ソフトバンク(☆8対3★)西武 =リーグ戦25回戦・福岡ヤフオクドーム=
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西武
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ソフトバンク
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勝利投手:武田 翔太(4勝9敗1S)
敗戦投手:齊藤 大将(1勝3敗0S)

本塁打
【ソフトバンク】西田 哲朗(4号・2回裏3ラン),グラシアル(9号・8回裏ソロ),明石 健志(1号・8回裏2ラン)

  DAZN
◆ソフトバンクは2点を追う2回裏、西田の3ランで逆転する。5-3で迎えた8回には、グラシアルのソロと明石の2ランでリードを広げた。2番手・武田が今季4勝目。引退試合となった本多は、7回に三塁打、8回には二塁打を放ち、4打数2安打を記録した。敗れた西武は、先発・齊藤大が試合をつくれなかった。

◆ソフトバンク本多雄一内野手が引退試合で快足を見せ、球場を沸かせた。 7回無死での第4打席。ファンだけでなく、チームメートもベンチから身を乗り出して見守った。ファウルで粘って7球目、西武武隈のインコースをライナーで右翼線に運んだ。打球が右翼で弾むと、本多は迷わず一塁ベースを蹴った。大きくなる歓声。さらに二塁も蹴って三塁へ。送球よりやや早く、三塁ベースに到達し三塁打とすると、この日一番の拍手が送られた。 7回の攻撃を終え、本多がベンチに戻ると監督、コーチ、チームメートが総出で出迎えハイタッチの嵐。8回の守備に就くときも、右翼席から「いいぞ! いいぞ! 本多」のコールで祝福された。

◆この日が引退試合のソフトバンク本多雄一内野手(33)が3回、四球で出塁。スタンドからの「走れ! 走れ! 本多! 」の声援を受け、アンツーカーから両足が出る往年のままの大きなリードを取り、2番上林の初球に二盗を試みた。 完璧なスタートで走り二塁へ滑り込んだが、西武斉藤大の初球は上林の背中にドスン! 死球となり、通算343個目の盗塁は幻となり、二塁ベース上で本多は苦笑いだった。

◆ソフトバンク本多雄一内野手(33)の引退試合に、本人が復活を熱望していたポンちゃん人形が登場した。 3回表終了後のイニング間に行われる「ホットドッグレース」で、グッズマンやカブキドリンクらがスタートした後に、バックスクリーンの下からポンちゃん人形が現れ、本人同様の快足でほかの着ぐるみたちを抜き去り1位に輝いた。 3回の先頭打者として準備していた本多はその姿を見てニッコリ。ポンちゃん人形は帽子を取り深々と一礼した。

◆ソフトバンク本多雄一内野手が自身の引退試合を前に意気込みを語った。 この日は球場に他球団の選手から花が届くなど、本多一色のムード。試合前の練習では選手、スタッフ全員が引退記念の特別Tシャツを着用。背中には「HONDA 46」の文字が入っていた。 本多は試合前練習を終え「今朝はあまり実感がなかったですが、みんなと顔を合わせて、練習して、引退するんだなと思いました」。Tシャツはサプライズだったそうで「うれしいですね。みんな46なので変な感じですが、ありがたい」と笑った。 工藤監督は「1番セカンドでフル出場してもらいます。(見たいのは)やはり盗塁でしょう。オールグリーンライト(自由に走っていいという意味)です。最後も目いっぱいで行ってほしい」。本多自身も「(盗塁は)決めたいですね。申告敬遠してくれないかな」とジョーク混じりに意気込んでいた。

◆優勝した西武はレギュラーシーズン最終戦には敗れたが、88勝53敗2分けの貯金35で終えた。 辻発彦監督は「88勝。上出来でしょう。2分けが負けだったら、55敗でぞろ目ばかりだったね」と、口も滑らかに成績を評価した。 MVP選手を1人、挙げることはできないとした上で「よく、ここまで。今季に限っては、みんな。投手も多和田や雄星(菊池)。頑張った。野手は全員が素晴らしい数字で。1年間、フルイニングで出た選手もいるし、故障者が出ずにうまく乗り切れた」と、選手たちをねぎらった。

