広島(★0対4☆)巨人 =リーグ戦25回戦・マツダスタジアム=
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巨人
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広島
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勝利投手:菅野 智之(15勝8敗0S)
敗戦投手:野村 祐輔(7勝6敗0S)

本塁打
【巨人】阿部 慎之助(11号・8回表ソロ),長野 久義(13号・8回表ソロ)

  DAZN
◆巨人は5回表、岡本の適時打で先制に成功する。2-0で迎えた8回には、阿部と長野の2者連続本塁打が飛び出し、リードを広げた。投げては、エース・菅野が9回無失点の快投で今季8度目の完封勝利。一方の広島は、天谷が現役最終打席をキャッチャーゴロで終えた。

◆今季の巨人は広島戦で24試合を消化して6勝17敗1分け。 今日の広島戦に敗戦して同一カード18敗となれば、75年中日戦(7勝18敗1分け)97年ヤクルト戦(8勝19敗)17年広島戦(7勝18敗)に次いで球団史上4度目の屈辱となってしまう。

◆試合前に引退会見を行った広島天谷宗一郎外野手(34)が「1番中堅」でスタメン出場。現役最後の打席は捕ゴロに終わった。 1回裏、現役最後の打席は、球界のエースでもある巨人菅野との対戦。3球続けたスライダーに詰まらされ、一塁線に転がる捕ゴロに倒れた。それでも一塁ベースを大きく駆け抜けると、一塁ベンチに並んだナインにハイタッチで迎えられた。 1回表の守備では先頭坂本勇の飛球が中堅後方に上がるも、落ち着いて背走してつかんだ。 また、左翼でスタメン出場した丸は、中堅以外でのスタメンは右翼で先発出場した14年5月7日ヤクルト戦以来(同日の中堅は赤松)。2回からは丸は中堅に回り、野間が左翼に入った。

◆広島天谷宗一郎外野手(34)が現役生活を終えた。 生え抜きで17年を過ごした功労者に対して、引退試合が用意された。「1番中堅」で1イニング限定の出場。緒方孝市監督から「自分で花を咲かせてこい」と送り出された。「代打だと思っていた。きれいなグラウンドに立たせてもらい、監督に感謝したいです」。 親しみ深い中堅で、いきなり坂本勇の大きな飛球が頭上に来たが、背走しながら余裕をもってキャッチ。打席では菅野に内角スライダーを厳しく攻められ、捕ゴロに倒れた。 セレモニーでは、場内に大きな声を響かせた。 「こんな僕のためにこのような機会を設けてくれた松田オーナー、球団関係者の方々に感謝申し上げたいです。久しぶりのマツダスタジアムで、チームメートの姿を見て、ファンの皆さんを見て、本当に夢と希望にあふれた素晴らしい球場だと改めて思いました。17年間、自分なりに必死に野球をやってきました。なかなか勝てず、ファンの皆さんには悔しい思いをさせてしまった。声援のおかげでここまでやれました。3連覇し、チーム一丸で強いチームになった。新井さんの言葉を借りれば、家族のようなチームの一員になれて誇りに思います。指導くださった監督、コーチ、支えてくださったスタッフ、チームメート、僕を生んでくれた両親、いつも支えてくれた妻、そして娘たちに感謝したいです」。 菊池らと涙の抱擁を交わしてグラウンドを後にした。「緊張しました。でも楽しかったです。菅野くんが真剣勝負をしてくれて、ありがたかった。最後にNO・1投手と対戦できて、いい思い出です。捕ゴロだったのも僕らしい」と天谷らしい笑顔を見せた。

◆巨人は5回2死一、二塁の好機で先発の広島野村から岡本が中前打を放ち1点先制した。6回には菅野のスクイズで加点。野村は6回途中で降板。巨人は8回に阿部の11号ソロと長野の13号ソロで突き放した。菅野は8度目の完封でリーグトップに並ぶ15勝目を挙げた。広島野村は6敗目。

◆広島は巨人先発菅野の前に4安打0封負けを喫した。先発野村は中盤に失点し、4番手今村も2者連続本塁打を浴びた。今季限りで現役引退の天谷は「1番中堅」で先発出場も、現役最後の打席は捕ゴロに倒れた。広島緒方孝市監督(49)の談話は以下の通り。   -菅野の前に4安打 緒方監督 簡単に点を取れる投手ではない。紙一重の打球も何本かあった。ただ。そこを相手が上回った。 -その中で田中が奮闘 緒方監督 広輔は今年、率があまり良くなかったけど、今日はいいアプローチをしていた。全員が失投を見逃さずに、という気持ちで行った中で広輔がいい結果を出した。 -野村は踏ん張りきれず 緒方監督 悪くはなかったけどね。悪くはなかった。 -天谷選手が引退 緒方監督 現役時代に一緒にプレーした選手。守備にしても、打撃にしても、"世界"に入ったときに爆発的な力を出す印象が強い選手だった。

