西武(☆8対1★)ソフトバンク =リーグ戦21回戦・メットライフドーム=
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ソフトバンク
0100000001401
西武
40000031X81102
勝利投手:増田 達至(1勝4敗11S)
敗戦投手:ミランダ(3勝1敗0S)

本塁打
【ソフトバンク】上林 誠知(21号・2回表ソロ)
【西武】栗山 巧(7号・1回裏満塁),中村 剛也(26号・7回裏3ラン)

  DAZN
◆西武が首位攻防戦3連勝。西武は初回、栗山のグランドスラムで幸先良く先制する。その後、4-1で迎えた7回裏には、中村の3ランで相手を突き放した。投げては、好救援の3番手・増田が今季初勝利。敗れたソフトバンクは、打線が5回以降ノーヒットと振るわなかった。

◆西武の源田壮亮内野手(25)はここまで9三塁打。昨季も10三塁打を打っており、2年連続で三塁打を10本以上記録すると、61~62年の中(中日)と毒島(東映)以来56年ぶり。西武では初めてになる。

◆ソフトバンク今宮健太内野手が左太もも裏を痛め、負傷交代した。 初回の守備だった。無死一塁でミランダが投ゴロを処理。併殺を狙い二塁送球したがやや高くなった。ベースカバーの今宮が体を伸ばし捕球。二塁はフォースアウトになったが、今宮はプレー後にうずくまった。コーチやスタッフの手を借りながらベンチに引き揚げた。

◆西武先発ブライアン・ウルフ投手が3回、負傷交代した。 4-1で迎えた3回、ソフトバンク先頭明石の打球がライナーでウルフの右太ももを直撃した(記録は内野安打)。はねかえったボールは三塁線の方まで転がっていった。ウルフはその場でうずくまり、しばらく立ち上がれなかった。 治療のためベンチに下がったが、投球再開は不可能と判断され、約3分半後に武隈への交代がアナウンスされた。

◆ソフトバンク今宮健太内野手が左太もも裏を痛め、負傷交代した。 初回の守備だった。無死一塁でミランダが投ゴロを処理。併殺を狙い二塁送球したがやや高くなった。ベースカバーの今宮が体を伸ばし捕球。二塁はフォースアウトになったが、今宮はプレー後にうずくまった。コーチやスタッフの手を借りながらベンチに引き揚げた。 今宮は試合途中に歩けるまで回復し、メットライフドームの長い階段を自力で上がって球場を後にし、病院へ向かった。「最初はつったと思ったけど、ちょっと違う感じ。(階段上がりは)リハビリですね。明日は大丈夫だと思います。肉離れではないだけでも良かった」と話した。

◆ソフトバンクが西武に3連敗し、自力優勝の可能性が消滅した。 16日の試合前に頭部に打球が当たった影響で出場選手登録を抹消された柳田悠岐外野手は敗戦をベンチ裏で見守り「チームにもファンの人にも迷惑をかけた。栗山さんにもいらない心配をかけさせた。申し訳ないと思います」と話した。 柳田には脳振とう特例措置が適用され、NPBが定める復帰プログラムをクリアすれば10日を待たずに再登録できる。達川ヘッドコーチは「当たった日から7日。(18日から)あと5日は出られん。出られたとしても、福岡に帰ってからの(23日)日本ハム戦以降になる」と見通しを話した。

◆西武が2位との直接対決3連戦に3連勝し、優勝マジック「11」を点灯させた。最短で24日に08年以来の優勝が決まる。 10年前の優勝を知るベテラン2人が決めた。まずは栗山巧外野手。初回1死満塁でソフトバンク・ミランダの4球目、低め146キロを完璧に捉え、バックスクリーンへ先制の7号満塁本塁打を放った。4-1の7回は、中村剛也内野手。2死一、三塁でスアレスの初球153キロを右翼席へ放り込んだ。 同い年&同期入団の2人は、そろってお立ち台に上がった。 中村 福岡で3連敗(8月24~26日)したので、なんとか、やり返せないかなと。(栗山とのお立ち台は)うれしいですね。 栗山 いいところで回ってきました。先に1点をと、プレッシャーがかかったけど、いいスイングができました。おかわり(中村)なりに苦労してるだろうけど、(初球を)1発で仕留めて、嫌な気持ちです(笑い)。うれしいです。 2人の登場に、満員のスタンドも大盛り上がりだった。 辻発彦監督は「さすがベテラン」と賛辞を惜しまなかった。

