西武(☆13対5★)ソフトバンク =クライマックスシリーズ2回戦(2018.10.18)・メットライフドーム=
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ソフトバンク
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西武
34100140X131112
勝利投手:多和田 真三郎(1勝0敗0S)
敗戦投手:ミランダ(0勝1敗0S)

本塁打
【西武】栗山 巧(2号・1回裏3ラン),浅村 栄斗(1号・2回裏3ラン)

  DAZN
◆西武がファイナルステージ第2戦を制した。西武は初回、栗山の3ランで先制する。直後に同点を許すも、2回裏に源田の適時打と浅村の3ランで勝ち越すと、その後も3回に源田が適時打を放つなど、終わってみれば11安打で13得点を挙げた。敗れたソフトバンクは、先発・ミランダが試合をつくれなかった。

◆リーグ優勝の西武が、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージの第2戦で11安打13得点の大勝。アドバンテージの1勝を含め通算2勝1敗とし10年ぶりの日本シリーズ進出へあと2勝とした。 西武の誇る山賊打線がいきなり火を噴いた。1回2死一、二塁から5番栗山が2試合連続の3ランで先制した。 初戦で10点を奪ったソフトバンクも直後の2回に反撃。2死一、三塁で高田の三塁へ適時内野安打で1点を返すと、続く甲斐が適時打と西武山川の本塁へ悪送球で、2者生還して3-3に追いついた。 西武は2回。2死一、二塁で源田が適時右前打で勝ち越すと、続く浅村が西武ファンで埋まった左翼席へ1号3ランを放ち、リードを4点に広げた。自身2度目の打点王に輝いたキャプテンがポストシーズンでも勝負強さを発揮した。 3回にソフトバンクは中村の適時二塁打で2点、西武は源田の適時打で1点を加えた。 中盤から終始西武ペース。6回に1点を追加すると、7回は秋山のシーズン初安打となる適時打、栗山がこの日6打点目となる適時打などで4点を奪った。 西武先発の多和田は立ち上がりこそ苦しんだが、4回以降は無得点に抑えた。7回から増田、マーティンとつないで最後はヒースで締めくくった。

◆西武が11安打13得点の猛攻でソフトバンクを下し、対戦成績を2勝1敗と勝ち越した。自慢の山賊打線が序盤から火を吹いた。3回までに栗山と浅村の3ラン、源田の適時打2本で8得点。中盤以降も6回に栗山の適時内野安打で1点、7回に秋山、栗山の適時打などで4点を加えた。 2回の勝ち越し打を含む3安打2打点の源田は「自分でもビックリしています。(勝ち越し打は)うれしかった。いいところに飛んでくれて良かった。シーズン中もすごい声援をもらったけど、それ以上の声援を感じるのでホームで試合が出来て良かった。明日も自分のできることを精いっぱい頑張ります」と話していた。

◆西武が11安打13得点の猛攻でソフトバンクを下し、対戦成績を2勝1敗と勝ち越した。自慢の山賊打線が序盤から火を吹いた。3回までに栗山と浅村の3ラン、源田の適時打2本で8得点。中盤以降も6回に栗山の適時内野安打で1点、7回に秋山、栗山の適時打などで4点を加えた。 主将を務める浅村の一撃が効いた。3点差を追いつかれた2回、源田の適時打で1点を勝ち越しなおも2死一、三塁、カウント3-1からソフトバンク先発ミランダが投じた直球を左翼席へ運んだ。試合の流れを決定づける3ラン。試合後のお立ち台で浅村は「結果的にそう(本塁打に)なりましたけど、後ろにつなごうと打席に入った」と振り返った。 「連敗はできない。どんな形でも勝つつもりで臨んだ」と浅村。持ち味の猛打でチームの勢いを押し戻した。「全員で勝った1勝なので良かったです。明日も一丸で勝てるように頑張りたい」。連勝で一気に王手をかける。