◆高橋由伸監督(43)の今季限りの退任が決まった巨人が、大接戦のCS争いで大きな勝利を挙げた。試合前まで6勝17敗1分けとカモにされていた広島戦。前日3日に指揮官の辞任が表面化してから初戦だったが、チームは堂々と戦った。 エース菅野が広島打線をリズムよく封じた。打線も5回に岡本の今季97打点目となる適時打で先制。6回に菅野のスクイズで追加点を奪うと、8回に阿部が通算399号となるソロ弾、続く長野が2者連続本塁打を放ち、菅野を援護した。 菅野は最後まで投げきり、9回4安打11奪三振で今季8度目の完封勝利。自身初の200イニング、200奪三振をクリア。広島大瀬良と並ぶ15勝目で最多勝の可能性は、ライバルの次戦最終登板の結果にかかる。菅野は「誰かのために投げようと思ったことはあまりないけど、今日はしっかり監督のために投げようと思いました」と気合十分だった。 高橋監督はエースの活躍に「すごいですね。すごいの一言ですよね。今日これで201イニング? それもそうだし、8完封。言葉がないよね。今の時代としてもすごい? 時代と言っても、僕もちょっとしか知らない(笑い)。今年は数字もそうだけど、200イニングを何とかというところもあったし、内容がよくなければ、そこまで行かない数字だったと思う。最後、きっちり素晴らしいピッチングをしてくれた」と冗舌に賛辞を送った。CS争いで4位DeNAに1ゲーム差。9日の最終戦阪神戦に勝てば、2年ぶりのCS進出に大きく前進する。

◆広島野間峻祥外野手が4年目で初めて年間の規定打席に達した。 残り3打席で迎え、引退試合の天谷に代わって2回から出場し、3打席に立った。丸の負傷離脱からチャンスをつかみ、終盤はレギュラー定着。「あまり意識していなかった。まさかいけると思っていなかった。(優勝も)去年までとは喜びが違いました」。14年ドラフト1位にとって飛躍のシーズンになった。

◆巨人菅野智之投手(28)は、純な思いを右腕に込めた。広島打線を寄せ付けず、9回4安打無失点。力強く白星をつかむと、言葉を紡いだ。「誰かのために投げようと思ったことはあまりないけど、今日はしっかり監督のために投げようと思いました」。今季限りでの退任を発表した高橋監督にささげる勝利だった。 これぞエースの投球だった。得点圏に走者を置くとギアを上げ、三振を奪った。1回1死二塁から丸、鈴木を連続三振。4回も1死二塁から鈴木、メヒアを空振り三振に斬って取った。17年4月25日以来となる敵地マツダスタジアムでの完封勝利。「どの試合も負けられないけど、マツダでチームが0に抑えて勝てた」と胸を張った。 高みを登り切った。15勝、10完投、200回投球を達成。すでに到達していた4項目(登板25試合、勝率6割、150奪三振、防御率2・50以下)から、沢村賞の選考基準全7項目をクリアした。加えて球団では81年の"怪物"江川以来37年ぶりに200奪三振を記録。「去年から狙って沢村賞を取ると言っていた。使ってくれた監督、コーチ、トレーナーに感謝したい」と力強く、王者をねじふせた。 6回1死一、三塁からは大きな追加点となるスクイズも成功。快刀乱麻の活躍に、高橋監督の言葉もいつも以上に弾む。投球回、完封数を絶賛し、「すごいこと。言葉がないよね」とたたえた。 CS進出に向けても大きな1勝を挙げ「CSはここ(マツダ)でやる。弾みをつけられた」と言い切った。見据えるのは下克上、そして日本一だ。【島根純】

◆巨人菅野智之投手(28)が広島打線を寄せ付けず、9回4安打無失点。17年4月25日以来となる敵地マツダスタジアムでの完封勝利を挙げた。 ▼菅野が3試合連続で今季8度目の完封勝ち。シーズン8完封以上は78年鈴木啓(近鉄)以来で、巨人では63年に10完封した伊藤以来、55年ぶりだ。広島戦は今季初完封となり、これで今季の菅野はセ5球団とロッテから完封をマーク。シーズンに同一リーグの全5球団から完封は92年野茂(近鉄)以来で、セ・リーグでは89年斎藤雅(巨人)以来。シーズンに6球団から完封は、セ・リーグが7球団制だった52年別所(巨人)以来、66年ぶり。