◆西武に優勝マジック「11」が点灯した。2位ソフトバンクとの直接対決第3ラウンドは、10年前の優勝を知る2人が大暴れ。初回、栗山巧外野手(35)が先制の7号満塁本塁打を放てば、7回には中村剛也内野手(35)が26号3ランで試合を決めた。同い年の同期入団17年目コンビの活躍で、ライバルに3タテを食らわし4連勝。歓喜の瞬間は、最短で24日に訪れる。 「マジック点灯ー!!」とアナウンスが響いた。ドッと沸くメットライフドーム。お立ち台にそろい踏みした17年目コンビは、互いに期待することを聞かれた。 栗山 また2人そろって立てるように頑張って下さい。僕も頑張ります。 中村 特にないけど、栗山はやってくれる。僕も負けないよう頑張ります。 08年は、まだ25歳。栗山は最多安打、中村は本塁打王で、ともに初タイトル。若い時の優勝は「勢いで突っ走った」と声をそろえる。あれから10年。円熟し、やりとりにも、ほんわかした空気が生まれる。出番がない栗山に、絶不調の中村。不本意な形で始まった今季だったが、勝負の秋、これほど頼れる2人がいる。栗山は「情けない思いもしましたが、マジックがつく試合で一緒にお立ち台に立てた。うれしいですね」と素直な気持ちを吐露した。 先陣を切った栗山の集中力はマックスだった。初回1死満塁。いきなりの大チャンス。「しっかりランナーをかえそう。自分のスイングをするだけ」と念じ、打席に向かう。3球続けて見逃し、2-1からの4球目。低め146キロ直球は、見送ればボールか。が、「打てる範囲」。バットのグリップエンドに小指をかけ、目いっぱい長く持っていた。けれん味のないスイング。白球は高い軌道でバックスクリーンへ消えた。「センター方向に強い打球。理想です」と胸を張った。普段は指2本分ほど、余らせて持つ。練習では長く持つのに「一番しっくりくるところとなると、だんだん短くなる。安心感でしょうね」と、試合では短く持ってしまう。この日の先発はミランダ。初顔を前に、球団OB和田一浩氏の言葉を思い出した。「練習では長く持って力強いスイングなのに、試合では小さくなっている。ヒットを打たないと使ってもらえないという気持ちは分かるが、練習と同じように打てばいい」。黄金時代のDNAを継ぐ先輩の金言。「練習の感じも良かった。そのまま、長く持ってやってみよう」。33・5インチ(約85センチ)をしならせ描いた軌道の先に、優勝マジックがともった。 栗山、中村に、辻監督は「ベテラン2人が非常に良いところで打っているから、今の位置にいる。2人で7打点。さすが。頼りになる」と賛辞が止まらなかった。栗山は「うっすら見えていたものが見えた。ワクワク、ドキドキです」。ゴールは近い。楽しみが止まらない。【古川真弥】 ▼栗山が初回に満塁本塁打。今季の西武打線は満塁に強く、満塁では打率3割2分6厘、7本塁打、134打点。満塁で100打点以上挙げているのはパ・リーグでは西武だけで、7本塁打、134打点は広島の6本、118打点を上回り両リーグで最も多い。西武はこの日の8点を加えて今季718点となり、15試合を残して04年にマークしたシーズン最多得点の球団記録に並んだ。 ▼西武に優勝マジック11が点灯した。ソフトバンクは残り全勝で87勝55敗1分け、勝率6割1分3厘。西武は残り15試合のうちソフトバンク戦4試合に敗れても、他カードで11勝すれば87勝54敗2分け、勝率6割1分7厘でソフトバンクを上回る。

