巨人(☆1対0★)DeNA =リーグ戦25回戦・東京ドーム=
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DeNA
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巨人
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勝利投手:菅野 智之(14勝8敗0S)
敗戦投手:砂田 毅樹(0勝2敗0S)

本塁打
【巨人】長野 久義(12号・9回裏ソロ)

  DAZN
◆巨人が3連勝。巨人は両軍無得点のまま迎えた9回裏、1死から長野のソロが飛び出し、サヨナラ勝利を収めた。投げては、エース・菅野が9回無失点の快投。今季7度目の完封で14勝目を挙げた。敗れたDeNAは、先発・東が7回無失点と力投するも、打線が5安打無得点と沈黙した。

◆DeNA東克樹投手は、7回無失点も8回の攻撃で代打が送られ、勝ち投手の権利なく降板した。 5日巨人戦(富山)で新人としては史上初となる巨人戦4戦4勝の快挙を達成しており、19日同戦で5戦5勝に更新していた。 現在11勝。ドラフト制後、リーグ新人左腕の最多勝利数はは67年江夏(阪神)02年石川(ヤクルト)の12勝にあと1勝としていたが、持ち越しになった。

◆巨人長野久義外野手が、村田修一に贈る劇的なサヨナラアーチを放った。 両チーム無得点で迎えた9回1死。DeNA3番手砂田から左中間に運ぶ12号サヨナラ弾。13年8月29日の阪神戦以来、自身3度目のサヨナラ本塁打だ。 「うれしいです。(しかし、前の打席で)2回チャンスで打てなかったのは残念。(サヨナラは)出塁することを心掛けて打席に入った。入ってくれて良かった。(投手戦に)なかなか打てず申し訳なかった」と話した。 この日は試合前に今季限りで現役引退を表明した村田修一のセレモニーもあり、同じ九州の先輩の引き際に思いも募った。「村田さん見てますか~っ。良かったです」。解説席で見守った村田にバットで恩返しした。

◆巨人菅野智之投手が、自己最多を更新するシーズン9完投、7完封で14勝目を挙げた。菅野の7完封は、89年の斎藤雅樹と並んだ。 ちなみに球団記録は1943年に藤本英雄がマークした19完封。 菅野は低めを丁寧に突く投球で、9回打者33人に散発5安打無失点の好投。打線も長野が土壇場9回にサヨナラソロで応えた。 お立ち台にあがったエースは「(長野のサヨナラ弾は)打った瞬間見ていなかったけど、放物線を見て入るんだなと思った。これ以上ない結果。チームが勝って良かった。(DeNA先発の)東くんも気迫を感じたし本当にいいピッチングだと思った。まだ負けるわけにはいかないので意地をみせました。残り試合は少ないけど、何とか1つでも上の順位でいけるように頑張りたい」と心地よい汗をぬぐった。

◆DeNA東克樹投手が、好投しながらも巨人菅野智之投手との差を痛感した。 ピンチをつくりながらも、抑えて7回無失点。6回2死一、二塁で4番岡本を内角直球で見逃し三振。「その前の外への球で体が追ったから、インコースしかないと思った」。7回には再び2死一、二塁で菅野を打席に迎え空振り三振に仕留めた。試合前ミーティングから「野手のつもりで投げろ」と言われていた。粘る菅野に集中力を切らさなかった。 試合前から菅野との投げ合いに「勝ちたい」と口にしていた。胸を借りながら、堂々たる投手戦を演じた。「絶対に先に点を取られたくないと、強く心の中で思った。緊迫した中で自分の力は出せたと思う」。新人12勝目は届かなかった。「これがエースというものを見せてもらった。エースとの差。7回無失点と9回無失点。これが差なのかなと思いました」。その差を埋めながら、まだまだ大きく成長していく。

