DeNA(★4対20☆)阪神 =リーグ戦20回戦・横浜スタジアム=
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阪神
209000090201924
DeNA
2001100004802
勝利投手:藤浪 晋太郎(3勝3敗0S)
敗戦投手:今永 昇太(3勝10敗0S)

本塁打
【阪神】大山 悠輔(7号・3回表ソロ),藤浪 晋太郎(1号・3回表満塁),大山 悠輔(8号・3回表2ラン),大山 悠輔(9号・8回表3ラン)
【DeNA】筒香 嘉智(35号・1回裏2ラン),宮﨑 敏郎(26号・5回裏ソロ)

  DAZN
◆阪神が圧勝。阪神は2-2で迎えた3回表、藤浪のグランドスラムが飛び出すなど打者一巡の猛攻で9点を奪う。その後は8回に4本の適時打と大山のこの試合3本目となる本塁打が飛び出し、試合を決めた。投げては、先発・藤浪が今季3勝目。敗れたDeNAは、投手陣が崩壊した。

◆今日16日のDeNA戦(横浜)で先発する阪神藤浪が、6月27日以来の3勝目を目指す。 7月26日広島戦以来の1軍マウンド。「まだ課題はあるのでパーフェクトではないけど、呼ばれたからには自分の出来ることをするだけ。今出来ることを精いっぱい出したい」と意気込んだ。チームの連敗ストップが懸かる登板に香田投手コーチは「荷を背負わすのはかわいそうですけど、自分の投球にこだわってほしい」と期待した。

◆阪神先発の藤浪晋太郎投手が初回にDeNA筒香に35号2ランを浴び、同点に追いつかれた。 初回に2点を先制してもらった先発マウンドだったが、初回2死一塁でDeNA4番筒香に左中間スタンドまで運ばれた。

◆阪神大山悠輔内野手が先制点となる左前適時打を放った。 初回1死三塁でDeNA今永の投じた、外角高め132キロチェンジアップを左前に運んだ。 「追い込まれてしまいましたが、浮いてきたボールを粘って打ち返すことができました。先制のチャンスでランナーをかえすことができて良かったです」 試合前まで9月の月間打率は3割8分6厘をマーク。夏場以降に好調を維持している男が、先発藤浪を援護する得点をあげた。

◆阪神大山悠輔内野手が1イニング2発となる8号2ランを放った。 3回2死一塁、DeNA田中健から左翼席中段まで飛ばした。 この回は2-2と同点の3回1死でもソロを放っており、1イニングに2発をマークした。

◆阪神大山悠輔内野手が左翼スタンドに7号ソロを放った。 2-2と同点の3回1死走者なし。DeNA今永の初球、外角高め148キロ直球を強振。左翼席に運んでみせた。 「ボール気味でしたが初球から思い切ってスイングすることができました。風のおかげでスタンドまで届いてくれました」 ここ6試合で4本のアーチを描くなど、状態は上向いてきた。

◆阪神福留孝介外野手が8回に代打で登場し、ダメ押しとなる中前2点適時打を放った。 8回無死二、三塁でDeNA三嶋の5球目、133キロスライダーにうまく対応してみせた。 11日中日戦(甲子園)で一塁を駆け抜けた際に「右太ももの張り」を訴えて途中交代していた。そこから4戦は欠場しており、5試合ぶりの実戦復帰で、結果を残した。

◆52日ぶりに先発登板した阪神藤浪晋太郎投手が5回6安打4失点でマウンドを降りた。 自身の満塁弾などもあって、打線が5回までに11得点を奪っており、勝ち投手の権利を持って降板した。93球を投げて、4三振を奪い、四球と死球はともに1つだった。 6回からの2番手には望月が登板した。

◆52日ぶりに先発登板した阪神藤浪晋太郎投手が5回6安打4失点で3勝目を挙げた。自身の満塁弾などもあって、打線が5回までに11得点を奪っており、勝ち投手の権利を持って降板した。93球を投げて、4三振を奪い、四球と死球はともに1つだった。 「大量援護点があったなかで、まだまだ自分が投げなければいけないゲームでした。満塁のピンチで粘り強く投げられた事は良かったです」 3回の満塁弾については「レフトは越えるかな!という感触があったので一生懸命走りました。歓声が上がったので捕られてしまったのかと思っていたら、審判が手を回していたので驚きました」とコメントした。

◆右太ももを痛めていた阪神福留孝介外野手が、代打で5試合ぶりに試合復帰し、いきなり2点適時打を放った。 大量リードしていた8回に代打で登場。無死二、三塁から二遊間を抜いて2者を迎え入れた。「打つことに関してはさほど影響はない。走る方は徐々にやっていけたら」と納得の表情だった。 11日の中日戦(甲子園)で一塁駆け抜けの際に痛めて途中交代。大事を取って前日まで4試合欠場していたが、完全復活近しを感じさせる一振りだった。

◆DeNAが記録的大敗を喫した。3回と8回に阪神打線が一巡するビッグイニングをつくられた。3回は、投手の藤浪に満塁弾を浴び、大山には1イニング2本塁打。8回には大山にこの試合3本目となる本塁打を浴びるなど、8安打9失点を許した。20失点は96年以来22年ぶり。19被安打は今季ワーストに並んだ。 それでもアレックス・ラミレス監督はポジティ・シンキングだった。「僕が監督になってからこれだけ取られるのは初めて。誰にでも初めてのことはある。20-4でも1-0でも負けは負け」と結果を受け入れた。ただ、混戦模様のAクラス争いの上では、重要な意味を持つ阪神2連戦。「これだけ取ると統計的に次の日は取れなくなる。ポジティブに考えると、そうとらえられる。明日しっかり勝つだけ」と、前向きに話した。