◆西武山川穂高内野手は47本塁打でシーズンを終えた。自身初タイトルとなる本塁打王は確実だ。 この日は5打席凡退に終わった。9回の最終打席は1死一、二塁で回ってきた。1発を放てば、3打点を加え、浅村と並ぶリーグトップの127打点だったが、左飛に倒れた。浅村と一緒に打点王とはならなかった。 「お膳立てしてくれたのに。意識しましたよ」と苦笑い。ただ、すぐに胸を張った。「143試合出て、全試合で4番を張って、ホームラン王も。打点は正直、最初はめっちゃ意識したわけじゃない。ホームランを打てば、ついてくると思っていた。最後は(浅村と)僅差になって。悔しい気持ちはあるけど、浅村さんがあってこその今年の打点だと思う。僕は、真っ先にホームラン王を取りたかった。今日は悔しかったけど、楽しかったですね」と充実感を漂わせた。 満足はしていない。「この数字が、来年からのベースになる。ホームランは50本打って、打点は浅村さんを超えるつもりだった。悔いはないけど、実力不足、技術不足がある。これから練習すればいい」と、さらに上を目指すことを誓った。

◆今季限りで現役を引退する西武松井稼頭央外野手が、レギュラーシーズン最後の打席をヒットで飾った。 シーズン最終戦は8回に代打で登場。敵地のソフトバンクファンからも拍手で迎えられた。1死一塁で、寺原に2球で追い込まれたが、3球目、高め150キロを流し打ち。しぶとく三遊間を破る左前打を放った。 最終戦を終えると「実感、沸かないですね。ケガなく出させてもらって、優勝も出来た。最後は直球勝負してくれて、ヒットも出て」と、しみじみと話した。 レギュラーシーズンは終わったが、17日からはCSファイナルステージが控える。「ここからですね。CSでもチャンスをもらえるよう、しっかり準備したい」と気持ちを切り替えていた。 日米で25年間。この日の1安打で、日本通算は2090安打(歴代33位)となった。アメリカでの615安打を加え、日米通算2705安打を積み重ねた。 「最後にヒット。やっぱり、ヒットはうれしいですね」と、ニッコリ笑った。

◆西武浅村栄斗内野手が127打点でレギュラーシーズンを終えた。13年以来2度目の打点王は確実だ。 この日は2安打を放ち、4打席で交代。ベンチに下がった後、9回は1死一、二塁で山川に打席が回ってきた。1発を放てば、山川も127打点で一緒に打点王となっていた。だが、左飛に倒れた。 浅村は「(山川を)応援してました。同点で取れるのが一番いい。(山川がホームランを)打ったらハイタッチして抱きつくイメージは出来てたんですけどね」と明かした。 127打点は球団新記録。打率3割、30本塁打、100打点は、球団の日本人選手では初めてだ。「ずっとチームのためにやってきた。チームが勝つように、1試合1試合の積み重ね。良かったです。(3割30本塁打100打点は)プロに入って、ずっと目標にしてきた数字。素直にうれしいです」と喜んでいた。

◆西武源田壮亮内野手が昨季に続き、2年目の今季もフルイニング出場を果たした。 全試合、ショートを守り抜いた。「1年間、使っていただいて、ありがたいです。体がきつい時もありましたが、手は抜きませんでした。去年の経験が生きたと思います。1年間出て優勝。うれしいです」と喜んでいた。

◆ソフトバンク本多雄一内野手が引退試合で4打数2安打1得点と躍動。だが、目標としていた盗塁は決められなかった。 最大のチャンスは3回だった。四球で出塁すると、けん制を1球はさみ、上林への初球でスタートを切った。342盗塁を積み上げた本多をして「13年間であんなにいいスタート切ったことないんじゃないかな」という完璧なスタートで、球場全体の誰もが盗塁成功を信じた。だが西武斉藤大の投球が上林の背中に当たる死球に。盗塁は幻となった。本多は「正直、盗塁1は付けたかった。(上林に)避けろよ、とは思いましたけど(笑い)。2球目までに切ると言っていて、スタートを切れたことが良かった」と振り返った。 会見を終えると偶然にも上林に遭遇。本多が「避けろよ!」といじると、上林は「あれは無理ッス...」と苦笑い。「スタート完璧、と思ってみていたら(死球で)ウオって。今真っ赤です」と背中をさすっていた。