◆巨人菅野智之投手が今季7度目の完封勝利。 巨人投手のシーズン7完封は89年斎藤雅樹以来、29年ぶりとなった。東京ドームでは4試合連続完封となり、同球場で6完封。巨人投手が本拠地球場でシーズン6完封は52年のフランチャイズ制後、58年藤田、63年伊藤、70年渡辺秀の5完封を上回る球団史上最多。菅野のスコア1-0完封は17年4月25日広島戦以来2度目。巨人投手がサヨナラ本塁打で1-0完封は、86年8月7日中日戦で中畑が本塁打、槙原が完封して以来となった。

◆「男」が巨人を3位に返り咲かせた。9回1死、男・長野久義外野手(33)が12号サヨナラ弾で勝負を決めた。今季5戦5敗だったDeNA東をつかまえきれずに無得点のまま最終回まで進むも、男・菅野智之投手(28)が、被安打5で今季7度目の完封で14勝目を飾った。7完封は球団では89年斎藤雅樹投手総合コーチ以来29年ぶり。9日に引退した元BC栃木・村田修一氏のセレモニーが行われた一戦は"男気(おとこぎ)"で価値ある1勝をもぎ取った。 男らしい惜別のサヨナラ弾だった。0-0の9回1死。緊迫した投手戦を長野の一振りが終わらせた。DeNA砂田のフォークをすくい上げた。手応え以上の飛距離で、左中間スタンドへ打球を放り込んだ。迎えたヒーローインタビュー、お立ち台の上から声を張り上げた。「村田さん、見てますかー!」。もう1人の主役に、手を振った。 粋な心遣いがムードを高めた。現役引退した村田氏が来場した。日大の先輩で12年から昨季まで同じユニホームで戦ってきた。第1打席から出ばやしを「Maroon5」の「Sugar」に変更した。「あれ、修さんが使ってたやつです」。NPB復帰がかなわなかった男に代わり、東京ドームに響き渡らせた。 屈辱にまみれても、はい上がる。その姿もそっくりだった。2回無死二、三塁。先制機で浅い右飛に倒れ、無得点に終わった。「決められず、残念なのが強かった」。併殺打の嘆息に包まれても、試合途中の帰宅を命じられても、逃げずに次の機会を辛抱強く待った大先輩のように、凡退しても前を向き、9回の打席で取り返した。 激しいCS争いが繰り広げられる中、0・5差だったDeNAを破って3位に再浮上した。エース菅野にも白星をつけた。試合後、村田氏を「あんなきれいな終わり、ある?」と目を丸くさせ、「律義な長野の思いがボールに乗ったんじゃない? 第1打席から曲を使ってくれたのは気づいてた。最終打席まで使ってくれる優しさがホームランになった」と感嘆させた。 試合後、左翼席から村田氏の横浜時代の応援歌が流れた。「ウルッときました。寂しいですけどね」と、長野の涙腺が緩んだ。誰からも愛された男を送り出したサヨナラ弾。強く、優しく、格好いい男の生きざまを継承する。【島根純】 ▼長野が9回にサヨナラ本塁打。巨人のサヨナラ弾は今季138試合目で初。長野のサヨナラ打は14年7月5日中日戦以来5本目で、サヨナラ弾は13年8月29日阪神戦以来5年ぶり3本目。巨人の1-0サヨナラ弾は、16年脇谷以来9度目。