◆驚弾!阪神藤浪晋太郎投手がバットで横浜を騒然とさせた。 3回1死満塁。4球目の外角141キロ直球を左翼スタンドにたたき込んだ。今季初安打は、プロ入り初の満塁アーチ。グランドスラムで、今季3勝目を自ら引き寄せた。「たまたまです。レフトは越えるかな!という感触があったので一生懸命走りました。歓声が上がったので捕られてしまったのかと思っていたら、審判が手を回していたので驚きました」と本人もビックリ? の満塁弾だった。

◆阪神が20点を奪う猛攻撃で最下位から脱出した。前日15日のヤクルト戦で完敗して単独最下位に転落していたが、一夜明けてムードは激変。 3回に投手藤浪の満塁本塁打が飛び出したほか、大山がセ・リーグタイ記録の1試合6安打をマークするなど、珍記録満載の大勝劇を演じた。しかも1イニング9得点も2度。金本知憲監督も「僕はないですよ。あんまりないんじゃないですか? 投手の満塁ホームランもないでしょう」と笑顔を見せていた。

◆阪神大山悠輔内野手が、1イニング2本塁打を含む6打数6安打3本塁打と圧巻の活躍をみせた。2-2の同点で迎えた3回、1死走者なしから左翼スタンドへの勝ち越しアーチ。打者一巡の猛攻で同回に回ってきた第3打席でもまたまた左翼スタンドへ運ぶ2ランを放った。13点リードで迎えた8回には2死一、二塁から左翼スタンド上段にはじき飛ばすとどめの3ランを放ち、7打点目を記録した。 「同級生の晋太郎が先発でしたし、なんとか同い年の僕が助けてあげたいと思っていた。昨日は最後の打者で終わってしまっていたので、そういう意味ではよかった」 1イニング2本塁打は虎史上5人目。日本人でいえば、82年にミスタータイガース掛布が記録した以来。1試合6安打はセ・リーグタイ記録。阪神では渡辺博之54年以来2人目の快挙だ。金本監督も期待の2年目大砲の大活躍に「すごいね(笑い)。6の6? 何打点? 667!? いつもこれくらいは無理やろうけど(笑い)。何かつかんだのか、分からんけどね。つかんでいて欲しいわね」とにんまり。9月はここまで4割6分、7本塁打18打点と驚異的な数字を残している。覚醒した若虎がシーズン終盤にさしかかり、猛虎打線をけん引している。

◆阪神藤浪晋太郎(24)がDeNA戦の3回に満塁本塁打。投手の満塁本塁打は99年にガルベス(巨人)が2本打って以来17人、19本目で、日本人投手では84年5月13日津田(広島)以来、34年ぶりになる。 阪神では81年6月23日山本和に次いで2人目。山本和は広島戦の4回に川口から満塁弾を打ったが、本職の投手では5回1/3を投げ5失点で勝敗なし。阪神で満塁弾を放って勝利投手になったのは藤浪が初。

◆阪神2年目の大山悠輔内野手(23)が、プロ野球史上初の「6打数6安打&3本塁打」をやってのけた。 3回に左翼へ7号ソロを放つと、打者一巡の2打席目も左翼へ8号2ランを運んで1イニング2発をマーク。8回にも9号3ランを放った。全6打席で安打し、自己最多の7打点。若き主砲の打撃が、プロ野球初の2度の1イニング9得点など、4年ぶりの20得点を導き、チームを1日で最下位脱出、4位に浮上させた。CSは射程圏だ ▼大山が6打数6安打、3本塁打の大当たり。1試合の最多安打は49年大下(東急)の7安打で、6安打以上は03年城島(ダイエー)以来9人目。セ・リーグで1試合6安打は、51年大沢(大洋)54年渡辺(阪神)74年高田(巨人)以来4人目のタイ記録だ。過去に2本塁打を含む6安打は3人いたが、3本塁打を含む6安打はプロ野球史上初の快挙だ。また大山は3回に7号ソロ、8号2ラン。1イニング2本塁打は16年ビシエド(中日)以来20人、22度目のプロ野球タイ記録で、阪神では09年8月26日横浜戦ブラゼル以来5人目。イニング2本を含む1試合3本塁打は51年飯島(大映)77年大島(中日)01年城島に次いで4人目。 ▼阪神選手の1試合3本塁打は、ブラゼルが10年6月29日中日戦で記録して以来、8年ぶり。日本人では、金本知憲が09年4月10日巨人戦で放って以来。なお金本は、2日前の同8日広島戦でも3本塁打している。球団生え抜きに限ると、木戸克彦が85年6月15日大洋戦で記録して以来、33年ぶりとなった。