◆ソフトバンクがまさかの3連敗を喫し、西武の優勝マジック点灯を許した。いきなり先発ミランダが4失点。この3連戦すべてで先発投手が初回失点し、1度もリードを奪えないまま6・5ゲーム差に後退。西武戦の同一カード3連敗は13年4月2~4日以来5年ぶり。よもやの結果を工藤監督は「一生懸命やった結果なので。この3連戦は西武の方が上だったということ」と受け入れるしかなかった。 主力選手の負傷が相次いだ今季を象徴するような3連戦だった。この日の初回、無死一塁から投手へのゴロで二塁ベースカバーに入った遊撃手今宮が、右足を必死に伸ばしてベースを踏みにいき、左足太もも裏を痛めた。その場で途中交代し病院直行。前日16日には4番柳田が試合前に負傷して同日の試合を欠場、この日出場選手登録を外れた。相次ぐ想定外の事態に、工藤監督も「そうですね...」と言葉が出なかった。 今宮は「肉離れじゃなくて良かった」と話したが、都内の病院で検査を受けた結果、左半腱(けん)半膜様筋を損傷している可能性があることが判明。今日18日にあらためて検査を受けることになり、楽観視できる状況ではない。主砲柳田も欠く中で、自力優勝の可能性が消滅しただけでなく、3位日本ハムにも1差に迫られた。【石橋隆雄】

◆アクシデントを、西武リリーフ陣が束になって救い、8年ぶりのマジックを点灯させた。 4-1の3回、快調に飛ばしていたウルフがソフトバンク先頭明石のライナーを右太ももに受けた。うずくまり、動けない。治療でベンチに下がったが、投球を断念。突然、声がかかった武隈は「何も考えず、打者1人1人を抑えるだけ」。左腕は落ち着いていた。1死一、二塁としたが、福田を二ゴロ併殺で切り抜けた。 その武隈が4回に招いた1死満塁は、増田が1球で片付けた。松田宣を外に逃げるスライダーで二ゴロ併殺。「チームが勝っていたので、自分の役割をやるだけ。準備はできてました」。今季初勝利を手にしても、淡々と振り返った。6回からは、小川。7月に金銭トレードで中日から移った左腕は、8回先頭までの7人を完璧に封じた。移籍後、初めてイニングをまたいだが「なんとか抑えて後ろにつなごうと。中日を離れ、僕の野球人生は1回、終わっている。今日は当たって砕けろです」と、がむしゃらに突き進んだ。 さらに平井、相内で無失点リレーを完成。野田、マーティンら勝ちパターンの登板過多を防いだ。辻監督は「苦しい中、よく投げてくれた」と、全員をねぎらった。【古川真弥】

◆西武中村剛也内野手(35)のとどめの1発には、17年目の変化が凝縮されていた。フォーム、バット、そして理想の打撃像。希代のホームランアーチストは、アーチを描くため、新たに何に挑んだのか。今季9本目の右翼方向への1発は、確かな進化を示していた。 同期栗山の満塁弾から追加点を奪えずに迎えた7回2死一、三塁。中村はスアレスの初球、外角153キロを振り抜いた。右翼席最前列にライナーで運ぶ26号3ラン。「真っすぐが速い投手。何とか振り負けないように、しっかりスイングしようと思った。中継ぎ陣もすごく頑張っていたので、もう少し早く(追加点を)取りたかったですけど」と主砲らしく振り返った。 マジック点灯へ、試合の大勢を決めたひと振り。逆方向への1発を「ただの振り遅れ。振り遅れても、しっかり振って芯に入れば飛びますから」と笑ったが、17年目の新たな挑戦が土台にあった。 「打席では、胸や背中を動かすことを意識している。今までは静→動へ、瞬発力で出来ていたけど、今は動→動でないと正直厳しくなってきている」 以前は、どっしり構えて一気に振り出して打てていた。現在は構えながら肩を動かし、バットを軽く下げてから振り出す。タイミングの取り方の変化だけではない。そうすることで瞬発力の低下を補っている。 バットも8月から以前より約50グラムも軽い890グラムで、長さが0・25インチ(約6ミリ)短い33・75インチに変更。トップバランスの長距離打者用は変わらないが「今はこれが一番しっくりくる」と話す。軽量化した相棒を動→動のフォームで操ることで「ダメな時、ファウルや空振りしていた球にバットが"間に合う"ようになった」。だから、たとえ差し込まれてもヘッドを利かせられる。昨季27本中2本だった右翼方向への打球が今季は9本。「ライトへのホームランが増えているのは今年からの取り組みもあるでしょうね」と明かした。 理想の本塁打は「左中間方向」。今でも「右方向に距離が出ても納得した打球ではない」という。それでも「逆方向も理想なのかな」と思えるようになった。自分の職業は「バッター」。引っ張ってたたき込むだけでなく、たとえ間に合わせた形でも球を芯に入れてスタンドまで運ぶ。年を重ね、体を見つめ直す中で新たに気付いた境地だった。 開幕から首位を譲ることなく頂点に立つ、オール1位の優勝も見えてきた。「目の前の試合を全力で勝ちにいってマジックが出た。これからも同じ。そうやって減らしていければいい」。打つために変化を選んだ頼もしい男のバットが、西武の新たな歴史をたたき出す。【佐竹実】

