巨人(☆3対2★)日本ハム =オープン戦1回戦(2019.02.24)・沖縄セルラースタジアム那覇=
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日本ハム
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巨人
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勝利投手:澤村 拓一(1勝0敗0S)
(セーブ:大江 竜聖(0勝0敗1S))
敗戦投手:ロドリゲス(0勝1敗0S)

本塁打
【日本ハム】横尾 俊建(1号・8回表ソロ)
【巨人】大城 卓三(1号・8回裏3ラン)

  DAZN
◆巨人は開幕ローテーションを争う田口とメルセデスが登板。田口は3回1失点、メルセデスが3回無失点の投球を見せた。対する日本ハムは、開幕投手に内定している上沢が3回無失点6奪三振の好投。自身初の大役へ貫禄のピッチングを披露した。

◆巨人クリスチャン・ビヤヌエバ内野手(27)が、右脇腹付近にけん制球が直撃し、負傷交代した。 日本ハム戦の5回1死一、二塁、二塁走者でけん制され、二塁に戻ったが、ベースカバーがおらず、右脇腹付近にボールを受けた。塁上で崩れ落ち、吉川大が代走に送られた。

◆巨人田口麗斗投手(23)が日本ハムとのオープン戦に先発し、3回1失点で降板した。毎回走者を許しながら、要所を締める投球。2回には丸佳浩外野手(29)が清宮の中堅への大飛球を好捕した。 左腕は「状態は上がってきていると思うが、まだまだ決め球が甘い。これからさらに調整していきます」とコメントした。

◆巨人新外国人のクリスチャン・ビヤヌエバ内野手(27=パドレス)が、日本ハム金子から安打を放った。2回1死、変化球を左前にはじき返した。 5回には四球で出塁。陽の安打で二塁に進塁したが、けん制球が右脇腹の下に直撃し、大事を取る形で交代した。「大丈夫。金子さんから打てて光栄です」と話した。

◆巨人原辰徳監督(60)は24日、日本ハムとのオープン戦後に、練習予定だった25日を休養日にすると発表した。 「好天にも恵まれてね、宮崎から、本当に室内で練習をするという機会もほとんどなかった。選手も頑張って、頑張り抜いて練習をやってくれているという点で、本来ならば6日間通しで練習する予定だったんですけども。このところの選手の状況、練習の消化率、そういうものを含めて、あしたは休息という練習にしたいという風に思って、そのことをキャプテンに伝えました。また明後日に備えるということです」と説明した。 26日はキャンプ最終戦となる中日との練習試合を予定している。

◆巨人大江竜聖投手が"プロ初セーブ"を挙げた。1点リードの9回に登板。日本ハムの谷内、郡、中島を3者凡退に抑え「1点差というのもあったし、初めてのオープン戦だったので緊張しました」と高揚した。 ここまで紅白戦を含む4試合に登板し、打者20人を完全投球中。「その日を全力でやるだけ。今日、抑えられて良かった」と話した。

◆昨年まで6年連続でゴールデングラブ賞を獲得している巨人丸佳浩外野手(29)が「ザ・キャッチ」で球場を沸かせた。日本ハム戦の2回無死、清宮の右中間への大飛球に対して、最短距離で追い、ジャンプ。フェンスに激突しながら捕球し、そのままボールを離さなかった。 「(スタンドまで)行くかなと思ったけど、風で失速していた。打球とフェンスの距離を確認しながら、いけると思いました。球際が大事になってくるので、ぶつかりながらも落とさなくて良かったです」 今季の外野陣のテーマは、打ち取った打球を確実にアウトにすることで、広島時代より定位置は若干前に出ている。その位置から全力で背走。「フェンスの位置を見ながらだったので、イチかバチかではなかったです。後方のボールを捕球できたのは、1つ自信にしたい。継続してやっていけたら」と言った。原監督は「気持ちなのか技術なのか、全てでしょうね。心技体がかみ合わないと、あれだけのプレーは出てこないですね」と賛辞を贈った。

◆巨人メルセデス投手がまたしても大和魂を披露した。4回から登板し、先頭の日本ハム清宮の強烈な打球が右膝を襲った。「大丈夫」と続投を志願して3回2安打無失点。 7日のシート打撃で左すねに打球を受けたときも1度ベンチに下がったが、再びマウンドへ。宮本投手総合コーチから「大和魂を持っている」と称賛された。助っ人は「とにかく失点しない投球をする」と心強かった。