◆ソフトバンク本多雄一内野手が引退試合で4打数2安打1得点と躍動した。試合後にはセレモニーが行われ、ファンや関係者に向けて感謝の言葉を語った。 本多のスピーチは次の通り。 「引退試合、引退セレモニーと、この場を設けていただいた球団関係者の皆様、本当にありがとうございます。プロの世界に入り、王監督の下で3年、秋山監督の下で6年、工藤監督の下で4年。13年間お世話になりました。すばらしい指導者の方に恵まれ、技術面、精神面で成長させていただきました。監督、コーチ、いろいろな形で支えていただいたスタッフのみなさん、ありがとうございました。選手の方々も、きついときも、悔しいときも乗り越え、緊迫した試合の中でリーグ優勝、日本一という歓喜を経験できたことは財産になりました。チーム一丸となって戦うホークスはとてもすばらしいものでした。選手のみなさん、本当にありがとうございました。日本一になるために支えていただいた応援団をはじめ、ファンのみなさん、いつも盛大な応援をありがとうございました。今日もそうですが『走れ、走れ、本多』コールはいつも背中を押してくれました。みなさまのおかげで、毎試合強い気持ちを持って臨むことができました。次に、ここまで育ててくれたお父さん、お母さん、ぼくがプロ野球選手になれたのは両親のおかげだと思っています。いつも陰ながら見守っていただき、一緒の気持ちになって共感していただき、ありがとうございました。喜怒哀楽が激しく、わがままな自分を近くで支えてくれた妻。子どもの世話もあるのに、顔色ひとつ変えず、笑顔でいつも支えてくれてありがとう。これからは少しは子どもとの時間も増えるから、これからが大変ですが、一緒に前に進んでいこう。最後になりますが、今日の試合をもって、46番のユニホームを脱ぎます。今日で引退します。本日は誠にありがとうございました」。

◆ソフトバンク松田宣浩内野手が、同期入団の本多の引退試合に涙した。 試合後のセレモニーでは選手を代表し花束を渡した。ベンチから現れると、松田宣は涙をこらえられなかった。花束を渡し、泣きながら抱擁した。「同期やもん、だって。13年一緒にやってきて、ライバルでやってこれて良かった。映像とかを見て、本多雄一という選手がどれだけホークスに貢献してきたかというのをあらためて感じた」としみじみ話した。 本多は「『13年間本当にありがとう。一緒にやってられて良かった』その言葉だけでしたが、思いがこもっているように感じた。松田さんが泣きながら来るとは思わなかったです。同期で入って良かった」と感慨深げに振り返った。

◆この日引退試合を行ったソフトバンク本多雄一内野手が西武松井稼頭央外野手に感謝した。8回に松井が左前安打を放ち、本多が「ナイスヒット」と声をかけると松井から「ポンもナイスヒット」と返された。 試合前に松井にあいさつへ行った本多は松井から「引退の仕方は誰が決めるものではない。ポンもよくやったよ」と声をかけられた。本多は「あれだけすごい経験をされた方から言葉をかけてもらって、間違いではなかったと思いました」と喜んだ。 「うれしい1日になりました。これから帰ってゆっくりします。西武の選手たちにも気を使ってもらって、花を持たせてもらった」。午前0時ごろ、球場を出る時、駐車場には約100人のファンが待っていた。本多は車をゆっくりと走らせ歓声に応えながら帰っていった。