◆西武浅村が犠飛でダメを押した。 7-1の8回1死三塁でソフトバンク五十嵐から中飛を放ち、8点目を加えた。「もっと良い形でつなげられたら良かったけど、最低限の仕事はできました」と冷静に振り返った。リーグトップの打点を113とした。

◆優勝マジック「11」の点灯に西武辻監督は気を引き締めた。 西武黄金時代の主力。選手として優勝経験は豊富だが「監督としては初めての経験。マジックはマジック。油断はできない。1試合1試合と思わないと足をすくわれる。残り15試合で11、勝たなきゃと思わないと。4つ負けられると思っちゃダメ」と自らに言い聞かせるように話した。

◆まさかの3連敗を喫し、ソフトバンクの自力優勝の可能性が消滅した。先発のアリエル・ミランダ投手(29)が1回に4失点。この日も初回に突き放された。西武とは6・5ゲーム差に広がり、3位日本ハムには1差に迫られた。工藤公康監督(55)が「143試合終わるまでみんなで必死に戦う」と話すように、残り19試合、連続Vへの可能性がある限り戦い抜く。 敗戦の瞬間、工藤監督は大きな目でグラウンドを見つめたままだった。3連勝をもくろんだ直接対決で、よもやの3連敗。西武の優勝マジック点灯を許した。「一生懸命やった結果なので、どの選手がということではない。この3連戦は西武の方が上だったということ」と、現実を受け入れるしかなかった。 3連戦すべて初回に失点し、主導権を奪えなかった。初戦千賀3失点、2戦目大竹4失点、そしてこの日のミランダもいきなり4点を失った。3試合連続で2桁安打を許すなど山賊打線の勢いを止められず、1度もリードできなかった。 主力選手の相次ぐ故障に襲われた今季を象徴するような3連戦にもなった。初回、無死一塁から投手へのゴロで二塁ベースカバーに入った遊撃手今宮が、右足を必死に伸ばしてベースを踏みにいき、左足太もも裏を痛めた。今宮はその場で途中交代し病院へ直行。初回で打撃も好調な守備の要を欠くことになった。前日16日には4番柳田が試合前に負傷し欠場。この日、脳振とうの特例措置で登録を外れた。想定外の出来事に工藤監督も「そうですね...」と、言葉が出なかった。 柳田は「チームにもファンにも迷惑をかけた。(打球を打った西武)栗山さんにもいらない心配をかけてしまって申し訳ない。まずは(頭部の)不安をなくすこと」と、早期復帰を誓った。今宮は「肉離れじゃなくてよかった」と話したが、都内の病院で検査を受けた結果、左半腱(けん)半膜様筋を損傷している可能性があることが判明。今日18日に再び検査することになり、楽観視できる状況ではない。 内川、デスパイネの主軸が8月中旬に離脱。投手陣は先発左腕和田、守護神サファテ、8回の男岩崎抜きで戦ってきた。だが、エース千賀、救世主的存在だった大竹、ミランダが打ち込まれ、13年4月2~4日以来5年ぶりの西武戦同一カード3連敗。工藤政権では初めてだ。苦しい中でも西武に食らいついてきただけに、ショックは計り知れない。振り返れば、3位日本ハムとは1ゲーム差だ。 首位と6・5差。工藤監督は「また来るので、次はやり返せるように」。一戦必勝で再び差を縮め、27日からの西武3連戦で奇跡を起こすことに照準を定め直した。【石橋隆雄】