◆阪神2年目の大山悠輔内野手(23)が、プロ野球史上初の「6打数6安打&3本塁打」をやってのけた。3回に左翼へ7号ソロを放つと、打者一巡の2打席目も左翼へ8号2ランを運んで1イニング2発をマーク。8回にも9号3ランを放った。全6打席で安打し、自己最多の7打点。若き主砲の打撃が、プロ野球初の2度の1イニング9得点など、4年ぶりの20得点を導き、チームを1日で最下位脱出、4位に浮上させた。CSは射程圏だ。 6打数6安打7打点。金本監督は、文字通り相好を崩した。「すごいね。何打点? 667!? いつもこれくらいは無理やろうけど。何かつかんだのか、分からんけどね。つかんでいて欲しいわね!」。最下位脱出以上に、若き3番の成長は、格別の喜びだ。 実は、大山の猛打を予告していたのが、他ならぬ金本監督だった。試合前練習中、三塁側ベンチからフリー打撃を見て、言った。 「大山どうや? 良くなったやろ?」 力まずに遠くへ飛ばすフォームに納得の表情を浮かべた。かつて、練習でも打ち損じて、自信なさげに首をかしげていた姿も今はない。「(ミートポイントを)前で打つよう、やらせているのよ」と、片岡ヘッド兼打撃コーチの指導の成果に手応えを感じていた。9月は12試合目で7本塁打を荒稼ぎ。試合後の同監督は「ステップに行く時に上体が前に出ていかない。だから、球をしっかり見えるわね。そこで、いいポイントで打てる」と、予言の種を明かした。リーグ4人目の1試合6安打。プロ野球初の3本塁打を含む6安打。1イニング2本塁打は阪神史上5人目で、日本人では82年の掛布以来。まさに快挙だ。大山は「同級生の(藤浪)晋太郎が先発でしたし、なんとか同い年の僕が助けてあげたいと思っていた。昨日は最後の打者で終わっていたので、その意味ではよかったです」と、記録よりも勝利を喜んだ。横浜スタジアムは白鴎大時代の思い出の地だ。ドラフト1位で阪神入りが決まった直後の16年10月31日、関東地区大学野球選手権・横浜商大戦で決勝2ランを放った。翌11月1日は中央学院大に敗れ、引退した。「野球をやってきて日本一を経験できなかった。プロの世界では勝てるようになりたい」。原点で覚醒した背番号3が、大砲ロードを行く。【古財稜明】▼大山が6打数6安打、3本塁打の大当たり。1試合の最多安打は49年大下(東急)の7安打で、6安打以上は03年城島(ダイエー)以来9人目。セ・リーグで1試合6安打は51年大沢(大洋)54年渡辺(阪神)74年高田(巨人)に次いで4人目のタイ記録だ。城島は2打席目が凡打で、第1打席から6打席連続安打は74年高田以来、44年ぶりになる。過去に2本塁打を含む6安打は3人いたが、3本塁打を含む6安打はプロ野球史上初の快挙だ。また、大山は3回に7号ソロと8号2ラン。1イニング2本塁打は16年ビシエド(中日)以来20人、22度目のプロ野球タイ記録で、阪神では09年ブラゼル以来5人目。イニング2本を含む1試合3本塁打は51年飯島(大映)77年大島(中日)01年城島に次いで4人目。▼阪神選手の1試合3本塁打は、ブラゼルが10年6月29日中日戦で記録して以来、8年ぶり。日本人では、金本知憲が09年4月10日巨人戦で放って以来。なお金本は2日前の同8日広島戦でも3本塁打している。球団生え抜きに限ると、木戸克彦が85年6月15日大洋戦で記録して以来、33年ぶり。

◆阪神藤浪が二刀流の活躍で大勝に一役買った。3点リードの3回1死満塁、田中健の真っすぐを左中間へ。衝撃の今季初安打、プロ2本目のアーチで敵地をどよめかせた。「レフトは越えるかなという感触があったので、一生懸命走りました。歓声が上がったので捕られてしまったのかと思っていたら、審判が手を回していたので驚きました」。 金本監督は満塁弾に「効きましたねというかね。(投球が)5回4失点だから、満塁ホームランで5回0失点だ」と独特の表現で褒めた。同学年エンゼルス大谷がメジャー20本塁打で沸かせたが、負けじと会心の1発だ。 本職の投球でも踏ん張った。この日昇格して、7月26日以来の先発。5回4失点で6月27日以来81日ぶりの3勝目を挙げた。「7~8回を投げていかないといけない。白星が全てではないけど、白星につながってよかった」。メッセンジャーと秋山が不振で2軍調整中で、逆転CSへ藤浪の力は不可欠。二刀流勝利を完全復活の日にしたい。 ▼藤浪が3回に満塁本塁打。投手の満塁本塁打は99年にガルベス(巨人)が2本打って以来17人、19本目で、日本人投手は84年5月13日津田(広島)以来、34年ぶりになる。阪神では81年6月23日山本和に次いで2人目。山本和は広島戦の4回に川口から満塁弾を打ったが、本職の投手で5回1/3を投げ5失点で勝敗なし。阪神で満塁弾を放って勝利投手になったのは藤浪が初。

◆阪神梅野が"正捕手の勲章"に届いた。藤浪とバッテリーを組み、丁寧にリード。8回無死満塁では左翼線へ2点適時二塁打を放ち、猛攻にも加わった。今季の先発マスクはちょうど100試合目だ。 阪神捕手では10年城島以来で、生え抜きでは09年狩野以来。「今後、無駄にならないように、今年の経験を来年以降にも生かしていきたい。使ってもらっているので」と引き締めた。金本阪神にとって、正捕手育成は重要テーマの1つ。金本監督は就任当初の15年12月に「年間50試合出てるくらいでは、他の捕手も育たない。100試合以上、任せられる捕手なら面白い」と話していた。梅野は初めてスタメン100戦達成だ。だが、慢心はない。「流れの怖さとかもあります」。打たれて学ぶことも多いだろう。「通過点は通過点です」。常勝チームには司令塔がいる。新たなステージに入りそうだ。

◆キャプテンも帰ってきた! 20得点大勝のエッセンスには、待ちに待った朗報もあった。右太ももを痛めていた阪神福留が、5試合ぶりにゲーム復帰。いきなり2点タイムリーを放って快気祝いだ。11点リードの8回に代打で登場。無死二、三塁から三嶋の変化球をとらえ、前進守備の二遊間を抜いた。ダメ押しのダメ押しだ。 「打つことに関してはさほど影響はない。走る方は徐々にやっていけたら」。納得の表情で試合を振り返った。11日の中日戦(甲子園)。内野安打で全力疾走し、一塁を駆け抜けた際に痛めて途中交代した。打撃よりも走りだしの不安があり、大事を取って前日まで4試合を欠場。代打出場も控えた。だがこの日からダッシュと守備練習を再開。強度を上げて準備を整え、打撃にGOサインが出た。 「少しずついろいろな動きが出てくるので、慣らしていかないとね」。幾多の修羅場をくぐり、勝負どころを知る3番打者の完全復活が待たれる。代わって3番に入る大山が大暴れでカバーしているが、ここに福留が入れば打線の厚みはさらに増す。【柏原誠】