◆巨人小林誠司捕手が強肩をうならせた。 4回無死一塁。2番手メルセデスが投手強襲の内野安打で走者を出した直後だった。打者石井への2ボールからの3球目に外角高めの直球を要求。犠打を狙った打球を軽快なフットワークで自ら処理し、二塁へ矢のような送球で一塁走者を刺した。 さらに二塁ベースカバーに入った坂本勇から一塁へ転送されて併殺が完成。結果的に3回無失点と好投したメルセデスの立ち上がりを救ったビッグプレーも「1つ1つのプレーを丁寧にやることを心掛けています」と淡々と振り返った。 FA加入の炭谷、4年ぶり捕手復帰の阿部、打撃好調の大城と、捕手陣はハイレベルな争いを展開。侍ジャパンにも名を連ねる小林も挑戦者としてレギュラー争いに挑んでいる。原監督も「肩というのは彼の大きな武器」と強肩をストロングポイントとして評価。投手を助ける「女房役」としてのプレーが光った。

◆巨人大城卓三捕手(26)が、激戦の正捕手争いに名乗りを上げた。2点を追う8回1死一、二塁、日本ハム・ロドリゲスの145キロを強振。逆方向の左翼に逆転3ランを運んだ。代打で出場した6回の第1打席も右前打で、マルチ安打を達成。地元・沖縄での凱旋(がいせん)アーチとともに二盗も阻止し、東海大相模の先輩でもある原監督に復帰後"初勝利"を贈った。 沖縄特有の指笛が飛び交うスタンドに、快音が響き渡った。大城は手に残った感触でスタンドインを確信した。「しっかり振り切れたので、いってくれた。結果が出たことはうれしいですし、沖縄のみなさんの声援に応えることができたことが何よりも最高です」。最大音量の指笛と歓声を背にダイヤモンドを回った。 逆方向への1発に魅力が凝縮されていた。「そっち系(速球系)のボールが来るだろうなと思った」と捕手目線で配球を予想。カウント2-1からの145キロを「フルスイングした」打球は左翼席の芝生で弾んだ。ベンチで見つめた原監督に「彼の長所。見事ですよね」と言わせる強烈な逆転3ランだった。 助言にも結果で応えた。沖縄キャンプ3日目の15日、フリー打撃中に監督からトスを上げてもらって指導を受けた。報道陣に「一緒に校歌を歌っただけだよ」とジョークで指導の詳細を伏せた監督だったが、内角球へのバットの出し方を助言。持ち味の強打に新たな引き出しを加えた。 正捕手争いに堂々と加わった。6回の右前打を含むマルチ安打。課題の守備でも8回に二盗を阻止した。炭谷、小林、阿部と過去にゴールデングラブ賞を獲得した先輩捕手との争いはハイレベル。それでも、昨秋、今春と磨いたスローイングで成長を示し、自慢のバットでは期待通りの結果を示した。原監督は「レギュラー捕手争いに名乗り出た、というふうに僕は受け止めた」と認めた。 野球一家で育った。3人兄弟の末っ子で、2歳上の兄、双子の兄ともに東海大相模、東海大でプレー。社会人では別々の会社に進んだが、兄弟の夢をかなえ、スタンドで観戦した両親に雄姿を届けた。覚悟を決めた大城は「(先輩3人は)素晴らしい捕手なので、アピールするしかないです」。突き進む。【久保賢吾】

◆巨人大城卓三捕が激戦の正捕手争いに名乗りを上げた。2点を追う8回1死一、二塁、日本ハム・ロドリゲスの145キロを強振。逆方向の左翼に逆転3ランを運んだ。原辰徳監督のコメント。 「レギュラー捕手争いに名乗り出た、というふうに僕は受け止めた」 練習予定だった25日を休養日にすることを決めた。 「明日は休息という練習です。練習の消化率、選手の状況などを含めて明後日に備えます」

◆開幕2戦目の先発が内定している日本ハム金子弌大投手(35)が先発し、2回1安打無失点で上々の移籍後初登板となった。 実戦登板は昨年8月8日西武戦以来200日ぶりで「試合に入る時はすんなり入れましたが、投げる前は多少の緊張感がありました」。注目を集めた初回は、3者凡退で切り抜けた。 2回は先頭打者の4番ゲレーロへ四球。「オープン戦であってもなくしていきたい」と先頭打者への四球を猛省。5番ビヤヌエバには左前打を浴びて無死一、二塁とされたが、直後のサインプレーで二塁走者をけん制で刺した。さらに6番陽岱鋼を遊ゴロ併殺打に仕留めて、予定の2イニングを投げ終えた。 登板後は「ストレートでファウルも取れて変化球で空振りも奪えた」と一定の手応えをつかんでいた。

