日本ハム(★7対9☆)ソフトバンク =リーグ戦23回戦・札幌ドーム=
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ソフトバンク
00020501191400
日本ハム
40020100071122
勝利投手:石川 柊太(13勝6敗0S)
(セーブ:森山 孔介(2勝4敗30S))
敗戦投手:宮西 尚生(4勝2敗0S)

本塁打
【日本ハム】清宮 幸太郎(5号・1回裏3ラン),渡邉 諒(7号・6回裏ソロ)

  DAZN
◆ソフトバンクは4点を追う6回表、上林、グラシアルの2者連続適時打などで一挙5点を奪い逆転する。直後に同点を許すも、8回に中村晃が適時打を放ち、勝ち越しに成功した。投げては、4番手・石川が今季13勝目。敗れた日本ハムは、投手陣が精彩を欠いた。

◆日本ハム清宮幸太郎内野手が、5号3ランを放った。 1点を先制した後の1回2死一、二塁。ソフトバンク先発武田の3球目、120キロの変化球を右中間スタンドに放り込んだ。8月25日楽天戦以来の1発。初回に一挙4点のリードに貢献する、価値あるアーチを架けた。「カーブだと思います。走者がいない場面から中田さん、横尾さんが作ってくれたチャンスだったので、何とかしたいと思っていました。最近は流れも悪かったので、それを変えたい。その思いだけでした」と、自覚十分に結果を残した。

◆日本ハム清水優心捕手が、先発の助っ人を援護する追加点を挙げた。 2点リードの4回1死一、二塁。三塁手の頭上を越える、左翼線への適時二塁打で加点した。8月25日楽天戦以来の打点。3勝目が懸かった先発ロドリゲスの女房役として、打席でも奮闘した。「1打席目がふがいない結果(一ゴロ)だったので、追加点をあげることができて良かったです。力むことなく振り切ることができました」と納得していた。 なお1死二、三塁。中島卓也内野手が初球を見送った後、2球目でスクイズを決めて追加点を挙げた。再びリードを4点に広げた。「(スクイズのサインが)来るかなと思っていたので、準備はできていました。もう1点ほしい場面だったし、相手投手も交代したばかりだったので、うまく決まって追加点が取れて良かったです」と役目を果たした。

◆日本ハム先発のブライアン・ロドリゲス投手が、3勝目を逃した。「初回に4点の援護をもらい序盤はテンポ良く投げることができましたが、中盤の大事なところで甘くなってしまいました」と、コメント。5回1/3を7安打5失点で降板した。 初対戦のソフトバンク打線を相手に5回まで4安打2失点と好投していた。打線にも初回に4点、4回に2点を援護してもらった。勝利投手の権利を得て向かった4点リードの6回のマウンドだったが、そこに落とし穴が待っていた。 1死から4番デスパイネに二塁打を浴び、続く5番上林にも右翼フェンス直撃の適時二塁打を献上。さらに6番グラシアルにも左前適時打を許したところで降板。2番手で公文が登板したが、ソフトバンク打線の勢いは止められなかった。 公文は8番松田宣に左翼線への適時二塁打、代打川島の内野ゴロの間に同点とされ、ロドリゲスの3勝目は消えた。さらに1番牧原には一時勝ち越しの左前適時打も飛び出し、この回はロドリゲスと公文の両投手で6安打を浴びて5失点を喫した。その裏に渡辺の同点7号ソロが出て試合は振り出しに戻った。ロドリゲスは「逆転を信じてベンチで応援します」と、チームの勝利だけを願っていた。

◆日本ハム渡辺諒内野手が、同点アーチを架けた。 1点を追う6回2死走者なし。ソフトバンクの2番手モイネロから、左越え7号ソロを放った。19日西武戦(メットライフドーム)に続く2戦連発で、7-7の振り出しに戻した。「内角の真っすぐで、厳しいコースだったと思いますが、素直にバットが出ました。チーム全員で、勝ち越し点を奪えるように頑張ります」と貪欲だった。

