ソフトバンク(☆7対2★)阪神 =オープン戦2回戦(2019.03.03)・福岡ヤフオクドーム=
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阪神
2000000002501
ソフトバンク
40000300X7802
勝利投手:ミランダ(1勝0敗0S)
敗戦投手:メッセンジャー(0勝1敗0S)

本塁打
【阪神】大山 悠輔(1号・1回表2ラン)
【ソフトバンク】松田 宣浩(1号・1回裏満塁),グラシアル(1号・6回裏3ラン)

  DAZN
◆ソフトバンクは、2年目・高橋礼が3回2安打無失点の好投。開幕ローテーション入りへ、アピールに成功した。一方の阪神は、近本が2試合連続となるマルチ安打を記録。外野の一角を狙うルーキーが、存在感を示した。

◆4番候補のお目覚めだ。阪神大山悠輔内野手(24)が初回に先制2ランを放った。 2死二塁でソフトバンク先発ミランダの145キロ直球を捉えた。打球は左中間への1号2ラン。チームで唯一、侍JAPANにも選出されている大山が、猛虎打線の鍵を握りそうだ。

◆昨季限りで現役を引退した元ソフトバンクの城所龍磨氏(33)が3日、阪神とのオープン戦前に引退セレモニアルピッチを行った。 背番号23のユニホームに袖を通し、まずはファンにあいさつ。「待機ばかりしていた15年間でしたが、熱い声援のおかげでプレーできました」と感謝した。 マウンドに立つと、打者役で柳田、捕手役で防具をフル装備した福田がベンチから登場し「1打席対決」で盛り上げた。城所氏はマウンド上で目薬をさし、目を潤ませて投球。 初球は外角に大きく外れる132キロで空振り。続いて内角への123キロで空振りさせ追い込んだ。最後は低目のいいコースへ135キロで空振りの3球三振に仕留めた。さらにマウンドを降りる途中、捕手福田から返してもらったボールを右翼席へ向かって投げた。推定120メートルの大遠投でスタンド中段まで届かせ、どよめきを誘った。 城所氏は「後輩たちが演出してくれてうれしかったです。(遠投に関しては)ぼくの売りは肩。一番自信があるところだった。練習ではスタンドにギリギリだったけど、ファンのみなさんが届かせてくれました」と笑った。 135キロの直球と遠投で、衰えていない肉体を披露した城所氏は「工藤監督にも『まだやれたんじゃないか』と言ってもらった。今は子どもたちに教えているので、プロ野球選手はすごいというところを見せないといけない。城所コーチに憧れてもらえるよう、できることは何でもしたい」と、現在所属する野球振興部での活躍を誓った。

◆阪神先発ランディ・メッセンジャー投手が初回に満塁弾を浴びた。2死満塁で打席には6番松田宣。146キロの直球を痛打され、打球は無情にも左中間席へ。開幕投手候補のメッセンジャーが一気に4点を失った。 その後は立ち直り、無安打投球を披露。予定していた3回を3安打4失点でマウンドを降板した。

◆阪神西勇輝投手が救援登板し、7番グラシアルに3ランを浴びた。 6回にマウンドへ上がると、2死一、二塁で144キロ直球を左翼スタンドに運ばれた。この日は先発したランディ・メッセンジャー投手も初回に満塁弾を浴びており、開幕候補の投手陣に暗雲が漂った。

◆阪神矢野燿大監督(50)が3日、29日の開幕ヤクルト戦(京セラドーム大阪)の開幕投手にランディ・メッセンジャー投手(37)に決定したことを明言した。 この日は1回、松田宣に満塁本塁打を浴びたが、2回以降は立て直して3回4失点だった。登板後に通達。矢野監督は「本人もやる気満々。意気に感じてくれるタイプ」と期待した。5年連続6度目の大役を務める。

◆ソフトバンクのドラフト1位、甲斐野央投手(22=東洋大)が衝撃のオープン戦デビューを果たした。 5点リードの8回に登板。先頭近本への初球にいきなりプロ入り後最速を更新する158キロをマークした。セーフティーバントを決められたが、アマ時代最速159キロ右腕の剛球に本拠地がどよめいた。 無死一塁から栗原が盗塁を刺し1死。続くナバーロには四球を与えたが、この日本塁打を打っている4番大山を遊撃併殺打に仕留めた。セットポジションからも150キロを超える直球で、堂々たる初マウンドだった。 甲斐野は「ファンの方の声援が大きくて力んでしまった。スピード表示は出ていたかもしれないけど、もっとスピンの効いたいい球が投げられると思う。もっと練習して頑張りたい」と話した。

◆ソフトバンク高橋礼投手が開幕ローテーション入りへ1歩前進した。2番手で4回から登板。最速140キロの直球と98キロのカーブで42キロ差の緩急を操り、3回を2安打無失点に抑えた。 「緩急を使わないと先発はできない。0で抑えられてよかった。セットポジションやベースカバーなど課題も見つかってよかった」。工藤監督も「打者から見たら直球がかなり速くなったと思う」と緩急を評価した。

◆ソフトバンク松田宣浩内野手がオープン戦のチーム1号を打った。初回2死満塁。先発メッセンジャーに追い込まれたが、4球目の直球を左中間スタンドに運んだ。 一塁ベンチ前ではおなじみ「熱男!」のパフォーマンスで場内を盛り上げた。6回も西から四球を選び、続くグラシアルの1発を呼んだ。「本番は開幕から。今年はやるぞという思い。まだまだ熱く、若く行きたい」と気合十分に話した。   ソフトバンク王球団会長(松田宣の満塁弾に)「いいホームランだったね。今年にかける思いがあるだろうしね。あの年齢になるといろいろと必死になる」

◆ソフトバンクの1軍外国人枠争いが激化する中、ジュリスベル・グラシアル内野手が3ランでアピールした。 6回2死一、二塁から西の内角シュートをうまく腕をたたんで左翼席へ運んだ。 「今日はうまく打てた。その前の球を空振りしたが、次の球もアグレッシブにいけた」。オフにFAでの争奪戦に敗れた西への一撃で、開幕1軍を猛アピールした。