◆絶望のふちでかけられた言葉は今も忘れない。2軍降格前最後に先発した7月26日広島戦。 1/3回5失点でKOされた直後のことだ。一塁ベンチ端でポツンと立ち尽くす阪神藤浪に、そっと近づいたのが鳥谷だった。「また、つらいことが多くなるかもしれない。でも、自分ではどうしようもないことを考えても仕方がない。自分がコントロールできることに集中して頑張ろう」-。出場機会が激減して苦悩しているはずの男の言葉は、重たかった。 1カ月半の鳴尾浜生活。先輩の言葉を胸に、黙々と自身のスキルアップにいそしんだ。「何より自信、ですよ。自信がないと、周りがザワつくと、どうしても歩かせちゃいけないとか思ってしまう。体の開きとか体重移動とかも気にせず投げられるように」。自分を信じられるだけのフォーム固めを積み重ねて戻ってきた。藤浪はこの日、「できること」に集中していた。【阪神担当=佐井陽介】

◆阪神・藤浪晋太郎投手(24)が予告先発された16日のDeNA戦(横浜)に向けて気合を高めた。52日ぶりの1軍登板に向けて、15日は甲子園でダッシュなどで調整。今季は2勝3敗と勝ち星が伸びず、5度の2軍降格。通算6勝(1敗)と相性のいい横浜スタジアムでのDeNA戦でチームの再浮上のキッカケとなる。  絶体絶命の虎を救うには、この男しかいない。首を長くして待っていたファンに力投を披露して、復活マウンドの目撃者になってもらう。1軍に帰ってきた藤浪が16日のDeNA戦に先発し、勝って、再スタートの日にする。  「(1軍に)呼ばれた以上は、自分の力を出すだけなので。今、自分にできることを精いっぱいやりたいです」  落ち着き払った横顔から、胸の内に秘める闘志をにじませた。この日は室内でダッシュ系のメニューを消化するなど入念にコンディションを整えた。チームを背負う覚悟を首脳陣から期待され、3月31日の開幕2戦目の巨人戦(東京ドーム)に先発するも六回途中4失点と結果を出せず、そこから5試合連続勝利なしという"迷路"にもはまった。  その後も1軍にあがっては制球難を露呈し、また鳴尾浜へ逆戻りという悪循環だった。前回登板した7月26日の広島戦(甲子園)は1/3回を4四球5失点と炎上して、翌27日に1軍選手登録を抹消。今季5度目の2軍落ちを味わった。ただ、2軍で12試合に登板し4勝1敗、防御率1・14と格の違いをみせている。右腕自身も52日ぶりの先発で今度こそリベンジ...という思いは強いはずだ。  今季2度目の登板となる横浜は通算9試合で6勝1敗、防御率3・05と相性もいい。地の利も活かしたい。香田投手コーチは「あまりにも、彼に荷を背負わせるのはかわいそうだが、自分の投球にこだわってほしい」と期待を込めた。  メッセンジャーがコンディショニング不良で出場選手登録を外れ、リリーフも疲弊ぎみ。くしくもチームはヤクルトに敗れて単独最下位に転落した。まさにどん底。大ピンチの状況で、苦しみ抜いてきた背番号19が再浮上への一戦を託されるのは何かの運命なのか。瀬戸際に立つチームも藤浪も勝負のときになる。 (新里公章)

◆DeNAの今永、田中健が16日の阪神戦(横浜)の三回につかまった。  先発の今永は2-2の三回一死から大山に勝ち越しの7号ソロを浴びると、その後も連続安打と四球で満塁としたところで交代を告げられた。  2番手・田中健も阪神の勢いを断ち切れない。中谷、梅野に2者連続の押し出し四球を与えると、投手の藤浪に1号満塁弾を浴びた。さらに二死一塁から大山にこの回2本目となる8号2ランを許した。三回だけで9点を奪われ、今季の1イニングでのワースト記録となった。

◆阪神の大山悠輔内野手が16日、横浜スタジアムで行われたDeNA20回戦の三回に1イニング2本塁打をマークした。2016年のビシエド(中日)以来で、セ・リーグでは11人目(12度目)、プロ野球では20人目(22度目)。阪神では09年のブラゼル以来5人目。  プロ2年目の大山はこの回1死無走者で今永から左越え本塁打。打者一巡した後の2死一塁で田中健から左越えに8号を放った。

◆阪神は19安打20得点でDeNAに大勝し、最下位を脱出した。先発した藤浪晋太郎投手(24)が5回6安打4失点で、6月27日のDeNA戦(横浜)以来となる3勝目(3敗)を挙げた。打線は三回に、3番の大山悠輔内野手(23)が2本塁打を放ち、藤浪にも満塁弾が飛び出すなど打者一巡の猛攻で9点を奪って試合を決めた。大山は3本塁打を含む6打数6安打の大活躍だった。  DeNAは今永が先発した。阪神は一回、一死三塁で大山が左前適時打を放ち、先制。さらに二死一、二塁でナバーロが右前適時打を放ち、2-0とした。DeNAはその裏、二死一塁で筒香が左中間に35号2ランを放ち、追いついた。  阪神は三回、一死走者なしで大山が左翼席へ7号ソロを放ち、1点を勝ち越した。さらに一死満塁とすると、連続押し出し四球で5-2。なおも満塁で藤浪が左翼席へ1号満塁本塁打を放ち9-2とした。この後、大山にこの回2本目となる8号2ランが飛び出し、11-2とした。  DeNAは四回、一死一、三塁で佐野が右前適時打を放ち、1点を返した。五回には一死走者なしで宮崎が左翼席へ26号2ランを放ち、1点を返した。  阪神は八回、無死一、三塁から陽川の適時打、ナバーロの2点打などが飛び出し、17-4とした。この後、大山にこの日3本目となる9号3ランを放ち20点目を入れた。