◆初の開幕投手を務める日本ハム上沢直之の勝負球は、すでに仕上がっていた。 巨人戦に2番手で登板。4回、丸を2-2から外角へ落とした140キロの高速フォークボールで大きく崩し、空振りを誘った。3回には中島、5回にはゲレーロからもフォークで空振り三振。相手のスイングをさせなかった。「変化球は、もう大丈夫」。手応えを深めるには最高の反応だった。 直球以上に右腕を振ることが、驚異の落差とスピードを生んでいる。「引っかけるような意識で、思い切り振るんです」。11勝を挙げてエースとして飛躍した昨季から、決め球の1つとしてきたフォークは、今季も健在。受けた鶴岡も「フォークは、いつも通りでしたね」と太鼓判を押した。ストレートやチェンジアップでも三振を奪うなど、周囲には盤石の調整ぶりに見えたが、本人は「真っすぐをもうちょっとしっかり投げたい。そうなれば、もっとしっかり"ピッチング"ができる」。求めるレベルは高い。

◆4番に座った日本ハム王柏融(台湾・ラミゴ)が3回に先制の右前適時打。練習試合から数えて8試合連続安打を記録した。 この日は、台湾代表で一緒にプレーした巨人陽岱鋼も先発出場。オープン戦1試合目にして対戦がかない「すごく興奮しています」。1打席目に自打球が右すねに当たり、大事を取って4回裏の守備から退いたが、充実の1日となった。

◆日本ハム金子弌大が、1つのターンで投手としての総合力の高さを示した。 巨人戦に先発し、2回無死一、二塁の場面。初球を投げる直前、セットポジションから素早く振り返って二塁へけん制。カバーに入った二塁手の石井ともタイミングがばっちり。送球もタッチがしやすい低めへ制球されていた。「本当はダメなことですけど、まさかサインが出るとは思わなかった。あまりオープン戦でサインプレーをしたことがなかったので、自分でもびっくりした」と驚きながらも見事に対応して、二塁走者のゲレーロを刺した。 新たにコンビを組む野手との共同作業。しかも昨年8月8日西武戦以来、200日ぶりのマウンドでもあった。1発で完璧に仕留めたけん制にこそ、通算120勝右腕のセンスが凝縮されていた。移籍後初登板で「投げる前は多少の緊張感があった」。ブランクや新たな同僚とのコンビネーションなどの不安も、スマートでムダのない回転で全てを払拭(ふっしょく)した。開幕2戦目、古巣オリックス戦を託されることが決まっている。【木下大輔】

◆"大王"のバットが、止まらない。新加入の日本ハム王柏融外野手(25=台湾・ラミゴ)が24日、オープン戦初戦となった巨人戦(沖縄セルラースタジアム那覇)で4番に座り、先制適時打を含む2打数1安打1打点。練習試合を含めた実戦で、8試合連続安打を記録した。台湾代表の先輩、巨人陽岱鋼外野手(32)との対戦も実現。ノリに乗ってる打撃で、オープン戦も打ちまくる。 「台湾の4割打者」は、オープン戦に入っても絶好調だ。日本ハム王が、4番の仕事をやってのけた。3回だ。2死三塁、カウント1ストライクからの2球目、内角高めの直球をフルスイングした。打球は詰まりながらも、右前へぽとりと落ちる先制の適時打。「感覚とタイミングの取り方を大切にしている」と、さらりと言ってのけた。 もう、1安打くらいでは驚かない。1回の第1打席で自打球を右膝の下に当てて痛がったが、影響を感じさせない打撃で存在感を示したのは、さすが。栗山監督は「詰まったけど、打ち方がいい。しっかり結果を出してくれている」と早くも信頼を寄せている。大事を取って、4回裏の守備から退いたものの、2打数1安打1打点で練習試合を含めた実戦8試合連続で安打。通算打率は驚異の6割1分1厘となった。 試合前の練習では、台湾代表の先輩で、過去に日本ハムでもプレーした巨人陽と再会を果たした。じっと王の打撃練習を見つめていた陽は「代表で何度も一緒にやっているから、よく知っている」と、新しく日本球界に加わった挑戦者を歓迎する。王は「日本で同じ台湾の選手と対戦することが出来て、すごく興奮している」とオープン戦1試合目で実現した"台湾対決"に、珍しく声を弾ませた。 この日、台湾のスター2人の対決に、故郷からはテレビ局や新聞社などの主要メディアすべてが集結した。20年以上も取材を続けるベテラン野球記者は「王は長年台湾球界で活躍した身近な存在で、人気が高い。オープン戦のこの時期に、これだけ打ってるのは初めて見る」。台湾で16年から2年連続打率4割超を記録したヒットメーカーは、日本デビューの今季、果たして、どんな結果を残すのか。故郷台湾の期待は、膨らむ一方だ。【中島宙恵】 ▽NPBの台湾出身の登録選手は今季、日本ハム王柏融、巨人陽岱鋼も含め両リーグ計10人(育成含む)。球団別では西武の廖任磊投手ら3人が最多、ロッテがチェン・グァンユウら2人、楽天、オリックス、阪神に各1人。オリックス育成の張奕投手は陽岱鋼のいとこにあたる。