◆ソフトバンク・ドラフト1位の甲斐野央投手(22=東洋大)が、衝撃デビューを飾った。オープン戦初登板で本拠地ヤフオクドーム初登場の阪神戦。プロ入り後最速を更新する158キロをたたき出した。走者を出しながらも8回の1イニングを併殺などで3人で抑え、無失点にまとめた。 「ファンの方の歓声がすごくて力みになってしまった。スピード表示は出ていたかもしれないけど、もっとスピンの効いたいい球が投げられると思う」。試合後も紅潮させたまま、自分に厳しく振り返った。 高みを目指す右腕にとって、課題と収穫のマウンドだった。158キロをマークした先頭近本への初球。三塁側にセーフティーバントを決められた。フィールディングは得意だが、虚をつかれて一塁を奪われた。「実力不足。準備不足。反省しなければいけない」。 だが実戦力の高さも見せた。走者を背負いクイックになっても球速を落とさず、150キロ台中盤をキープ。前日に甲斐から盗塁していた近本の二盗は、捕手栗原との共同作業でアウトにした。続く鳥谷には四球を出したが、この日本塁打していた4番大山を遊撃併殺に仕留め、1回を3人斬りの無失点でしのいだ。 中継ぎ陣に故障者が相次ぎ、勝ちパターンが定まっていない。だが宮崎キャンプ中からの安定した結果で、セットアッパー候補としての開幕1軍も現実味を帯びてきた。工藤監督は「悪いときにどうするかが大事。今日は1つ自分でステップアップできた」と評価。球団のドラフト1位選手が開幕メンバー入りすれば東洋大の先輩、08年の大場翔太以来になる。福岡のファンに自慢の剛球で"自己紹介"した右腕は「まだ実力を上げて、アピールのチャンスはあると思うので。満足することなく、志を高く持っていきたい」と鼻息荒く意気込んだ。【山本大地】

◆阪神矢野燿大監督(50)はオープン戦4連敗を喫し、打線の奮起を求めた。 この日は1回に大山が先制2ランを放ったが、2回以降は沈黙。5安打にとどまった。指揮官は「連敗してるからね。点取るように頑張っていくしかない。マルテやナバーロも来ながら(今後は福留)孝介や(糸井)嘉男が出ていくのもあるけど、そこを脅かす点の取り方をしていかないと。もちろんチームとしても強くならない」と危機感をにじませた。

◆阪神ドラフト3位木浪聖也内野手(24=ホンダ)の実戦連続安打は「9」でストップした。6回守備から一塁で出場すると、9回に巡ってきた打席で一ゴロ。キャンプから続いていた実戦の連続安打が止まった。 守備では慣れない一塁での出場だったが、「違う意味で緊張した。出たところで一生懸命やりたい」と表情を引き締めた。

◆阪神大山悠輔内野手(24)がソフトバンクとのオープン戦(ヤフオクドーム)で待望の1発を放った。初回に1号2ランを放ち、笑顔でダイヤモンドを1周。その後はHランプをともすことはなかったが、矢野監督、浜中打撃コーチも納得する打席内容だった。若き和製大砲候補が状態を上げて、猛虎打線の火付け役となる。 大山がコンパクトにすくい上げた。初回だ。2死二塁。ソフトバンク先発ミランダの145キロ直球を強振すると、ドームに打球音が響いた。左中間のホームランテラスに飛び込んだ今季1号は、力みのないバット軌道から生まれた。 「ミスショットせずに、一発で捉えられたのが良かった。(春季キャンプから)修正した部分はある。でも打席に立てば(目の前の)ボールに集中するだけ。試合になったら、しっかりと自分のことをやるだけです」 4番候補と期待されながら前日2日までの実戦9試合で打率は2割1分4厘だった。今回の福岡遠征の前に、指揮官は「(4番を)与えられるようなチーム状況ではない。ナバーロもいいしってなったらマルテがサードもあり得る。他の選手がサードもあり得るわけだから」と奮起を求めるシーンもあった。 和製大砲候補が放った待望の1発に、矢野監督は「結果が出ないと本人も不安。(首脳陣も)結果を含めての判断になってしまうので」と喜びの表情。さらに「ああいうふうに1本打てて。その後の打席の内容も。今までの中で一番全体的に良かった。(4番は)得点圏で回ってくるんでね。まだ自分なりの課題を持ちながらやっていってくれたらいい」と復調の兆しをみているようだ。 指揮官は凡退の打席も一定の評価を与えたが、本人は謙虚だった。「1本ではダメ。次の打席からもしっかりやっていかないと」。5回には2死満塁で打席が巡ってきたが一ゴロに倒れていた。それでも浜中打撃コーチは「バットの出方はいい。(結果は)紙一重だからね。これを続けてほしい」と信頼を置いた。 「3」の並ぶ日に飛び出した1発。3年目を迎えた背番号3が、3月3日の号砲を忘れず、19年シーズンを突き進む。【真柴健】

◆阪神守護神候補の藤川球児が1イニングを1安打無失点に抑えた。 7回に登板。先頭今宮に中前打を許したが、捕手梅野の強肩発動で盗塁アウトなどがあり2死走者なし。最後は真砂をフォークで空振り三振と6球で料理した。 ただ、レギュラーシーズンに向けた準備期間ということもあり「もうちょっと球数を投げないと。あくまで実戦練習なので」と冷静に話した。

◆阪神ドラフト1位ルーキー近本光司外野手(24=大阪ガス)が今度はセーフティーバントを披露した。 5点を追う8回。先頭打者として、同じドラフト1位甲斐野の158キロを転がし、自慢の足で一塁まで駆け抜けた。「練習もやっていましたし、オープン戦なので。小学生以来、2度目ぐらいです」と話したルーキーは「サードが意識してくれたらいい。ヒットゾーンも広がるので」とサラリ。連続見逃し三振の後の5回の打席でも三遊間を破る安打をマーク。「取り返そうというのではなく、自分のできることをしようと思っていました」。打率5割もキープ。クレバーなルーキーが開幕スタメンへ突き進む。

◆阪神ラファエル・ドリス投手が金ひげ魔神になった。8回に登板し、1回1安打無失点。2死から塚田に中前打を許したが、最速155キロを計測するなど力強さは変わらず。 この日は、あごひげを金色にした姿を披露。ド派手なスタイルにチームメートも苦笑いだったが、本人は「ファイト! ファイト!」と説明。気合の表れのようだ。