◆阪神は19安打20得点でDeNAに大勝し、最下位を脱出した。先発した藤浪晋太郎投手(24)が5回6安打4失点で、6月27日のDeNA戦(横浜)以来となる3勝目(3敗)。打線は三回に、3番の大山悠輔内野手(23)が2本塁打を放ち、藤浪にも満塁弾が飛び出すなど打者一巡の猛攻で9点を奪って試合を決めた。大山は3本塁打を含む6打数6安打7打点と大暴れ。ヒーローインタビューでは充実感を漂わせた。  --一回の適時打  「先制点はとても大事。同級生の晋太郎(藤浪)が先発だったし、なんとか僕が助けたいと思っていた」  --三回には本塁打2本  「手応えは良かった。もっと打てるようにがんばります」  --3本目の本塁打でセ・リーグタイ記録の1試合6安打  「良かったです。勝ったことが一番なのでまずはそこを喜びたい」  --チームは苦しい連戦の中  「この流れに乗ってあしたも勝てるようにがんばりたい。とにかく一戦一戦を勝つことだと思うので応援よろしくおねがいします」

◆阪神の大山悠輔内野手が16日、横浜スタジアムで行われたDeNA20回戦で、セ、パ両リーグ最多に並ぶ1試合6安打をマークした。2003年の城島健司(ダイエー)以来で、セでは1974年の高田繁(巨人)以来4人目。プロ野球記録は1リーグ時代の49年の大下弘(東急)の7安打。  白鴎大からドラフト1位入団して2年目の大山は、三回には1イニング2本塁打をマーク。一昨年のビシエド(中日)以来で、セでは11人目(12度目)、プロ野球20人目(22度目)。この回1死無走者で今永から左越えに運び、打者一巡した後の2死一塁で田中健から左越えに放り込んだ。八回の9号3ランでこの日6安打目とした。

◆阪神の藤浪晋太郎投手が16日、横浜スタジアムで行われたDeNA20回戦の三回に満塁本塁打を放った。投手が打った満塁本塁打は1999年のガルベス(巨人)以来で、セ・リーグでは10人目(11度目)。  藤浪はこの回1死満塁で田中健から左越えへ今季初安打、プロ2年目の2014年以来の通算2本塁打目をマークした。

◆7月26日以来の1軍登板だった阪神の藤浪はプロ野球19年ぶりとなる投手による満塁本塁打を放ち、約3カ月ぶりの3勝目に花を添えた。ただ、投げては2本塁打を浴びるなど、5回4失点だっただけに「もっと長い回を投げないといけなかった。野手の人に感謝したい」と反省した。  グランドスラムは三回、田中健の外角直球を左越えへ運んだ。2014年以来となる通算2本目に「たまたまだけど、びっくりした」。後半戦のキーマンに指名する背番号19の投球に、金本監督は「ある程度ストライクが取れていたので安心した」と語り、次回登板も明言した。

◆DeNAは1996年以来となる20失点の惨敗。ラミレス監督は「私が監督となって全てのことが初めて」と苦笑いした。重要な試合と位置付けたとあって八回には、大量リードを許していても申告敬遠し、前進守備を敷くなどファイティングポーズを取り続けたが、結果は三回と同じ一挙9失点を招いた。  17日も分が悪い阪神戦だが、監督は「これだけ失点すると、統計的には次の日はあまり点を取られない」と努めて前向き。10敗目を喫した今永にはリリーフ転向の可能性が浮上した。 今永(三回途中降板。自身4連敗で10敗目) 「試合をつくることができず、難しい場面でマウンドを降りてチーム、中継ぎ陣に申し訳ない」 筒香(一回に35号2ラン) 「高めの球に対して上からバットが出せ、押し込むことができた」 宮崎(五回に26号ソロ) 「自分のスイングで強く捉えることができた」

◆--大山が大活躍  金本監督 「すごいね、えっ、6の6? で何打点? 7? ロクロクナナ? まあね、いつもこれくらい、無理やろうけど(笑)。何かつかんだのか、分からんけどね、つかんでいて欲しいわね、うん!」  --以前から『いい意味で勘違いしてほしい』と言っていたが  「うんうん、どんどん勘違いしてね、どんどんこうノせていってほしいよね。自信にして欲しいというか、油断はアカンけどね」  --藤浪は抜けそうになっても修正して歯止めをかけた  「まあぶつけた後にもね、ちゃんとおかしくならずに。今までだったらそこで、アラアラアラ! というところがあったんだけど、きょうはあの後もコントロール乱すことなかった。そこは一歩成長かなと思いますね。次もありますね。ハイ」  --監督の野球人生で9点を2回取ったことは  「僕はないですよ。あんまりないんじゃないですか? ピッチャーの満塁ホームランもないでしょ? 19年ぶり? えー!」

◆万歳! 万歳! 万歳! 万歳! 万歳! 万歳! 万歳! 万歳! 万歳! 万歳! 万歳! 万歳! 万歳! 万歳! 万歳! 万歳! 万歳! 万歳! 万歳! 万歳!  今季最多の20得点で20回バンザーイ!!  連敗ストップ! 最下位脱出! 藤浪の勝利に大山の1イニング2本塁打を含む3発の6打数6安打7打点。目の前に特上すしとウナギと松阪牛。おまけにトリュフとフォアグラとキャビアの舟盛り? を並べられ、どれから箸をつけていいか分からないくらい酒池肉林の気分なのだ。  何がスゲーって、藤浪だって満塁本塁打をかっ飛ばしての勝利投手と立派な二刀流なのに、それがさほど目立たないってんだから、本日の虎はどれだけ強かったんだよ!?  だけど、大事なのはこの勢いをキープすることなのだ!! 大量得点の翌日に貧打というのはよくある話...。ならば貧打でも勝つ野球をしてほしいのだ!! 対戦成績が15勝5敗のDeNAだから、とにかく先制点とミスをしないことにこだわるべし。さすれば、勝手にこけてくれる。これが猛虎必勝法なり!!

