広島(☆5対1★)巨人 =クライマックスシリーズ3回戦(2018.10.19)・マツダスタジアム=
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巨人
0000010001420
広島
02102000X5511
勝利投手:九里 亜蓮(1勝0敗0S)
(セーブ:フランスア(0勝0敗1S))
敗戦投手:今村 信貴(0勝1敗0S)

本塁打
【広島】丸 佳浩(2号・3回裏ソロ)

  DAZN
◆広島が3連勝で2年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。広島は2回裏、野間の適時二塁打などで2点を先制する。続く3回には、丸のソロが飛び出し、追加点を挙げた。投げては、先発・九里が6回途中1失点の好投。その後は4人の継投でリードを守りきった。敗れた巨人は、投打ともに振るわなかった。

◆広島の丸佳浩外野手(29)が3回、チーム3点目となる今シリーズ2号ソロを放った。真ん中付近のスライダーを右翼席へ豪快に運んだ。 第1戦に続くアーチを「甘く来た球を、ひと振りで仕留めることが出来ました。いい追加点になりましたね」と振り返った。

◆広島が2回、2球で先制点を奪った。メヒアの初球打ちの左翼線二塁打に続き、野間峻祥外野手(25)も初球スライダーを右翼線に適時二塁打。 「とにかく後ろにつなぐ気持ちで、食らいついていきました」と振り返った。

◆巨人先発の今村信貴投手が、3回途中36球3安打3失点でマウンドを降りた。 2回、広島先頭のメヒアに初球のスライダーを左翼線二塁打とされると、続く野間にも初球のスライダーを捉えられた。一塁線を破る適時二塁打で先制を許し、1死三塁から安部の一ゴロでこの回2点を失った。 さらに3回2死、丸に2ボールから真ん中低めのスライダーを完璧に捉えられた。右翼席へソロを被弾。続く鈴木に四球を与えたところで、野上に交代を告げられた。

◆巨人先発の今村信貴投手(24)が、3回途中36球3安打3失点でマウンドを降りた。 2回、広島先頭のメヒアに初球のスライダーを左翼線二塁打とされると、続く野間にも初球のスライダーを捉えられた。一塁線を破る適時二塁打で先制を許し、1死三塁から安部の一ゴロでこの回2点を失った。 さらに3回2死、丸に2ボールから真ん中低めのスライダーを完璧に捉えられた。右翼席へソロを被弾。続く鈴木に四球を与えたところで、野上に交代を告げられた。 「変化球に頼り過ぎてしまった結果だと思います。大事な試合に先発させていただいたのに、期待に応えられず悔しいです」とコメントした。

◆広島が、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージの第3戦を制し、3連勝で2年ぶり8度目の日本シリーズ進出を決めた。 広島が連勝中の勢いのままに先手を奪った。2回無死二塁、野間が右翼線に適時二塁打を放った。今季は4年目にして初の規定打席に到達した若武者が、大事な一戦でもバットで成長ぶりを示した。さらに安部の一ゴロの間に2点目を奪った。3回には広島丸が右翼席へシリーズ2本目となるソロを放った。巨人は次打者の鈴木に四球を与えたところで、先発今村に代えて野上を2番手として送り出した。 広島は5回2死満塁で野間の打球を坂本が後逸し、さらに2点を加えた。巨人は6回に反撃。1死から坂本が二塁打を放って出塁。ここまで広島先発の九里にノーヒットノーランペースで投げ進めていたが、主将の一打で止めると、3番マギーの適時打で1点を返した。 広島6回途中から岡田、一岡、ジャクソンでつなぎ、最後はフランスアが締めくくった。今季限りで退任を表明している巨人高橋監督はこの試合がラスト采配になった。 広島は34年ぶりの日本一を目指して、日本シリーズを戦う。