◆開幕ローテ入り確実の阪神西勇輝投手は1回2安打3失点だった。初対外試合となるソフトバンク戦に6回から中継ぎ登板。 先頭柳田を外角直球で遊ゴロに仕留めたが、内川に中前打、松田宣に四球を許すなど2死一、二塁とされ、グラシアルに内角球を捉えられた。左翼越え3ランを被弾。「うまくさばかれた」と振り返った西だが、「結果的にはもうちょっと厳しくいくべきかもしれないけど、そうなったら自分の投球ができなくなる」と納得済み。悲観することはなかった。 開幕に向けて着実に準備を進めている。同じタイミングで6回からマスクをかぶった梅野とも登板前から入念に打ち合わせ。「首を振ることも1度もなかった。次の試合は結果を求めていきたい」と前向きだ。矢野監督も「(3ランは)すごくうまく打たれたけど、真っすぐに関しては質の良さというか、空振りも結構、取れたしね」と変わらぬ信頼を口にした。

◆阪神新外国人ジェフリー・マルテ内野手(27=エンゼルス)のバットから快音が響かない。オープン戦2度目の先発も3打席無安打に終わった。 実戦形式で15打席連続ノーヒットと結果が出ないが「全体的には悪くないと思っている。前向きにとらえたい。これからも1打席1打席を大切にやっていきたい」と前を見据えていた。

◆阪神の新助っ人オネルキ・ガルシア投手が持ち味を存分に発揮した。4回から中継ぎ登板し、最速150キロを計測するなど2回1安打無失点。5回には1死から牧原のセーフティーバントを左手でつかみ、一塁に走り込んでトス。初の対外試合で闘争心をむき出しにした。 昨季の13勝左腕は「ゲームで投げられたのが1番の収穫」と笑顔。矢野監督も「あのフィールディングだってすごい。ベンチでもえらい声を出す。野球に対する気持ちというのはすごく強い」と絶賛だ。開幕ローテ入りへ問題なしだ。

◆阪神矢野燿大監督(50)が3日、今季の開幕投手にランディ・メッセンジャー投手(37)を指名した。 メッセンジャーはこの日のソフトバンクとのオープン戦(ヤフオクドーム)で1回に満塁弾を浴びたが、2回以降は立て直して3イニングを投げて4失点。順調に調整を重ねており、29日の開幕ヤクルト戦(京セラドーム大阪)の開幕戦先発が決定。自身5年連続6度目の大役となる。今季から日本人選手扱いの大黒柱に矢野阪神初陣が託された。 矢野阪神の初陣は堂々と大本命を立てる。2月の沖縄・宜野座キャンプから競わせた開幕投手争いがついに決着した。ソフトバンク戦に敗れた直後の三塁ベンチ裏ミラールーム。先発メッセンジャーの話題が始まると、矢野監督自ら、さらりと切り出した。「開幕はランディでいくわ」。来日10年目の助っ人に29日の開幕ヤクルト戦先発を託す。 メッセンジャーは1回、松田宣に高め速球を捉えられ、満塁弾を浴びたが、2回以降は本領発揮。フォークの精度が高く今宮、上林、柳田を空振り三振に仕留めるなど、変化球を駆使した組み立てで残り2イニングを6人で片づけた。3回4失点も心配ご無用。「全体的に投球というか、緩急をうまく使いながら、丁寧に投げているという感じがあった」。指揮官の信頼は揺るがない。試合後に通達され、5年連続6度目の大役が決まった。 大黒柱は健在だ。矢野監督は昨秋の就任当初から開幕投手を白紙にして、若手を巻き込んだバトルを仕掛けた。才木が名乗り出て活発化。ガルシアや西も順調に調整してきた。だが最有力候補は1度も揺るがなかった。 「俺のなかでは、ある程度は決まっていた。若い投手がもうちょっと食い込んでくると面白いけど総合的にそういう形にならなかった。ランディの方がすべての部分で気持ちも、やっている姿勢もやっぱり任せようと。任せたいと思えた。チームごと背負えるのはやっぱりランディなのよね」 メッセンジャーは昨年4月に国内FA権を取得し、今年は日本人選手扱いになった。外国人枠を外れ、いきなり矢野阪神初陣の先発マウンドに立つ。常にオフは「開幕投手は俺」と公言。心身ともに充実のタフネスぶりが光る。この日も「キャンプはゆっくりやってきたので、これからイニングを投げることが大事。ベストな状態に上げていきたい」と自覚たっぷりだ。 頭髪に白いものも混じるがまだまだ意気盛んだ。4度目の開幕星なら球団最多タイ。日米通算100勝にも王手をかける。レジェンド助っ人が今年も阪神の生命線になる。【酒井俊作】

◆3日のソフトバンク戦に先発する見込みの阪神・メッセンジャーは2日、甲子園の残留練習に参加。キャッチボールなどで調整した。日本一の打線に「強い打者がいることは知っているが、それを言い訳にしたくない。いい気持ちで抑えられるようにしたい」と腕をぶす。開幕投手の候補とされている西、ガルシアも登板予定だが、助っ人右腕は「(開幕投手は)目標。自分ができる準備をしていこうと思います」と意欲をみせた。

◆新外国人の阪神・マルテが2日、3日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)に備え、甲子園の残留練習に参加。フリー打撃では80スイングで左翼席へ5本の柵越えを放ち、福岡へ移動した。ソフトバンクの先発は昨季、6勝を挙げたミランダ。M砲は「アクティブに初球からいきたい。プランとして、球種などを含めいろんな情報を入れている段階です」といち早い日本野球への対応を誓った。

◆ソフトバンクは3日の阪神戦(ヤフオクドーム)の試合前、昨季限りで現役を退いた城所龍磨氏(33)の引退セレモニーを実施した。  セレモニアルピッチで城所氏が投手を務め、捕手に福田秀平外野手(30)、打席に柳田悠岐外野手(30)が入った。仲のいい外野手トリオの演出は3球三振。135キロを計時した。受け取ったボールを右翼席へ大遠投。中段までボールを届けて「僕の売りは肩。一番自身のあるところだったので」と現役さながらの強肩を披露すると「福田選手がけがをしたら、いつでも準備はできています」とアピールした。  「115メートルは投げられたと思う。練習よりも飛びました。応援してくれる人の力って本当にすごい」と実感。現在は球団の野球振興部で少年野球の指導を担当しており「僕もスタンドで応援してみたい。ファンの目線で野球をみたり、どうすれば野球が普及するか、いろいろな角度でみないと分からないので」と話した。