◆西武栗山巧外野手が先制3ラン含む3安打6打点の活躍で、シリーズ2勝目に貢献した。 初回からバットが火を噴いた。2死一、二塁でソフトバンク先発のミランダの内角高めのチェンジアップを振り抜き、右翼席へ先制3ランとした。6回には一塁強襲の適時内野安打、7回にも中堅へ適時2点打を放つなど6打点を挙げた。 「初回の3ランは非常にうれしかったです。とにかくランナーを返すこと、後につなぐこと、その中でまさかベストのスイングができました」と驚いた。 第1戦はソフトバンクに大敗を喫していただけに「昨日負けているんで、今日負けると嫌な雰囲気が出てくる。ホームでやれているアドバンテージはあると思う。みなさんのおかげで勝てて良かったです」とファンに感謝。10年前の日本一を知る栗山がバットでチームをけん引し、10年ぶり日本シリーズ進出へ導く。

◆11安打で13点を奪い、打ち合いを制した西武辻発彦監督(59)は「序盤は本当に打っても取られて苦しかった。打線は非常に調子がいい。よく打ってくれた」と言った。3回までで8-5の展開に「5時間ぐらい野球をやならいといけないかと思った」と苦笑いだった。 1回は栗山の3ランで先制。「見事。初回の3ランは思いもしなかった。3点は大きかった」と評価し、2回の源田の勝ち越し適時打には「あのヒットも大きい。つないで浅村(の3ラン)。個々が自分の役割を果たしているから点が取れた」と言った。 17日の初戦は敗れ、勝負の第2戦。「今日は大事な試合。負けていればプレッシャーがかかる。明日もいい投手(ソフトバンク千賀)ですが、1試合1試合、目の前の試合を勝ちにいきたい」と気持ちを切り替えた。

◆ソフトバンク先発のアリエル・ミランダ投手が来日ワーストの2回7失点でKOされた。 前回登板し、4回途中3失点だった日本ハムとのファーストS初戦から、来日初の中4日でのマウンドだった。初回に2死一、二塁で栗山に右越え3ランを浴びると、2回にも2死一、二塁で源田に適時打。続く浅村に3ランを食らった。制球に苦しみ、失点した3本の安打はすべて3ボールから打たれたものだった。「準備はしてきたが、結果がすべて。大事な試合に先発させてもらったのに、申し訳ない」と悔しがった。 倉野投手統括コーチは「(中4日の)疲れという感じはあまりなかった。悪いときのミランダが出て、修正しきれなかった。中4日は日本ではなかったが、初めてではない。そこが一番の原因とは思えない」と話した。

◆西武の多和田真三郎投手が、6回を被安打6の5失点(自責点4)と、苦しみながらも試合を作った。 初回は3者凡退に抑えたが、3点リードで迎えた2回に2度の連打を許し同点に追いつかれた。3回は3連続四球でピンチを招くと、ソフトバンク中村晃に適時二塁打を許して2失点を喫した。 土肥投手コーチから「テークバックの時に、力を抜いてみたら」とアドバイスを受け、4回以降は立ち直った。4、5回は3者凡退でリズムを作った。「チームが勝ったことが良かった。(3回は)大事にいきすぎたというのがあった。(チームメートに)助けてもらった試合です」と感謝していた。 辻監督は「ふらふらしていて、どうなるかと思った。エースにならなきゃいけない主軸の投手。いいボールはいっていた。(3回の3四球は)大事な試合で、負けられないと長打を警戒しての四球だったんだろう」と話した。

◆ソフトバンクの3番手高橋礼投手(22)が2回2/3を1失点と好投した。 「前から(西武打線は)自分のボールにタイミングが合っていない感じだったので、自信を持って腕を振った。ストライクからボールになる変化球がよかった」。3回2死一、二塁のピンチで登板すると、浅村を3球三振に打ち取った。 4回1死の栗山から、中村、森、外崎と4連続空振り三振も奪った。疲れの見えた6回に1点を失ったが、工藤監督は「リズムもテンポもよかった。(今後は)いいところでというのはある」と、リードしている場面での投入も示唆した。 高橋礼も「明日もいくつもり。連投はいけます」と話した。 この日、11月に行われる日米野球の代表に追加招集された。今季0勝のルーキーが招集されるのは異例だ。188センチの長身アンダースローが、この日の試合のようにメジャーリーガー相手にも好投を見せてくれるはずだ。