◆巨人岡本和真内野手(22)は、初のCSで結果を残せなかった。6回2死一塁、広島九里から左前へと打球をはじき返して、CS初安打。しかし、8回2死一、二塁からはフランスアの速球に押されて一邪飛に倒れ、好機を生かせなかった。ヤクルトとのファーストステージから5試合で、18打数1安打1打点。史上最年少で「3割30本塁打100打点」を達成したレギュラーシーズン通りの活躍を見せられなかった。 「何も出来なくて申し訳ない。CSで何も出来なかった。大事な時に打てるバッターになれるようにしたい」と悔しがった。

◆巨人高橋由伸監督(43)が最後の采配を終えた。広島に3連敗し、CSファイナルステージで敗退した。 レギュラーシーズンを3位で終え、2位ヤクルトとのファーストステージは2連勝で突破。V3王者の広島に挑んだが、今季7勝17敗1引き分けと苦しんだ相手にはね返された。今季限りでの辞任を表明しており、これが最終戦となった。 試合後はナインとともにレフトスタンドの巨人ファンにあいさつ。広島ファンからも由伸コールを受け、「去っていく人にありがたい」と感謝の言葉を口にした。

◆広島菊池涼介内野手(28)がクライマックスシリーズ・ファイナルステージのMVPに選出された。前日18日の第2戦で、新井の同点打に続いて決勝の3ラン。ファイナルSの流れを決めた上に、全3戦にわたって再三の好守で投手を助け続けた。 試合後の会見では「新井さんの一打があったから、ぼくの一打がありました」と何度も新井の名前を挙げ、敬愛するお兄ちゃんに感謝した。

◆巨人坂本勇人内野手(29)が敗退の責任を口にした。5回2死満塁で、広島野間の放った守備位置の遊撃へと打球が飛ぶ。いつもならば難なくさばくはずが、グラブをすり抜けた。そのまま左中間へと転がり、走者2人が生還。適時失策でリードを5点に広げられた。 直前の4回にも一塁悪送球で失策。今季109試合で9失策と安定した守備を誇っていたが、「技術不足です」と赤く染まる敵地にのみ込まれてしまった。 3連敗でCSファイナルステージ敗退。3位からファーストステージでヤクルトを破り、王者広島に挑んだが、跳ね返された。「悔しい。本当に悔しい。チームが勝てていないというのが1番。広島との力の差を感じた」と振り返った。

◆リーグ王者広島が、同3位から進出してきた巨人に快勝した。3連勝でアドバンテージ1勝と合わせて4勝0敗とし、2年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。 緒方孝市監督(49)はグラウンドでのインタビューで「この短期決戦、とにかく初戦が大事だと思っていた。選手がいい調整で入ってくれるかなと心配していた。そんな心配を吹き飛ばすいいプレーをしてくれた。本当にすごい選手たちです」などとたたえた。その後の囲み取材では「この3試合、本当にしっかり投手が1失点ずつでしょ。しっかり投げ切ってくれたし、それを助けた守備、数々の投手を助けたプレーがいっぱいあったし、そこから打線がね。やっぱり昨日のゲームを勝てたのが大きかった。今日のこういう勝ちにつながったと思う」などと振り返った。