◆「男」が巨人を3位に返り咲かせた。9回1死、男・長野久義外野手(33)が12号サヨナラ弾で勝負を決めた。今季5戦5敗だったDeNA東をつかまえきれずに無得点のまま最終回まで進むも、男・菅野智之投手(28)が、被安打5で今季7度目の完封で14勝目を飾った。7完封は球団では89年斎藤雅樹投手総合コーチ以来29年ぶり。9日に引退した元BC栃木・村田修一氏のセレモニーが行われた一戦は"男気(おとこぎ)"で価値ある1勝をもぎ取った。 負けられない戦いを制した。巨人菅野が強烈な気迫をマウンドで体現した。ベンチから無邪気に飛び出したのが勝利の合図だった。「東くんからも気迫を感じた。本当にいい投手。でも、負けるわけにはいかない。ここまできたら結果が全て。今日の勝ちは、かなり大きい」と、気持ちよさそうに劇的勝利を振り返った。被安打5、103球の今季7度目の完封劇で14勝目。堂々の大仕事だった。 シーズン大詰めでの大一番。痛いかゆいは論外だった。7回2死一、二塁の打席で空振り三振に倒れたときに、明らかな異変に襲われた。「何もなかったわけじゃない。でも無理はしていない。投げられるからいった。チームには迷惑をかけられない」。右足の付け根付近を押さえて、表情を曇らせた。ベンチに戻ると、投手コーチとメディカルスタッフが心配そうに駆け寄る。だが、背中で意思を示しマウンドに向かった。 体の異変を技術でねじ伏せた。8、9回の2イニングは全て変化球の15球。「相手は本塁打が得点源。真っすぐマークできていたので(変化球の)低めを意識した」と最善策のすべを自力で見いだした。エースにはエースの意地がある。ルーキーに屈するほど柔じゃない。自己最多を更新するシーズン9完投も「小林をはじめ、野手の方、今日も長野さんが打ってくれた。チームのみんなのおかげです」。エースの"男気"がチームを突き動かす。【為田聡史】

◆今季限りで現役を引退した元BC栃木の村田修一氏(37)が28日、巨人-DeNA戦でセレモニーに登場した。 かつて在籍した両球団の大一番の前に「チームを強くすることができなかった。申し訳ないです」とDeNAファンに頭を下げた。また、巨人時代を振り返り「勝つことの難しさ、心構え、いろんなことを教えてもらった」と感謝した。背番号25を引き継ぐ、巨人岡本、DeNA筒香から花束贈呈。試合後は場内を1周し、両軍ファンから在籍時の応援歌を熱唱され、涙を浮かべた。三塁守備位置では両軍選手から5回、胴上げ。「なかなか自分のポジションで上げてもらえることはないですから」と感激していた。

◆今季東京ドームでは8勝2敗と圧倒的な勝率を誇っていたDeNAが、サヨナラ負けで大きな黒星を喫した。ラミレス監督は「素晴らしい試合だった。何も後悔はしていない。リーグを代表する2人の投げ合いだったが、1スイングで試合が決まった」と振り返ったが、直接対決で敗れ、入れ替わりで4位に転落した。 9回の攻撃で勝負を仕掛けた。先頭ソトが左前安打で出塁すると、代走楠本を送った。この試合でも唯一のマルチ安打を記録した助っ人を下げた。「足が速い楠本を入れて、プレッシャーをかけて、次のロペスに失投があればと思った。残念ながらそうはならなかったが」。ロペスは三ゴロ、筒香は申告敬遠。あと1本が出なかった。 残すは7試合。0・5差で再び追う立場となったが「今日は負けて1歩後退したが、また明日勝つだけだ」と黒星に大小はつけずに、次へと目を向けた。【栗田成芳】

◆巨人岡本が先代の背番号25、村田氏が見守る中で泥くさく安打を放った。 2回、5戦5敗だったDeNA東のチェンジアップに食らいつき内野安打。8回2死二塁ではパットンを強襲する一打も、フェアゾーンを走って送球を背中に受け、守備妨害でアウトとなった。「2回チャンスがあったので何とかしたかった」と悔しがったが、村田氏の前での勝利に「こういう試合で勝てて良かった」。