◆西武が誇るバットマンが、CSファイナルステージ初勝利をもたらした。栗山巧外野手(35)が先制3ランを含む3安打、ポストシーズン史上最多タイの6打点を挙げた。チームも11安打13得点で、初戦で打ち負けたソフトバンクに打ち勝った。アドバンテージの1勝を加え2勝1敗とリード。山賊打線の本領発揮だ。 いきなりの好機も、栗山には想定内だった。初回2死一、二塁で回ってきた。「来た!」と奮い立つ。だが、ネクストバッターズサークルから打席に向かう間に心を静め、頭を整理した。「自分の振れる球、1番から4番までの流れ、映像。そういうことだけ考えた」。カウント3-2でソフトバンク・ミランダの浮いたチェンジアップを強振。ボールは右翼席へ歓声とともに消えた。 準備のかたまりだ。5番DHとして「初回にチャンスで回ってきて準備が出来ていないのが一番嫌」と出番を待った。イメージどおりの展開で、やってのけた。表情を崩さずダイヤモンドを回りながら、内心で喜び、スコアラー陣に感謝した。「完璧。丁寧なデータが割り切りを持たせて打席に立たせてくれる」。はしゃぎ過ぎず、次へ。6回、7回と適時打を重ね計6打点。ポストシーズン史上最多タイと聞き「もう1点いけばうれしかったけど...できすぎです」とおどけた。 準備は9月30日の優勝決定直後から始まっていた。休んでもよかったが、望んで出場。CS前の宮崎・南郷合宿では室内で打ち込んだ。まるでキャンプのようだった。「CSは自分の中では、もう1度、開幕ぐらいの気持ち。今年の成績じゃね」。17年目のベテランが打率2割5分6厘の悔しさをバネにしていた。マシン相手に、けれん味のない打球音を響かせ「毎日が楽しいです。手の皮がむけなければ、いつまでも打っていたい」と真顔で言った。 喜びは一瞬だ。「優勝した僕らが当然、日本シリーズに行くと思っている。明日も、明後日もある」と口元を引き締めた。まずは、あと2勝。その先の最高の喜びまで、打ち続ける。【古川真弥】 ▼栗山が6打点。ポストシーズン(PS=プレーオフ、CS、日本シリーズ)1試合6打点は最多タイ(5人目)となった。

◆ソフトバンクの「特攻ローテ」にほころびが出た。来日初の中4日で先発したミランダが炎上した。 初回は安打と死球で走者をため、栗山に先制3ラン。2回には源田に適時打を打たれ、さらに浅村にも3ランを許した。来日ワーストとなる7失点。2回でKOされ「準備はしてきたが、結果がすべて。大事な試合に先発させてもらったのに、申し訳ない」とうなだれた。 シーズン途中に加入も、ポストシーズンでは首脳陣からエース級の活躍を期待されていた。大リーグでも中4日など短い登板間隔を経験しており、投手陣の軸に指名された。だが日本ハムとのファーストステージ初戦でも4回途中3失点でKO。2試合続けての背信投球となった。工藤監督は「勝つために、ピッチャーには無理を言っているところはある」と唇をかんだ。

◆ソフトバンク孫オーナーが観戦に訪れた。試合終了を待たず、9回、代打内川が投ゴロに凡退したのを見届けると、無言で車に乗り球場を後にした。 今季は開幕戦で姿を現したが、その後は多忙を極め、なかなか訪れることができなかった。王球団会長は「誰もこんな試合になるとは思っていないんだから。また明日、明日」と前を向いた。

◆「昨日は相手の勢いを感じた。それには打ち勝つしかない。打っていけば、うちは乗っていける」。試合前の西武浅村は、自分に言い聞かせるかのように言っていた。言葉通り、打線は11安打13得点と爆発。自身も2回の3ランを含む2安打を決めた。 CSファイナルステージは打率5割と絶好調だが、安打は全て同僚熊代モデルのバットで放っている。この日の第1打席は重さ890グラムの自身のバットだったが、本塁打を打った第2打席から1歳年上の先輩モデルに変更。850グラムと40グラムも軽いが替える理由は「気分なんですよ。それ以外ないっす」。それでも好結果に「熊代さんのおかげです」と感謝を忘れなかった。 一方の持ち主は、どんな気持ちで相棒の活躍を見ているか。このバットは熊代が13年に作ったモデル。長男が生まれた日に自身初のサヨナラ打を決めた年で、思い出深い。「使ってくれるのはありがたいですよ」と言って続けた。「自分の時に働いてくれたらなあ...」。 プロ8年目の熊代の今季は、9打数無安打。バットでは苦戦しているが、勝利を呼び込む声出し係としてポストシーズンもチームを支えている。シーズン中は源田や森も使った打ち出の小づち。短期決戦は、こんなラッキーアイテムが流れを引き込むこともある。【佐竹実】