◆ソフトバンク・今宮健太内野手(27)が一回の守備で脚を負傷し、交代した。  今宮は「2番・遊撃」で先発出場。一回無死一塁の場面で、西武・源田の打球を処理した先発・ミランダの送球を大きく股を開いて捕球。一走・秋山は封殺したが、ここで脚を痛めて、自力歩行ができず、かつがれてベンチに下がった。  そのまま試合から退き、遊撃には二塁の牧原が回り、二塁に一塁の明石が入った。  ソフトバンクは主砲の柳田悠岐外野手(29)が16日の西武戦(メットライフ)の試合前練習中に打球が頭部に直撃し、救急車で搬送。この日に出場選手登録を抹消されている。

◆西武のブライアン・ウルフ投手(37)が右太もも付近に打球を受けて負傷交代した。  ウルフは先発登板し、二回まで甲斐にソロ本塁打を許したが1失点。三回に先頭の明石がウルフが投じた4球目を強打。打ち返したライナーがウルフの右太ももに直撃。マウンド付近で片ひざをついて苦悶の表情を見せた。  ウルフは、トレーナーらに付き添われてベンチに戻り、そのまま交代。マウンドには左腕の武隈が緊急登板した。この試合では一回の守備でソフトバンク・今宮が脚を痛めて交代している。

◆西武は栗山巧外野手(35)の満塁本塁打と中村剛也内野手(35)の3ランなどで効果的に点を奪い、快勝。2位・ソフトバンクを相手に3連勝で10年ぶりのパ・リーグ制覇に向け優勝マジック11が初点灯した。  栗山と中村。高卒で2002年、西武に入団したベテラン2人が勝利の立役者になった。一回、安打と2四球で一死満塁のチャンスで打席には栗山。ソフトバンク先発、ミランダの4球目を捉えると、打球はバックスクリーンに飛び込む先制の7号満塁弾となった。  その後は毎回走者を出すが、4つの盗塁死など攻撃のリズムがかみ合わず追加点を奪えなかった。それでも、七回に四球と安打などで二死一、三塁の場面で中村が打席に。5番手・スアレスの初球を叩くと右翼スタンドへ低い弾道で飛び込む3ランとなった。  先発したウルフが、三回無死で明石の打球を脚に受けて緊急降板。武隈→増田→小川→平井→相内の継投で強打のソフトバンク打線を封じた。五回以降は、走者を一人しか出さない好リリーフだった。天王山を3連勝で飾った西武が10年ぶりVへ待望の優勝マジックを初点灯させた。

◆ソフトバンクの今宮が一回の守備中に左太もも裏を痛め、そのまま交代した。無死一塁で打球を処理したミランダの二塁送球を受け、ベースに足をいっぱいに伸ばして封殺した後、顔をしかめてグラウンドに倒れ込んだ。  歩ける状態ではあり「つったと思った。大丈夫だと思う」と語った。

◆ソフトバンクの甲斐が自慢の強肩を何度も披露した。金子侑、秋山、源田の俊足トリオの二盗を4度も阻止。「刺せたことは良かった。マッキー(牧原)のタッチがうまかった」と語った。  ただ、西武3連戦はいずれも先発が打ち込まれて3連敗。「捕手の自分がリードしないと。自分の未熟さ」と反省の方が大きかった。 上林(二回に21号ソロ) 「芯の中で(捉えたようで)詰まった感じ。完璧ではない」 ソフトバンク・若田部投手コーチ(西武打線に) 「ミランダの低めのボール球をしっかり見逃してきた。カウントを悪くしたところを打たれた」

◆西武の増田が1回2/3を無失点の好救援で今季初勝利を挙げた。3点リードの四回一死満塁で登板し、松田宣と対戦。外角スライダーで二ゴロ併殺に仕留めてピンチを脱し「いつでも準備はできていた」と、ほっとしたように話した。  今季は調子の波が大きく、抑えを外され、不振による2軍落ちも味わった。「自分の役割をやるだけ」と増田。先発ウルフが打球を受けて早々に降板した苦しい展開で、中継ぎの好投が光った試合だった。 辻監督(優勝マジックナンバー点灯に) 「監督としては初めての経験。選手たちが頼もしい」 小川(4番手で2回1/3を無失点の好救援) 「リードを守って後ろにつなぐ気持ちだった」