◆3位日本ハムが、2位ソフトバンクに痛恨の逆転負けを喫した。 初回に近藤の犠飛、清宮の5号3ランで4点を先行。試合の主導権を奪ったが、4点リードの6回に先発ロドリゲス、2番手の公文が相手打線に6安打を集中されて一挙5失点で逆転された。その裏に渡辺の7号ソロで同点としたが、8回に宮西が中村晃に決勝打を浴びた。9回は3連投となった玉井も1失点し、万事休す。3連敗となった。 これで首位西武とのゲーム差は今季最大の「10」に広がった。クライマックスシリーズの本拠地開催を実現するには2位以上が条件だが、ソフトバンクとの差も「4」に開いた。栗山英樹監督は「1つ1つ勝たなきゃいけない試合は(選手の)誰が(責任を背負う)ではない。勝ちきれないのは監督がヘボいから」と、振り返った。

◆ソフトバンク森唯斗投手が自身初の30セーブ目を挙げた。4月に守護神サファテが右股関節手術のため帰国。その後に代役に指名された右腕が大台に乗せた。 2点リードの9回。先頭大田の打球は一、二塁間へのゴロ。一塁明石が弾いたが、二塁牧原がカバーして捕球。森も素早くベースカバーに入っていたため、一塁へ転送しアウト。微妙なタイミングでリクエストされたが、判定は変わらなかった。以降は近藤、中田を抑え、試合を締めた。 森は「(30セーブは)あまり気にしていないけど、0点で帰ってこられたのはプラス。まだシーズンは終わっていないし、もっともっと取っていきたい」と話した。工藤監督も「ここは俺がなんとか、という気持ちが出ていた。集中力を持ってくれている。すばらしいと思います」と高く評価した。

◆ソフトバンクが日本ハムとの乱打戦を制し、3連勝。試合がなかった首位西武と6ゲーム差に縮めた。 初回に先発武田がいきなり4失点。その後、両チーム2点ずつ得点。4点を追う6回に打者10人で5点を奪い、逆転に成功した。再び日本ハムに追いつかれたが、8回2死満塁から中村晃外野手(28)が左前へ決勝の勝ち越しタイムリーを放った。 中村晃は苦手とする左腕宮西に2球で追い込まれたが、ファウルで粘った後に外角直球をライナーで左前へ打ち返した。「宮西さんはすごく制球がよかった。(打って)本当によかったなという感じ。本当にいい投手なので、なかなか打てない」。対宮西は3年ぶりの安打だった。 柳田、今宮が離脱。苦しい戦力だが、中村晃は「今いるメンバーでいいゲームができている。チーム全員でつかめた勝利。(残り16試合も)全勝するつもり」と奇跡を信じて戦う。工藤監督も「あそこは集中力がいる場面。よく打ってくれた。崖っぷちの状態だが、だからこそひとつになれている」と、ナインの粘りに手応えを感じている。 長期ロードは終了。21日に福岡に戻り、22日のオリックス戦から本拠地ヤフオクドームで戦う。地元ファンの声援を受け、連勝を伸ばしていく。

◆ソフトバンク石川柊太投手が2日連続で勝ち投手になった。 同点の7回に登板すると、連続三振で2死。四球と安打で走者を背負ったが、横尾を空振り三振に斬った。8回に中村晃の適時打で勝ち越し、チームトップの13勝目が転がり込んだ。「投げたらチームが点を取りそうと言ってくれたり、雰囲気があると言ってもらえるのは、いい流れを持って来られているのかなと思います。チームが勝ったことが一番。謙虚に頑張っていきます」と話した。 試合後は同学年の森からウイニングボールを受け取った。だが、森も節目の30セーブだったことに気づくと「森にあげます」と、もう1度ベンチ裏に引き返した。「ぼくは昨日ももらいましたからね」とボールを守護神の元に返し、心優しい右腕は球場を後にした。