◆ソフトバンクの「特攻ローテ」にほころびが出た。来日初の中4日で先発したアリエル・ミランダ投手(29)が、2回7失点と大炎上した。日本ハムとのファーストS初戦を任され、ポストシーズンの柱として期待されたが2戦連続でKOされた。今日19日も千賀がプロ初の中4日で先発。投手陣総力の戦いで西武山賊打線に立ち向かう。 自分への悔しさだろう。ミランダはいら立ちを隠せなかった。メットライフドームの長い階段を上りきり、肌寒い駐車場で口を開いた。「内容自体も見てもらった通りです。コンディションは悪くなかった。準備はしてきたが、こうやって打たれて点を取られた。結果がすべてです」と自分への怒りをにじませた。 来日初の中4日での先発で打ち込まれた。初回は安打と死球で走者をため、栗山に先制3ラン。2回には源田に適時打を打たれ、さらに浅村にも3ランを許した。制球が安定せず、不利なカウントから甘くなった球を痛打された。 大リーグでも中4日など短い登板間隔の経験もあり、ポストシーズンでの軸として期待された。日本ハムとのファーストステージ初戦は4回途中3失点。2試合連続でKOされた。工藤監督は「勝つために、ピッチャーには無理を言っているところはある」と唇をかんだ。 ミランダの背信投球で山賊打線に火をつけてしまった。2番手大竹ら3人のリリーフ陣は全員失点を記録。しかし「特攻ローテ」を貫くしかない。今日19日はプロ初の中4日で千賀が先発。第4戦には東浜も中4日で投げる可能性がある。倉野投手統括コーチは「この時期に中4日で投げるのは当たり前。やれないとは思わない」と先発陣にハッパをかけた。 前回登板の14日日本ハム戦以降はブルペン入りせず、調整をかえて挑む千賀は「大量失点はチームの士気に関わる。最少失点でいけるように」と気合を入れた。開幕投手も務めた右腕が山賊打線の勢いを止める。【山本大地】

◆10点を取って先勝したら、13点を取られてしまった。「下克上」を誓う工藤ソフトバンクは、リーグVへ駆け上がった獅子の勢いそのまま、豪打の餌食となってしまった。試合後。移動のバスへと続くメットライフドーム名物の長い階段を上り終えた達川ヘッドコーチは息も切れ切れに言った。「典型的な負けじゃったよ。ここ(メットライフドーム)での負けパターンやったわ」。大乱調の先発ミランダを含め4投手で10四死球。6点が四死球がらみとなれば、強力打線の獅子にさらにエサを与えているのも同然か。力がないのか、警戒心が微妙な制球を乱していったのか...。いずれにしても力負けと言わざるを得ない。 今後の不安要素を募らせるわけではないが、11安打を浴びせられた中でも、打たれたくない一打があった。7回1死一、二塁から秋山に許した右前タイムリーだ。初戦の秋山は4打数無安打。この日も6回までは4打席無安打(2四球)。初戦の8回に中飛に仕留めていたサウスポー嘉弥真は厳しい表情で言った。「正直、(秋山には)ヒットが出てほしくなかったですね。今まで以上に警戒しないと」。シーズン終盤の対決で逆転3ランを打たれていただけに獅子のリードオフマンの"目覚め"は避けたかったのが本音だろう。「昨日(17日)は抑えましたが、(西武が)負けゲームだったし、まだまだ本気の集中力じゃなかった。しびれるような場面でしっかり抑えたいです」と、嘉弥真は口元を引き締めた。 「秋山封じ」...。今後の戦いのキーになりそうだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆西武辻発彦監督は、3回4失点の先発榎田大樹投手について「ブルペンからとっちらかっていた。マウンドに上がったらどうかと思っていたんだけど。(2番手で8失点の)十亀もあとを抑えてくれたらと思ったが」と言った。 計4投手が計16安打9四球で15失点と投手陣が崩れた。 「うちも昨日あれだけ点を取った。投手陣が踏ん張ってくれたら」と奮起を促した。これで2勝2敗。「五分でしょ。まだまだ。崖っぷちじゃない」と言い聞かせた。