◆開幕投手最有力で阪神のランディ・メッセンジャー投手(37)が先発して3回52球を投げ、3安打4失点、3三振1四球だった。  一回、先頭の牧原を遊飛に打ち取ったが、上林、柳田に連続安打を許した。4番・内川は右飛に退けたが、中村晃に四球で2死満塁。続く松田宣に左中間へ1号満塁本塁打を浴び、いきなり4失点した。  しかし、メッセンジャーはこの後立ち直り、下位打線からの二回をわずか9球で3者凡退に抑えると、三回の上位打線も3人でピシャリと抑えた。

◆ソフトバンクのドラフト1位新人、甲斐野(東洋大)が八回にオープン戦初登板し、走者を許しながらも無失点と踏ん張った。最速158キロをマークしたが「もっともっとスピンの効いた、いい球が投げられるんじゃないかと思っている」と満足していなかった。  先頭のルーキー近本(大阪ガス)に初球の158キロをバント安打とされたが、素早いクイック投法で二盗阻止に。四球を出しても慌てず、大山を速球で遊ゴロ併殺打に仕留めた。工藤監督は「クイックも1・1(秒)を切ったし、そうそう走られる投手じゃない」と評価した。

◆フリーエージェントで加入した阪神の西が六回にオープン戦初登板した。ソフトバンクのグラシアルに3ランを浴びて1回3失点だったが、140キロ台中盤の直球には勢いがあり「(感触は)良かった。次は結果を求めていきたい」と話した。  オリックス時代に通算74勝を挙げた実力者は、自分のペースを崩さずに調整を続ける。矢野監督は「真っすぐに関しては空振りも結構取れていた。まあ初めての登板だから」と信頼を口にした。 ガルシア(2回無失点) 「いい感じ。ゲームで投げられたのが一番の収穫」 矢野監督(オープン戦4連敗) 「点を取れるように頑張っていくしかない」

◆阪神の新外国人、ジェフリー・マルテ内野手は3日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で「初めてだった」という下手投げの投手(高橋礼)に2打席凡退するなど、3打数無安打に終わった。  オープン戦は5打数無安打となったが、一塁守備で魅せた。四回1死一、三塁で甲斐が放った一塁線のライナーを横っ飛びでキャッチ。飛び出した一走を併殺に仕留めてピンチを切り抜け「打席で結果が出ないときもあると思うので、そういうときは守備でも貢献しないと、という気持ち」とうなずいた。

◆阪神のエフレン・ナバーロ内野手が3日、ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)に「3番・DH」で出場し、2打数無安打。それでも五回2死一、二塁では下手投げの高橋礼のボールを冷静に見極め、四球を選んだ。  「アグレッシブにいった結果、ちょっと開き気味になってしまった。(五回の)3打席目はしっかりと、自分のそれまでの2打席を意識しながらも見送ることができた」。湿っている打線の起爆剤にはなれなかったが、収穫のあった打席を振り返った。

◆4番候補にようやく飛び出した。阪神・大山悠輔内野手が3日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)の一回2死二塁から、ミランダの145キロ低め直球を一閃。打球は左中間ホームランテラスに飛び込んだ。オープン戦13打席目の1号アーチは、阪神の16イニングぶりの得点だった。  「ミスショットせずに一発で捉えられたことは良かった。でも1本ではダメですし、次の打席からもしっかりやっていかないといけない」  ここまでの4試合すべて「4番・三塁」でフル出場。今は結果を出して開幕4番を目指すのみだ。

◆阪神のドラフト1位・近本光司外野手(大阪ガス)が3日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)に「2番・左翼」で出場し、バント安打を含む2安打。前日に続くマルチ安打で開幕スタメンへアピールした。  「揺さぶりから入ろうと思っていました。練習もしっかりやってきたので、オープン戦なのでやっていこうかな、とか思ったりしています」  八回先頭。この回から登板したソフトバンクのD1位・甲斐野央投手(東洋大)の初球にバットを寝かせ、三塁側にコツン。処理した捕手が投げられないほどの絶妙さで、"ドラ1対決"を制した。

◆阪神の守護神候補、ラファエル・ドリス投手が3日、ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)の八回にオープン戦初登板。2死から塚田に中前打を許したが、後続を断って、無失点の試運転だった。最速は155キロをマーク。  「いつも通り、自分の中では普通に投げられたし、それは良かったこと。(開幕までに)時間があるから、それを有意義に使いたい」。初登板より注目を集めたのは、突然、黄金に染められたあごひげ。問われると「ファイト!」とひと言。戦闘態勢を整えたってこと!?

◆ソフトバンクは3日、阪神戦(ヤフオクドーム)に7-2で勝利した。一回に松田宣浩内野手(35)が左中間に逆転満塁弾。「いい形で打てたと思います。キャンプでは本塁打を打てなかったので、早く打ちたかった」。チームのオープン戦1号を放つと、六回にはジュリスベル・グラシアル内野手(33)が左越え3ラン。「まだ準備段階だけど、アジャストできたのがよかったよ」と笑顔で振り返った。  オープン戦は連勝スタートで、工藤公康監督(55)は「しっかりチャンスを作って、マッチ(松田)がいいところで打ってくれた。グラシアルもシュートにうまく腕をたたんで、いい本塁打が2本でました」と納得していた。

◆阪神は3日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)に2-7で敗れ、オープン戦未勝利の4連敗。矢野燿大監督(50)は「連敗してるからね」と自ら切り出し、「孝介(福留)や嘉男(糸井)が(今後)出ていくっていうのもあるけど、やっぱりそこを脅かすような点の取り方をしていかないと、チームとしても強くならない。ファンの人も、そこを楽しみに来てくれていると思うから」とタイムリー欠乏症に陥っている打線にハッパをかけた。

◆阪神・藤川球児投手が3日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)の七回に登板し、1回1安打無失点。先頭の今宮に中前打を許したが、女房役の梅野の盗塁刺などもあり、打者3人を6球で料理した。  「もうちょっと球数を投げないと、やりたいことも何ともね。あくまで実戦練習なので、せめて15、16球は投げたいくらいですね」  守護神を目指す今季、開幕へ段階を踏んでいく。矢野監督も「競争してもらいながら」とドリスとのハイレベルな争いを期待した。

