西武(☆12対4★)日本ハム =リーグ戦21回戦・メットライフドーム=
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日本ハム
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西武
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勝利投手:榎田 大樹(10勝4敗0S)
敗戦投手:堀 瑞輝(2勝3敗0S)

本塁打
【日本ハム】渡邉 諒(6号・9回表2ラン)
【西武】源田 壮亮(4号・3回裏3ラン),浅村 栄斗(29号・3回裏ソロ),山田 遥楓(1号・4回裏2ラン)

  DAZN
◆西武は1点を追う3回裏、源田と浅村の連続本塁打で4点を奪い、逆転に成功する。その後は、4回に山田のプロ初本塁打となる2ランが飛び出すなど、終わってみれば12安打で12得点を挙げた。投げては、先発・榎田が7回2失点で今季10勝目。敗れた日本ハムは、投手陣が崩壊した。

◆西武榎田大樹投手(32)は今季9勝4敗で自身初の2桁勝利へ王手。 今季の西武では菊池がすでに12勝を挙げているが、左腕投手2人が10勝以上は、08年の帆足11勝、石井11勝以来で球団史上2度目となる。

◆西武と同選手会は19日、日本ハム21回戦(メットライフ)の試合前に、北海道胆振東部地震の被災者支援を目的とした募金活動を行った。 西武からは辻監督、増田、今井、日本ハムからは栗山監督、加藤、ロドリゲスが参加した。西武ファンと日本ハムファンに募金を呼びかけ、笑顔でハイタッチを交わした。 選手を代表し、増田が「本日は、ありがとうございます。引き続き、ご協力をよろしくお願いします。僕らたちは、プレーで勇気付けることができるように頑張ります」とあいさつした。

◆日本ハムのブランドン・レアード内野手が出場選手登録を抹消された。この日、都内の病院で精密検査を受け、左腹斜筋肉離れ(2度)と診断された。 18日西武戦の試合前練習中に患部の違和感を訴え、同戦は欠場していた。当面は1軍に同行してリハビリを行う予定で、試合復帰まで3~4週間を要する見通し。

◆西武榎田大樹投手が自身初の10勝目を挙げた。 初回に押し出し四球で先制を許したが、要所を抑えて7回2失点。8年目にして初の節目の10勝となった。 10年ドラフト1位で阪神に入団。今年3月14日に岡本洋介と交換トレードで西武に加入していた。

◆西武山田遥楓内野手がプロ初安打となる初本塁打を放った。 「8番三塁」でプロ初スタメン。4-1で迎えた4回2死二塁で、日本ハム堀の外寄り138キロを引っ張り、左中間席へ放り込んだ。 西武ベンチも大興奮。ダイヤモンドを1周して戻ってきた山田に、選手全員、抱きつかんばかりの歓迎で祝福した。 山田は「今日は初スタメンで自分らしく、がむしゃらにいこうと試合に臨みました。打席ではボールがよく見えていました。本当にうれしいです。夢を見ているようです」と喜んだ。

◆日本ハム堀瑞輝投手(20)が、3被弾など、5回途中7失点で無念の降板となった。 2回までゼロに抑える最高の立ち上がりを見せたが3回、西武打線に捕まった。2死一、二塁から源田に逆転を許す3ランを打たれると、続く浅村にも左中間スタンドへ1発を浴び、この回4失点。4回は山田に1号2ランを許すなど、打たれた5安打中3本がホームランと、西武打線を抑えきれなかった。 前回先発した4日の同カード(旭川)では、5回途中5失点で2敗目を喫していただけに、雪辱を期していた1戦だったが、リベンジとはならなかった。 「3回にツーアウトを取ったあと、無駄なフォアボールやデッドボールを与えて、テンポが悪くなってしまいました。無駄なボールが多くなってしまったことが悔やまれます。先制点を取ってもらったのに、逆転を許してしまい、チームに申し訳ないです」と反省ばかりが口をついた。

◆日本ハムが西武相手に2連敗を喫し、ゲーム差が今季最大の9・5となった。 先発堀は2回まで、ゼロに抑える投球を見せたが、3回に2本塁打を浴びるなど、5回途中7失点でKOされた。打線は6回に、この日出場選手登録された横尾が右前に適時打、9回には渡辺の左越え本塁打が飛び出したが、今季ワーストを更新する12失点を挽回するには至らなかった。 栗山英樹監督(57)は「すいません。この悔しさをどういかしていくかが大事になる」と前を向いた。