◆西武の栗山が0-0の一回に2戦連発となる3ランを放った。二死一、二塁で内角高めのチェンジアップを右越えに運び「走者をかえすことだけを考えて打席に入った」とうなずいた。  ミランダからは9月17日の一回に満塁本塁打を放っており、またも立ち上がりを崩した。2008年の日本一の味を知るベテランが、短期決戦で存在感を見せている。

◆ソフトバンクの中村晃が3-7の三回一死満塁で2点二塁打を放ち、CS全5試合で安打をマークした。多和田の2球目の速球を捉えると、打球は右翼手の頭上を越え「思い切って打ちにいった」と振り返った。  17日のファイナルステージ第1戦では3安打を放ち「(打撃の調子は)いいと思います」と手応えを口にしていた。6番に座り、短期決戦での勝負強さが光っている。

◆西武が2本の3ランなど11安打13得点を挙げ打ち勝ち、リーグ優勝チームに与えられる1勝のアドバンテージを含めシリーズを2勝1敗とした。先発の多和田が6回を6安打5失点ながら、打線の援護で勝利投手となった。  西武は、一回一死から源田が中前打を放ち、二死後に山川が死球で一、二塁とすると、栗山が右翼席へ連夜の本塁打を放ち、3点を先制した。  ソフトバンクは二回、先頭の柳田が右前打、続くデスパイネも左前打で一、二塁。一死後、松田の三ゴロの間に二走が進塁し、二死一、三塁とすると、高田の三塁適時内野安打で1点を返す。さらに、続く甲斐が右前適時打を放つと、一塁手の悪送球の間に三走も還り、3-3の同点に追いついた。  西武はその裏、先頭の森が右前打、一死後、金子の遊撃内野安打で一、二塁とすると、秋山は左飛に倒れるが、源田が右前適時打を放ち再び勝ち越すと、続く浅村が左翼席へ3ランを放ち、7-3とした。  ソフトバンクは、三回一死から3連続四球で満塁とすると、中村晃の2点右越え二塁打で5-7と2点差に迫った。  西武はその裏、2番手の大竹から二死後に2連続四球で一、二塁とすると、源田が左前適時打を放ち8-5とした。さらに六回、先頭の秋山が四球を選び出塁すると、一死後に浅村の中前打、続く山川の四球で満塁とし、栗山の一塁適時内野安打で1点を追加し9-5とすると、七回にも一死一、二塁から秋山の右前適時打、さらに二死満塁から遊撃の失策、栗山にも2点中前打が飛び出し、この回4点で勝利を決定づけた。投手は多和田から増田、マーティン、ヒースとつなぎ、反撃を絶った。  ソフトバンクは、一度は同点に追いついたが、点を取った直後に必ず失点する悪い流れで大敗。先発のミランダが2回を6安打7失点だったのを始め、リリーフ投手4人がすべて失点するなど、西武打線を止められなかった。

◆西武が2本の3ランなど11安打13得点を挙げ打ち勝ち、リーグ優勝チームに与えられる1勝のアドバンテージを含めシリーズを2勝1敗とした。  以下、3安打6打点と活躍した栗山の一問一答。  ――価値のある打点  「初回の3ランは非常にうれしかったです」  ――チェンジアップですかね  「チェンジアップです」  ――狙いとしては  「狙いはとにかく、ランナーを還すこと。3-2だったんで後ろにつなぐこと。その中でまさかのベストなスイングができました」  ――タイムリーが2本   「チャンスで回ってきたんで、とにかく1点でも多く取ろうっていう気持ちで、歓声もすごかったんで、なんとか打ててよかったです」  ――今日の1勝の意味は  「昨日負けてるんで、今日負けると嫌な雰囲気出てきますんで、そこはホームでやれてるっていうアドバンテージがあると思うんですよ。皆さんの声援のおかげで今日本当に勝てて良かったです」

