阪神(3対3)日本ハム =オープン戦1回戦(2019.03.09)・阪神甲子園球場=
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日本ハム
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阪神
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勝利投手:-
敗戦投手:-

本塁打
【日本ハム】大田 泰示(2号・6回表ソロ),中田 翔(1号・6回表ソロ)

  DAZN
◆阪神は、先発・岩貞が4回2安打無失点。開幕ローテーション入りに向け、アピールに成功した。一方の日本ハムは、中田がソロを放つ活躍。故障で出遅れていた中心打者が、自身の復帰戦で回復ぶりをアピールした。

◆阪神上本博紀内野手が3回に先制のタイムリー二塁打を放った。 同点の3回1死二、三塁で、日本ハム2番手バーベイトの149キロ直球に反応。打球は左翼線を抜け、走者2人が生還した。チームはオープン戦5連敗で未勝利だが、今季初の甲子園開催で選手が躍動した。

◆日本ハム斎藤佑樹投手(30)が、早実時代に全国高校野球選手権で優勝した06年以来、13年ぶりに"聖地"の先発マウンドに立った。 2回を投げて無安打無得点で3奪三振。「手応えとしては、すごくいいわけではなかったけど、気持ちで抑えました」。2回2死から、早大の先輩にあたる鳥谷を内角のカットボールで空振り三振に仕留めると、グラブをたたいてマウンドを駆け降りた。 プロ入り後、15年6月の交流戦で中継ぎ登板したことはあったが、先発は初めて。高3の夏に無敵を誇った思い出の地で「苦手意識はない。空気感とか、いい球場だなと改めて感じた。マウンドから見る景色は、なかなか見られないものだった」。 実戦3試合で計7回無安打無失点とアピール中だが「今はうまくいっているけど、もう1度、気持ちを引き締めていきたい」と満足はしていなかった。

◆阪神の新外国人ジェフリー・マルテ内野手(27=エンゼルス)が、「甲子園初安打」を放った。 2-2の同点で迎えた7回。先頭で打席に入ると、129キロ変化球を引っ張った。左翼線を抜ける当たりでマルテは二塁へ。チャンスメークに成功した。1死後、鳥谷の中前打では一気に本塁へ。藤本三塁コーチの「ストップ」を振り切って、本塁生還を果たした。 2月11日の紅白戦で初打席初本塁打を放ったが、その後は無安打が続いていた。

◆阪神6年目の岩貞祐太投手(27)が、先発で4回2安打3奪三振無失点と好投した。 初回は1番浅間、2番大田から連続で空振り三振を奪うなど、3者凡退の立ち上がり。2回に内野安打、4回に右前打を許したが、1度も二塁を踏ませなかった。 今季の甲子園初戦でチームに流れを呼び込み、「継続することに意味がある。次に向けて、いいボールを投げられるようにしたい」。登板後はブルペンで、7~8イニングを想定した「おかわり」の投球練習も行った。

◆左内転筋の肉離れから復帰した日本ハム中田翔内野手が、さっそく強烈な1発で復活をアピールだ。 「4番一塁」で先発出場し、1点を追う6回の第3打席で左翼席へ同点アーチを架けた。「打席よりも守備のほうがドキドキした」と苦笑い。甲子園での本塁打は16年オープン戦以来。「これだけの歓声の中でプレーできて、打てたこともうれしい」と喜んだ。

◆あの夏から13年。日本ハム斎藤佑樹投手(30)が9日、阪神とのオープン戦(甲子園)で高校野球の"聖地"に凱旋(がいせん)した。先発は、早実時代に全国制覇した06年夏の甲子園大会決勝再試合以来で、実に4583日ぶり。2回を投げて無安打無得点3奪三振と完璧な内容で、1軍での復活を予感させた。実戦は全3試合で計7回無安打無得点を継続中。今年の佑ちゃんは、ひと味違う。    ◇   ◇   ◇ 指に息を吹きかけ温めながら、日本ハム斎藤が気迫の30球を見せた。「すごく良いわけではなかったけど、気持ちで抑えました」。早実時代に一世を風靡(ふうび)したハンカチが不要なほど、冷たい浜風が舞う甲子園。13年ぶりに"聖地"の先発マウンドに立った背番号1は、熟成した大人の投球で打者6人を手玉に取った。 1回、上本から外角低めいっぱいの直球で見逃し三振を奪ってスイッチオン。2回は4、5番の中軸助っ人コンビを直球で打ち取り、最後は鳥谷を足元へ鋭く切れ込むカットボールで空振り三振に斬った。「ワンバウンドしている球もあったので、それは次の課題」と冷静だったが、2回は先頭のマルテを3ボール1ストライクから仕留めるなど要所での制球は見事。栗山監督を「投げっぷりがいい。野球を支配するような感じがよみがえった」と、喜ばせた。 実戦3試合で計7回無安打無得点。好調の要因を「気持ちを強く持って打者と勝負しているだけです」と言う。伝説となった06年夏の甲子園大会決勝で、エース田中(ヤンキース)を擁する駒大苫小牧と演じた延長15回引き分け、そして翌日の再試合での投球。「周りは『マー君と対決』と言うけど、僕にはそんな意識はなかった。対決するのは打者だから、そのことしか頭になかった」。最速は137キロ止まりも、勝負度胸や打者との駆け引きを可能にした制球力を、長い時を越え再現してみせた。 背水の覚悟で挑む今季。1軍の戦力となる雰囲気が、ぷんぷん漂う。【中島宙恵】