◆ソフトバンク工藤監督が「勝負手」で、劣勢からの逆転勝利を引き寄せた。 4点を追う6回1死からの5連打で1点差まで迫った。なおも1死二、三塁で打者は甲斐という場面。工藤監督は「代打川島」をコールした。 19日から捕手は甲斐と高谷しかいない状況。まだ試合中盤で、甲斐を交代させる決断をした。「あそこは逆転するしかないところ。チームの士気が上がっている中で、ベンチも期待に応えたかった。思いきっていかせてもらいました」。川島の内野ゴロで同点に追いつき、続く牧原の適時打で勝ち越し。その後追いつかれはしたが、追い続ける展開だった試合の流れを戻した大きな場面だった。 これで、西武にマジックが点灯してからは3連勝。工藤監督は「崖っぷちの状態だが、だからこそ1つになれている」と力強く話した。

◆ソフトバンクが3連勝。6回に6長短打を集めて5点を奪い逆転。同点の8回は中村晃の左前打で1点を勝ち越し、9回も拙守に乗じて1点を加えた。4番手の石川が13勝目、森が30セーブ目。日本ハムは3連敗となった。

◆日本ハム清宮幸太郎内野手が今季5本目の本塁打。高卒新人のシーズン5本塁打以上は14年森(西武=6本)以来で、2リーグ制後14人目。 日本ハムでは59年張本以来2人目になる。

◆日本ハム清宮幸太郎内野手(19)が、8月25日楽天戦以来となる5号3ランを放った。1回2死一、二塁で、ソフトバンク武田の内角低めのカーブをすくい上げて右翼席に運んだ。チームは逆転負けで3連敗。2位ソフトバンクとの差は4ゲームに広がったが、最終盤に向けて大型新人が苦境から脱した意味は大きい。 鬱憤(うっぷん)が、少しだけ晴れた。清宮のバットから、久々に快音が響いた。1点を先制した1回2死一、二塁。「6番DH」で3試合ぶりにスタメンに入った清宮は「何とかしたいと思っていた」。2ボールから、ソフトバンク武田の宝刀、縦に大きく割れるカーブを、すくい上げた。「今までムズムズしていたけど、1本出てスッキリしました」。右中間席へ飛び込む5号3ランで、胸のつかえが取れた。 9月に入ってから、打撃は下降気味だった。試合前の月間打率は0割5分9厘。22打席に立ち、安打はわずか1本と苦しんでいた。最大震度7を記録した北海道の地震の後は無安打と、気合だけが空回り。「監督から『結果は気にするな』と言われた。受けていた部分があったので、今日は自分の打撃をしようと決めていた」。17打席ぶりの安打が本塁打となり、26日ぶりの"キヨダンス"を笑顔で披露。先頭の8回には右前打で出塁と、不振脱出のきっかけをつかんだ。 地震の影響で、本拠地での試合が2試合中止に。試合再開から3日後の16日オリックス戦(札幌ドーム)に、北海道恵庭市の女子中学3年生とその家族を招待した。この女子中学生、実は清宮が8月25日楽天戦で放った、通算4号で本拠地1号のホームランボールをキャッチ。どうしてよいか分からず1度は家に持ち帰ったが、清宮本人の手元にあったほうがよいと考えて、球団に返却を申し出たという。それを球団職員から伝え聞いた清宮は大感激。「直接会って、お礼が言いたい」と一家5人を球場に招き、サイン入りバットや家族分のレプリカユニホームと、自身の記念球を交換した。 ファンの気遣いに奮い立った怪物ルーキー。本塁打した試合は4戦連続勝ちなしと"勝ち運"のなさは気がかりだが「チャンスの場面でしっかり打って貢献できたら」と、前を向く。残り14試合で、何本のアーチを生み出すか注目だ。【中島宙恵】 ▼日本ハム清宮が今季5本目の本塁打。高卒新人のシーズン5本塁打以上は14年森(西武=6本)以来で、2リーグ制後14人目。日本ハムでは59年張本以来2人目になる。

◆札幌ドームは北海道で震度7を観測した地震の影響で節電して試合を行ってきたが、節電要請が解除されたためこの日から地震前と同じ状態で実施された。約25%削減されていたグラウンド部分の照明は通常の明るさに戻った。 2台設置されている外野席上部の大型ビジョンも右翼側のみ使っていたが、左翼側も使用された。