◆愛されたまま、背番号24はグラウンドを去った。今季限りで辞任する巨人高橋監督はCS敗退が決まり、苦汁の思い出しかないマツダスタジアムのレフト付近へ、あいさつへと歩んだ。巨人ファンのみならず、広島ファンからも由伸コールが降り注ぐ。現役時の応援歌を背に、引き揚げた。「去っていく人にありがたい」と微笑を浮かべた。 3日の辞任表明後、4連勝で天敵のV3王者にぶつかった。無形の勢いと「監督と1日でも長く」の思いが重なった。だが完膚なきまでに散った。この日も2回に適時打と内野ゴロの間に効率よく2点を先制され、3回は丸の1発で突き放された。打線は5回まで無安打。3戦連続1得点では勝てない。エース菅野はシーズン終盤のフル回転で第3戦に投入できず、ノーヒットノーラン後の舞台に立つことなく、終演を迎えた。 どこもなし得ていない、勝率5割以下からの日本一"ジャイアンツ・キリング"は道半ばとなった。指揮官は「やっている間は広島にいい戦いができなかった。勝てなかった結果がすべて」と現実を受け止めた。 物語は第1章で終わらないことを誰もが願う。山口オーナーは「高橋由伸は巨人の宝。再びユニホームを監督として着てもらうことを願ってます」と希望する。終戦の瞬間、いつもと同様にメモにペンを走らせ、敗戦を記した。高橋監督は「勝ってないので何とも言えないけど、自分なりには精いっぱいやったつもり。勝つ難しさを感じた? それはそうでしょう。どこも必死に勝とうと思って、やっているわけだから」と言葉を紡いだ。いつか背番号24が帰ってきた時、唯一無二の経験が頂上への礎となる。【広重竜太郎】 ◆ジャイアント・キリング giant killing。意味は番狂わせ、大物食い。日刊スポーツ巨人担当ツイッターでアンケートを実施し、借金の3位から日本一を目指すチームのフレーズとして2362票のうち、最多41%の得票で語呂の近いジャイアンツ・キリングが選ばれた。

◆リーグ3連覇の実力を見せつけた。王者広島が、3位から進出してきた巨人に3連勝。アドバンテージ1勝と合わせて4勝0敗とし、2年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。緒方孝市監督(49)が先発3戦目に抜てきした九里がCS初勝利。野間が先制となる決勝打を放つなど、今季の成長株が大舞台で躍動した。引退するベテラン新井とともに、強い緒方カープが、次はチーム34年ぶり日本一を狙う。 緒方監督はグラウンドでの勝利インタビューで、頼もしい選手をたたえた。「自分自身プレッシャーを感じていたが、選手はそれを感じさせず、伸び伸びとプレーして力を発揮していた。本当にすごい選手たちです!」。鉄仮面で隠していたが、昨年は敗れたCSファイナル。重圧は相当なものだったはずだ。 エースと4番が活躍した第1戦、逆転で底力を発揮した第2戦に続き、この日は成長株が活躍した。先発九里が6回1死まで無安打投球。第3戦は開幕投手の野村も選択肢としてあり得たが、指揮官の考えは違った。「成長した選手の1人だから。1年間通して投げているのが一番。(リーグ優勝を決めた)ヤクルト戦の気迫のこもった投球が決め手だった」と明かした。 野手では今季ブレークの野間が2回に先制二塁打。さらに会沢の遊ゴロに好判断で三塁へ進んだ。1死三塁から安部の一ゴロで楽々と2点目。この足はパの王者にも脅威となる。 投打2人の活躍について試合後、緒方監督は「経験できることが非常に大きなこと。結果が出れば、本人たちも自信になるだろうし、また次のさらに大きな舞台に自信を持って入っていける」とうなずいた。この経験が日本シリーズへの戦力アップとなる。 指揮官はメジャーのプレーオフから刺激を受けていた。第2戦の練習前には美技の応酬だったレッドソックス-アストロズ戦をテレビ観戦。「すごい試合だった」と目を輝かせた。「(こちらも)盛り上げたいね」と話し、実際に勝利でホームタウンを熱狂させた。 今季限りで辞任する巨人高橋監督とは本塁付近で握手し「3年間監督お疲れさまでした」とねぎらった。次にコマを進め、残るは2年前に2勝届かなかった日本一。インタビューで叫んだ。「厳しい戦いになると思いますが、チーム一丸となって、そしてファンとともに日本一を勝ち取りましょう。頑張ります!」。大仕事を、やり遂げてみせる。【大池和幸】