◆阪神藤川球児投手が今季初の甲子園で抑えのシミュレーションを行った。 1点リードの9回、先頭谷口が放った痛烈なゴロが右足をかすめて肝を冷やすシーンがあった。1死三塁で谷内に外角速球を打たれ、右前へ同点適時打を浴びた。「感覚としては悪くないかな」。ドリスと守護神を争う立場。矢野監督も「すぐ決めなあかんところではない。もうちょっと見ていこうと思っている」と話し、ハイレベルな争いを期待していた。

◆聖地初安打! 打ってもらわなコマルッテ? 阪神の新助っ人ジェフリー・マルテ内野手(27=エンゼルス)が、本拠地&オープン戦初安打だ。 阪神にとって19年初の甲子園開催ゲーム。7回に左翼線二塁打を放った。走塁で果敢に本塁を狙う姿勢を見せれば、守備では実戦で初めて三塁に就き、指揮官も太鼓判。新助っ人がベールを脱ぎ始めた。 ぴゅうと浮かんだ黄色風船が「マルテ劇場」の前兆だった。7回の打席に入る直前、マルテは右翼席をチラリ。初めて見たジェット風船にも奮起し? 快音を響かせた。先頭打者として打席に入り、2球目だった、真ん中に入ってきた129キロのフォークを強振。左翼線へライナー性の打球を飛ばした。2月11日の紅白戦で本塁打と中安を放って以来、実戦11打席ぶりのヒットに笑みがこぼれた。 「いい感じでコンタクトできた。全力で取り組むことで結果もついてくる。勝つ喜びを分かち合いたい」 勢いは走塁面にも表れた。1死二塁からの鳥谷の中前打で、勢いよく三塁を回った。藤本内野守備走塁コーチが「ストップ」を指示していたが「自分のタイミングで行きました」と猛烈走塁。本塁生還で一時は勝ち越しに成功した。これには藤本コーチも「オレに走力を見極める力がなかった。次(打者)が木浪というのもあったけどね。判断良く足も動いていて、予想外の速さだった」と驚きを隠せなかった。 だが、本人は試合後に猛省。黒土にまみれたユニホームで「コーチはリスペクトするべき人。あの場面はセーフにはなりましたけど、自分も直していかないといけない」と頭をかいた。矢野監督は「藤本が止めてたのに(笑い)。意外に走ったら走れるかもしれん。試合になったら面白いというか違う部分も見えてくる」と新たな発見を喜んだ。 さらに守備では実戦で初めて三塁を守り、好捕連発。地肩のよさも見せ「三塁が1番目のポジション。2番目が一塁。(三塁は)自分としてはやりやすいポジション。言われたところで準備していきたい」とスタンバイOKの姿勢だ。指揮官も「守備がすごいじゃん。(三塁を)できることが分かるだけで。甲子園で守ってみるのも、オプションとして考えるなかで、今日はそういう部分をよく見られた」と納得の表情。大山、木浪らライバルの多い三塁。マルテの出現で、ホットコーナー争いも熱くなってきた。【真柴健】

◆阪神は強力中継ぎ陣の一角が期待される新外国人ピアース・ジョンソン(27=ジャイアンツ)が8回に甲子園初登板した。 先頭に四球を与え、2死一、三塁のピンチを招いたが、1イニングを無失点で切り抜けた。「先頭を歩かせたのは反省です。内容に満足はしていないがゼロ(無失点)は良かった」と話した。