◆西武の榎田大樹投手が、10勝目を手にした。 初回、先頭にいきなり四球を与えると続く日本ハム大田にも四球。4番中田も四球を選び、1死満塁のピンチを背負った。押し出しで1点を与えたが、2回からきっちり修正。打線の援護もあって逆転勝利となり「2、3回くらいから、感覚がよくなった。野手の方が点を取ってくれたおかげです」と感謝した。 8月23日ロッテ戦以来5試合ぶりの白星となり、15勝の多和田、12勝の菊池に次ぐ10勝目を挙げた。「積み重ねが、10勝になっていると思います。序盤から安心して見てもらえるように、頑張ります」と話した。

◆西武山田遥楓(はるか)内野手(21)がプロ初安打となる初本塁打を放った。 「8番三塁」でプロ初スタメン。4-1で迎えた4回2死二塁で、日本ハム堀の外寄り138キロを引っ張り、左中間席へ放り込んだ。 西武ベンチも大興奮。ダイヤモンドを1周して戻ってきた山田に、選手全員、抱きつかんばかりの歓迎で祝福した。山田は「今日は初スタメンで自分らしく、がむしゃらにいこうと試合に臨みました。打席ではボールがよく見えていました。本当にうれしいです。夢を見ているようです」と喜んだ。 お立ち台にも上がった。「夢みたいなベースラン1周でした。ホームランボールは、今までずっと見てきてくれた両親に贈りたいと思います。本当に先輩方が圧倒的ですごい打力なので、この中で野球をするのが不思議でしょうがないですが、少しでも戦力になれて良かったです」と話した。 辻監督は「中村がずっと(三塁で)出続けていたので、DHで使おうと。遥楓も使いたかった。良かったです。余裕がある時に経験させたかった。今日も、そういう形で。層が厚い方じゃない。そういう風にしていかないと。自信にしてくれたら」と目を細めていた。

◆阪神から移籍の榎田大樹投手がプロ入り初の10勝を手にした。 阪神時代の昨年は0勝で、前年0勝投手が移籍して2桁勝利を挙げたのは、09年巨人0勝→10年オリックス10勝の木佐貫以来になる。ただし、木佐貫は巨人時代に2桁勝利を2度経験。榎田のように前年0勝投手が移籍して初の2桁勝利は、72年巨人0勝→73年南海20勝の山内以来、45年ぶり。

◆若き山賊現る! 西武の4年目、山田遥楓(はるか)内野手(21)が本拠地での日本ハム戦に「8番三塁」でプロ初スタメン。4-1の4回2死二塁で、左中間席へプロ初安打となる2ランを放り込んだ。生まれつき右耳が難聴というハンディを感じさせない、底抜けの明るさと元気が魅力。西武のスタメンにふさわしい豪快な1発を全員が祝福した。チームは今季3度目の6連勝。優勝マジックを1つ減らし「9」とした。 たけだけしく振り抜いた。4-1の4回2死二塁、1ボールから山田に迷いはなかった。日本ハム堀の外寄り138キロ。「初球がチェンジアップ。直球1本」。左中間へ打球がすっ飛んだ瞬間、三塁側ベンチから選手たちが一斉に飛び出した。当の本人は「実感なくて。二塁回ってファンの反応で分かりました」と無我夢中で帰還した。 山賊たちは出迎えもたけだけしかった。辻監督と両手でハイタッチ。先輩が次々と飛び込んで祝福してくれた。源田は抱きつかんばかり。リーグ規定はベンチから出ないよう定めるが、突き抜けた。山田は左翼のファンへ向かって、まさかの「熱男~~!」。オフの自主トレをともにするソフトバンク松田宣の決めぜりふまでやってのけた。 底抜けに明るい。初1軍の今春キャンプでは、同じ三塁を守る中村のミスにもヤジで盛り上げた。「スタイルです。元気を出した方が体も動く」。裏には苦労を忍ばせる。生まれつき、右耳が難聴。「理解されない人には『無視してる』と思われたこともありました。フライは方向が分からない時がある。外野手の口の動きで判断してます」。ハンディなんかに負けない。佐賀工の恩師・吉丸信氏(63=現北陵監督)は「野球小僧。僕の倫理の授業では寝てましたけどね」と懐かしんだ。高3夏の大会を前に4部練習を3週間、課した。明けた月曜日。「今日は絶対休め」と厳命していた。所用で主将の山田の携帯に電話すると、風の音が聞こえた。「グラウンドで朝練してたんです」。プロ入り3年あまりで体重70キロから14キロ増量。野球小僧が一本気に食べて振って、10年ぶりの歓喜へ進撃する山賊の仲間に加わった。辻監督は「うれしいね。初ヒットがホームラン。最高」とわがことのように喜んだ。先輩たちは「緊張するだろうけど、頑張れ」と声をかけてくれた。リストバンドは森がくれた。みんなに愛されている。山田は「夢みたい。でも、まだまだ。少しでも出られるように」。本当のプロ生活はここからだ。【古川真弥】◆山田遥楓(やまだ・はるか)1996年(平8)9月30日、佐賀県生まれ。佐賀工では遊撃手兼投手。3年夏に佐賀大会決勝で佐賀北に延長10回2-3で敗れ、甲子園出場なし。14年ドラフト5位で西武入団。4年目の今季は6月16日中日戦に代打で1軍初出場。今季2軍成績は87試合、296打数78安打(打率2割6分4厘)、8本塁打、34打点。179センチ、84キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸550万円。