◆2位死守だ! ソフトバンクが苦手の日本ハム戦で4点差を逆転し、3連勝を飾った。7-7で迎えた8回に中村晃外野手(28)が決勝タイムリーを放ち、乱打戦に決着をつけた。3位日本ハムに4ゲーム差をつけ、逆転優勝にも望みをつないだ。 中村晃らしい打球だった。同点の8回2死満塁。日本ハム宮西の外角直球を左前へライナーではじき返す決勝の勝ち越し適時打。「(狙っていたのは)逆方向ですね。スライダーも直球も対応できるような意識でいた。今年の宮西さんはめちゃくちゃ制球がいいので」。左殺しの宮西を苦手にしていた。15年8月28日に安打を放った後は15打席無安打(1四球)。今季もここまで5打数無安打と封じ込められていた。「大事な場面で打ててよかった」。乱打戦に決着をつけ、自らの苦手意識を払拭(ふっしょく)する一打となった。 中村晃が「絶対に負けられない」と話した通り、打線が粘り腰を見せた。初回に先発武田が4失点。その後、お互い2点ずつを取り合った6回には、打者10人で5点を奪い逆転した。この日も捕手2人制にもかかわらず6回に甲斐に代打を送った。工藤監督の執念の采配だった。「崖っぷちの状況だが、だからこそ、ひとつになれている」。柳田、今宮抜きでもチーム一丸で戦っている。4番デスパイネは復帰後初安打を放った。さらに6番のグラシアルに「自信を持っていけ! 走者をかえせ!」と気合を入れるなど、ベンチ内でも外国人たちの士気を高めた。 西武に3連敗した後、3連勝。試合がなかった首位西武とは6ゲーム差に縮めた。残りは16試合。中村晃は「全勝するつもりで戦っている。(27日からの3連戦で)西武に勝たないといけない」と、逆転優勝へ気持ちは折れていない。2位を争う日本ハムには5連勝で4ゲーム差に離した。もちろん2位で終わるつもりはない。最後まで戦い続ける。【石橋隆雄】

◆札幌ドームは北海道で震度7を観測した地震の影響で節電して試合を行ってきたが、節電要請が解除されたためこの日から地震前と同じ状態で実施された。  約25%削減されていたグラウンド部分の照明は通常の明るさに戻った。2台設置されている外野席上部の大型ビジョンも右翼側のみ使っていたが、左翼側も使用された。地震後初開催だった14日の日本ハム-オリックス戦は2割の節電を要請され、コンコースの照明も減灯するなど電力事情に配慮していた。

◆ソフトバンクの上林が4点を追う四回に適時三塁打を放った。ロドリゲスの外角球を左中間に打ち返して一塁走者の中村晃が生還。「晃さんが一生懸命走ってくれたおかげ」と謙虚に語った。  前夜のロッテ戦の八回も先制点につながる三塁打を放っており、これでリーグトップのスリーベースは13本目。南海時代の1950年に蔭山和夫がマークしたシーズン15本の球団記録に迫る勢いだ。

◆日本ハムのドラフト1位・清宮幸太郎内野手(19)=早実高=が「6番・DH」で先発出場。一回の第1打席でソフトバンクの先発・武田から、8月25日以来となる5号3ランを放った。清宮は4打数2安打1本塁打3打点2三振で、打率を.211とした。  日本ハムは一回、近藤の犠飛で1点を先制すると、中田、横尾の連打で二死一、二塁とし清宮が打席に立つ。2ボールから低めのカーブを豪快にすくい上げ、右中間スタンドに運んだ。四回の第2打席、六回の第3打席はいずれも空振り三振に倒れた。  1点ビハインドで迎えた八回の先頭打者として迎えた第4打席はソフトバンクの5番手・加治屋が投じた初球の外角へのストレートを左前に弾き返し、8月26日以来の複数安打を記録。ここで代走・杉谷を送られて退いた。  試合はソフトバンクが4点を追う四回に日本ハムの先発・ロドリゲスを攻め、上林の左中間適時三塁打などで2点を返したが、日本ハムはその裏、一死一、二塁から清水の左翼線への適時二塁打と中島のスクイズで加点し6-2と差を広げた。  ソフトバンクは六回、一死からの5連打で1点差に詰め寄ると、一死二、三塁から代打・川島のボテボテの投ゴロの間に三走・明石が生還し同点に。さらに二死三塁から牧原が左前に運ぶ適時打を放ち、試合をひっくり返した。日本ハムもその裏に渡辺の7号ソロで試合を振り出しに戻した。  八回、ソフトバンクは明石の安打と2つの四球で二死満塁のチャンスを作ると、中村晃が日本ハムの4番手・宮西から左前適時打を放ち勝ち越しに成功。九回にも1点を追加。最後は森が締めた。七回の1イニングを投げきった石川が2夜連続となる13勝目(6敗)を挙げた。同日予定されていたロッテ-西武(ゾゾマリン)が降雨のため中止になっており、西武の優勝へのマジックナンバーは「9」のまま。

