広島(☆4対0★)DeNA =リーグ戦21回戦・マツダスタジアム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
DeNA
0000000000600
広島
01300000X4602
勝利投手:野村 祐輔(7勝4敗0S)
敗戦投手:飯塚 悟史(1勝6敗0S)

本塁打
【広島】松山 竜平(12号・2回裏ソロ),鈴木 誠也(29号・3回裏2ラン)

  DAZN
◆広島は2回裏、松山のソロが飛び出し、先制点を挙げる。続く3回には、主砲・鈴木の2ランと田中の適時打で3点を加え、試合を優位に進めた。投げては、先発・野村が6回無失点の好投で今季7勝目。敗れたDeNAは、先発の飯塚が3回4失点と試合をつくれなかった。

◆広島鈴木誠也外野手(24)が自己最多タイとなる29号2ランでリードを3点に広げた。3回1死一塁で左翼席に豪快に運んだ。 「打ったのはフォーク。追加点につながって良かったです」と振り返った。

◆広島松山竜平外野手(32)が2回に12号先制ソロを放った。飯塚の内角カーブをとらえた。 「甘い球を積極的に打ちにいきました。うまく当たってくれましたね」と8月24日の中日戦以来の1発を振り返った。

◆屈辱的な無得点負けを喫したDeNAが、リーグVの完全消滅と同時に最下位に転落した。 1度も三塁を踏むことがないまま、7安打無得点。先発した飯塚悟史投手も序盤に崩れ、3回4失点で降板した。20年ぶりのリーグ優勝が完全に消滅し、中日と入れ替わって6位に転落。ダブルショックにも、アレックス・ラミレス監督は「(昨季まで)2年連続優勝逃してAクラス。去年は日本シリーズまでいった。プランBで2位を狙いにいくだけだ」と、ひたすら前を向いた。

◆広島が4投手による完封リレーを完成させ、快勝した。先発野村が6回4安打で7勝目。7回から一岡、フランスア、中崎とつないだ。打線は序盤に援護。2回は松山が先制ソロを放ち、3回は鈴木の2ランと田中の適時打で3点を加えた。優勝マジックは1つ減って「6」に。緒方孝市監督(49)の談話は以下の通り。 -野村が好投 緒方監督 前回状態が良さそうだったから、中5日で行けと言った。しっかりゼロで抑えてくれた。内容も良かった。内、外を使った投球ができていた。 -救援陣も続いた 緒方監督 一時期より登板(間隔)が少し楽になって、いい状態でみんな入っていけているからゼロという結果になっていると思う。 -打線も応えた 緒方監督 今日もクリーンアップかな。丸が出てから、(鈴木)誠也が3ボールからしっかり一振りで決めた。すばらしい打撃だった。マツダには連日たくさんの方が来てくれている。またいい試合ができるように戦っていくだけ。

◆前日12日に連敗を6で止めた広島が再加速した。2回に松山竜平外野手(32)の12号ソロで先制し、3回には鈴木誠也外野手(24)が自己最多タイの29号2ランを放った。先発野村祐輔投手(29)は6回4安打無失点と好投し、7回からは継投でチームは6月10日以来の無失点勝利。球団初の3連覇へのマジックナンバーは1つ減って6となった。 鈴木が積極打法でDeNA飯塚を沈めた。1点リードの3回。1死一塁で3ボールからの内寄りの球をノーステップで捉えた。打球は高々と舞い上がり左翼席へ。自己最多タイの29号2ランで勝利に導いた。 対応力の高さを示した。1回2死二塁の好機では飯塚のクイックでの投球に詰まらされ、二飛に倒れた。「刺されてしまった。そこは修正できたかなと思う。でも最初のチャンスで打てなかったので情けない」。反省を次に生かし、悔しさはバットにぶつけた。 柔軟性も併せ持つ。8月中旬から「バットの出がいい感覚がある」と、大谷が所属するエンゼルスの看板選手トラウトの打ち方を取り入れ、構えのグリップ位置を上げた。しかし、あくまでも引き出しのひとつでコピーではない。この日はトラウト打法にノーステップ打法をミックスさせた。 繊細さもある。ケガから復帰の今季も規定打席に達し、453打席を数える。疲労蓄積から招くバランスの崩れは"左打ち"で整える。「(打撃は)バランスが重要。知らない間に崩れてしまうので、逆振りで調整しないと」。試合前から左でティー打撃し、ネクストバッターズサークルでも左で素振りすることもある。 向上心は尽きない。緒方監督が「3ボールから一振りで決めてくれた。素晴らしい打撃」とたたえても、本人は満足しない。「4番として(重い空気を)こじ開けられなかった」と11日まで喫した6連敗の責任を背負う。チームはマジックを6に減らし、最短Vは20日阪神戦。そこから9連戦となる本拠地胴上げの可能性が高まった。若き4番の心はチームを頂点に導いてこそ満たされる。【前原淳】