◆西武の4年目、山田遥楓(はるか)内野手(21)が本拠地での日本ハム戦に「8番三塁」でプロ初スタメン。4-1の4回2死二塁で、左中間席へプロ初安打となる2ランを放り込んだ。生まれつき右耳が難聴というハンディを感じさせない、底抜けの明るさと元気が魅力。西武のスタメンにふさわしい豪快な1発を全員が祝福した。 <山田遥楓(やまだ・はるか)アラカルト> ◆趣味 ドライブ。愛車フェアレディZで気分転換する。 ◆苦手なもの 野菜が嫌い。ただ、郷里・佐賀のB級グルメ「シシリアンライス」(ご飯の上に薄切り肉と生野菜を盛りつけたもの)は大好き。 ◆座右の銘 「信は力なり」。佐賀工の恩師だった吉丸監督からもらった。 ◆痛みに強い 高3春の佐賀市長杯で脇腹に死球を受けたがプレー続行。リリーフで好投もした。試合後、検査したら肋骨(ろっこつ)にヒビが入っていた。 ◆名前の由来 長男に続く2番目は女の子が欲しかった両親が「はるか」と、先に決めていた。ちなみに弟が生まれ、男3兄弟の真ん中だ。

◆ポーカーフェースが身上の西武の先発榎田大樹投手(32)が、ベンチ前で大笑いを見せた。4回、プロ1号2ランを放ち、大きなガッツポーズを決めた山田の姿に「プロに入って、あんなに試合中笑うことはなかった。一生懸命頑張っているので良かったと思います」と後輩の活躍を喜んだ。 プロ入りの際に掲げた目標「先発で2桁勝利」を、8年目でついに達成した。初回、内角を攻めるも微妙なズレに苦しみ4四死球。被安打0ながら押し出しで先制を許した。しかし2回以降、プレートを踏む位置を一塁側へわずか数センチ変え、制球が安定。見事に修正し、5回まで3者凡退に抑えた。4試合ぶりの白星で、初の10勝。お立ち台では「奇跡というか...野手のおかげです」。阪神から移籍後、再び先発を任されるようになり「もう達成できないと思っていた。1回なくした目標だったので、ありがたい。こんなに勝てるとは」としみじみ話した。 炭谷と6月17日中日戦以来のバッテリーを組み、15勝の多和田、12勝の菊池に次ぐ10勝目を挙げた。完投はなく「(自分は)6番手くらいだと思っていた。2人に比べたら、チームの役割は少ないので。でも勝てているので、いいのかな」と謙遜した。【保坂恭子】