◆阪神ドラフト3位の木浪聖也内野手(24=ホンダ)が「甲子園初打席初安打」を放った。 3回無死で150キロ直球をはじき返して一塁線を破る二塁打。試合後は「真っすぐに刺し込まれないことを意識した。準備をして反応で打てました」と振り返った。矢野監督は「初対戦でも振っていけるというね。自分のスイング、自分のタイミングで振りにいけるのが、いい」と評価を高めた。これでオープン戦の打率は4割2分9厘。好調を維持して開幕スタメンを狙う。

◆開幕2戦目へ前進だ! 阪神先発の岩貞祐太投手(27)が4回2安打無失点の快投で、登板が有力視される30日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)へ足固めした。 今季の本格導入を目指すカットボールを活用して3奪三振。硬い仕様となった甲子園のマウンドにも適応し、二塁を踏ませない投球で首脳陣の信頼を高めた。開幕ダッシュの命運を握る2戦目の抜てきへ、順調な仕上がりを印象づけた。 甲子園の球春到来を、岩貞の快投が告げた。真っさらなマウンドに立った1回。1番浅間を勝負球のスライダー、大田は内角を突くカットボールで2者連続の空振り三振を奪った。二塁を踏ませない安心感に、虎党は拍手の連続。それでも「結果を残すのは大前提。開幕後を見据えてやっている」と表情を引き締めた。 大きな収穫はカットボールだ。調子が上がらなかった昨季はカーブを代用することが多く、7勝10敗と負け越した。実用性を痛感した新しい引き出しは、直球に似た軌道で「詰まった当たりが多かった。まだまだ精度を上げたい」と手応え十分。新人時代からコンビを組む梅野も「キャッチャーとしても幅が広がる。それがあるから(直球が)有効になる」と歓迎する。 充実ぶりに合わせて、登板が有力視される開幕2戦目へも前進した。矢野監督は「これが普通。貯金してもらう投手になるためには、これが最低限のレベルだという気持ちでいってもらいたい。他の投手もいるけれど、サダが引っ張るぐらいの気持ちでやってもらいたい」とハードルを上げた。登板後は7~8回までを想定したブルペン投球も行い、直球の精度を確認。今季甲子園初戦の話題にも「考えなかった。アピールが必要な立場なので」と慢心はない。 硬めに仕上がったマウンドには沖縄・宜野座キャンプから適応を目指してきた。「結局は慣れなので。違和感はなかった」。3年ぶりの2桁勝利を目指す左腕は、現在地に満足しない。【松本航】

◆阪神は矢野体制でのオープン戦初勝利は目前で消えた。1点リードの9回1死三塁。守護神候補の藤川が谷内に前進守備を破られる右前適時打を許し、同点に追いつかれた。 引き分けに終わり、矢野燿大監督は「オープン戦とはいえ、もちろん勝ちたかった。オープン戦だから負けていいと思って戦ってない。持ち越しで申し訳ないけど、目いっぱいね。まずは、シーズンに向けてしっかりやる」と話した。チームは5連敗中。12球団で唯一、白星がない。

◆阪神鳥谷敬内野手がベテランらしい適時打を放った。同点で迎えた7回。二塁にマルテを置いて中前にしぶとく落とす。オープン戦8打席ぶりの安打が勝ち越しタイムリー。今季初ゲームとなった甲子園のスタンドが沸いた。 「詰まったけど、いいところに落ちてくれました。一日一善で頑張ります。いいところと、修正していくところをマークしながら、これからしっかり確率を上げていきたい」 遊撃回帰を目指す37歳は2打席目までの三振を課題としながら、状態アップに余念がない。キャンプ、オープン戦とベテラン特権を自ら返上し、若手と同じ土俵で競争を続けている。 矢野監督は「ああいう形でしっかり決めるのはさすが」とバットで結果を出したことをほめた上で「走る姿も行くぞ、行くぞという気持ちがすごく出ていた」と続く木浪の右飛で飛び出し、併殺に終わった場面も積極姿勢を高く評価した。

◆阪神1番二塁でスタメン出場の上本博紀内野手が先制打を放った。 3回1死二、三塁で左翼線二塁打。オープン戦とはいえ連敗中のチームにカツを入れた。「たまたま走者がいただけ。紙一重だと思う」としながらも「全打席打ちたいと思っています。自分としてはその打席、打席を大事にするだけです」と話した。