◆西武は17日、ソフトバンク21回戦(メットライフ)に8-1で大勝。天王山で3連戦3連勝を飾り、2008年以来、10年ぶりの優勝へ向けたマジックナンバー「11」を初点灯させた。  西武がソフトバンクに勝利し、優勝へのマジックナンバー11が点灯した。マジック対象球団は西武以外で勝率が最も高いソフトバンクで、残り19試合に全勝で勝率・613。西武はソフトバンクとの直接対決4試合に負けても、他の11試合に勝てば勝率・617となり、ソフトバンクの勝率を上回る。現日程での最短優勝決定日は24日。  西武に優勝マジックが点灯したのは2010年以来8年ぶり。前回は9月11日にマジック8を点灯させたが、その後2勝6敗と低迷し同23日に消滅。同日ソフトバンクにマジック2が出て、リーグ優勝を奪われた。  チーム718得点は04年と並ぶ球団記録。ここまで1試合平均5・61得点でシーズン最終802得点ペース。過去シーズン800得点以上を挙げたのは、1950年の松竹(908)、03年のダイエー(822)の2球団しかない。

◆今季で2年契約が満了する西武・辻発彦監督(59)の来季続投が17日、確実となった。この日、ソフトバンク21回戦(メットライフ)に8-1で大勝。優勝へのマジックナンバー「11」の初点灯とともに、2年連続のクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。  鈴木葉留彦球団本部長(67)は「まだ、来季の話はしていない」と話しているが、球団側は源田、外崎らを登用し、快進撃を続ける手腕を高く評価。昨季もリーグ2位(79勝61敗3分け)と安定した成績を残しており、シーズン終了後にも続投を要請する見込み。辻監督も続投について支障はないとみられ、受諾する方向だ。  今月12日には、東京都内で開かれたオーナー会議に出席した後藤高志オーナー(69)も、首位を快走する戦いぶりに触れ、「辻監督の手腕はたいしたものだと思う」と高く評価していた。

◆ビジョンに映し出された西武の「マジック11」の文字を見上げることもできず、ソフトバンク・工藤監督は目を泳がせた。直接対決で3連敗。自力優勝の可能性が消えた。  「一生懸命やった結果なので。この3連戦は西武が上だった」  8月25日に西武を八回まで無安打に抑えたミランダが、一回に栗山に満塁弾を浴びた。千賀、大竹に続き、3試合とも初回に大量失点。"天王山"をにらんで組んだ先発が返り討ちにあった。  それ以上の誤算には、どんな質問にも応じる指揮官が「そうですね、うん...」と珍しく言葉に詰まった。前日16日に打球が頭部に当たって欠場した柳田が出場選手登録抹消となった上、一回の守備で今宮が負傷。二塁ベースカバーの際、無理な体勢で捕球したことから左太もも裏を痛めた。  肩を担がれて退き、東京都内の病院へ。「左半腱半膜様筋(左太もも裏の内側の筋肉)を損傷の可能性」と診断され、18日に再検査を受けることになった。  軽傷とみられるが、不在は響いた。9月は打率・356と好調の「2番」。三回一死一、二塁で打順が回ったが、代わった福田は二ゴロ併殺に倒れて反撃機を逃した。先発の不安と故障続出は、まるで大苦戦したシーズン前半のようだ。最大11・5ゲーム差を約1カ月で「3・5」に縮めて臨んだ大一番で、まさかの逆戻り。西武戦同一カード3連敗は5年ぶりとなった。  「何があっても次の日を戦う姿勢は変えない」  振り絞った指揮官は来季までの3年契約だ。続投は疑いようがなく、後藤球団社長は7月中に「議論にもなっていない。全幅の信頼を置いている」と話していた。そこから逆襲を演じた手腕は見事だが、最後の最後まで試練が待っていた。 (安藤理)