◆ソフトバンクの森が2点リードの九回を三者凡退で締め、30セーブ目。節目の数字に「30を取れたのはプラス。シーズンは終わっていないのでしっかりやりたい」と喜ぶと同時に気を引き締めた。  守護神サファテが4月に故障で離脱し、代役を務めている。前半戦は打ち込まれる場面が目立ったが、ここ14試合は連続無失点。日本ハムには6月27日に2-0から逆転サヨナラ負けを喫するなど2敗していただけに「やられたらやり返す気持ちでやっている」と語った。 石川(2試合連続の救援勝利で13勝目) 「いい流れを持ってこられている。自信になる」 デスパイネ(右膝痛から復帰後初安打) 「徐々に良くなっている」 武田(四回途中6失点) 「常に打者有利のカウントにしてしまい、自分の投球ができなかった」

◆日本ハムは3試合続けて2桁安打を浴び、持ち味の投手陣が精彩を欠いている。この日は4点リードを奪いながら逃げ切れない。ソフトバンク戦の今季勝ち越しは決めているが終盤に5連敗と嫌なイメージを植え付けられた。  首位西武と10ゲーム差、2位ソフトバンクとも4ゲーム差に開いた。栗山監督は「どういう姿で野球をやるか問われている。選手たちはわかっていると思う」と必死に前を向いた。 渡辺(2試合連続本塁打) 「厳しいコースだったとは思うが、素直にバットが出た」 ロドリゲス(六回途中5失点) 「中盤の大事なところで(制球が)甘くなってしまった」

◆一回に清宮の5号3ランなどで4点を先制も、7-7の八回、中継ぎエースの宮西が勝ち越しを許して競り負けた。痛い逆転負けで3連敗を喫し、首位・西武とのゲーム差は10に広がり、2位ソフトバンクとは4ゲーム差。栗山監督は「先にいったのに勝ち切れないのは、監督がヘボいから」と自らを責めた。

◆2位・ソフトバンクは20日、日本ハム23回戦(札幌ドーム)に9-7で勝ち3連勝を飾った。  「いいピッチャーなのでなかなか打てないけど。大事なところで1本打ててうれしい」  7-7の八回二死満塁。ファウルで粘った末の7球目、宮西の外角球を左前へはじき返した中村晃が、値千金の勝ち越し打に笑みを浮かべた。  先発・武田が一回に4点を失うなど投手陣が苦しんだが、六回一死からデスパイネ、上林の連続二塁打で1点を返すと、グラシアルも左前へ適時打、明石が安打でつないで松田宣が左翼線二塁打で5連打とするなど、打者一巡で試合の流れを一気に引き寄せた。  首位・西武に3連敗してから、すぐに立て直した。まだ6ゲーム差あるが、工藤監督は「崖っぷちの状況だからこそチームが一つになれている」とうなずいた。