◆日本ハム・斎藤佑樹投手(30)が9日、阪神とのオープン戦(甲子園)で早実高のエースとして夏の甲子園を制した2006年以来、13年ぶりに高校野球の聖地で先発。2回無安打無失点だった。  一回、早大の先輩でもある上本から見逃し三振を奪うと、近本を左飛。福留からは見逃し三振を奪った。二回はマルテを左飛、ナバーロを一邪飛、鳥谷は空振り三振に仕留めた。  「手応えはすごくいいわけじゃないけど、気持ちで抑えました。甲子園はやっぱり、気持ちがいいですね。マウンドから見る景色は、なかなか見られない。開幕ローテ? 本当に一戦一戦、打者一人一人を抑えていくだけです。もっと状態を上げたい」  斎藤は09年のオール早慶戦や15年に阪神との交流戦で救援登板したが、先発マウンドはプロ入り後初めて。駒大苫小牧高の田中将大(現ヤンキース)と引き分け再試合の死闘を演じて以来だった。

◆左内転筋肉離れからの復帰戦となった日本ハム・中田翔内野手が9日、阪神とのオープン戦(甲子園)に「4番・一塁」で先発出場。六回、左翼席へ1号ソロを放った。  中田は「打ったのはスライダーかな。きょうが自分にとっては開幕戦、初のオープンだから、やっぱり気持ちは良かったよ。これだけの甲子園の歓声の中でプレーできて、打てたこともうれしいね」と喜んだ。

◆阪神は1点リードの九回、藤川球児投手(38)が1点のリードを守り切れず、オープン戦6戦目での初勝利を逃した。  藤川は1点リードの九回にマウンドに上がると、先頭の谷口に安打を許すなど、一死三塁のピンチを招いた。続く谷内に右前適時打を許し3-3の同点に追いつかれ、チームはオープン戦初勝利を逃した。  投手陣は先発の岩貞が4回2安打無失点の好投を見せたが、2番手の浜地が六回に大田と中田にソロ本塁打を浴び同点に追いつかれた。1点リードの八回は新助っ人・ジョンソンが2死一、三塁のピンチで、杉谷を見逃しの三振に斬った。

◆阪神の新外国人、マルテがオープン戦で初安打を放った。七回、石川直の変化球を捉えて左翼線へ二塁打。「いいコンタクトができたので、ああいう打球になったと思う」と充実感を口にした。  鳥谷の中前打で本塁へ。三塁の守備もこなし「自分の中で一番やりやすいところ。チームに言われたところでしっかり準備していきたい」と力強かった。

◆日本ハムの中田がオープン戦に初出場し、六回にソロ本塁打を放った。浜地の甘いスライダーを逃さずに引っ張り「やっぱり気持ち良かった。甲子園の歓声の中で打てたこともうれしい」と笑顔だった。  キャンプ中に左内転筋の肉離れを起こして調整が遅れていた。清宮が右手首付近の骨折で抜けたが、頼れる中心打者が開幕を前に戻ってきた。 大田(六回にソロ本塁打) 「追い込まれたので変化球を意識しながら対応した。いい反応できれいに打てた」

◆九回、日本ハム・谷内の打球が一、二塁間を抜けていく。三塁から谷口が生還して再び同点。あぁ...。オープン戦初勝利が、スルリと逃げていった瞬間だった。まあ、引き分けは「負けなかった」ってことだけど、肝心の連敗は止まってませんので。お忘れなく。  テレビ中継の解説をしていたサンケイスポーツ専属評論家・八木裕氏が実況アナの問いかけに、ズバッ!  --ことしの阪神は、矢野新監督が「ファンを喜ばせる」をテーマに掲げてますよね?  「まあ、でも、一番喜ばせられるのは、勝つことです」  その1勝が遠い。たかがオープン戦。されどオープン戦。1つ勝てば、どうってことないのに、負け続けるから、あーだこーだ言われてしまう(言ってる大半が我々マスコミですが)。  「でも、やっぱり甲子園では勝ってほしいですよね」  隣でそう呟いたのは、デスク阿部祐亮。社内で「あーだこーだ」の先陣を切って現場に指示を出している男も、昨年までは阪神キャップ。評論家のコラム担当として、ことし初めて阪神の現場にやってきた。  ビックリしていたのは阪神ナイン。何を驚いたかといえば、阿部の顔の白さ。例年、沖縄でたっぷり日焼けしていた前キャップも、今は日の当たらない社内に籠もりっきりだから...  「誰か分かりませんでしたよ。真っ白ですね」  糸原キャプテンにも冷やかされていた。  そんな阿部は知っている。甲子園で勝てないことの悲劇を。昨年、甲子園で21勝39敗2分。本拠地のファンに白星を届けられなかったことが、金本監督の退陣理由の1つだった。シーズン終盤の空席の目立ったスタンドも、脳裏に焼き付いている。あれだけは繰り返しちゃいけない、と。  体制が代わって、甲子園初戦となった3月9日のお客さんの入りは「順調」そのもの。朝、ビックリしたのは甲子園周辺。大行列ができあがっていた。久々に見る光景だった。  この日は全席自由席だったこともあり、イイ席目指して我先に。ファンは去年をリセットして、駆け付けていた。ありがたいこと。ちなみに、本日の巨人戦は当日券もありますが、すでに完売の席も。ファンの皆さま、自由席じゃないですよ、お間違えのないように。  「甲子園の行列もすごいんでしょうが、鳴尾浜球場はもっと大変ですよ」  落ち着いた語り口調に定評のある!?虎番・新里公章が興奮気味に2軍戦情報を伝えてきた。  そうそう、忘れちゃいけない。阪神2軍...ではなく、相手の中日2軍に超大物ルーキー根尾がいるんだった。未来のスターのデビュー戦。しまった、そっちを見に行ったほうが良かったかな?  「開門時の行列は150人。先頭は前日の午後10時から並んだ方です。午前10時18分に入場規制が出たんですが、球団の方も驚く速さでした」  ただ、こうも付け加えてきた。  「鳴尾浜を掛布2軍監督が預かっていたとき、200人の行列ができた日がありました」  根尾クンが、虎の伝説をいきなりすべて破ってしまうのは寂しい。やっぱり掛布さんはすごかったな。ちょっと安心。でも、根尾クンのような"客の呼べるスター"の登場を待ってます。ファンも、ワタクシも。