◆10年ぶりにパ・リーグを制覇した西武が、同2位のソフトバンクに13-5で快勝し、リーグ優勝チームに与えられる1勝のアドバンテージを含めて対戦成績を2勝1敗とした。  主将の"いじり"がムードを変えた!? 七回に今CS9打席目で初安打となる右前適時打を放った1番・秋山は、浅村から「しっかり打ってくださいよ」などと一日中いじられていたことを明かし「それで3ランを打つんだから格好良いですね」と2歳下の後輩に脱帽していた。浅村は1歳上の熊代にも「(声出しは)熊代さんがやってくれるんじゃないですか。それしか仕事がないんで」とニヤリ。盛り上げ役を任せつつ、自身はシーズン中から拝借している"熊代バット"で勝利に貢献した。

◆先発ミランダが2回7失点と崩れると、登板した4投手全員が点を奪われ、計10四死球もあり13点を献上。ミランダは一回二死一、二塁のピンチで、9月17日に満塁アーチを許した栗山に変化球を捉えられ、右翼席へ先制3ランを浴びた。味方が追い付いた直後の二回も二死から源田に勝ち越し打を許し、さらに浅村に3ランを被弾した。この回限りで降板し「見てもらった通り。出た結果が全て」と落胆を隠せなかった。

◆先発の多和田は6回を投げ5失点。「自分のミスもあったし、CSで力が入ったのは仕方ない。勝ったことが一番」と胸をなでおろした。二回には3失点、三回は3連続四球もあって2点を失ったが、四回以降は「点を取られても"次に"と、気持ちを切り替えた」と最多勝投手の本領を発揮。大事な試合で勝ち投手となり「また機会があれば全力でいきたい」と力をこめた。 多和田について西武・森 「今日が大事なのは分かっていたはずで、気合が入っていた。最初バタバタしたが修正して投げてくれた」

◆重い2発と与えた10四死球がすべて。大前提のゲームプランが崩れたソフトバンク・工藤監督は、気持ちを切り替えた。  「(ポイントは)変わらないし、そこさえ防げば。そこが減るだけで相手の得点はだいぶ減る」  ミランダが二回までに2本の3ランを浴びて7失点KO。長打を警戒して走者をためた結果の大量点だけを注意したが、六、七回の5失点にも5四球が絡んだ。今季のレギュラーシーズンでも、西武戦での敗戦はこのパターンだった。  ミランダも19日に先発する千賀も今季初の中4日。2人どころか、先発全体で今季は1度もなかった苦肉の策だ。指揮官は「無理はしてもらっている」と認めたが、獅子との戦いでは少数精鋭も仕方がない。第1戦はソロ2本、1四球で耐えて勝利。第3戦以降も勝利への鍵は不変だ。 (安藤理)

◆レギュラーシーズンを制した西武は、ソフトバンクに13-5で快勝し、2勝1敗(西武に1勝のアドバンテージ)とした。源田壮亮内野手(25)が、2打席連続の適時打を含めて三回までに猛打賞(3安打以上)をマークし、チームの勝利に大きく貢献した。  西武が誇る『獅子おどし打線』猛爆の着火点となった。源田が、2打席連続適時打を含めて三回までに猛打賞(3安打以上)をマークした。  「自分でもビックリ。何でなんですかね。全部いいところに飛んでくれましたね」  殊勲の2番打者は、ひょうひょうと振り返った。一回一死、ミランダのファーストストライクを鮮やかに捉えて中前にはじき返し、栗山の3ランで先制のホームを踏んだ。3-3で迎えた二回には二死一、二塁から勝ち越しの右前適時打を放った。三回に早くも回ってきた第3打席でも左前適時打。チームに8点目をもたらした。  レギュラーシーズンでは新人から2年連続でフルイニング出場。1950年の2リーグ分立後で最長だった長嶋茂雄(巨人)の連続試合フルイニング出場の記録を更新した。蓄積疲労にも負けず、宮崎でのフェニックスリーグで入念に調整し、CSを迎えた。  初戦を落とし、1勝1敗の五分に持ち込まれたが「アドバンテージの1勝もあって気持ち的には落ちなかった」という。チームも、自身も、シーズン中と変わらない明るさを保ち臨んだ第2戦。2試合連続で満員御礼となった本拠地に、源田は「試合をしていても、一球一球の盛り上がりがすごいなあと思う」と笑顔を見せた。青い大歓声に背中を押され、ここから一気に10年ぶりの日本一を懸けた舞台へと駆け上がる。 (佐藤春佳)