◆今季限りでの退任が決まった巨人高橋由伸監督(43)が4日、広島25回戦(マツダスタジアム)で、監督通算209勝目を収めた。エース菅野智之投手(28)が今季8度目の完封でリーグトップに並ぶ15勝を挙げた。打っては、同監督が手塩にかけた岡本和真内野手(22)が5回の先制打で97打点目をマーク。阿部、長野も連続本塁打を放ち3位を死守した。レギュラーシーズンは9日阪神戦(甲子園)を残すのみとなった。 威風堂々といつも通りを貫いた。高橋監督は肌寒さをしのぐジャンパーを着込み、ベンチから戦況を見つめた。試合中は1度もベンチに腰を下ろさず、ナインと戦う姿勢もまた、いつもと同じだった。若き主砲の岡本、ベテラン阿部、長野の打棒がさく裂し「みんな、それぞれ慎之助も長野もいい本塁打を打ってくれた。いつもながら、もっと早くというのはあるけど、2点取った後の中押し、2本塁打は大きかった」。V3の王者を敵地で退けた。 前日3日に今季限りでの辞任を表明。一夜明けても、周囲は異様な雰囲気に包まれた。球場到着後の全体ミーティングで選手たちに胸の内を伝えた。「勝敗の責任を取るのが俺の仕事。悔しいけれど、現実はこうなっている。それに目を背けることはできない」。言葉を詰まらせ、目頭を熱くした。高橋監督と同じ誕生日で同級生の上原は「思うことだらけですけど、僕らは選手なので、残り2試合を最後までやることが大事。それが終わってからいろんな感情が出てくると思う」。寂しさを隠し、目の前の戦いに集中しようと後輩たちを鼓舞した。 チーム全体に宿る魂がグラウンドで躍動した。5回2死一、二塁、岡本が先制の中前適時打。4番に抜てきされ、今季全試合先発してきた若き主砲が号砲を鳴らした。8回には阿部が通算400号に王手をかける11号ソロで加勢。「監督と1試合でも多く出来るように。とにかく勝つことだけ」と、選手時代から苦楽をともにしてきた"盟友"も1発で応えた。長野も2者連続の13号ソロで続き「阿部さんになんとか続こうと思い切りいった」。ベンチで出迎える指揮官と小気味よくハイタッチを重ねた。 残り1試合が、その先への道を切り開く。4位DeNAを1ゲーム差に広げて3位をキープ。CS進出をたぐり寄せる1勝に高橋監督は「勝ち方というより、勝たないと可能性がね。今日、勝ったことも大きいですし、あともう1試合勝てるようにというところです」と最終戦へと突き進む。98年の入団以降、1日も欠けずに「背番号24・高橋由伸」が巨人にいた。ラストゲームはもっと先でいい。【為田聡史】

◆巨人菅野智之投手(28)が広島打線を寄せ付けず、9回4安打無失点。17年4月25日以来となる敵地マツダスタジアムでの完封勝利を挙げた。 ▼菅野の3試合連続完封勝ちは昨年4~5月に次いで2度目。2リーグ制後、3試合以上の連続完封を2度は、国鉄時代の58年と巨人時代の65年にマークした金田、64、65年米田(阪急)65、66年バッキー(阪神)に次いで52年ぶり4人目。巨人では1リーグ時代にスタルヒンと川崎が3度、藤本が2度やっているが、2リーグ制後に2度は球団初。

◆広島田中広輔内野手(29)が完封負けを喫した打線の中で1人、マルチ安打&マルチ盗塁で気を吐いた。1回の盗塁で2年連続30盗塁の大台に乗せ、2本上積みした安打数は149本。7日のレギュラーシーズン最終戦(対DeNA、マツダスタジアム)で、3年連続150安打&3年連続フルイニング出場を目指す。 広島打線が苦しむ中、田中はクールに2安打を放った。今季限りで引退を発表した天谷に定位置の1番を譲り、2番で先発出場。チームで唯一のマルチ安打は、自身7試合ぶり。さらに今季初のマルチ盗塁で塁上をかき回し、1人気を吐いた。試合後は「たまたまです」と淡々と振り返るも、クライマックスシリーズで対戦する可能性もある右腕に嫌なイメージは植え付けた。 1番を外れた8月18日に2割5分台だった打率は2割6分3厘にまで上がった。打順降格にも、早出調整のルーティンをかえず、コンディション維持に努めた。ロングバットでのロングティーで体全体を使う意識を植え付け、最近では踏み込んだ右足1本でスイングさせることでバットのヘッドを走らせる感覚を養った。日々の積み重ねが、安定した成績につながっている。 1回に二盗を決めて、2年連続30盗塁の大台に乗せると、4回には菅野のモーションを完璧に盗んで二盗を成功。リーグトップ32盗塁の山田に肉薄も「向こうの方が試合が多い。それでも1つでも多く増やしたい。(30盗塁は)ひとつの目標としてあったので良かった」と冷静だ。 何より意識してきた記録である15年4月1日から続けるフルイニング出場を567試合に伸ばした。残すは今季最終戦となる7日DeNA戦のみ。「気を抜かずに頑張りたい」。3年連続の完走を誓った。 緒方監督は0封を喫した中で孤軍奮闘の田中をたたえた。「今年は率があまり良くなかったけど、今日はいいアプローチをしていた。全員が失投を見逃さずに、という気持ちで行った中で、広輔がいい結果を出した」。一昨年のクライマックスシリーズではMVPを受賞した短期決戦に強さを発揮する"シリーズ男"だけに、復調気配は頼もしい限りだ。【前原淳】