◆藤川が3-2の九回に登板も同点を許した。先頭の谷口に内野安打。犠打と自身の暴投で1死三塁のピンチを招くと、谷内に右前へ同点適時打を浴びた。今季初セーブとはならなかったが「走者を一、二、三塁と背負って投げられたし、いい練習になりました」と充実の表情。新しくなった甲子園のマウンドについては「だいぶ感覚的には悪くなかったです」と手応えを口にした。

◆--岩貞はナイスピッチング  矢野監督「まあこれが普通なんよね。ただ投げるだけでいいとは思っていないからねこっちは。やっぱり貯金してもらうピッチャーになるためには、これが最低のレベルだっていう気持ちでいってもらいたいし」  --1点リードで藤川が投げた。ドリスも守護神候補で争いになる  「もちろん、もちろん。先発もそうやけど、すぐ決めなあかんというところではないと思っている。もうちょっと見ていこうかなと思っている。ジョンソンも、最初投げたときは、みんなクイックできへんと言ったけど、見てくれたでしょう(笑)。問題ないと思うし」  --木浪について  「今のピッチャーって多分、ほぼほぼあいつの中で初対戦でも、振っていけるっていう。様子見て振らされて、結局打ち取られてっていう形じゃなくて、自分のスイング、自分のタイミングで振りにいけるっていうのが、いいんじゃないかなと思うし。まぁ三振もあったけどあっさり終わることは少ないしね」

◆聖地で聖也がまた打った。木浪が三回に先制を呼び込む二塁打。3打数1安打でまたしても猛アピールだ。  「真っすぐに差し込まれないことを意識しました。よかったです」  「7番・一塁」で先発。三回、先頭で打席に立つと、ここからマウンドに立ったバーベイトをいきなりたたいた。インコースの150キロ直球を一塁線に運び、二塁へ。その後、暴投で三塁に進むと、1死二、三塁から上本の2点適時打で先制のホームを踏んだ。  あいさつ代わりの1本で鮮烈な甲子園デビュー。「スタンドが近い感じがしました」。これでオープン戦6試合でチームトップの打率・429。内野すべてを守るユーティリティーさも武器で、すでに開幕1軍は決定的としている。あとはレギュラーをつかむかどうか。本当の戦いは、まだまだこれからだ。

◆また勝てず...。矢野監督は甲子園で初采配となったが、初白星はまたしてもお預け。オープン戦6戦未勝利に苦渋の表情を浮かべた。  「ファンが応援してくれるからやっぱり、勝ちたかった。オープン戦だから負けていいと思って戦ってないので」  1点リードで九回を迎え、初勝利は目前だった。しかし守護神候補の藤川が失点してスルリと逃げた。一部のアルプスが閉鎖されていたものの、1万9370人が矢野虎の本拠地初陣を後押し。初の運用となった新メインビジョンには応援歌の歌詞も流され、一体となって声援が送られた。それでも白星で応えることはできなかった。  「持ち越し持ち越しで申し訳ない。けど目いっぱい、まずはシーズンに向けてしっかりやるっていうところと、負けてもいいと思って戦ってはないので。最善を尽くして、勝てるようにがんばっていきます」  10日には再び甲子園で巨人を迎え撃つ。昨季の甲子園史上ワースト39敗という悪夢を払拭するには、伝統の一戦を制して今度こそファンを喜ばせるしかない。 (大石豊佳)