◆日本ハムのドラフト1位・清宮幸太郎内野手(19)=早実高=は20日、ソフトバンク23回戦(札幌ドーム)に「6番・DH」で3試合ぶりに先発出場し、一回に右中間席へ8月25日の楽天戦(同)以来26日ぶりの一発となる5号3ランを放った。高卒新人の5本塁打は、球団では1959年の張本勲(13本)に次いで2人目。チームは7-9で競り負けて3連敗を喫したが、クライマックスシリーズ(CS)に向けて怪物ルーキーの復調は明るい兆しだ。  26日ぶりの感触は格別だった。清宮は、ゆっくりとダイヤモンドを一周すると、両手を広げて首を振る恒例の"キヨダンス"を披露。飛び跳ねてチームメートと無邪気に喜びを分かち合った。  「今まで、むずむずしていた。一本出て、すっきりしました。中田さん、横尾さんがつくってくれたチャンスだったので、何とかしたいと思っていました」  近藤の左犠飛で先制した直後の一回二死一、二塁。武田が投げた内角低めに沈む120キロのカーブをすくい上げた。舞い上がった打球は右中間スタンドへ。8日の楽天戦(楽天生命パーク)以来17打席ぶりの安打は会心の3ランとなった。  6日未明に起こった北海道地震から、この日でちょうど2週間。「勇気や希望を与えることが僕たちの使命」と意気込んでいたが、9月は試合前まで打率・059(17打数1安打)と低迷。先発外も増え、もどかしい思いを抱えていた。  そんな中で、好調時の動画を見返すなど復調のきっかけを探した。「左足への寄せ方が甘くなっている」と右足をやや高めに上げて打撃フォームを微調整。八回先頭で迎えた第4打席では、加治屋の初球を右前にはじき返し「いい形で捉えられた」と、8月26日の楽天戦以来となる複数安打に手応えを得た。  少女の思いも力に変えた。同25日に放った本拠地・札幌ドーム初アーチのホームランボールが先日、奇跡的に手元に戻った。右中間席でキャッチした北海道恵庭市在住の中3の女の子が、球団に郵送してくれたのだ。  厚意に感激した清宮は「お礼がしたい」と、16日のオリックス戦(札幌ドーム)に招待。対面して家族5人分のレプリカユニホームとサインボール、バットをプレゼントした。まだまだ、苦しく不安な生活を送る人も多い北海道で、清宮は多くの喜びを与えようと奮闘している。  チームは3連敗を喫し逆転優勝は絶望的。2位・ソフトバンクとのゲーム差も4に広がった。ただ、CSで戦う可能性が高い相手に対し、清宮はこれで5本塁打中3発、8月以降は打率・333(15打数5安打)と好相性を誇る。2年ぶりの日本一へ"切り札"としても期待が高まる。  「これからもチャンスの場面でしっかり打って、貢献できればいい」と清宮。高卒新人の5本塁打は、球団では1959年の張本勲(13本)に次いで59年ぶり2人目。1カ月ぶりに描いた歴史を刻む放物線は、チーム、北海道の大きな希望となる。 (中田愛沙美) ★地震前と同じ状態で開催  札幌ドームは北海道地震の影響で節電して試合を行ってきたが、節電要請が解除されたためこの日から地震前と同じ状態で実施された。約25%削減されていたグラウンド部分の照明は通常の明るさに戻った。2台設置されている外野席上部の大型ビジョンも右翼側のみ使っていたが、左翼側も使用された。地震後初開催だった14日のオリックス戦は2割の節電を要請され、コンコースの照明も減灯するなど配慮していた。

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
78502 0.609
(-)
M9
(-)
13737
(-)
608
(-)
179
(-)
120
(-)
0.276
(-)
4.37
(-)
2
(-)
ソフトバンク
71551 0.563
(↑0.003)
6
(↑0.5)
16611
(+9)
524
(+7)
182
(-)
77
(+4)
0.267
(-)
3.96
(↓0.03)
3
(-)
日本ハム
67593 0.532
(↓0.004)
10
(↓0.5)
14549
(+7)
548
(+9)
134
(+2)
84
(-)
0.253
(↑0.001
3.91
(↓0.03)
4
(-)
ORIX
60685 0.469
(-)
18
(-)
10500
(-)
527
(-)
95
(-)
91
(-)
0.242
(-)
3.68
(-)
5
(-)
ロッテ
54683 0.443
(-)
21
(-)
18472
(-)
536
(-)
64
(-)
113
(-)
0.25
(-)
3.95
(-)
6
(-)
楽天
54733 0.425
(-)
23.5
(-)
13476
(-)
538
(-)
120
(-)
61
(-)
0.241
(-)
3.86
(-)