◆広島岡田が1球で、スーパーリリーフを見せた。 普段の先発から中継ぎに回り、5-1の6回2死一、二塁でファイナルステージ初登板。阿部をストレートで左飛に仕留め、巨人に傾きかけた流れを断ちきった。「しっかり腕を振って投げることができました。ピンチだったので、しっかり自分の球を投げようと思った」と語った。

◆広島選手会長の会沢は日本シリーズに向けて、手応えを口にした。 「(CS敗退の)去年の経験が生きている。1勝してもその次、またその次という意識をみんなが持っていたと思う。巨人の勢いを感じていたが、初戦を取れたのが大きかった。投手陣が根気強く投げてくれた」と捕手目線でも振り返った。

◆巨人・今村信貴投手(24)が19日、マツダスタジアムで行われた、広島とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第3戦に先発。13日のCSファーストステージ第1戦(対ヤクルト、神宮)以来、中5日での登板だったが、三回途中3安打3失点で降板した。  試合を作れなかった。二回、先頭・メヒアに左翼線二塁打とされると、続く野間に、一塁線を破る適時二塁打を浴びる。どちらにも1球目を打たれ、2球で先制を許した。さらに一死三塁から安部の一ゴロの間に1失点。三回二死からは、丸に右翼席へのソロを浴びて、野上にマウンドを譲った。

◆巨人のケーシー・マギー内野手(36)が19日、マツダスタジアムで行われた、広島とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第3戦に「3番・三塁」で先発出場。5点を追う六回二死二塁から、左前適時打を放った。  好調をキープする。六回一死まで、広島先発・九里の前に無安打だった。だが、坂本勇が三塁線を破る二塁打でチームに初めて「H」ランプをともすと、助っ人が意地の一打。CSファーストステージ第2戦(対ヤクルト、神宮)から4試合連続となる打点を記録した。

◆巨人・岡本和真内野手(22)が19日、マツダスタジアムで行われた、広島とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第3戦に「4番・左翼」で先発出場。1点を返し、4点差と迫った直後の六回二死一塁から、CS初安打となる左前打を放った。  若き4番のバットから、ようやく快音が響いた。CSでの19打席目。低めの変化球に食らいつき、左前に運んだ。試合前、吉村打撃総合コーチは「もがきながらやってほしい。ちょっとしたズレなんだけどね。結果を出すしかない」と期待していたが、六回一死まで無安打に抑えられていた広島先発・九里を、マウンドから引きずり降ろした一打。4番としての意地を見せた。

◆広島が巨人に快勝し、3連勝で2年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。先発の九里亜蓮投手(27)が5回2/3を投げ3安打1失点の好投。打線は二回、野間の右翼線へ適時打を放ち先制。三回には丸がソロ本塁打。五回は二死満塁のチャンスで野間の打球が遊ゴ失を誘い2点を追加。  巨人は二回、CSファーストSから無安打の4番・岡本が三塁線へヒット性の打球を放つも記録は三ゴ失。その後、二死一、二塁としたが小林が三振に倒れた。  広島は二回、先頭のメヒアが左翼線二塁打を放つと、続く野間が右翼線へ適時二塁打を放ち先制。さらに一死三塁から安倍の一ゴロの間に三走・野間が生還し2-0とした。三回、二死から丸が右翼席へソロ本塁打を放ちリードを広げた。  巨人は五回まで無安打と九里を攻略できず。広島は五回、二死満塁のチャンスに野間の打球が遊ゴ失を誘い2点を追加。5-0とリードを広げた。  巨人は六回、一死から坂本が左翼線二塁打を放ちチーム初安打をマーク。二死二塁からマギーが左前適時打を放ち5-1とした。続く岡本がCS初安打をマークし一、二塁としたが阿部が2番手・岡田の前に左飛に倒れた。  広島は七回以降、一岡、ジャクソン、フランスアの無失点リレーで巨人打線を封じた。