◆高橋由伸監督の今季限りでの辞任が明らかになった巨人が広島に快勝。先発の菅野は広島打線を4安打に抑え、今季8度目の完封で15勝目を挙げた。  巨人は五回一死から広島の先発・野村を攻め、坂本勇と田中の連打で一、二塁とすると、二死後、岡本が中前に運ぶ適時打を放ち先制した。六回には一死一、三塁から菅野がスクイズを決めて追加点。八回には4番手の今村から阿部、長野が連続本塁打を放ち突き放した。  なお、今季限りでの現役引退が発表された広島・天谷宗一郎外野手が「1番・中堅」で先発出場。一回の第1打席で捕ゴロに倒れ、二回裏の守備で退いた。

◆巨人の岡本が先制打を放ち、今季97打点目をマークした。五回二死一、二塁で内角低めに食い込んでくるシュートを中前へとはじき返した。「強引にならずに、うまくセンター方向に打ち返すことができた」と自賛した。  一塁ベースを回ると、ベンチに向かってガッツポーズした。これで7試合連続安打。9月中旬に不振に陥っていたが、復調したようだ。

◆巨人・岡本和真内野手(22)が4日、広島最終戦(マツダ)に「4番・一塁」で先発出場。両軍無得点で迎えた五回、二死一、二塁のチャンスで先制の中前適時打を放った。  広島先発・野村のシュートにつまりながらも、打球は中堅手の前にポトリと落ちた。二塁から坂本が生還し、岡本は今季97打点目。史上最年少での100打点到達へ、あと「3」に迫った。  前日3日には、高橋由伸監督(43)の今季限りでの辞任が明らかになった。今季は開幕からスタメンで起用され、6月からは4番を任されてきた若き大砲が、指揮官の期待に応える活躍を見せた。

◆巨人・阿部慎之助内野手(39)、長野久義外野手(33)が4日、広島最終戦(マツダ)の2点リードの八回、2者連続本塁打を放った。  この回から登板した広島の4番手・今村の初球を阿部がすくい上げ、右翼席へ11号ソロ。続く長野も甘く入った初球を左翼席へたたき込む13号ソロで、この回2点を追加し突き放した。  阿部はこれで通算本塁打が399本となり、通算400号本塁打に王手をかけた。

◆巨人は今季限りでの辞任を表明した高橋監督への思いが実るように快勝した。長野は3-0の八回に左翼席にダメ押しのソロを放ち「(監督と)一試合でも長くできるように頑張りたい」と表情を引き締めた。  残り1試合に勝ったとしても3位を争うDeNAの勝敗次第では、クライマックスシリーズ(CS)進出の道は断たれる。八回に11号ソロをマークした阿部は「勝って待っているしかない」と言葉に力を込めた。 巨人・斎藤投手総合コーチ(菅野に) 「素晴らしい。言うことがない」

◆岡本は五回二死一、二塁から先制の中前適時打を放ち、「2打席目で凡打していたので、(走者を)かえせてよかった」とうなずいた。今季97打点とし、史上最年少での100打点到達へあと「3」に迫った。今季4番に定着した由伸巨人の象徴的存在は、「(残り1戦を)勝って待ちたい」と表情を引き締めた。

◆今季限りで引退する天谷が「1番・中堅」で出場。一回の打席で捕ゴロに倒れ、二回の守備で退いた。試合後のセレモニーではチームメートから胴上げされ「家族のようなチームの一員になれたことを誇りに思う」と涙ぐんだ。福井商高から2002年にドラフト9巡目で入団。赤ヘル一筋17年の34歳は「心が折れそうなときもファンが奮い立たせてくれた」と感謝の思いを口にした。