◆そりゃあね、たまにはこんなことがあってもバチはあたらんでしょ、皆の衆。いつもいつも...僕らは鉄板の上で焼かれて嫌になっちゃうョ...という気分でした。揚げ句の果ては最下位...ヨメさんまでが小馬鹿にして「貴方のチームはどうなってるの...」なんて鼻でせせら笑いやがって...ほっといてくれ!  実はね阪神が『最下位』に落ちて暗い気分で出社したら運動部のデスク席で肩を丸くして何やら独り言を言っている様子のヘンな"ご同輩"がいたのです。  当番デスク澄田垂穂。彼はなぜか阪神というチームに魅入られて、休みの日を使って甲子園に出かけるほど。  前にも紹介したが澄田Dの長女真歩ちゃんは現在小学6年。愛娘がまだモノ心がつかないうちから♪六甲オロチにチャッチョーと...と教えてエツにいっていた。  やがて娘は「六甲オロチ」のチームの正体? を知ってしまうのだ。するとトンとその六甲オロチの試合なんか見なくなった。父親がいつまでも六甲オロチを引きずっていることをヒヤヤカに見つめていた。つまり娘は父親を"卒業"したわけです。寂しいッ...でもそれが現実なのだと澄田は自分に言い聞かせてきた。  と、つい最近に家族でドライブ中にカーテレビでの中継をみながら愛娘は2つ下の弟に「なんでここで投手を代えるのかなぁ」とか、「ここは代打じゃない」とか解説者みたいな口調で"分析"してるじゃないか。パパ澄田は腰を抜かした。  「それがね、どうやら自然に少し野球がわかるようになって『阪神ファン』にUターンしちゃったらしいんですヮ」  恐るべし阪神タイガースの魔性...。英の作家スティーブンソンは薬品によって自分の性格に"二重性"があることに気がついた博士が「人間の両面性」を利用して、最後は自ら自滅する著名な『ジキル博士とハイド氏』という小説を1886年に書いた。  その小説そのまま...なのです。誰が? いえタイガースを愛する深層心理というヤツが(筆者の知る某大の心理学者は「阪神は男の母性本能をくすぐる=俺がなんとかしなくちゃあ...」と思わせると言ってた)  ですから澄田Dは出社するなり頭をかきむしり、肩を落としていったのです。「どうせ今日も阪神は苦戦しますョ...気が重いデス。先輩、しばらくは話しかけないでくださいョ。ソッとしといてください」と。  試合前のトラ番たちの電話も無愛想なことったら...「元気? あるわけないですョ」「今や僕の頭のなかには安室奈美恵のことでいっぱいです」某ベテランは「俺の携帯になぜかト×ガからかかってきたんやヮ。ヘタにでるとややこしいヮ」だと。みんな不機嫌そのものでした。  で、午後2時にプレーボール。阪神2点先取...オヨヨ...そしたらすぐ筒香の2ラン! やっぱりなぁ...イヤな予感。ああ、だがそこからの三回の打者12人攻撃。八回の打者12人の9点! 大山、大爆発の6打席全部快打の3本塁打。先発藤浪のグランドスラム! もう何がなにやら、わやくちゃです。途中から澄田Dは悲壮な顔になって窓際の「虎ソナ席」に向かってマジでこう宣告したのであります。  「あのね、何が新記録で何がタイ記録なのか? もう目がクラクラしてきましたョ。とにかくドヒャッといきます。だから僕の仕事の邪魔をしないでくださいね」  まさに澄田こそ「ジキルとハイド状態」になりまして...あとは我がサンスポの紙面で"何が起きてるか"についてゆっくり噛みしめてください。それにしても、なんやねんコレは...。もう少し小出しにしてんか!

◆1996年以来となる20失点で最下位に転落。クライマックスシリーズ進出に向けて「現時点で最も重要になる(試合)」と位置付けたラミレス監督だが、三回途中を6失点だった今永ら投手陣が崩れた。「誰にでも初めての経験(20失点)はある。きょうはいい球がいっても、そうでない球がいっても打たれたと思う。相手に流れがいっていた」と指揮官。また、今永の次回起用について篠原投手コーチは「いろいろと考えたい」とした。 2回1/3を6失点でリーグワーストに並ぶ10敗目を喫したDeNA・今永 「試合をつくることができず、また難しい場面でマウンドを降りることになり申し訳ないです」 一回に35号2ランを放ったDeNA・筒香 「高めのボールに対して上からバットを出せて、押し込むことができた」

◆大山が史上20人目の1イニング2本塁打に、両リーグタイ記録で、虎では1954年の渡辺博之以来となる64年ぶりの1試合6安打と、記録ずくめの大爆発で横浜投手陣を粉砕だ。  この日の試合前練習から"当たり日"だった。大山が三塁の守備位置で久慈内野守備走塁コーチがうちあげたフライを追いかけると、白球は風に流されて三塁ファウルゾーンへ。大山も背走し、壁際のネットに体を預けながら捕球を試みるも、バランスを崩してそのまま白球は頭を直撃! 周囲は笑いに包まれたが、この日の大活躍をみれば吉兆だったのかも!?