◆巨人は19日、マツダスタジアムで行われた、広島とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第3戦に1-5で敗戦。広島に3連敗を喫し、今季限りでの辞任を表明している高橋由伸監督(43)の戦いが終了した。  中5日で先発した今村は、三回途中3失点と試合を作れず。三回、丸に右越えソロを浴びるなど、序盤に広島打線につかまり「変化球に頼り過ぎてしまった結果だと思います。大事な試合に先発させていただいたのに、期待に応えられず悔しいです」と唇をかんだ。  一方の打線も、広島先発・九里の前に六回一死まで無安打。マギーの左前適時打で1点を返すのがやっとだった。

◆広島が巨人に快勝し、2年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。先発の九里亜蓮投手(27)が5回2/3を投げ3安打1失点の好投。  九里が大一番で好投を見せた。最速145キロの真っすぐに変化球を交え、五回まで無安打投球と巨人打線を翻弄した。六回は一死から坂本勇に二塁打を許すと、二死からマギーに左前適時打を浴び失点。続く岡本に左前打を許し一、二塁としたところで交代を告げられた。2番手の岡田が阿部を左飛に抑えピンチを脱した。七回は一岡、八回はジャクソン、フランスア、九回は中崎が無失点リレーを見せた。  打線は二回、野間の右翼線へ適時打を放ち先制。三回には丸がソロ本塁打。五回は二死満塁のチャンスで野間の打球が遊ゴ失を誘い2点を追加した。  緒方監督は日本シリーズへ向け、「厳しい戦いになると思いますが、チーム一丸となってファンとともに日本一を勝ち取りましょう。がんばります」とファンの声援に応えた。

◆巨人は広島に3連敗で日本シリーズ進出を逃した。先発の今村信貴投手(24)が三回途中3失点で降板。今季限りで辞任する高橋監督に勝利を届けることが出来なかった。  今村は二回、無死二塁から野間に先制の右翼線適時二塁打を浴びるなど、この回2失点。さらに三回、丸に右翼席へソロ本塁打を浴びると、続く鈴木に四球を与え、降板。2番手の野上がマウンドに上った。  五回、3番手の中川が一死一、二塁のピンチを招くと4番手の沢村がマウンドに。しかし鈴木に四球を与えるなど二死満塁にすると、野間の打球を坂本が後逸。遊ゴ失となり2点を奪われた。  打っては五回まで無安打と先発・九里の前に打線が沈黙。六回一死から坂本勇がチーム初安打となる左翼線二塁打を放つと、二死からマギーが左前適時打を放ち1点を返した。しかしその後は、広島投手陣の前に得点を奪うことが出来なかった。  高橋監督は試合後、帽子をとって巨人ファンに向けた頭を下げた。緒方監督とガッチリ握手をかわした。

◆プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(6試合制)は19日、セ、パ両リーグともに第3戦が行われ、マツダスタジアムでのセはリーグ3連覇した広島がレギュラーシーズン3位から勝ち上がった巨人に5-1で快勝して3連勝を飾り、リーグ優勝によるアドバンテージの1勝を加えて2年ぶり8度目の日本シリーズ進出を決めた。  広島は二回、野間の適時二塁打などで2点を先制。三回に丸の右越え本塁打で1点を加えた。  日本シリーズは27日にマツダスタジアムで開幕する。 巨人・高橋監督 「勝てなかったという結果が全て。自分なりには精いっぱいやった。(ユニホームを脱ぐ心境は)今は終わったばかりだから特にない」 今村(三回途中3失点) 「変化球に頼り過ぎてしまった結果だと思う」 阿部(無安打) 「シーズンの流れがそのまま出た」 上原(復帰1年目を振り返り) 「難しいシーズンだった。自分の体をしっかり治して、これからどうするかを決めていきたい」