◆先発枠入りを狙う斎藤が2回無安打無失点に抑えた。甲子園での先発は早実高3年夏に全国制覇した2006年以来13年ぶり。「やっぱり気持ちがいい。気持ちで抑えました」。これで実戦3試合で計7回を無安打無失点。バッテリーを組んだ6年目の石川亮は「僕がプロに入ってから一番球が強い。全部の球を打者のベルトより下に投げている」と証言した。それでも斎藤は「シーズンに向けて打者も調整してくる。もっと状態を上げないと」と気を引き締めた。 斎藤について日本ハム・栗山監督 「直球の状態、投げっぷりもいい。野球を支配する感じが蘇った」

◆左内転筋肉離れで出遅れていた日本ハム・中田翔内野手(29)が9日、阪神戦(甲子園)でオープン戦に初出場。六回に左翼席へ1号ソロを放った。昨季まで在籍したブランドン・レアード内野手(31)がロッテへ移籍し、清宮幸太郎内野手(19)は右有鉤(ゆうこう)骨の骨折で長期離脱が確定。中田は貴重な長距離砲として打線の中心に座る。試合は3-3で引き分けた。  青空が広がる甲子園。中田が六回、3年目右腕・浜地から左翼席に同点ソロを放った。  「きょうが自分にとっては開幕戦。初のオープン戦だから、やっぱり気持ちはよかったよ。これだけの歓声の中でプレーできて、打てたこともうれしいね」  米アリゾナ州でのキャンプ中に左内転筋の肉離れを発症し、6日の教育リーグ、ロッテ戦での実戦復帰(1打数1安打1四球)を経て、1軍に戻ってきた。第1、2打席は二ゴロ、一飛に倒れたが、第3打席で豪快な一発が飛び出した。  「けがの箇所は全く問題ない。本塁打はたまたま。投手との間合いがしっくりきていない」  4番は今後の課題を口にした。日本通算131本塁打のレアードがロッテへ移り、4日に右有鉤骨の骨折が判明した清宮は実戦復帰まで約3カ月の見込み。新戦力の王柏融(ワン・ボーロン)はこの日、欠場(10日のオリックス戦は出場予定)し、中田は得点源の役割を担う。  1月は4日から休日なしで自主トレを行い、下半身強化のメニューに多くの時間を割いた。「打席よりも(一塁の)守備の方がドキドキした。みんな調子がいいので僕も負けないように頑張りたい」。一時離脱はあったものの、2年連続で主将を務める主砲はチームに欠かせない存在だ。 (吉村大佑)

◆俺も負けん! 阪神・鳥谷敬内野手(37)は日本ハム戦に「6番・遊撃」で先発出場し、七回に一時勝ち越しの中前適時打。ドラフト3位・木浪聖也内野手(24)=ホンダ=が開幕スタメンに向けてアピールを続けるなか、遊撃争いに"待った"をかけた。  やはり役者が違う。平然と真打ちをやってのけた。2-2の七回1死一塁。マルテの激走を呼び込んだのは鳥谷だった。  「詰まっていたんですが、いいところに飛んでくれました。一日一善、頑張ります」  今年初の甲子園で遊撃として刻まれた。右腕・石川直と対峙した第3打席。内角直球に腕をたたんで中前に押っつけた。オープン戦で2つ目に灯したHランプは貴重な追加点。二回に早大の後輩である斎藤相手に空振り三振を喫し、四回もバーベイド(前タイガース)に三振していただけに矢野監督は「しっかり決めるのはさすがという部分」と最敬礼した。そして、その後、鳥谷の気分の高揚ぶりは積極的? な走塁となって表れた。  次打者の木浪の右翼線への右飛に対し、鳥谷はハーフウエーで構えるわけでもなく、まるで2死かのようにザクザク走った。ポカーンとする周囲の中、当然ながら、球は一塁に送られて、走塁死。鳥谷は「僕の判断ミスです」と猛省したが、首脳陣は、この姿勢を高評価した。  指揮官は「いくぞ、いくぞという気持ちがすごく出ていた。勝負している。今後もそういう姿勢って大事」とおとがめなしとすれば、藤本内野守備走塁コーチはアウトカウントの勘違いであることを完全否定。「西日もいろいろ入って。シーズンに入れば、太陽の位置も変わる。この失敗をプラスに変えられるように」と前向きだった。  矢野監督の下、遊撃に再挑戦。春季キャンプ打ち上げの際にはライバル・北條がMVPに指名された。5年契約最終年。引退覚悟で臨むだけに、この3月での踏ん張りが、野球人生を左右することはわかっているはず。この日は売り出し中の木浪が三回に右二塁打。黙っているわけにはいかなかった。  「修正するところと、そのままでいいところを把握しながらですね」  まだ終わらない。百戦錬磨の背番号「1」が、遊撃争いを面白くする。 (阿部祐亮)