◆この日引退試合を行ったソフトバンク本多雄一内野手(33)が試合後、熱望していたポンちゃん人形との再会を改めて喜んだ。 3回のホットドッグレースでバックスクリーン下から登場。3回の先頭打者として打席に向かう準備をしていると、球場DJの「ポンちゃん!」という声に気づいた。 外野から猛ダッシュで1位になった。「ウオーって走ってきましたよね。あいさつされたので、こっちも何回かうなずきました。うれしかったですね」。 ここ数年出番がなかったポンちゃん人形だが、定期的なメンテナンスは行っていた。今回、引退試合のために最終調整を行い、本多を喜ばせた。

◆西武秋山が4年連続、源田が2年連続の全イニング出場。全イニング出場の連続記録は00~09年まで10年連続の金本(広島→阪神)だが、パ・リーグでは89~91年愛甲(ロッテ)の3年を抜いて最長。源田の新人から2年連続は、プロ野球史上初。新人から全試合出場を2年以上続けたのも、61~66年まで6年連続の徳武(国鉄)以来52年ぶり。 西武源田のコメント(新人から2年連続フルイニング出場)「1年間使ってもらってありがたいです。体がきつい時もありましたが、野球の部分では心に余裕を持てた。去年の経験が生きたと思います」

◆西武山川が4番でプロ初の全試合出場。全試合4番で出場は14年李大浩(ソフトバンク)以来。西武では96年清原に次いで22年ぶり2人目。 西武山川のコメント(全試合4番で、本塁打王確実の47本塁打)「全打席、手は抜かなかった。この成績を自信にして、さらに上を目指すために、もっと練習しないと」

◆ソフトバンクが今季本拠地最終戦で西武に勝ち、2位からの逆転日本一へ弾みをつけた。工藤公康監督(55)は最終戦セレモニーでファンの前で「我々の目標は日本一」と力強く宣言した。本多雄一内野手(33)の引退試合となったこの試合で、チームはひとつになり勝利。CSへ向けて大きな1勝となった。 マイクの前で工藤監督は高らかに宣言した。 工藤監督 2位という悔しい思いをしたのも事実です。我々の最後の目標は日本一。13日からのCSで勝って、勝って、勝ちまくって日本一になることが我々の使命だと思います。 満員のヤフオクドームのファンから大歓声が起きた。本拠地最終戦で、優勝を奪われた西武と対戦。捕手に栗原をプロ初スタメンで抜てき。中2日で中継ぎの高橋礼を先発させた。西武は中村、外崎を、ソフトバンクはデスパイネを休ませるなど、お互いが手の内を隠しながらも、西武に勝ち今季対戦成績を12勝13敗で終えた。工藤監督は「西武に勝ったことで、何より選手たちは自信を持って(CSに)行ける」と勝って終えたことを評価した。 3回からマウンドに上がった武田が3イニングを無失点。5回には4番山川のバットを148キロへし折って中飛に打ち取るなど力強さも見せた。今季4勝目。3勝まではすべて完封勝ちだったが、短いイニングでも使えるところをアピールした。工藤監督は「戦力として考えていますし、短いイニングを投げた時の球の力もあった。コーチと話をして決めたい」と話し、CSでも鍵を握る投手の1人となりそうだ。 この日で引退する本多に8回、もう1度打席を回そうとチームが一丸となった。本多の胴上げ、記念撮影などのセレモニーで監督、コーチ、選手、スタッフの気持ちがひとつになったのも、大きな意味があった。ロッテと残り2試合を戦い、12連戦でシーズンを終了する。グラシアル、西田、明石と本塁打も飛び出し、戦力に厚みも出た。球団史上初の2位以下からの下克上Vへ、この10月6日がキーポイントとなりそうだ。【石橋隆雄】

◆西武の源田が二回に先制の2点適時打を放った。二死満塁から高橋礼の140キロの真っすぐを右前にはじき返し、2人が生還した。「先取点が取れて良かった」と喜んだ。  これで今季の打点を57に伸ばし、新人だった昨季に並んだ。安打、本塁打の数は既に昨季を上回っており、堅守に加え、打撃でも2年目の成長を示した。