◆巨人の坂本勇が痛恨の失策を犯した。0-3の五回二死満塁。ほぼ正面だった野間の強いゴロを後逸し、2走者の生還を許した。「試合が傾いてしまった。もっとうまくならないといけない」と険しい表情だった。  リーグ優勝から4年間遠ざかり、今回のファイナルステージは未勝利で敗退となり「広島との力の差も感じた」と思い返す。辞任する高橋監督の花道を飾れず「寂しい気持ちと、選手の責任でもあるので、悔しい気持ちもある」と話した。

◆巨人の岡本は六回にクライマックスシリーズ初安打を放ったが、八回の好機は一邪飛に倒れた。4番の役目を果たせず「緊張感はあったかもしれないが、自分の力不足だと思う。何もできなくて申し訳ない」と肩を落とした。  今季は途中から4番に座り、100打点をマークするなど飛躍した。「今年だけと言われないように。CSでは何もできなかったので、大事なときに打てる打者になりたい」と来季を見据えた。

◆今季限りで現役を引退する広島の新井は、最後の大舞台へ臨む。この日は出場機会はなかったが、2年ぶりの日本シリーズ進出が決まり「本当にみんなのおかげ」とチームメートに感謝した。  第2戦では代打で同点二塁打を放つなど、まだまだ健在。チーム一丸で、34年ぶりの日本一へと突き進む後輩たちの姿には「みんな頼もしいし、本当にうれしい」と笑顔を見せた。 野間(先制二塁打) 「引っ張って、最低限でも走者が進んでくれればいいかなと思った」 会沢(CS突破に) 「去年の経験が生きたと思う。1勝しても、また次という意識を持ってみんなやっていたと思う」

◆攻守で躍動した広島・菊池が最優秀選手(MVP)に選ばれた。2年ぶりの日本シリーズ進出に大きく貢献。「シーズンで活躍ができなかったし、苦しんだ分、しっかり2番として役に立てればいいなという思いで練習してきた」と胸をなで下ろした。  この日も、打撃ではきっちり2犠打をマーク。守備でも難しいゴロをいとも簡単に処理するなど、再三の好守でファンを魅了した。2年前敗れた雪辱の舞台へ「新井さんが来年からニートらしいので、最後いい形で送り出してあげたい」とちゃめっ気たっぷりに意気込んだ。

◆広島の丸が三回にソロ本塁打で加点した。今村の真ん中に入った変化球を右越えへ。「しっかりと自分の振れるところを待っていた。一振りで仕留められた」と手応え十分の一撃だった。  レギュラーシーズンでリーグ2位の39本塁打を放つなど、ことし長打力が格段にアップした主砲はファイナルステージ3試合で2本塁打と存在感抜群だった。念願の日本一へ「厳しい戦いになると思うが、自分たちの野球ができるように、頑張っていきたい」と言葉に力を込めた。

◆プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(6試合制)は19日、セ、パ両リーグともに第3戦が行われ、マツダスタジアムでのセはリーグ3連覇した広島がレギュラーシーズン3位から勝ち上がった巨人に5-1で快勝して3連勝を飾り、リーグ優勝によるアドバンテージの1勝を加えて2年ぶり8度目の日本シリーズ進出を決めた。  広島は二回、野間の適時二塁打などで2点を先制。三回に丸の右越え本塁打で1点を加えた。 黒田博樹氏の話 「年々、力をつけてきている。今年は戦力も整っているし、戦い方も分かっている。一丸となって同じ方向を向いて、戦えているので期待できる」

◆巨人は広島に3連敗で日本シリーズ進出を逃した。  主将の坂本勇人内野手(29)はファイナルステージ3試合で9打数3安打と奮闘したが、この日は五回二死満塁での適時失策など2失策で悔しい終戦を迎えた。「本当に悔しい。(失策は)技術不足。試合が(広島優位に)傾いてしまった」と唇をかんだ。  高橋監督のもとで戦った3年間を振り返り、(監督の退任は)寂しい。選手の責任でもある。広島との力の差も感じた。来季に向けて、チーム全体でレベルアップできるようにしたい」と前を向いた。