◆獅子が鷹を撃ち落とした!! 西武は17日、ソフトバンク21回戦(メットライフ)に8-1で大勝。天王山で3連戦3連勝を飾り、2008年以来、10年ぶりの優勝へ向けたマジックナンバー「11」を初点灯させた。前回優勝の味を知る栗山巧外野手(35)が一回、バックスクリーンに先制の7号満塁弾。3点リードの七回には同学年の盟友・中村剛也内野手(35)が26号3ランで駄目押しした。実りの秋へ-。いよいよ、カウントダウンが始まる。  "電光石火"の「獅子おどし」で西武がついに優勝へのマジックナンバー「11」を点灯させた。  「センター方向への強い打球は理想の形。いいスイングができました」  10年前の優勝メンバー、栗山が一回一死満塁で左腕・ミランダの低めの直球をすくい上げた。打球はバックスクリーンに飛び込む4年ぶりの7号満塁弾となった。  チームは前回8月25日に左腕との初対戦(ヤフオクドーム)で八回まで無安打に封じられた。自身は出場機会がなく、「(同じ左腕の)モイネロぐらいのイメージだった」とシンプルに打席に立っていた。前日16日には試合前のフリー打撃の打球がソフトバンク・柳田の左側頭部に当たった。謝罪に出向くなど複雑な思いを胸の奥にしまい、試合に集中した。  14日の楽天戦から一回の攻撃では3、3、4、4点と4戦連続3点以上だ。この3連戦では計27得点を挙げた"先手必勝"の戦いぶりに、辻監督も「あの4点が大きかったね。さすがベテラン。頼りになる」と会心の笑みをみせた。  勝負強い打撃に端正なマスクでチーム随一の人気を誇る栗山。本拠地では通常、各打者が打席に入る際に登場曲が流れるが「球場の雰囲気を全身で感じるため」と、一昨年から登場曲はない。前日16日には歌手、安室奈美恵さん(40)の引退に合わせて野手7人が、安室さんのヒット曲を採用したが、チームに丁重に断りを入れ"普段通り"を貫いた。  七回には同学年で同期入団の盟友・中村が「中継ぎも頑張っていたし、なんとか追加点がほしかった」と、右翼席に駄目押しの3ラン。敬老の日に、2008年の前回優勝を知る「クリ&おかわり」の年長コンビが計7打点の大暴れ。八回には浅村が中犠飛を放ち、チームの今季総得点が718点に到達。和田、フェルナンデスらを擁して、日本一となった04年の球団記録に早くも並んだ。  西武は球団創設以来、10周年(88年)、20周年(98年)、30周年(08年)と節目の年にリーグ優勝。40周年のVも視界に捉え「ワクワク、ドキドキするような気分です」と栗山。一方で、10年にはマジック「8」を点灯させながら鷹に逆転Vを許しており、松井、炭谷らと今後の試合日程を見ながら「バババっといけたらいいけど、直接対決があるし、もつれる」と話し合うなど慢心はない。  最短で24日にも訪れる10年ぶりの歓喜の時。獅子がラストスパートに入った。 (花里雄太) 優勝マジック点灯に西武・辻監督 「監督としては初めての経験。選手たちが頼もしい」 ★2008年の西武VTR  4月5日の楽天戦で開幕14試合目にして首位に立つと、以降は一度も順位を下げなかった。球団名を埼玉西武ライオンズに変更。就任1年目の渡辺久信監督はチーム伝統の管理野球を一変させ「NO LIMIT」をスローガンに掲げた。5人が20本塁打以上(中村46、ブラゼル27、中島21、G・G・佐藤21、ボカチカ20)の強力打線を武器に、9月26日に4年ぶり21度目のリーグ優勝。CSも制し、日本シリーズでは巨人を4勝3敗で下し、4年ぶり13度目の日本一に輝いた。

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
76502 0.603
(↑0.003)
M11
(-)
15718
(+8)
600
(+1)
173
(+2)
119
(-)
0.274
(-)
4.38
(↑0.02)
2
(-)
ソフトバンク
68551 0.553
(↓0.004)
6.5
(↓1)
19595
(+1)
515
(+8)
182
(+1)
73
(-)
0.267
(↓0.001)
3.98
(↓0.03)
3
(-)
日本ハム
67563 0.545
(↑0.004)
7.5
(-)
17534
(+4)
520
(+2)
130
(-)
82
(+2)
0.252
(↓0.001)
3.79
(↑0.01)
4
(-)
ORIX
59675 0.468
(↓0.004)
17
(↓1)
12492
(+2)
518
(+4)
93
(-)
87
(+1)
0.242
(-)
3.67
(↓0.01)
5
(-)
ロッテ
54663 0.45
(↓0.004)
19
(↓1)
20470
(+2)
529
(+7)
63
(+1)
113
(+1)
0.251
(↓0.001)
3.97
(↓0.01)
6
(-)
楽天
53723 0.424
(↑0.005)
22.5
(-)
15467
(+7)
530
(+2)
119
(+2)
61
(+1)
0.242
(-)
3.85
(↑0.02)