◆阪神・岩貞祐太投手(27)が日本ハム戦に先発し、4回無失点と好投。30日のヤクルトとの開幕第2戦(京セラ)での先発が当確となった。  思い切って腕を振った。先発の岩貞が4回を散発2安打無失点。立ち上がりから連続で空振り三振を奪うなど持ち味を発揮した。  「継続していくことに意味があると思うので、次の登板に向けてもっといい投球、いいボールが投げられるようにやっていきたいです」  特に手応えを得たのが、近年あまり使っていなかったカットボール。自己最多の10勝を挙げた2016年までは使っていた球種で、投球の幅を広げることが狙いだ。春季キャンプから再び取り組み始め、この日はカウントを取るのに効果を発揮。「きょうに関してはよかったですが、まだまだ精度を上げていく必要がある。慢心せずにやっていきたい」と力を込めた。  岩貞の開幕ローテ入りについて矢野監督は「もちろんね」とキッパリ。メッセンジャー、西、ガルシアに続く開幕ローテ入りに当確ランプがともった。さらに、10日の巨人とのオープン戦(甲子園)に先発予定の西がこのまま調整を続ければ、ヤクルトとの開幕シリーズで31日の3戦目に回ることが想定される。岩貞は2戦目が濃厚だ。開幕投手に決まっているメッセ、岩貞、西の"燕倒ローテ"で開幕ダッシュを決めてみせる。  「(開幕ローテ入りを)意識していないといえば嘘になりますが、開幕してからのことを見据えてずっと練習しているので。開幕してローテに入ってよかったということではなく、その先に向けてもっと練習してやっていきたいです」  次回登板は調整の兼ね合いで2軍戦となる予定。ことしこそ開幕からフル稼働して、虎投を支える。(箭内桃子)

◆打った、走った、守った!! 阪神のジェフリー・マルテ内野手(27)が9日、日本ハム戦(甲子園)に初めて「4番・三塁」で先発出場した。七回にオープン戦初安打となる左翼線二塁打を放つと、鳥谷敬内野手(37)の中前打で二塁から激走のホームイン。チームは3-3の引き分けでオープン戦初白星はお預けとなったが、新助っ人が初の聖地で躍動した。  初の聖地でトンネルを抜け出したマルテは、誰にも止められなかった。七回、左翼線二塁打をかっ飛ばすと、鳥谷の中前打で猛然と二塁から本塁突入。己の判断と走力を信じ、藤本三塁ベースコーチの制止も振り切って生還。オープン戦初安打後に即、鮮烈な初得点だ。  「自分のタイミングで行きましたけど。コーチはリスペクトすべき人ですし。あの場面はセーフにはなりましたけど、やっぱり自分も直していかないといけない部分もあります」  大きな体を小さくし、少しバツが悪そうに振り返る。たしかに「ストップ」の指示には従わなかった。だが、吹っ切れたからこそ振り切ったに違いなかった。  2-2で迎えた七回の先頭だ。昨季19セーブ、19ホールドポイントとブレークした日本ハムの快速右腕、石川直の外角フォークを捉えた。「いい投手、いい球だったと思うけど、いい感じでコンタクトできた」。2月11日の紅白戦(宜野座)で来日初アーチを含むマルチ安打をマークして以来、実に26日ぶりの快音だった。  結果が出ず、周囲がやきもきするなかでの実戦11打席ぶり安打。「自分の中の安心材料というか。やっぱりヒットが出ないと、どうしても焦ると思うんで。そういう風なものが、ちょっと消えるような一本にもなったと思う」。矢野監督も安堵の表情を浮かべた。  そして直後の快足披露。藤本コーチは「俺の(マルテの)走力を見極める力がなかった。スタートも良かった。判断も良くて、足も動いていたし予想外の速さだった」と目を丸くした。今年のキャンプではシャトルランに積極的に取り組み、走力も磨いてきた成果が出た形。指揮官は「意外に走ったら走れるかもしれん」と思わぬ収穫を得た。  一塁が"定位置"だが、侍ジャパンに招集された大山の"代役"として初の4番&三塁を務めた。守備では強襲安打を1本許したが、5度の守備機会を見事にこなした。「守備がすごいじゃん。甲子園で守ってみるのもオプションとしてね。こっちも考える中できょうはそういう部分をよく見られた」と指揮官。万が一、シーズン中に大山を欠いても大丈夫だ。  「三塁は自分の一番のポジション。自分としてはやりやすい。どこでも言われたところでしっかりと準備したい」。マルテ自身はホットコーナーにも意欲満々だ。  九回に同点に追いつかれ、激走は決勝のホームインとはならず。チームのオープン戦開幕5連敗は止まらなかったが、懸念だったM砲の足踏みは止まった。このまま開幕へと突っ走る。 (長友孝輔) マルテの三塁守備について阪神・久慈内野守備走塁コーチ 「全然、大丈夫。動けていたし、キャンプからできるとは思っていたけど、オプションの1つになる」 マルテの二塁打について阪神・浜中打撃コーチ 「変化球をうまく打った。1本出て、ホッとしている。これからも、どんどん打席に立って、日本の野球を覚えていってほしい。打席に立つことが一番大事」