◆日米通算203勝を挙げた広島OBの黒田博樹氏(43)がテレビ解説の仕事で訪れ、試合前にはコーチらと握手を交わすなど旧交を温めた。  2015年に米メジャーの巨額オファーを受けながら、古巣に復帰。"男気"でチームに勝利への執念を植え付け、翌16年には25年ぶりのリーグ優勝に貢献した。引退して2年たった今も九里、大瀬良ら投手陣は黒田氏への憧れを口にする。  試合後、「年々、力をつけている。(日本一も)期待できる」と目を細めた黒田氏。リーグ優勝のビールかけで新井が「2次会は黒田さんの家で!」と言ったことには、「待っていたけど来なかった」と笑わせた。

◆先発の九里が六回途中まで3安打1失点。リーグ3連覇を決めた9月26日のヤクルト戦で8回無失点と好投した長身右腕が、再び節目の勝利に貢献し、「意図した球を多く投げられた」と充実感に浸った。一昨年は登板機会がなかった日本シリーズに向け「行けと言われたところで、1つでも多くのアウトを取れるようにしたい」と静かに意気込んだ。

◆上原はこの日の登板はなく、シーズンを終えた。10年ぶりに日本球界に復帰した今季は36試合で0勝5敗、防御率3・63。「(高橋監督には)申し訳ないなと...。もう少し自分ができていれば、何か変わったかもしれない」と悔しさをにじませた。来季について43歳は「シーズンが終わったところで何も思えない。自分の体をしっかり治して、これからどうするか決めたい」と語るにとどめた。

◆阿部が来季のリベンジを誓った。右膝に自打球を受けて交代した第1戦以来の先発も、4打数無安打。CSファーストステージから14打席無安打に終わり、「来年必ずやり返すつもりで、オフを過ごしたい」と、あと1本に迫っている通算400本塁打&V奪回へ、39歳の大ベテランは早くも来季を見据えた。

◆巨人は19日、広島に1-5で敗れ、3連敗(広島に1勝のアドバンテージ)。ファイナルステージ敗退が決まり、今季の終戦を迎えた。  リーグ3位から挑戦者として臨んだ同ステージ。昨季7勝18敗、今季も7勝17敗1分けと大きく負け越したリーグ王者の壁に、またはね返された。菅野がノーヒットノーランを達成するなどファーストステージ(対ヤクルト、神宮)を2連勝で突破。しかしその勢いを広島にかき消された。  「勝てなかったという結果がすべて。自分なりに精いっぱい、やったつもりです」  2015年オフに現役のユニホームを脱ぎ、翌16年から今季まで3年間、指揮を執った高橋由伸監督(43)は今季限りで退任。1年目こそ2位に入ったが、昨季は4位、今季は借金4での3位。今月3日に成績不振の責任を取って辞任を表明していた。  試合後はマツダスタジアムの三塁側ビジター応援席へあいさつ。G党から「ヨシノブ」コールがわき起こり、鯉党からも温かい拍手が送られた。  「去りゆく人にはありがたいですね。この3年間? 今は終わったばかりだから」。後日、改めて退任のあいさつを行う予定だ。 (吉村大佑) 敗退を見届けた巨人・石井球団社長 「(高橋監督は)よく頑張ってくれた。まだ若いので、これで終わりではないと僕らも思っている。監督にもそういう思いを持ってもらいたい。またみんなの前に戻ってくることを僕らも期待している」 五回のタイムリーエラーなど2失策の巨人・坂本勇 「技術不足。試合が(広島優位に)傾いてしまった。(高橋監督の退任は)選手の責任でもある。悔しい。広島との力の差も感じた。来季に向けて、チーム全体でレベルアップできるようにしたい」 CS初安打を記録も敗れ、躍進したシーズンを終えた巨人・岡本 「今年だけと言われないように、来年もしっかりできるように。CSでは何もできずに申し訳ない。大事なときに打てるバッターになりたい」 先発も、三回途中3失点で敗戦投手となった巨人・今村 「変化球に頼り過ぎてしまった結果だと思います。大事な試合に先発させていただいたのに、期待に応えられず悔しいです」