◆しろがねの衾(ふすま)の岡辺 日に溶けて淡雪流る...と島崎藤村は『千曲川旅情の歌』をうたった。  そこまでぜいたくはいわないが毎年、早春を彩る『フジパンPresents 淀川寛平マラソン2019』は今年も大勢の皆さまの参加、協賛、協力をいただいて開催されました。  昨年は快晴と春うららに恵まれてましたが、今年は淀川の上空あたりでお日さまは「チト、福岡あたりのオープン戦の具合も気になるゾ」とばかり新生矢野阪神とソフトバンクの試合をチラ見してたのでしょう。少し曇り空でございました。  実は午前9時スタートのフルマラソンに我が運動部長大澤謙一郎は自費でエントリーし、前日に登録を済ませて主催者側のくせにジャージー姿でセッセと大会の手伝いをしながら、ソノ気満々でございました。  そこに編集局長畑恵一郎がやってきて「大澤、今のうちに寛平さんや、たむけんさん、それに後援社の方にもご挨拶をしよう」となった。そんな大澤をみて、寛平さんやタレントのたむらけんじさんは「お、ヤル気満々やね」となって、本人もまんざらでなくなって「4時間切りますよ」と言ってしまったらしい。  しかし...結果を先に書く。フルマラソンに7回完走して6番目のタイムで、3203人中511位。「それが折り返し地点までは快調でした。それで『こら新記録や』と思ったら折り返し点をすぎてから急に呼吸が乱れて...ペースダウン。なんでや...と考えたら、つまりは折り返すと僕は"逆風"を走ってたんですヮ。追い風に調子にのって...折り返すとアゲンストの風...エエ勉強になりましたヮ」。  かくて4時間2分14秒にまとめたが、息も絶え絶えで寛平さんじゃないけどアヘアヘ状態。大澤部長はこの大会の取材に来ていた若手記者の須藤佳裕、菊地峻太朗、邨田直人にスタート前に一席うんちくをたれて、4時間切りを公言しながら...あげくの果ては有言不実行で面目丸つぶれ。実に"生きた教材"になったのです。イヒヒ...。  しかしね、その頃、福岡のヤフオクドームでトラ番キャップ大石豊佳もまたエエ勉強をしとりました。大石はそれをキチンと「学習」し、身につけるからいいけど...。  何のことかといえば読者の皆さま、スコアをみれば一目瞭然でございましょう。大石キャップは「試合前にソフトバンクのフリー打撃を入念に見たのはマズかったです」という。ポンポンとスタンドに打球を放り込むソフトバンクの選手たち。  それでも、いざプレーボールがかかると、上本が四球、そして4番の大山が先発ミランダのチェンジアップ攻勢に冷静に対応して、4球目の直球を左中間のホームランテラスに先制2ラン! 当然のことながら大阪の我が編集局では待ってました! という空気が流れた。これで1面決まりや! ああ、だがしかし...その裏、メッセンジャーが、松田宣に146キロのストレートをガツン...。逆転満塁弾です。  なッ、そうはいうてもそろそろ阪神かて勝つ頃なんや。俺はそんな予感がしてたんや、きょうこそ...おい大石記者、聞いてるか...と私めが電話口で口走ったのはつい4分ほど前のことでした。大澤部長のことを誰がいえるか...恥ずかしいヮ。  そして六回は西投手にグラシアルが3ランをドカン。もう堪忍してぇな...大石豊佳もまた花粉症で涙ボロボロなんです。虎党の皆さま、いつになったら♪涙クンさよなら...となるのでございましょうか。

◆--メッセンジャーは  矢野監督「緩急をうまく使いながら、丁寧に投げているという感じ。ランディ(メッセンジャー)らしさは出ていると思う」  --心配なさそう  「全然全然。開幕はランディで行くわ」  --もう伝えた  「さっきしたよ」  --本人の気持ちは  「やる気満々やし、そこに対する準備を怠ることはない、意気に感じてくれるタイプ。『オレがヤル』とあいつも思っていたと思う。俺の中では若い投手がもうちょっと、そこに食い込んでくると面白いというのがずっとあったんだけど」  --対抗はガルシアだった  「(移籍)1年目でいきなりそういうのは難しい部分もあるし。チームごと背負えるのってやっぱりランディなのよね。ボールとか、そういうことだけじゃない」  --ガルシア、西は  「そんな悪くないと思う。(西は)グラシアルにはすごくうまく打たれたけど。言うても(実質)初めての登板。球が走らんってなるとちょっと心配な部分が出てくるけど、あれだけ球が走っている。その中で微調整だったり、配球面だったり、お互いのコミュニケーションだったり、そういうところかな」  (続けて)  「ガルシアもゲームになると、あの前向きな姿勢はすごいね。フィールディングだってすごいし、ベンチでもえらい声を出すし。野球に対する気持ちっていうのはすごく強いし、すごくいいところだと思う。全然心配はいらないかな」  --大山が本塁打  「(五回の)満塁の打席も、しっかり捉えた打席やったし(一ゴロ)。結果が出ないと本人も不安やし。きっかけにしてもらいたい」  --抑えの争いも  「(藤川は)リュウ(梅野)が刺したのも大きいし。ドリスも球は走ってるし、問題ないかなと思う。そこも競争してもらいながら」

◆六回からマスクをかぶった梅野が、七回1死で俊足の周東の二盗を刺した。「"Sクラス"に足が速いと聞いていたので、捕って速く投げるということだけ考えていました。よかったと思います」。六回に登板した西とのバッテリーについては「同じ失敗はしないように、なるべく長いイニングが投げられるような配球をして助けていきたい」と力を込めた。

◆藤川が七回に登板し、1回1安打無失点。先頭の今宮に中前打を許したが、女房役の梅野の盗塁刺などもあり、打者3人を6球で料理した。「もうちょっと球数を投げないと、やりたいことも何ともね。あくまで実戦練習なので、せめて15、16球は投げたいくらいですね」。守護神を目指す今季、開幕へ段階を踏んでいく。矢野監督も「競争してもらいながら」とドリスとのハイレベルな争いを期待した。