◆斎藤と対戦した二回、マルテはフルカウントから内角直球を引っ張ってファウル。逆球だったが、内角を得意としていることがよく分かった。メジャーのストライクゾーンの関係から、来日する外国人の多くは内角に苦労するが、そこに関しては問題ないようだ。  一方で今後、相手バッテリーは得意コースの近くを狙ってくるはず。相手に合わせるのではなく、自分が主導権を握り対応するしかない。外角であっても内角であっても"ド真ん中を打つ"という感覚で配球を読み、思いきりのいいスイングをしてほしい。  私が中日の打撃コーチを務めていた2017年は来日1年目のゲレーロ(現巨人)が春先、苦しんだ。スイングをアッパーからダウンに変えろという声も出たが、長所を生かすことにしたら35発で本塁打王を獲得。やはり、外国人はいじりすぎない方がいい。マルテに対しても周りが騒ぎ立てずに信じることだ。  三塁手としてハンドリングや送球は巧みだが、一塁に固定してもいいのではないか。開幕を想定した戦い方をする時期にもう入っている。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
401 1.000
(-)
-
(-)
36
(+12)
15
(+5)
5
(+1)
0
(-)
0.313
(↑0.015)
3.000
(↓0.5)
2
(2↑)
ソフトバンク
410 0.800
(↑0.05)
0.5
(-)
20
(+4)
18
(+3)
4
(-)
2
(-)
0.233
(↓0.011)
3.600
(↑0.15)
3
(2↓)
ロッテ
310 0.750
(↓0.25)
1
(↓1)
22
(-)
12
(+1)
2
(-)
6
(-)
0.254
(↓0.05)
2.750
(↑0.58)
3
(2↓)
楽天
310 0.750
(↓0.25)
1
(↓1)
26
(+5)
15
(+8)
5
(-)
1
(-)
0.299
(↑0.009)
3.500
(↓1.5)
5
(1↓)
ORIX
320 0.600
(↓0.15)
1.5
(↓1)
24
(+3)
17
(+10)
3
(-)
6
(-)
0.296
(↑0.001)
2.000
(↓0.75)
6
(2↑)
巨人
340 0.429
(↑0.096)
2.5
(-)
25
(+10)
32
(+3)
5
(-)
5
(+2)
0.253
(↑0.015)
4.570
(↑0.28)
6
(2↑)
中日
340 0.429
(↑0.096)
2.5
(-)
18
(+1)
29
(-)
3
(-)
2
(-)
0.188
(↓0.013)
4.140
(↑0.69)
8
(2↓)
DeNA
232 0.400
(↓0.1)
2.5
(↓1)
25
(+5)
31
(+12)
6
(+1)
3
(-)
0.269
(↑0.024)
4.350
(↓1.41)
8
(3↑)
西武
230 0.400
(↑0.15)
2.5
(-)
26
(+8)
29
(+5)
4
(-)
2
(+1)
0.274
(↑0.033)
4.090
(↓0.23)
10
(3↓)
ヤクルト
350 0.375
(↓0.054)
3
(↓1)
30
(+3)
36
(+4)
8
(-)
7
(+1)
0.236
(↓0.009)
3.820
(↑0.21)
11
(3↓)
日本ハム
122 0.333
(-)
2.5
(↓0.5)
18
(+3)
17
(+3)
6
(+2)
2
(+1)
0.274
(↓0.002)
3.270
(↑0.07)
12
(-)
阪神
051 0.000
(-)
4.5
(↓0.5)
11
(+3)
30
(+3)
3
(-)
4
(-)
0.187
(↑0.001
5.510
(↑0.56)