◆広島、G"丸のみ"ファイナルS全勝突破!丸が絶好調弾で逆CS男返上 2年ぶりの日本シリーズ進出を決めた広島の選手らは歓喜のジャンプ。さぁ、次は34年ぶりの日本一だ(撮影・仲道裕司)【拡大】  (セ・クライマックスシリーズ・ファイナルステージ第3戦、広島5-1巨人、広島4勝、19日、マツダ)セ・リーグ3連覇の広島がレギュラーシーズン3位から勝ち上がった巨人を5-1で下して3連勝。リーグ優勝による1勝のアドバンテージを含めて4勝とし、2年ぶり8度目の日本シリーズ進出(27日開幕)を決めた。次は34年ぶりの日本一を目指す。  巨人の下克上を阻止して2年ぶりに日本シリーズ行きの切符を手にした。その立役者は丸だ。チーム3点目となる豪快なソロを放ち、貴重な追加点をたたき出した。  「しっかりひと振りで仕留めることができました。ホームランでチームに貢献できたので良かったです」  2-0で迎えた三回二死で左腕今村のスライダーを振り抜き、右翼席中段に運んだ。3試合で打率・400(10打数4安打)2本塁打、3打点。昨年はセ・リーグMVPに輝いたが、DeNAとのCSファイナルステージでは5試合で打率・250、1本塁打、3打点と不発。チームも初戦に勝利後、4連敗を喫して敗退したが、今年は"逆シリーズ男"の汚名を返上した。  レギュラーシーズン後には東出、迎両打撃コーチの発案で球団スタッフが野手それぞれが主役の今季の安打シーンのみを収録した「打率10割DVD」の制作した。例年はシーズン終了後に野手に配布していたが「CS前に良いイメージを持ってほしい」と前倒し。丸にも好影響を与えた。  「日本シリーズでも良いスイングができるようにしたい」と丸。一昨年は日本ハムとの日本シリーズ、昨年はDeNAとのCSファイナルステージで敗退。だが、今年は無傷の3連勝で勢いが違う。レギュラーシーズン、そしてCSファイナルステージでも絶好調の3番打者が「34年ぶりの日本一」のミッションをやり遂げる。 (柏村翔) この日は出番がなかった今季限りで現役を引退する広島・新井 「本当にみんなのおかげ。みんな頼もしいし、本当にうれしい」

◆しょせんは借金チームの実力...。巨人の敗因うんぬんより、来季へ目を向けようか。選手がこれだけヤワになってしまったら、立て直しは楽ではない。徹底して底上げしないといかん。  まず、一も二もなく、練習。最下位チームは優勝チームの6倍。3位なら3倍、練習しないと追いつかない。頬がぷっくりして、あごの肉がたるんでいるような選手は、もう見たくない。キャンプからその意識を強く持つこと。漠然と、同じ練習を繰り返していては、ますます下位に沈んでいくよ。  その上で、戦う集団をつくりあげること。試合はプレーだけを競っているわけではない。勝敗を競っているんだ。広島なんて、攻守に戦闘的じゃないか。打てなくても、足とか小技で、相手に息をつかせない。何が何でも勝つ。野球はケンカ腰でやるものなんだ。  なんなら、球団が扱いにくい選手がもっと増えてもいい。「ベンチがアホ」の俺がいうのもなんだけど...。あの野村克也さんも「南海の監督時代、江本、江夏豊、門田博光の"三悪人"に勉強させてもらった」といまだにいう。"悪人"が役に立つことは多い。お人よし集団のままでは、立て直しもままならないよ。 (サンケイスポーツ専属評論家)