◆おにぎり君こと日本ハム横尾俊建内野手が、2戦連続のアーチでパワーを見せつけた。 8回に代打で出場し、巨人沢村の内角146キロを一振り。軽々と左翼席を越えた。「追い込まれていたので、どんな球にも対応できるようにしていた」と、丸顔に笑みを浮かべた。今季は"好球必打"をテーマに掲げている。愛称に合わせた"おにぎりポーズ"は、今季初本塁打を放った23日広島との練習試合に続いて封印。「(三塁コーチの)川名さんが、やってくれないんですもん」と眉を下げた。一緒に握ってくれる日まで、アーチを描き続ける。

◆恩人の前で躍動した。古巣の巨人相手に「1番右翼」で先発フル出場した日本ハム大田泰示外野手が、先制点の起点となる二塁打など4打数2安打。いずれも追い込まれてからの一打で「厳しい球はファウルで逃げて、甘い球を打つ。追い込まれてから打てたのが良かった」と喜んだ。 中学時代に巨人原監督の野球教室に参加。それを契機に、東海大相模へ進学した。プロ入団時の監督でもある。新天地で輝く姿を、しっかり見せた。

◆日本ハム清宮幸太郎内野手(19)が24日、プロ2年目でオープン戦初安打を放った。 巨人戦に6番一塁でフル出場。4回に投手強襲安打をマークし、3打数1安打だった。昨季は7試合19打席で無安打だったが、今季は初戦から好調。守備でも7回にカメラマン席へ飛び込みそうな難しい邪飛を好捕したが「落ち着いて行けたと思います。(守備は)全然たいしたことないです」と冷静に振り返っていた。

◆日本ハム田中賢介内野手の現役ラストイヤーは、波乱の幕開けとなった。 沖縄・国頭での2軍キャンプを打ち上げ、この日から1軍に合流。ユニホームを荷物と一緒に札幌へ送ってしまっていたため、急きょ梶原ブルペン捕手の背番号「97」を借りて先発出場した。結果は2打数無安打。実戦は16日紅白戦以来で「久しぶりだったので(投手との)距離感がつかみづらかった」と苦笑いも「この時期に生きたボールが見られたのは良かった」と話した。

◆巨人・丸佳浩外野手(29)が24日の日本ハムとのオープン戦(沖縄セルラー)でファインプレーを披露した。  二回、先頭の清宮の右中間への大飛球を懸命に追い、ジャンプ。そのままフェンスに激突しながらも、グラブの先で何とかキャッチした。捕球できていなければ長打となっていた当たりだった。  6年連続でゴールデングラブ賞を獲得した名手の面目躍如だ。打撃だけでなく守備でもチームに貢献。スーパープレーにスタンドの大歓声はしばらく鳴り止まず、打球の行方を見つめていた先発の田口もグラブをたたいて喜んだ。

◆巨人・大城卓三捕手(25)が24日、日本ハムとのオープン戦(沖縄セルラー)に途中出場し、2点を追う八回1死一、二塁でロドリゲスから左翼席へ3ランをほうり込んだ。  カウント2-1から外角に来た145キロの直球を逆らわず左方向へはじき返した。西武から新加入の炭谷、先発マスクを被った強肩の小林、一塁から復帰した阿部らとのし烈な正捕手争いが繰り広げられる中、持ち味の打撃で結果を出した。  六回にも右前打を放ち、八回の守備では杉谷の二盗を阻止。好守でアピールに成功した。試合は巨人が3-2で逆転勝利を飾った。