◆大爆発の3番打者は凄かったが、大量得点を呼んだのは"つなぎ"の4番・糸井だった。一回は四球を選んでナバーロの適時打を呼び、三回は大山の一発の直後の右前打に後続が続いて9得点。八回の9点にも右前打で絡んだ。「今日は大山クンでしょう。大山クンです」。報道陣の問いかけには笑顔を見せながらも、後輩を立てて多くを語らず、だった。

◆ナバーロが今季3度目の猛打賞だ。一回二死一、二塁から2点目の適時打を放ち、四回にも右前打。八回無死一、二塁では中越えの適時二塁打と大暴れ。「きょうは藤浪がいい投球をしていたので、自分も何とか彼のために、という意識だった。みんな、そうだったと思う」。優等生助っ人は、悩める剛腕のため、を強調していた。

◆5試合ぶりの出場、打席でも、勝負強さは変わらない。福留がグラウンドに戻ってきた。内野安打の全力疾走時に、右太ももを痛めたのが11日の中日戦(甲子園)。わずか5日でカムバックし、代打で中前2点打だ。  「打つことに関してはさほど影響がないので。走ることに関して、徐々にやっていけたら」  八回無死二、三塁でキャプテンの名がコールされると、真っ黄色の左翼席がドッと沸いた。15-4とすでに勝負は決しかけていたが、このベテランの勝負勘は、変わらず研ぎ澄まされていた。  カウント2-2から、外角へ逃げていく変化球にバットを伸ばし、鮮やかに二遊間を破った。代走・熊谷を送られお役ご免。2者が生還し17-4になった。2打点で、チームトップだった糸井を逆転して今季67打点になった。  決死の思いでセーフになろうとし負傷。あの11日の試合もチームは敗れていた。その翌日に欠場した日から1勝3敗。前日15日に最下位に転落した。8月以降はこの日まで、福留がスタメンから外れた試合は2勝9敗だった。それでもベンチから、何とか力になろうとした。この日は、陽川が不慣れな左翼守備で本塁打の打球を見失う場面があった。ベンチへ戻って来る後輩に、すぐさま声をかけた。試合前練習では守備練習も解禁。金本監督も「あした(17日)はキツいかな。休み明け(19日のヤクルト戦、神宮)にいけたら」と、変わらず期待を寄せる。  1日でも早く戻りたい、と問われた福留は「できればそうしたいけど、ここでもう一回やって、というのは絶対にダメ。慎重にやっていきたい」と語るにとどめた。  あと1打席で、4年連続の規定打席(443打席)にも到達。41歳まで到達した金本監督に並ぶ。いつまでも頼りになる福留が、チームの危機に、もう一度立ち上がる。 (長友孝輔)

◆神がかっていた。どこに投げても打つ-。そんな"神業"を体現した。大山が史上20人目の1イニング2本塁打に、両リーグタイ記録で、虎では1954年の渡辺博之以来となる64年ぶりの1試合6安打と、記録ずくめの大爆発で横浜投手陣を粉砕だ。  「やっぱり先取点というのが大事と思ったので、同級生の晋太郎が先発でしたし。何とか同い年の僕が助けてあげたいなと打席に入りました。勝ったことが一番なんで、まずはそこで喜びたいと思います」  喜びは控えめだが、間違いなく4年ぶりの20得点の立役者だ。一回一死三塁で132キロを左前へ先制打。三回一死から今永の初球148キロを捉える7号ソロを左翼席へたたき込むと、打者一巡での第3打席に2番手・田中健から左翼へ8号2ランを叩き込んだ。  阪神で1イニング2本塁打は2009年のブラゼル以来だが、日本人に限れば1982年の掛布雅之以来36年ぶり。左前、中前打を放って迎えた八回の第6打席は9号3ランを左翼上段にかっ飛ばし、1試合3本塁打、6安打7打点の離れ業をやってのけた。  ルーキーイヤーの2017年は、1軍春季キャンプのメンバー入りを果たすも3月中旬から2軍落ち。早くチームの力になりたいと焦る日々のなか、甲子園室内でのノック前。当時2軍監督だった掛布氏は、大山へ静かに語りかけた。  「大山、いまは振る力と、基礎的な体力、体の体幹の強さをまず考えた練習をしてほしいんだよ」。プロで戦い抜く土台作りの大切さを説かれ、バットを振り続けた。筋肉だけで4、5キロ体重も増やした。今季も2軍調整を経験したが、"ミスタータイガースの教え"を胸にベストの85キロ前後をキープ。9月は打率・460で7本塁打。CS進出争いの佳境に一気に調子を上げてきた。  "金本流"も体に染みこませての好調ぶりに、金本監督も「ステップに行くときに、上体が前に出ていかない。だからボールがしっかり見えるわね」とうなり、「油断はアカンけどね。自信にしてほしいですね」と破顔一笑だ。  大山は「もっと打てるように頑張ります」と引き締め直した。福留や北條ら負傷者続出の苦境を若き大砲が打ち破る。 (新里公章)