◆巨人は11日、28日のDeNA戦で、東京ドームの三塁側1階席と2階席の一部に内野自由席を特設し、小学生は100円、女性と中高大学生は500円で販売する。

◆横浜(現DeNA)と巨人で活躍し、今季独立リーグのルートインBCリーグ栃木で現役を引退した村田修一内野手のセレモニーが行われた。試合前に両球団とファンに「自分の選んだ道に後悔はない。支えてくれた皆さま、本当にありがとうございました」と時折言葉を詰まらせながらあいさつした。  スピーチを終えると、両球団を退団後に背番号25を受け継いだDeNAの筒香、巨人の岡本から花束を贈られた。村田は横浜と巨人の通算15年間で360本塁打をマークし、昨季限りで巨人を自由契約となった。

◆3位のDeNAはドラフト1位の東(立命大)、0.5ゲーム差で追う巨人は菅野が先発した。菅野は二回、2者連続の四球などで一死一、三塁のピンチを招くが、7番・伊藤を二ゴロ併殺打に打ち取った。その裏、巨人も無死二、三塁と好機を作ったが、後続を断たれ無得点。その後も両軍得点なく五回を終えて0-0。

◆DeNAの乙坂が3試合連続安打をマークした。五回一死で追い込まれながらも菅野の変化球にバットを合わせ、三遊間を抜く技ありの左前打。3試合連続の先発起用に応えた。  昨年のポストシーズンで活躍。今季は不振で2軍暮らしが長かったが、再び大詰めで調子を上げてきた。前日27日の阪神戦では中堅の守りで飛球に飛び込み、捕球したと判断してプレーを止めたことでランニング本塁打を許した。「それでも使っていただいた。ベストのプレーをする」と、その後に適時打でミスを取り返した勢いを持ち込んだ。

◆巨人が1-0でDeNAに九回サヨナラ勝ちし、3位に浮上した。0-0の九回一死から長野久義外野手(33)が左越え12号ソロを放ち、投手戦に決着をつけた。先発のエース・菅野智之投手(29)は9回103球を投げ5安打に抑え、今季7度目の完封。14勝目(8敗)を挙げた。  DeNAの先発は巨人キラーのドラフト1位・東(立命大)。0.5ゲーム差で追う巨人は二回、無死二、三塁と好機を作ったが、後続を断たれ無得点に終わった。その後も両軍とも再三走者を出しながらもあと1本が出ず、無得点で終盤戦を迎えた。  巨人は八回、二死二塁で4番・岡本の打球はDeNA2番手のパットンを強襲。捕手・嶺井がボールを拾い一塁に転送するが、送球がラインの内側を走っていた岡本を直撃。守備妨害でアウトとなった。  DeNAは九回、先頭の2番・ソトが左前打で出塁。3番・ロペスの三ゴロは併殺コースだったがマギーが打球の処理に手間取り一死二塁。4番・筒香の申告敬遠と5番・宮崎の投ゴロで二死二、三塁としたが、6番・乙坂は三飛に打ち取られた。DeNA・東は7回無失点と好投したが、打線が沈黙。4位に転落となった。

◆巨人が1-0でDeNAに九回サヨナラ勝ちし、3位に浮上した。先発のエース・菅野智之投手(29)は9回103球を投げ5安打に抑え、今季7度目の完封。14勝目(8敗)を挙げた。気迫の投球で投手戦を制した菅野はお立ち台で試合を振り返った。  --長野がサヨナラ弾  「打った瞬間見ていなかったんですけど、放物線を見て入るのかなと思っていました」  --チームにとっても大きな本塁打  「これ以上ない結果だと思いますし、チームが勝ってよかったです」  --CSを争う大事な一戦。東投手に投げ勝った  「東くんも気迫を感じましたし、本当にいいピッチャーなんだなって感じました」  --菅野投手もすごい気迫だった  「負けるわけにはいかないので。意地を見せました」  --試合中、足を気にしていたようだが  「大丈夫です、はい」  --大事なゲームを取った。今後に向けて  「残り試合も少ないですけどなんとか一つ上の順位に行けるように最後までがんばります」