◆10年ぶりにパ・リーグを制覇した西武が、同2位のソフトバンクに13-5で快勝し、リーグ優勝チームに与えられる1勝のアドバンテージを含めて対戦成績を2勝1敗とした。4-3の二回、主将の浅村栄斗内野手(27)が左翼席へ3ランを放ち、栗山巧外野手(35)もCS最多記録に並ぶ1試合6打点の大暴れ。「獅子おどし打線」が乱打戦で真価を発揮し、反撃ののろしとなる1勝をチームにもたらした。  エース・菊池を立てて落とした初戦の悪夢から一夜明け、「獅子おどし打線」は目を覚ました。歓喜の輪の中で、浅村の笑顔が映えた。  「いい形で先制した後、追いつかれて多少嫌な雰囲気があった。すぐに4点返せてよかった。全員で勝った1勝です」  まず2008年の日本一を経験している栗山の3ランで先制したものの、すぐ二回に山川の悪送球が絡んで3-3と追いつかれた。その裏の攻撃。源田の右前適時打で勝ち越してなお二死一、三塁から、浅村はミランダの142キロの内角直球を一閃。『(大阪)桐蔭魂』『主将 浅村栄斗』の横断幕がなびく左翼席に3ランを突き刺し、「流れを引き戻すホームランになったと思う」と胸を張った。  今季のレギュラーシーズンではプロ10年目でともに自己最多となる32本塁打、127打点をマーク。自身2度目の打点王に輝いた。その勝負強さをCSでも発揮し、価値ある1勝につなげた。  自身の言葉も"言霊"となってチームに波及した。黒星スタートを受け、出した答えは単純明快だった。  「打ち勝つしかない」  レギュラーシーズンのチーム防御率4・24はリーグワースト。その弱点をカバーしたのは辻監督が「獅子おどし打線」と命名した強打だった。「打てば、このチームは乗っていける。戦い方は変わらない」という主将の言葉通り、この日は先発の多和田が6回5失点と苦しむ展開ながら、打線が11安打13得点と爆発して乱打戦を制圧した。  CSの最多記録に並ぶ6打点をマークした栗山も「本塁打は完璧で、ちょっと笑ってしまった。途中から点差が開いたけど、押せ押せで前向きになった」と呼応した。パ・リーグ本塁打王の4番・山川は無安打ながら3四死球。1番・秋山は、七回に今CS初安打となる右前適時打を放った。  一度快音が鳴り始めると、もう誰も止められない。浅村と栗山がともに3ラン。CSで同一球団の選手が同じ試合で3ランを2本以上放つのは、2014年の日本ハム以来4年ぶり4度目で、球団初の快挙だった。まるで「鹿威し(ししおどし)」のように、打てば周囲に快音が反響する「獅子おどし打線」が"第2ラウンド"で本来の輝きを取り戻した。  「負けると後に重圧がかかる試合を取れて良かった。七回を守り切ってから追加点を取れて勝負ありだった」と辻監督も満足そうにうなずいた。CS突破まであと2勝。目を覚ました獅子が、日本シリーズを視界に捉えた。 (花里雄太)

◆2試合連続で序盤から点の取り合い。今回の西武とソフトバンクの戦いは、どちらも打線が活発で、投手陣に不安を抱えるだけに、19日の第3戦以降も同じような展開になりそうだ。  こういう大味な試合のときこそ、肝に銘じなければいけないことがある。1点を大事にすることだ。リードされている側は一気に3、4点を狙いたくなるが、まずは1点をかえすことを大事にして戦うべきだろう。  例えば3点を追う二回無死一、二塁でソフトバンク・中村晃は左飛に倒れた。ここは何とかして走者を次の塁に進めてほしい場面だった。結果的に失策がらみで一度は追いついたものの、物足りない打撃内容だった。  次に、2点差の三回一死二、三塁で松田宣は低めの変化球に手を出して浅い中飛。試合の流れとしては、1点差に迫って西武にプレッシャーをもっとかけておきたかった場面だ。  大味な試合になるほど、選手は「1点では足りない」という考えになりがち。だが1点の積み重ねが、結果として10点になる。この戦い、大事に丁寧に1点を取りにいく野球をしたチームが、日本シリーズに進むとみる。 (サンケイスポーツ専属評論家)