◆巨人の大江が高校出3年目でオープン戦に初登板し、九回をテンポよく3人で抑えた。試合を締め「オープン戦に投げるのは初めてだったので緊張しました」とほっと息をついた。  今季は紅白戦、練習試合を含め、実戦4試合で 無失点を続けている。「スライダーが良くなっている」と手応えを口にした。

◆3年目左腕の大江がオープン戦プロ初登板。3-2の九回に5番手で登場して3者凡退に抑え、「緊張したけど抑えられてよかった」。セーブの記録もついた。これで今キャンプは実戦4試合で6回2/3を投げ、1人の走者も許さない完璧投球。中継ぎの一角として期待され、原監督は3番手で七回を3者凡退に抑えた桜井とともに「昨年にいない2人が入ってきつつある」と頼もしそうだった。

◆新外国人のビヤヌエバ(前パドレス)がアクシデントに見舞われ、途中交代した。五回1死一、二塁で二走だった際、牽制(けんせい)球が右脇腹を直撃。サインミスか、日本ハムの野手がベースカバーに入っていなかった。代走に吉川大が送られベンチに下がったが、本人は「右の脇腹。大事に至らなかった。大丈夫」と元気な様子で、離脱はないもよう。二回の第1打席は左前打するなどアピールしている。

◆メルセデスが2番手で四回からマウンドに上がり、3回2安打無失点と好投。昨季に育成から支配下登録され5勝を挙げた左腕は、開幕ローテ入りに前進した。登板直後に清宮の打球が右膝付近に直撃したが、志願の続投。7日のシート打撃でも先頭打者の打球が左膝付近に直撃しながら続投しており、「全体的にいい状態で投げられた。足は大丈夫」と力強かった。

◆あまりのスーパープレーに、スタンドの歓声がしばらく鳴り止まなかった。「2番・中堅」で先発した巨人・丸佳浩外野手(29)が美技を披露した。二回だ。先頭の清宮の右中間への大飛球を懸命に追い、ジャンピングキャッチ。そのままフェンスに激突しながらボールを落とさず、「追いながらフェンスを見ていた。イチかバチかではない」と胸を張った。  6年連続ゴールデングラブ賞獲得の実力を十分に発揮した。「チームとして打ち取った打球は取ってあげようと(いう方針で)、前めの守備位置だった。その中で後方のフライを捕球できたのは自信になる」。落下点まで一直線。判断のよさも光った。  原監督も「心技体がかみ合わないとあれだけのプレーは出てこない」と絶賛。昨季39発の打棒だけでなく、守備でも大きな力になる。 (伊藤昇)

◆――沖縄でのオープン戦2試合を振り返って  「徐々にいいステップは踏んでくれている。好天に恵まれ、宮崎から室内で練習をする機会もほとんどなく。選手も頑張り抜いて練習をやってくれた」  ――オープン戦初勝利  「今日のようないい投手が出ると、なかなかこの時期はてこずる。ベテラン、若手がからんで3点を取るというのは、非常にいいものが出た」  ――大城は打撃に力がある  「いいものが出た。それと、スチールを刺したというのは大きい」  ――投手陣は課題が残った  「田口は追い込んでからとか、カウントの整え方とかは課題がある。あれで90点ぐらいの投球ができました、というんじゃあ話にならない。沢村も練習ではいいのを出しているけれど、結果が出ない。どっかで抜け出てほしい」  ――25日が休養日に。気持ちよく休める  「そうそう、あなた(記者)の言っている通り。異議なし!!」

