(-)
DeNA
263 0.250
(↓0.036)
4
(-)
32
(+1)
50
(+4)
7
(-)
4
(-)
0.230
(↓0.011)
4.210
(↑0.03)
12
(-)
阪神
271 0.222
(↓0.028)
4.5
(-)
22
(+1)
44
(+5)
4
(-)
10
(+1)
0.214
(↓0.002)
4.240
(↑0.26)