◆新外国人のマルテは「初めてだった」という下手投げの投手(高橋礼)に2打席凡退するなど、3打数無安打。オープン戦は5打数無安打となったが、一塁守備で魅せた。四回1死一、三塁で甲斐が放った一塁線のライナーを横っ飛びでキャッチ。飛び出した一走を併殺に仕留めてピンチを切り抜け「打席で結果が出ないときもあると思うので、そういうときは守備でも貢献しないと、という気持ち」とうなずいた。

◆D3位・木浪聖也内野手(ホンダ)の実戦連続安打は「9」でストップ。六回の守備から一塁に就き、九回先頭。鷹の守護神・森にバットを折られ、一ゴロに倒れた。それでも「いつも通りです」と必死な姿勢は変わらず。一塁守備についても「やれといわれたところでやるだけなので、試合に出られるようにやっていきたい」とどん欲に次戦を見据えた。

◆守護神候補のドリスも八回にオープン戦初登板。2死から塚田に中前打を許したが、後続を断って、無失点の試運転だった。最速は155キロをマーク。「いつも通り、自分の中では普通に投げられたし、それは良かったこと。(開幕までに)時間があるから、それを有意義に使いたい」。初登板より注目を集めたのは、突然、黄金に染められたあご髭。問われると「ファイト!」とひと言。戦闘態勢を整えたってこと!?

◆阪神のドラフト1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=がソフトバンク戦に「2番・左翼」で出場し、バント安打を含む2安打。前日に続くマルチ安打で開幕スタメンへアピールした。  「揺さぶりから入ろうと思っていました。練習もしっかりやってきたので、オープン戦なのでやっていこうかな、とか思ったりしています」  八回先頭。この回から登板したソフトバンクのD1位・甲斐野央投手(22)=東洋大=の初球にバットを寝かせ、三塁側にコツン。処理した捕手が投げられないほどの絶妙さで、"ドラ1対決"を制した。  ただ、次打者・鳥谷の3球目に二盗を仕掛けるもアウトに。2三振後の2安打を称賛した矢野監督は、盗塁失敗について「全然とがめてない」とした上で「あのタイミングでいっちゃうっていうのが。赤星(憲広)なんかは止められるから。無理やなっていうスタートの中で、どれだけ止められるかっていうのは、いい課題になったと思う」とも。通算381盗塁のレジェンドOBを引き合いに、より高いレベルレベルを求めた。

◆ソフトバンクの4番手でマウンドに上がったドラフト1位・甲斐野央投手(22)=東洋大=が八回、初球の外角直球で158キロを計測した。  「球速表示は出たけど、初めてのドームで歓声がすごくて、力みに変わってしまいました」  22歳右腕の剛球に、3万7712人の観衆がどよめいた。オープン戦初登板でMAX159キロまで、あと1キロに迫る速球は阪神のD1位・近本(大阪ガス)にバント安打されたが、直後に素早いクイック投法で二盗を阻止。四球を出しても、大山を153キロの直球で遊ゴロ併殺打に仕留めた。  1回1安打無失点。全9球中、7球の直球はすべて150キロ超え。福岡のファンに魅力あふれる投球を披露した甲斐野だが、「もっともっとスピンの効いた、いい球が投げられるんじゃないかと思っている」と満足はしていない様子だった。

◆4番候補にようやく飛び出した。一回2死二塁から大山のバットがミランダの145キロ低め直球を一閃。打球は左中間ホームランテラスに飛び込んだ。オープン戦13打席目の1号アーチは、阪神の16イニングぶりの得点だった。  「ミスショットせずに一発で捉えられたことは良かった。でも1本ではダメですし、次の打席からもしっかりやっていかないといけない。修正したところはありますけど、打席に入ったらボールに集中するだけなので」  その言葉通り、一発の後の打席は3つの凡退。新4番大爆発...とはいかなかったが、矢野監督は「その後の打席の内容も、今までの中で全体的によかったような打席が続いていた。きっかけにしてもらいたい」と期待した。  ここまでの4試合すべて「4番・三塁」でフル出場。「試合になったら自分のことをしっかりやるだけ」。今は結果を出して開幕4番を目指すのみだ。

◆新戦力左腕、ガルシアが四回から2番手で登板。2回を無失点、MAX150キロと上々のオープン戦初登板だ。  いきなり先頭の中村晃に死球を与えるなど1死一、三塁のピンチを招いたが、マルテの好守でピンチを切り抜けると、2イニング目は三者凡退に。牧原のバント守備では好フィールディングで一塁に刺すなど、器用な一面も披露した。  「1イニング目はしっくりこなかったけれど、感じとしては決して悪くなかった。いい感じで投げられたし、マルテのあんな好プレーもあって。ゲームで投げられたというのが一番の収穫」  好守備の後、足を気にする素振りもあったが「別に問題ない、ちょっと走って疲れただけ(笑)。けがとかではない」とノープロブレムを強調していた。

◆リニューアルしたヤフオクドームのチーム1号にふさわしい一発だ。今季初の熱男。ソフトバンク・松田宣がグランドスラムで決めた。  「キャンプでは本塁打がなくて、早く打ちたかった。まず1本出て良かったです」  一回2死満塁で左中間席へ。変化球が3球続いた後、メッセンジャーの146キロをあっさり仕留めた。対外試合5試合で待望の一発は逆転弾。ただ、派手な一発よりも六回2死一塁の四球を「一番の収穫」とした。  「本塁打もだけど、ことしは次につなぐこともテーマ。ポテンでも何でも安打数を増やしたい」  本塁打に強いこだわりを持っていた男が変身した。今季は以前と立場が違う。昨季は32本塁打も、打率・248と安定感を欠いた。ポストシーズンで失ったポジションが確約されないままだ。  六回にはグラシアルが左越え3ランを放った。こちらはまず外国人枠を争って複数ポジションを守るが、本職は三塁で松田のライバルにもなる存在だ。若手だけでなく、助っ人やベテランも競争。王球団会長も「今年にかける思いが出ているね。内川もだけど、あの年齢の選手は必死」と目を細めた。  背番号「5」はスタンスを狭く、膝を伸ばして力を抜いて構える新打法を試みている。「いい投手と対戦してみて、膝を伸ばしていると少し(力が)弱い。もう少し膝に重心を乗せてみたらよかった。去年ほどではないけど」。前日2日の凡退からの発見と修正はさすがベテランだが、調整の意味合いはない。  「本番は開幕してからだけど(オープン戦も)ことしはやるぞという思いで立っているので」  逆襲を誓う実績組の奮闘も今季を占う。誰よりもハツラツとした35歳が意気込みを示した。(安藤理)