◆西武の源田壮亮内野手が6日、ヤフオクドームで行われた今季最終戦のソフトバンク25回戦にフル出場し、セ、パ両リーグを通じて初めて、新人からの2シーズン連続全試合フルイニング出場を達成した。  1950年の2リーグ分立後、56年の佐々木信也(高橋)、58年の長嶋茂雄(巨人)、61年の徳武定之(国鉄)、昨年の源田と4人が新人で開幕から全試合フル出場を果たしたが、2年目も続けたのは源田だけだった。

◆ソフトバンクは西武に快勝し、4年連続の80勝に到達した。今季はリーグ優勝を逃したが、近年の安定した強さを示す数字だ。  レギュラーシーズンの本拠地最終戦を終えたセレモニーで、工藤監督は「2位という悔しい思いをしたのも事実。クライマックス(シリーズ)で勝って、勝ちまくって、日本一になることが使命」と誓った。

◆今季限りで現役を引退するソフトバンクの本多雄一内野手(33)が6日、本拠地ヤフオクドームでの西武戦に「1番・二塁」で先発出場し、4打数2安打1得点だった。試合後のセレモニーで「きつい時も悔しい時も乗り越え、リーグ優勝、日本一の歓喜を(仲間と)ともにできたことは財産」と涙ながらに語った。今後は指導者を目指す。  三回に四球を選んでホームを踏み、二塁守備もそつなくこなした。七回は内角球を右翼線へ。2010、11年と盗塁王に輝き、通算342盗塁の俊足で三塁に到達すると、球場が大歓声に包まれた。八回は遊撃手の頭上をライナーで越える二塁打を放った。  鹿児島実高、三菱重工名古屋を経て06年に大学生・社会人ドラフト5巡目でソフトバンク入り。13年間で1313試合に出場し打率2割7分6厘、1289安打、15本塁打、347打点だった。

◆西武の山川は5打数無安打で打点を124から伸ばせず、同僚でリーグ最多127打点の浅村に追い付くことはできなかった。三回は無死一、二塁、五回は一死二塁、九回は一死一、二塁と得点圏で凡退が続き「お膳立てもあったのに悔しい」と苦笑した。  ただ47本塁打は、2位の柳田(ソフトバンク)に11本差をつけてのトップ。初タイトルとなる本塁打王は確実で「600打席以上立って、一度も手を抜かなかった」と胸を張った。 斉藤大(新人でプロ初先発も6四死球と制球を乱し5失点) 「ランナーを出しても落ち着いて投げられたら、もっと違う結果になったかと思う」 辻監督(88勝53敗2分けでシーズンを終え) 「上出来でしょ。よくここまでやってくれた。1年間フルで出た選手もいるし、大きな故障をせずに乗り切れた」

◆ソフトバンクの西田が2点を追う二回に逆転の4号3ランを放った。二死一、二塁で斉藤大の外寄りの球を右中間へ。この日は本多の引退試合とあって「本多さんの最後の試合。逆転できて良かった」と言葉に思いがあふれた。  7月上旬に3試合連続本塁打をマークして以来の一発。打撃を課題にしているだけに、クライマックスシリーズに向けていいアピールとなった。

◆6日の西武戦で引退試合に臨んだソフトバンク・本多雄一内野手(33)は「一生忘れないと思います」と最後の晴れ舞台を振り返った。代名詞の俊足で何度もダイヤモンドを駆け回った。  「『走れ、走れ、本多』のコールがいつも背中を押してくれました」  その声援をこの日は三回に浴びた。四球で出塁後、上林の初球で完璧なスタートを切った。「13年間で、あんなにいいスタートを切ったことはないかも」。誰もが成功を確信したが、投球はまさかの死球。試合前に「それだけは決めたい」と話していた通算343個目の盗塁は幻と消えた。  「スタートが切れたことがよかった。二塁に到達するまで歓声は聞こえていました」  七回に右翼線三塁打。「あそこでいってこそ(自分)。いかないとファンに失礼」と迷わず二塁を蹴った。八回の現役最終打席でも左中間二塁打を放った。2安打3出塁で計9個のベースを踏んだ。  「満足です。思い切り走れたので」  ヤフオクドームの前で到着を待つファンに頭を下げて球場入りした。故障離脱中のチームメートや2軍選手、他球団の選手も観戦。セレモニーでは王球団会長、工藤監督、同期入団の松田、2人の娘から花束を受け取った。場内を一周後に胴上げ。深夜12時を過ぎても100人以上のファンに見送られて帰宅して「球場にきてから(試合後の)いまに至るまで、本当にみなさんに支えられて野球ができたんだなと思いました」と感謝を述べた。