◆巨人が1-0でDeNAに九回サヨナラ勝ちし、3位に浮上した。0-0の九回一死から長野久義外野手(33)が左越え12号ソロを放ち、投手戦に決着をつけた。3位を争うDeNAに競り勝ち、G党から大歓声を浴びた長野。この日東京ドームでのセレモニーに出席した日大の先輩、村田修一氏(37)に呼びかけた。  --大歓声を浴びて  「嬉しいですけど、二回のチャンスに打てなかったので、その分は残念です」  --悔しさの中で放った本塁打ですね  「出塁することを心がけて打席に入ったので、入ってくれてよかったです」  --自身3度目のサヨナラ弾  「ありがとうございました!」  --しびれるゲームだった  「なかなか打てなかったので、申し訳ない気持ちです」  --この一発で今後につながった  「また明日がんばります」  --最後に一言  「(この日セレモニーを行った)村田さん見てますか? よかったです。ありがとうございました」

◆巨人の菅野が5安打で要所を締め、今季7度目の完封で14勝目を挙げた。四回までのピンチを2併殺でしのぐと、終盤まで打たせて取った。「DeNAの一番の得点力は本塁打で、ましてや(狭い)東京ドーム。とにかく低めに丁寧に投げた」と納得顔だった。  0-0の九回一死一、二塁で宮崎のゴロを処理した際、右脚を痛めたそぶりを見せたが、続投して乙坂を三飛に仕留めた。その裏に長野のサヨナラ本塁打が出た。3位を争うDeNAに勝ち「かなりでかい」と余韻に浸った。 巨人・斎藤投手総合コーチ(完封勝利の菅野に) 「素晴らしい」

◆DeNAのルーキー東は菅野と息詰まる投手戦を演じたが、報われなかった。今季5戦全勝だった巨人を相手に要所で制球力が光り、7回無失点で9三振。それでも終盤の好機で代打を送られずに完封した菅野に「あれが絶対的な信頼を得ているエース」と感服した。  ベンチは東の好投に報いようと終盤に代打、代走と勝負手を打ったが菅野を崩せなかった。サヨナラ負けで3位争いの大一番を落とし、4位に転落。ラミレス監督は「リーグを代表する2人の投げ合い。何も後悔はない。試合は素晴らしかった」とたたえた。 ラミレス監督(4位転落) 「一歩後退したが、切り替えてまた勝てるようにしたい」 伊藤(東を好リード) 「巨人打線は東を苦手としているのでこちらが何かを変える必要はない」

◆菅野は、かつての仲間の花道も飾った。今季で現役を引退した村田氏が惜別のスピーチを述べた特別な一戦。2013、14年のリーグ優勝をともに味わい、今季からは、かつて村田氏が担った選手会長を務める。試合後は一塁ベンチでねぎらわれ、「(村田氏のイベントが)決まってから、勝たなきゃと思っていた。良い形で花を添えられてよかった」と胸をなで下ろした。

◆D1位・東(立命大)は5戦5勝と得意にしていた巨人を7回5安打に抑え、1点も与えなかったが、チームはサヨナラ負けで4位転落。相手の菅野は完封で「『これがエースだ』というものを見させてもらいました。僕は7回無失点で、菅野さんは9回を無失点。絶対的な信頼がある人との差だと感じました」。それでも大事な試合で好投し「自信になりました」と胸を張った。 0-1での敗戦にDeNA・ラミレス監督 「素晴らしい試合。何も後悔していない。リーグを代表する投手の投げ合いだった」