◆ファンを喜ばせないと! 阪神はソフトバンクに2-7で敗れ、オープン戦未勝利の4連敗。矢野燿大監督(50)は自ら切り出し「連敗してるからね。点取るようにがんばっていくしかない」とタイムリー欠乏症に陥っている打線にハッパをかけた。  福留も糸井もいない。まだ調整段階とはいえ、"開幕"から4連敗。それが現実-。矢野監督は正面から向き合い、語気を強めた。  「俺が言えへんかったら、みんな(報道陣)が言うから(自分から言うけど)、連敗してるからね」  試合後の取材で、自ら切り出した。オープン戦とはいえ、寂しすぎる攻撃に苦言を呈さずにはいられなかった。  「孝介(福留)や嘉男(糸井)が(今後)出ていくっていうのもあるけど、やっぱりそこを脅かすような点の取り方をしていかないと、チームとしても強くならない。ファンの人も、そこを楽しみに来てくれていると思うから。そういうのをやっていくっていうのが、課題やと思う」  就任からファンを楽しませる、喜ばせる、を掲げている。その精神は開幕前でも一緒だ。  2年連続日本一の鷹投手陣は"腕試し"に最高の相手だった。指揮官も、この2連戦からサインを解禁し、本番へのスイッチを入れていたが、前日2日は完封負け。この日は一回に4番・大山に待望の一発が生まれて幸先よく2点を先制しながら、これを呼び水にできない。その後はスコアボードに0が並んだ。  二回2死一、二塁では上本が中飛、五回2死満塁では大山が一ゴロと、得点圏に進んでもあと1本が出ない。これでオープン戦4試合で7得点。そのうち本塁打3本で4点。"タイムリー欠乏症"に、指揮官も危機感を露わにした。  金本前監督だった昨年もオープン戦開幕6連敗とつまずいた。シーズンでは17年ぶりの最下位に沈み、チーム打率・253はリーグ5位、85本塁打、551打点は同ワースト。打線が、14年ぶりのV奪回への鍵であることは明白だ。  「オープン戦とはいえ4連敗している。みんなが言う前にね。次、勝てるように、がんばります」  苦笑いを見せながら、締めくくった。次は8日に倉敷で楽天戦。9、10日に矢野阪神初の甲子園となる日本ハム戦、巨人戦を迎える。福留、糸井の出場が予定される12日の中日戦(ナゴヤドーム)まで3試合、打線がどんな姿を見せるか。反発力を見せるか。若手の猛アピールを、矢野監督は待っている。 (大石豊佳)

◆FAで新加入した阪神・西勇輝投手(28)がソフトバンク戦の六回にマウンドに上がり、対外試合初登板。グラシアルに一発を浴びて1回3失点も、順調な調整を踏めていることを強調した。次回登板は9日の日本ハム戦か10日の巨人戦で、甲子園初見参となる見込み。本拠地のマウンドで、今度はきっちり結果を残す。  納得の表情で、汗をぬぐった。西のオープン戦初登板は1回3失点。それでも2三振を奪うなど、ステップを踏んだ26球だった。  「まあ、良かったですね。梅野との合わせも、(サインに)首を振ることもなかったですし。次は、結果を求めていきたいです」  六回にマウンドへ。懸念していた捕手との息も合い、首を振ったのは1度だけ。140キロ台中盤の直球にもキレがあり、テンポ良く投げこんだ。  「(中継ぎは)リズムがなかなか難しい。ただマウンドに立って、柳田さんを抑えたあたりから自分のリズムがでてきたので、よかったかなと」  オフのFA交渉では、自身の獲得に乗り出していたソフトバンクとの対戦。慣れない中継ぎでの登板だったが、先頭の柳田をフルカウントから外角低め144キロ直球で遊ゴロ。内川にカーブを中前に運ばれたが、中村晃には両サイドにきっちり投げ分けて、3球三振に仕留めた。  松田宣に四球の後、グラシアルに内角144キロを左翼へ運ばれたが「結果論的には、もう少し厳しくいかないといけないのかもしれないですけど、(この時期に)そこまで求めすぎても、自分の投球ができなくなるので」と冷静に分析。矢野監督も「真っすぐに関しては質の良さというか。空振りも結構、取れたしね」と仕上がりには納得の表情だった。  開幕投手に決まったメッセンジャーとの兼ね合いで、次は9日の日本ハム戦か、10日の巨人戦に登板する可能性が高まった。イニング数も増やす予定で、本人が言うようにここからは「結果」も求めながら、調整を続けていく。  「オープン戦の数が少ないので、少ない中でもうまく調整して投げていきたい。すべては開幕からの結果だと思う。それまでの過程をしっかり自分の中で調整とかを考えてやっていきたいです」  次回の本拠地登板から、さらにエンジンをふかす。着々と、完成度を高めていく。 (箭内桃子) 投手陣について阪神・福原投手コーチ 「(メッセンジャーは)しっかり投げてくれたと思います。(開幕へ)しっかり調整してもらいたい。(西は)やることをやってもらうだけです」