◆2点リードの八回、先頭の阿部が今村の内角低めの直球をすくい上げ、右翼席へ11号ソロ。2試合連続となる一発で通算399本塁打とし、節目の400号に王手をかけた。「勝って待っているしかないので、(高橋)監督と1試合でも多くできるように」。9日の阪神との今季最終戦(甲子園)で偉業達成に挑む。

◆巨人は4日、広島最終戦(マツダ)に4-0で勝ち、クライマックスシリーズ(CS)進出へ大きく前進した。菅野智之投手(28)が9回4安打11奪三振で3試合連続、シーズン8度目となる完封勝利を飾り、リーグトップに並ぶ15勝目(8敗)を挙げた。8度以上の完封は1978年の近鉄・鈴木啓示以来40年ぶり。試合前には、前日3日に今季限りでの退任が決まった高橋由伸監督(43)がチーム内ミーティングで涙。指揮官の思いにエースが応えた。  勝利後のマツダスタジアムに、G党からの「ヨシノブ」コールが響き続けた。高橋監督の辞任表明から一夜明け。今季ここまで1勝9敗1分けと苦杯をなめさせられてきた"鬼門"でエース・菅野が広島打線を封じた。  「普段は誰のために投げるとかないですけど、きょうは監督のために投げようと思っていました」  記録ずくめの歴史的快投に、会心の表情を見せた。自身2度目の3連続完封。自己最長を更新する31イニング連続無失点。15勝は大瀬良(広島)に並ぶリーグトップ。投球回を6年目で自身初の大台となる201に伸ばし、目標に掲げていた沢村賞の項目を全てクリアした。  九回には丸から三振を奪い、球団では1981年の江川卓以来37年ぶりとなるシーズン200奪三振も達成した。さらに、シーズン8完封は鈴木啓示(近鉄)以来40年ぶりの快挙となった。  チームは思いを一つにしていた。山口寿一オーナー(61)=読売新聞グループ本社代表取締役社長=が3日、東京・大手町の球団事務所で高橋監督の今季限りでの辞任を明らかにした。就任から3年連続V逸の責任を取っての決断だった。  この日の試合前、球場に到着した首脳陣、選手、スタッフらがベンチ裏の一室に集められ、約5分間のミーティングが行われた。高橋監督は、そこで辞任を報告。「悔しいけど現実がこうなっている。目を背けることはできない。責任を取るのが俺の仕事」と涙を流して謝った。  その姿に、目を真っ赤にする選手もいたという。菅野も「自分たちが力及ばなかったところもある」と"涙のミーティング"で奮い立った一人だ。高橋監督は試合後「すごい以外、言葉はない。最後にきっちり素晴らしいピッチングをしてくれた」と、由伸巨人の絶対的エースであり続けた右腕に賛辞を並べた。  巨人は次期監督候補として原辰徳前監督(60)に一本化し、就任を要請している。原氏といえば菅野の伯父。縁の深い名将と常勝軍団復活を託されるが、今季の戦いは、まだ終わらせない。残るは9日の阪神との今季最終戦(甲子園)のみ。4位・DeNAとのCS進出争いで、菅野が大きな勝利をチームにもたらした。 (谷川直之) シーズン7完封の記録を持つ巨人・斎藤投手総合コーチ 「素晴らしい!! (菅野は)むちゃくちゃ気合が入っていました。(シーズン完封数を)抜かれちゃったよ。チクショー!!」

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
82582 0.586
(↓0.004)
優勝
(-)
1718
(-)
647
(+4)
175
(-)
94
(+2)
0.262
(↓0.001)
4.13
(-)
2
(-)
ヤクルト
73652 0.529
(↑0.003)
8
(↑1)
3645
(+2)
656
(+1)
132
(+1)
67
(-)
0.267
(-)
4.16
(↑0.03)
3
(-)
巨人
66715 0.482
(↑0.004)
14.5
(↑1)
1616
(+4)
571
(-)
150
(+2)
61
(-)
0.256
(-)
3.8
(↑0.03)
4
(-)
DeNA
65722 0.474
(-)
15.5
(↑0.5)
4560
(-)
632
(-)
178
(-)
71
(-)
0.252
(-)
4.24
(-)
5
(-)
中日
62772 0.446
(-)
19.5
(↑0.5)
2590
(-)
650
(-)
95
(-)
59
(-)
0.266
(-)
4.4
(-)
6
(-)
阪神
59752 0.44
(↓0.004)
20
(-)
7558
(+1)
595
(+2)
84
(-)
74
(-)
0.254
(-)
4.02
(↑0.02)