◆リーグトップの127打点の浅村を3打点差で追っていた山川は5打数無安打で、打点もなし。三、九回はいずれも走者を2人置いた場面で凡退し「おぜん立てしてもらったのに...。意識しまくっていた」と、悔しさをあらわにした。それでも47発を放ち、本塁打王は確実。「全試合で4番を打てたのは誇りに思う。きつかったけど、楽しかった」と充実の表情で汗をぬぐった。

◆西武は6日、ソフトバンク最終戦(ヤフオクドーム)に3-8で敗れ、レギュラーシーズンを終えた。今季の西武は攻撃陣が記録的な数字を残した。浅村が127打点を挙げ、2001年のカブレラ、15年の中村剛也がマークした球団記録(124)を更新。山川と2人で251打点を記録するなどチーム得点は792。これまでの球団記録(04年の718)を大幅に上回り、1980年の近鉄の791を抜いて、50年の松竹の908、03年のダイエーの822に次ぐプロ野球歴代3位となった。またチーム安打数(1351)、打点(761)も球団記録(安打は08年の1339、打点が08年の693)を塗り替えた。

◆今季限りで現役を引退する本多が「1番・二塁」で先発し、4打数2安打1得点。七回には内角球を右翼線へ。2010、11年と盗塁王に輝き、通算342盗塁の俊足で三塁に到達すると、球場が大歓声に包まれた。試合後のセレモニーで「きつい時も悔しい時も乗り越え、リーグ優勝、日本一の歓喜を(仲間と)ともにできたことは財産」と涙ながらに語った33歳。今後は指導者を目指す。

◆西武は6日、ソフトバンク最終戦(ヤフオクドーム)に3-8で敗れ、レギュラーシーズンを終えた。「9番・遊撃」で出場した2年目の源田壮亮内野手(25)がフルイニング出場を達成。プロ野球史上初となる「新人からの2シーズン連続全試合フルイニング出場」を成し遂げた。  2安打2打点の源田は「1年間試合に出た上で、優勝できたことがうれしいです」と充実感をにじませた。守りでは昨季リーグワーストの21失策だったが、今季は11失策。打撃でも打率・278、165安打、4本塁打、92得点と昨季以上の成績を残した。  1950年の2リーグ分立後、56年の佐々木信也(高橋)、58年の長嶋茂雄(巨人)、61年の徳武定之(国鉄)が新人で全試合フル出場を果たしたが、2年連続は初。源田が球史に名を刻んだ。(花里雄太)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
88532 0.624
(↓0.005)
優勝
(-)
0792
(+3)
653
(+8)
196
(-)
132
(+1)
0.273
(-)
4.24
(↓0.03)
2
(-)
ソフトバンク
80601 0.571
(↑0.003)
7.5
(↑1)
2671
(+8)
575
(+3)
199
(+3)
80
(-)
0.266
(-)
3.92
(↑0.01)
3
(-)
日本ハム
72663 0.522
(-)
14.5
(↑0.5)
2579
(-)
578
(-)
138
(-)
95
(-)
0.25
(-)
3.78
(-)
4
(-)
ORIX
65735 0.471
(-)
21.5
(↑0.5)
0538
(-)
565
(-)
108
(-)
97
(-)
0.244
(-)
3.69
(-)
5
(-)
ロッテ
59763 0.437
(↓0.003)
26
(-)
5521
(+1)
600
(+8)
76
(-)
120
(-)
0.247
(↓0.001)
4.01
(↓0.03)
6
(-)
楽天
57823 0.41
(↑0.004)
30
(↑1)
1516
(+8)
582
(+1)
132
(+3)
67
(+1)
0.24
(-)
3.8
(↑0.02)