◆阪神のランディ・メッセンジャー投手(37)が3月29日のヤクルト戦(京セラ)で、ともに球団タイ記録(2リーグ分立後)となる5年連続6度目の開幕投手を務めることが3日、決まった。先発したソフトバンク戦(ヤフオクドーム)は3回4失点だったが、矢野燿大監督(50)の信頼は絶大で不変。試合後に「チームごと背負えるのがランディ」と明言し、本人に伝えた。  信頼と実績だけじゃない。虎を背負う覚悟を示し続けて、メッセンジャーはついに矢野監督のハートも射止めた。2月のキャンプ中から「オレがヤル」と強い言葉を発信し続けた"日本人右腕"が、5年連続6度目の開幕投手だ。  「グラッド(うれしいよ)。ベリーハッピー」  ヤフオクドームでのオープン戦初登板後、矢野監督から「3・29」を託すと告げられた。新幹線で新神戸駅へ戻ると、よろこびがあふれ出た。2リーグ分立後、6度目は小山正明、江夏豊、5年連続は井川慶に並ぶ球団タイ。2つ合わされば虎史上初-。歴史に名を残すレジェンドとなる。  「開幕はランディで行くわ」  ここまでガルシア、西だけでなく才木、望月ら若手も含め、開幕の座を競わせてきた矢野監督は試合後、報道陣に問われる前に自ら口を開いた。  「(決断は)今。今というか、もちろんランディが本命であることはそうだったんだけど。やっていることとか準備とか。引っ張って行こうという気持ちとか。そういうものも含めて。チームごと背負えるのって、やっぱりランディ」  この日の結果も"2人の仲"には関係ない。3回3安打4失点。一回に連打と四球で満塁から、松田宣にこの日最速146キロを左中間席に運ばれたが、指揮官は「開幕投手はお互いの信頼関係だから。打たれたからって揺らぐものでもない」と言い切った。  二、三回は3人ずつで退けたメッセも「最初の試合として、感じとしては悪くなかった。明らかに初回の感じは悪かったが、そのあとすぐに修正することができた」と収穫を口にした。  来日10年目へ最高のテンションで踏み出せる。チームの中心という自覚はすべての行動からにじむ。今季から日本選手扱いとなり、球団グッズで「I'm Finally 日本人」というTシャツまでできた。「みんなが欲しがっているから、各選手のサイズで作ってほしい」と関係者に頼み込んでいるという。  新助っ投のジョンソンとはキャンプ中に何度も食事へ。予約を誰かに頼んでも、予約名義は必ず「メッセンジャー」にする。すると入店する際、後輩右腕に"日本を知り尽くすオレの店"らしさが伝わる。この細かなこだわりで日本での成功の秘けつを説く、説得力も増す。  「開幕に向けて、体的にも肩肘的にも問題ないどころか、徐々に調子が上がっている。ベストの状態に持っていきたい」  開幕投手が決まったことで、同じく軸の西、ガルシアの登板日も今後、明確になっていく。動き出す開幕ローテ。その先頭をメッセンジャーが行く。矢野虎を引っ張るのはやはり、この男しかいない。 (長友孝輔) ★京セラ知る西、G好相性ガルシア  矢野監督がローテを明言しているのはメッセ、西、ガルシアだけ。軸の3人の同一カードでの登板は考えづらく、メッセが開幕投手となったことで、注目は西とガルシアの登板日だ。  西にとって京セラドームはオリックスで投げ慣れたマウンド。少しでも多く打者の情報を得たいとも話しており、3戦目の31日のヤクルト戦が予想される。そうなると、ガルシアは昨季、巨人戦3勝1敗、防御率1・80(東京ドームでは2勝0敗、同0・56)と相性抜群だけに2カード目、4月2日の巨人戦(東京ドーム)か。  残りは白紙だが、岩貞(昨季7勝)、才木(同6勝)は経験がある。小野は右肘違和感を訴えており、不安。藤浪は前日の2回無失点できっかけをつかめるか。青柳は変則右腕だけに貴重。右膝手術から復帰した秋山も実戦復帰しており、滑り込む可能性は十分ある。

◆キャンプで不安要素が目立った大山に、待望の一発が出たのは明るい材料。あの打席に限れば大山らしいスイングだったし、調子を上げるキッカケにしてほしい。ただ、低めの球だからヘッドをうまく利かして打球を飛ばせたことを忘れてはいけない。内角や高めの球で自分のスイングをできるようにならなければ、4番を任せられない。  今の大山はアウトのなり方が良くない。たとえば五回の3打席目。カウント0-1から一ゴロに終わったが、右方向を狙ったようにも感じない、窮屈なスイングだった。  真の4番打者は、10打席で3安打を放ったとして、残り7打席の凡退も重要。そこでのスイングで相手に怖さを与えてもらいたい。そういう意味で、まだまだお粗末な打席が多い。  投手力充実の今季の阪神は打線の奮起が鍵。現状では大山同様に「まだまだ」。そこで注目したいのはナバーロ。去年よりヘッドスピードが速くシュアで長打力もアップしそう。マルテがどこまで状態を上げてくるかもポイントだが、外国人野手2人制が、得点力アップの特効薬になるのではないか。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ロッテ
200 1.000
(-)
-
(-)
12
(+9)
4
(+3)
0
(-)
6
(+2)
0.303
(↑0.074)
2.000
(↓1)
1
(-)
楽天
200 1.000
(-)
0
(-)
14
(-)
6
(-)
5
(-)
0
(-)
0.303
(-)
2.500
(-)
1
(-)
ソフトバンク
200 1.000
(-)
0
(-)
8
(+7)
2
(+2)
2
(+2)
0
(-)
0.228
(↑0.043
1.000
(↓1)
1
(-)
広島
201 1.000
(-)
0
(-)
20
(+10)
9
(+4)
2
(+2)
0
(-)
0.319
(↑0.018)
3.000
(↓0.5)
5
(-)
巨人
220 0.500
(↓0.167)
1
(↓1)
13
(+2)
18
(+6)
4
(+1)
2
(-)
0.250
(↓0.039)
4.250
(↓0.58)
5
(1↑)
DeNA
112 0.500
(-)
1
(↓0.5)
13
(-)
14
(-)
3
(-)
3
(-)
0.246
(↓0.036)
3.090
(↑1.06)
5
(1↑)
日本ハム
111 0.500
(-)
1
(↓0.5)
8
(-)
4
(-)
3
(-)
1
(-)
0.240
(↓0.037)
1.040
(↑0.55)
5
(3↑)
ヤクルト
220 0.500
(↑0.167)
1
(-)
21
(+6)
18
(+2)
8
(+2)
5
(+1)
0.271
(↑0.034)
4.580
(↑0.89)
9
(1↓)
中日
130 0.250
(↓0.083)
2
(↓1)
12
(+3)
22
(+9)
1
(-)
2
(+1)
0.207
(↑0.002)
5.500
(↓1.17)
10
(-)
西武
020 0.000
(-)
2
(↓1)
5
(+4)
16
(+10)
1
(+1)
1
(-)
0.224
(↑0.012)
5.000
(↓2)
10
(-)
阪神
040 0.000
(-)
3
(↓1)
7
(+2)
20
(+7)
3
(+1)
3
(-)
0.200
(↓0.011)
5.630
(↓0.75)