◆ビックリ満塁弾や! 阪神・藤浪晋太郎投手(24)が、三回に満塁本塁打を放ってみせた。虎投では1981年の山本和行以来、実に37年ぶりの快挙弾。5回6安打4失点で、6月27日のDeNA戦(横浜)以来81日ぶりとなる3勝目(3敗)をマーク。チームも2014年以来となる20得点の大勝。連敗を3で止め、単独最下位から一日で4位に浮上や!  えっ!? 入ったの!? 目を丸くしながら、ダイヤモンドを一周した。二塁を踏んだところで速度をゆるめる。"打者・藤浪"の今季初安打は、満塁弾-。球団では1981年の山本和行以来、37年ぶりの快挙で勝利をグッとたぐり寄せた。  「歓声が上がったので捕られてしまったかと思っていたら、審判が手を回していたので驚きました。たまたまです。びっくりしました」  "驚弾"が飛び出したのは三回だ。2者連続押し出し四球で5-2として、なお一死満塁。田中健の141キロ外角直球を振り抜くと、打球は左翼席に着弾。プロ6年目で4年ぶりとなる通算2本目がグランドスラム。どよめきと大歓声が交錯した。  甲子園で春夏連覇した大阪桐蔭高でも通算3本。プロでは通算225打数28安打(打率・124)。そんな右腕の一発に触発され、打線は三回と八回に9得点のビッグイニング。今季の貧打がウソのように、19安打で4年ぶりの20得点。81日ぶりの3勝目に「ラッキーですね。打ってくれた野手の人たちに感謝したいです」と息をついた。  前回登板の7月26日の広島戦(甲子園)は一死しか取れないまま、2安打4四球5失点で自己最短KO。約1カ月半、厳しい夏場を酷暑の鳴尾浜で過ごした。体質的に放っておくと、減ってしまう体重。一人暮らしで自宅では自炊もするというが、「炭水化物を多めに取ったり、ビタミンやアミノ酸を自分で管理して。バランスよく取るようにしています」。食事で足りないものは、サプリで補った。  2軍では投げることに集中。福原2軍投手コーチから「基本を大事にしよう。キャッチボールを、一球一球丁寧に」とアドバイス。直球も変化球も、1球ずつ感覚を確かめながら、時間をかけて投げ込んだ。52日ぶりの1軍マウンドで、四回に死球を与えたが大崩れしない。成長した姿をみせた。  メッセンジャーが12日に登録を抹消され、秋山も2軍調整中。先発陣は、終盤の大型連戦を見据えると苦しすぎる状況。自身も今回もダメなら、もうチャンスはないかもしれない。そんな空気を自らのバットで吹き飛ばす。チームの連敗も3で止め、最下位転落から1日で4位に浮上させた。  「もう少し長いイニングを投げないといけなかった」  2本塁打を浴び、5回6安打4失点で、大量リードをもらいながら93球での降板に反省しきり。金本監督は「5回4失点だから、満塁ホームランで5回ゼロ失点!」と笑いつつ、「ある程度ストライクが取れていたので安心した」と安堵。後半のキーマンに指名された男が、今度はマウンドで驚かす。 (箭内桃子) ★初Hもこの地  実はプロ初安打を放ったのも、ここ横浜スタジアムのDeNA戦だった。新人だった2013年の4月28日。三浦大輔との2度目の投げ合いに「きょうも『番長』ですか...。(打線をつなげるために)打たないといけないです!」と意気込み、本当に右越え二塁打を放ってみせた。大阪桐蔭高でも聖地で春夏と1本ずつのアーチをかけていた。中学時代のチームメートも「練習では誰よりも飛ばしていた」と証言するほど、実は力を秘めている"打者"だ。 ★山本和行満塁弾VTR  1981年6月23日の広島戦(甲子園)に先発すると、四回一死満塁で打席に立ち、2番手・川口から右翼へ満塁本塁打。しかし、投手として六回、山本浩に満塁弾を浴びると、6安打5失点で途中降板。チームは八回に逆転され、勝ち星はつかなかったが、チームは9-7の九回に一挙3点をとって逆転サヨナラ勝ちした。

◆藤浪が、リラックスして投げよう、バランスに気を付けよう、という思いでマウンドに上がったのはすぐに伝わった。象徴的だったのはスライダー。以前は目一杯の力で投げていたが、この日はやや力を抜いていた。ファームでいろいろ試してきたのだろう。  結果としてはストライクが先行した。ただ、厳しい言い方になるが「そこまで」。球威は十分あっても、甘く入った球はことごとく痛打された。いいコースに投げても空振りが奪えず、ファウルにもならず、確実に捉えられている時点で、新たな工夫は自分のモノになっていない。復活したとはお世辞にも言えない。  大量リードの状況で対戦したDeNA打線は、藤浪の状態を見極める上で参考にはならない。というより、あれだけリードしながら五回で交代したことを見つめ直してもらいたい。  バランス重視でストライクを投げる投手ではなく、力のある速球で空振りを奪う姿こそ、目指すべき道だと確信している。この日の藤浪は"その場しのぎ"。まだ相手が嫌がる投手に戻れていない。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
75512 0.595
(↑0.003)
M4
(↑2)
15656
(+4)
581
(+2)
168
(+1)
78
(-)
0.265
(-)
4.12
(↑0.02)
2
(-)
ヤクルト
64622 0.508
(↓0.004)
11
(↓1)
15593
(+2)
613
(+4)
119
(+1)
64
(+1)
0.268
(↓0.001)
4.27
(↑0.03)
3
(-)
巨人
61674 0.477
(↑0.005)
15
(-)
11584
(+11)
540
(+3)
138
(+2)
59
(+1)
0.258
(↑0.001)
3.87
(-)
4
(2↑)
阪神
56651 0.463
(↑0.005)
16.5
(-)
21514
(+20)
538
(+4)
80
(+4)
64
(-)
0.257
(↑0.002
4.04
(-)
5
(1↓)
中日
60712 0.458
(↓0.004)
17.5
(↓1)
10574
(+3)
613
(+11)
90
(-)
57
(-)
0.266
(-)
4.39
(↓0.05)
6
(1↓)
DeNA
57682 0.456
(↓0.004)
17.5
(↓1)
16505
(+4)
605
(+20)
158
(+2)
69
(-)
0.252
(↓0.001)
4.43
(↓0.13)