◆日本ハムが首位西武との直接対決2連戦を連敗し、逆転優勝が絶望的になった。2戦とも山賊打線の圧倒的な攻撃力に屈し、残り15試合で首位とのゲーム差は今季最大の9・5に広がった。試合前にはブランドン・レアード内野手(31)が左脇腹の肉離れのため出場選手登録を抹消。今季中の復帰も微妙な情勢で、チームトップの26本塁打を誇る大砲を失ったままシーズン最終盤を戦うことが濃厚となった。 栗山監督は試合が終わると、歓喜に沸く敵地の情景を目に焼き付け、ベンチ裏へ引き揚げた。「野球ほど結果で語れるものはないが、本質を見誤ってはいけない。勝てないということはオレの考え方が根本的に間違っている。責任を感じています」。これまで通り、一切の言い訳はない。主力を欠いたチーム状況は別にして、首位西武に2連敗した事実だけ、心に刻んだ。 現有戦力の底力を、見せたかった。初回1死満塁。「5番三塁」でスタメン起用された横尾のバットは空を切った。空振り三振に終わり、結局この回は6番鶴岡の押し出し四球による1点のみ。勢いを欠く先制攻撃では、山賊打線の脅威から逃れられない。3回に先発堀が源田に逆転4号3ランを浴びて逆転を許すと、一方的な展開となった。 本来の「5番三塁」の主であるレアードは試合前に登録抹消された。前日18日の試合前練習中に違和感を訴えていた患部は、左脇腹の肉離れと診断された。重傷と軽症の間を示す「2度」の診断で、レギュラーシーズン中の復帰は絶望的。ポストシーズンも間に合うか微妙だ。栗山監督は「しょうがない。今いるメンバーで勝ちきるしかない」と臨んだ1戦だったが、結果は厳しかった。 首位西武とは今季最大の9・5ゲーム差となった。残りは、15試合しかない。直接対決は4試合を残すが、逆転優勝は奇跡と呼ぶ段階まで来た。2位ソフトバンクも勝利し、こちらも3差と今季最大。栗山監督は「誰よりも選手たちが悔しいんだ。悔しくなかったら、ウソだ。これを、どうやって次の力に変えていくかが大事だ」。日本一を目指すシーズンは、まだ終わっていない。【木下大輔】

◆西武の山田が、初ものづくしの1号2ランを放った。プロ4年目で初めて先発出場すると、4-1の四回2死二塁で堀から左中間席へアーチをかけた。プロ初安打が本塁打となり、初打点もマーク。「本当にうれしい。夢を見ているよう」と喜びを爆発させた。  佐賀工高から2015年にドラフト5位で入団。練習から大声で盛り上げるチームの元気印が、見事に起用に応えた。

◆西武は4年目・山田遥楓(はるか)内野手(21)のプロ初本塁打などで12点を奪い、6連勝。優勝マジックを「9」に減らした。先発した榎田は7回を3安打2失点と好投し、10勝目(4敗)を挙げた。  優勝へ、西武の快進撃は止まらない。1点を追う三回、二死から一、二塁のチャンスを作ると、2番・源田が右翼席へ逆転の4号3ラン。続く浅村も29号ソロ。さらに四回二死二塁から、初スタメンの山田がプロ初安打となる1号2ランを左中間席に叩き込み追加点を挙げた。五回には二死満塁から炭谷の適時内野安打で1点を追加した。  六回に日本ハムに1点を返されたが、西武はその裏、一死満塁のチャンスをつくると、4番・山川が押し出し四球を選んだ。なおも一死満塁で栗山の右前適時打、続く中村が中前2点打を放ち、この回一挙4点を奪った。  西武は八回にも1点を追加。九回に日本ハムに2点を返されたが、この日も「獅子おどし打線」がつながった。

◆日本ハムは2日続けて西武打線に打ち込まれた。1-0の三回に源田に逆転3ランを浴びるなど2本塁打を許すと、その後も勢いを止められず12失点。2試合で24安打、19失点と圧倒されて首位西武とのゲーム差は9・5にまで広がった。  逆転優勝は遠くにかすみ、2位ソフトバンクとも3ゲーム差に開いた。栗山監督は「悔しさはみんな感じている。必ずこれを生かしてくれるはずだ」と言葉を絞り出した。 堀(3敗目) 「先制点を取ってもらったのに逆転を許してしまい、チームに申し訳ない」

◆西武の源田が逆転の4号3ランで勝利を呼んだ。0-1の三回2死一、二塁から堀の内角スライダーを思い切り引っ張ると、鋭い打球が右翼フェンスを越えた。1日以来の一発。「感触は最高だった。めっちゃうれしい」と余韻に浸った。  新人だった昨季の3本塁打を上回った。「マジックも点灯してモチベーションを高くできている」とうなずいた。

◆西武の炭谷が攻守に活躍した。捕手として好リードで榎田を初の10勝目に導くと、打撃では2安打1打点をマーク。四回2死走者なしで二塁打を放ち、山田のプロ初本塁打につなげ「2死からの攻撃は良かった」とうなずいた。  優勝へのマジックナンバーを「9」とした。「はよ減らしたろ、という勢いが出てくる。ソフトバンクを気にせず自分たちが勝てばいい」と頼もしかった。 浅村(三回、源田の3ランに続き29号ソロ) 「ゲン(源田)に続けて良かった」 辻監督(12安打12得点) 「よくつながった。マジックはうちが勝てば減るので、一つずつ着実に減らしていきたい」