◆白熱した投手戦に決着をつける一発だ。0-0の九回一死。長野が左中間席へ12号サヨナラアーチを運んだ。  「少し擦っていたのでどうかなと思ったけど、ギリギリ入ってくれてよかった。トモ(菅野)に勝ちがついてよかった」  雪辱を遂げた。二回無死二、三塁の先制のチャンスで右飛に倒れ、汚名返上の機会をうかがっていた。それが2013年8月29日の阪神戦以来、自身3度目のサヨナラ本塁打につながった。  この日は、日大の先輩でもある村田氏が現役時代に使った登場曲(Maroon 5のSugar)を使用。試合後には村田氏の胴上げに加わり「ベイスターズの選手も出てきてくれて、ベイスターズファンによる応援歌を聴いて少しウルっとしました。寂しい」と神妙な面持ちだった。 (吉村大佑)

◆巨人は28日、DeNA最終戦(東京ドーム)に1-0でサヨナラ勝ちし、DeNAに替わって単独3位に浮上した。菅野智之投手(28)が5安打で、球団では斎藤雅樹以来29年ぶりとなるシーズン7度目の完封。今季14勝目(8敗)を飾った。試合終盤は脚を気にするそぶりを見せながらも、クライマックスシリーズ(CS)進出を争う大一番で執念の快投を見せた。  エースの意地だ。重圧にも屈しなかった。九回二死一、三塁。乙坂を三飛に打ち取り、菅野はほえた。長野の劇的サヨナラ弾で決した熱戦は、背番号19が支配していた。  「東君の気迫を感じたし、本当にいい投手。まだ負けるわけにはいかない。(終盤は)何もなかったわけではないけど、無理をしたわけでもない。九回まで投げられたのは良かった」  連打を許さない集中力で、チームが今季5戦5敗と苦杯をなめていた"天敵"東との我慢比べを制した。終盤は右脚に違和感を覚えていたとみられ、九回一死一、二塁で投ゴロを処理した直後は脚を気にして顔をしかめる場面もあった。だが、マウンドに駆けつけた斎藤投手総合コーチに「大丈夫です」と答え、執念で投げ抜いた。  完封勝利は今季7度目(完投は9度目)で、シーズン7完封は球団では1989年の斎藤雅樹以来29年ぶり。投球回は自己最多の192に伸び、目標とする自身初の200到達も見えてきた。  春先、菅野は先発ローテーションをともに引っ張っていた山口俊と約束を交わした。「2人で20完投しましょう」。先発投手の安定は、チームの勝利に結びつくもの。今季6完投をマークしている山口俊が守護神に転向したこともあり、「20完投」は届かない目標となったが、最後までマウンドを守り抜くことに、強いこだわりを持って臨んでいた。  高橋監督は「菅野を含めて、みんなが我慢強く戦ってくれた。みんなの粘り、我慢が長野の打球(サヨナラ弾)に乗ってくれた」とナインをねぎらった。再びCS圏内の3位に浮上。エースの力投が、単なる1勝以上に価値のある白星をもたらした。 (谷川直之)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
79562 0.585
(↑0.003)
優勝
(-)
6701
(+7)
628
(+4)
172
(-)
86
(-)
0.265
(-)
4.15
(-)
2
(-)
ヤクルト
69652 0.515
(↓0.004)
9.5
(↓1)
7630
(+4)
647
(+7)
125
(-)
66
(-)
0.267
(↓0.001)
4.23
(↓0.03)
3
(1↑)
巨人
64695 0.481
(↑0.004)
14
(-)
5595
(+1)
551
(-)
142
(+1)
61
(+1)
0.255
(-)
3.76
(↑0.03)
4
(1↓)
DeNA
64702 0.478
(↓0.003)
14.5
(↓1)
7547
(-)
627
(+1)
175
(-)
71
(-)
0.251
(↓0.001)
4.29
(↑0.02)
5
(-)
阪神
58712 0.45
(↓0.003)
18
(↓1)
12550
(+3)
578
(+4)
84
(-)
71
(+1)
0.256
(-)
4.05
(-)
6
(-)
中日
62762 0.449
(↑0.004)
18.5
(-)
3590
(+4)
646
(+3)
95
(-)
59
(-)
0.266
(↑0.001)
4.41
(↑0.01)