◆巨人は24日、日本ハムとのオープン戦(沖縄セルラー)に3-2で逆転勝ち。昨秋に現場復帰した原辰徳監督(60)が2試合目で初勝利を飾った。プロ2年目で地元・那覇出身の大城卓三捕手(26)が途中出場して八回に劇的な逆転3ラン。東海大相模高-東海大の大先輩に白星をプレゼントし、正捕手争いにも猛アピールした。  沖縄・那覇出身の大城の逆転弾に、スタンドを埋めた地元ファンから大きな拍手と指笛が響いた。満面の笑みで原監督は殊勲の後輩とグータッチを交わした。  「那覇の、地元のファンの方が打たせたのかなと半分ぐらい思ってますが、成長のあとが見られますね。勝つことが一番の目的ではないとはいえ、そういう状況の中で今日はベテラン陣がいって、若手の大城が決めた」。オープン戦2試合目の初勝利に指揮官の舌も滑らか。日本ハムの金子、上沢らエース級の投手に七回まで3安打に封じられていた巨人打線が終盤に火を噴いた。  2点を追う八回1死一、二塁。六回に小林の代打で右前打を放っていた26歳捕手が、3番手のロドリゲスが投じた145キロの直球を左翼スタンドまで運んだ。  「そっち系(速球)のボールが来るかなと頭にはあったので、フルスイングしました。つなぐつもりで打席に立った。最高の結果になったのでよかったです」  中学まで那覇で育った"うちなー"だ。この日は沖縄に住む両親がスタンドで観戦していた。1年目は4月8日のヤクルト戦で初本塁打、6月10日の西武戦でサヨナラ打を放つなど、左打席からの力強い打撃が売り。2年目の今春は2軍でキャンプスタートも途中で1軍に昇格し、東海大相模高、東海大の先輩もにっこりの大活躍だった。  八回の守りでは二盗を阻止して、守備でもアピール。原監督も「いい形でレギュラー捕手争いに、名乗り出た。そう僕は受け止めています」と成長を認めた。  今季の正捕手争いは守備力が高く評価される炭谷、3年連続で盗塁阻止率リーグ1位の強肩を誇る小林、圧倒的な存在感を持つベテランの阿部と大城ら若手を中心に繰り広げられている。  劇的な逆転弾もあってか、原監督は試合後に25日を急きょ、休養日に変更した。練習メニューが順調に消化しており、「休息という練習の時間を入れて、沖縄での3日間を締めくくり、東京ドームからまたオープン戦をスタートするという選択をしました」と指揮官は笑った。巨人のオープン戦は3月2日のヤクルト戦(東京ドーム)から本格化。激しいアピール合戦がスタートする。 (谷川直之) ★東海大相模語!?  原監督は3度目の指揮を執ることとなった昨秋以降、正捕手を目指す大城へ、積極的にアドバイスを送ってきた。11月の秋季宮崎キャンプでは26歳に「捕手であるリーダーシップ、キャプテンシーみたいなものが捕手は必要」と説明。報道陣にどんな言葉で、と聞かれ、「東海大相模語!」とおどけた。今春のキャンプで内角打ちについて指導した際も、「2人で校歌を歌っていたんだよ」ととぼけたが、指導ぶりは熱を帯びていた。 ★巨人・原監督オープン戦初勝利アラカルト   ◆初戦で13点爆勝(2002年2月24日、近鉄戦) 長嶋監督からバトンタッチされた就任1年目は松井、高橋由の本塁打など先発全員安打&得点の18安打で13-0の爆勝。投手陣は5人の投手で「いてまえ打線」を完封。  ◆再び初戦で13得点 (03年2月23日、近鉄戦) 02年を上回る21安打で13-3の大勝。ヤクルトから移籍したペタジーニが本塁打を放つなど、先発全員安打。  ◆2戦目に9得点(06年3月5日、ソフトバンク戦) 2度目の監督就任1年目は9-1の完勝。阿部が本塁打を放ち、投手陣は野口、豊田ら新戦力が活躍。  ◆2戦目に逆転サヨナラ勝ち(14年2月23日、楽天戦) 中日から移籍した井端が移籍後初安打となる逆転サヨナラ打を放ち、3-2で勝利。

◆巨人の首脳陣には、通告すべき時がきた、といわせてもらうよ。相手は田口。「もういい加減、体を絞れ」とね-。  実は先日、あるスタッフが「田口はあのままの体で投げた方がいいのか、絞って投げた方がいいのか、まだわからないんです」と話していた。それも、この日のピッチングでハッキリしたんじゃないかな。3回で5安打。しかも、クリーンヒットばかり。球に切れがないから、清宮、近藤らの左打者にも、悠々とカーブを打たれていた。もはや有無をいわせず、体を絞らせた方がいい。  171センチの身長で、体に"ボテ"が入ると、よほどの天才でない限り、長続きはしない。腕の振りと体の切れが一致しないと、切れのある球もいかない。投球フォームと腕の振りはいいのだから、実にもったいない。  投げ合った日本ハム・金子を、よく見るといい。スリムな体から、すでに145キロ前後の、切れのあるストレートを投げていた。体に肉をつければ球威が増す...というほど、単純なものでもない。そもそもかつては、太った投手など、ほとんどいなかったんだから。  開幕まで、まだ時間はある。スリム化を、急がせるべきだよ。(サンケイスポーツ専属評論家)