◆榎田が7回3安打2失点で10勝目。プロ8年目で初の2桁勝利を飾った。一回に4四死球で先制を許したが、二回から投球プレートの踏み位置をわずかに一塁側にずらし、以降は無四球と修正した。開幕前にトレードで加入した左腕は、「プロに入ったときの目標だった。阪神でできなかったことを成し遂げられたことは、人生においてよかったと思う」と笑みを浮かべた。

◆先発の堀が西武打線に一発攻勢を浴び、五回途中7失点でKOされた。チームは今季ワーストの12失点で連敗を喫し、西武とは9・5ゲーム差になった。栗山監督は「悔しさはみんな感じている。どう取り返していくかを考えていく」と語り、帰り際には、すれ違った西武マスコットのレオに「次は負けないからな」と声をかけ、悔しさをあらわにした。

◆パ・リーグ首位の西武は19日、日本ハム21回戦(メットライフ)に12-4で勝ち、今季3度目の6連勝とした。3点リードの四回、「8番・三塁」でプロ初先発した山田遥楓(はるか)内野手(21)が、左中間席へプロ初安打となる2ラン。若獅子のメモリアル弾で、優勝へのマジックナンバーを「9」とした。  右拳を力いっぱい振り上げ、ありったけの声で、山田が叫んだ。  「熱~男~~!!」  10年ぶりの優勝へ、若獅子がメモリアル弾で貢献した。4-1の四回二死二塁で、山田が堀の直球をガツン。プロ初安打となる1号2ランが左中間席で跳ねた。「めちゃくちゃ気持ちよかった。夢を見ているようでした」と歓喜のダイヤモンド一周。ベンチに戻ると、使用許可を取った師匠の"持ちネタ"を炸裂(さくれつ)させた。  今年1月、山川らと行った亜大での合同自主トレで「元気さや、プレースタイルが好き」とプロ入り前から憧れていた松田宣(ソフトバンク)と初対面。「真っすぐは1、2の3。前ではじき返す感じ」と助言を受け、劇弾につなげた。第1打席の『ギンギラギンにさりげなく』(近藤真彦)を皮切りに、松田の登場曲を"メドレー"で使用するほど敬愛。今では顔を合わせる度に「獅子男」(ししお)と呼ばれ、かわいがられている。  今春のキャンプでは、4年目で初のA班(1軍主体)スタート。高校球児のように一球一球に大きな声を張り上げる姿に山川も「ありえない。下から来て、あれだけ声を出せるのは本当にすごい」と目を丸くした。  先天性難聴で右耳が聞こえなくても、奮闘する。「フライが上がったときは、どこから声が聞こえているか分からない。指示している人の口の動きで判断します」。自身と同じく耳の不自由なファンから手紙をもらうこともあり、「活躍することによって、喜んでもらえたらうれしい」と励みにしている。  同じ佐賀出身の秘蔵っ子の活躍に、辻監督も「元気があるのが魅力だし、うれしいよ」と笑顔。試練とみられていた9連戦も、若い力の活躍で6戦6勝だ。最短優勝は、楽天と仙台で対戦する25日。遮るものは何もない。 (花里雄太) 打撃では2安打1打点、守備では好リードで勝利に導いた西武・炭谷 「(マジックを)はよ減らしたろ、という勢いが出てくる。ソフトバンクを気にせず自分たちが勝てばいい」

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
78502 0.609
(↑0.003)
M9
(↑1)
13737
(+12)
608
(+4)
179
(+3)
120
(+1)
0.276
(↑0.001
4.37
(-)
2
(-)
ソフトバンク
70551 0.56
(↑0.004)
6.5
(-)
17602
(+3)
517
(-)
182
(-)
73
(-)
0.267
(-)
3.93
(↑0.04)
3
(-)
日本ハム
67583 0.536
(↓0.004)
9.5
(↓1)
15542
(+4)
539
(+12)
132
(+1)
84
(-)
0.252
(↓0.001)
3.88
(↓0.07)
4
(-)
ORIX
60685 0.469
(↓0.003)
18
(↓1)
10500
(+3)
527
(+6)
95
(+2)
91
(-)
0.242
(↓0.001)
3.68
(↓0.02)
5
(-)
ロッテ
54683 0.443
(↓0.003)
21
(↓1)
18472
(-)
536
(+3)
64
(-)
113
(-)
0.25
(↓0.001)
3.95
(↑0.02)
6
(-)
楽天
54733 0.425
(↑0.004)
23.5
(-)
13476
(+6)
538
(+3)
120
(+1)
61
(-)
0.241
(-)
3.86
(-)