◆DeNAが最下位に転落した。連打がなく単発6安打は得点には結びつかず、無得点に抑えられた。この負けで20年ぶりのリーグ優勝も完全消滅。ラミレス監督は「(昨季まで)2年連続優勝逃してAクラス。去年は日本シリーズまでいった。プランBで2位を狙いにいくだけだ」と、ひたすら前を向いた。 勝敗の分かれ目は1点を追う3回の攻撃だった。先頭の9番柴田が左前打で出塁。次打者の大和にランエンドヒットのサインを出した。カウント1-1から柴田がスタートしたが、大和が低めの球を見逃して、盗塁死した。ラミレス監督は「ノーアウト一、三塁をつくることができれば、流れがくると思った。ランエンドヒットが決まっていれば、こちらに流れがきたと思う」。犠打による1死二塁ではない積極策を選択したが、裏目に出た。 今日から本拠4連戦。「連戦の前に、目の前のこと。今日のことを1日1日やっていく」と、リセットしてホームに戻る。【栗田成芳】

◆広島野村祐輔投手(29)が1カ月ぶりの白星を手にした。DeNA相手に6回4安打無失点で7勝目。4月以来の中5日登板ながら、三塁を踏ませなかった。開幕投手の復調は、リーグ3連覇の先にあるクライマックスシリーズ(CS)に向けても明るい材料だ。優勝マジックは1つ減って「6」に。最短Vはホームで9連戦が始まる20日となり、1991年(平3)以来の本拠地胴上げが有力になった。 野村は6回をわずか7球で片付けた。ベンチに戻ると近寄ってきた緒方監督から握手でねぎらわれた。ともに満面の笑み。7回以降は救援陣に託し、8月10日の巨人戦以来5試合ぶりの勝利を挙げた。4月以来の中5日登板で、応えようと気持ちがより入っていた。 「中5日と(間隔を)縮めて投げさせてもらってうれしく思う。なかなか勝ちに貢献できていなかったので。走者が出ても粘り強く投げられた」 持ち味であるストライク、ボールを絶妙に出し入れし、テンポよくアウトを重ねた。追加点をもらった直後の4回は「より慎重になった」。1死一、二塁から細川を内角スライダーで空振り三振。伊藤も左飛に打ち取った。この回だけで34球を要したが、ゼロで封じて流れを渡さなかった。 一転して5、6回は大胆に攻め、すべて内野ゴロの理想的な投球。緒方監督は「前回状態が良さそうだったし、中5日で行けと言った。しっかり抑えてくれたし、内容も良かった。内、外(の両コーナー)を使った投球ができていた」と開口一番にたたえた。 4月下旬に6点近くもあった防御率は、ついに4点を下回ってきた。前回7日の中日戦で7回2失点の好投。「力まず良いフォームで投げられているし、良くなってきたという感覚もあった」と手ごたえを感じていた。先発で安定しているのは大瀬良とジョンソンの2人。九里、岡田が続く。そこに野村が加われば、ポストシーズンに向けても好材料と言える。 マジック対象のヤクルトが勝ったため、最短優勝は1日延びて20日に。その日からマツダスタジアム9連戦があり、過去2年はできなかった試合開催日の本拠地胴上げが有力な状況となった。緒方監督も「広島の人もそれを望んでいるだろう」と力強くうなずいた。旧市民球場だった91年以来の歓喜へ、いよいよカウントダウンも最終段階に入った。【大池和幸】

◆首位・広島が主力の一発と投手陣の完封リレーでDeNAを退け2連勝。優勝へのマジックナンバーを6とした。広島先発の野村は6回4安打無失点で7勝目(4敗)。DeNAは2連敗。  広島は二回先頭の松山が右翼席に飛び込む12号ソロを放ち先制すると、三回にも鈴木の左翼席上段への29号2ランと、田中の右前適時打で3点を追加した。

◆広島の4番鈴木が三回に29号2ランを放ち、2016年にマークした自己最多の本塁打数に並んだ。第1打席はクイックでの投球に差し込まれたことを踏まえ、2打席目はノーステップ気味に切り替えて左翼席に打ち込み「修正できてよかった」とうなずいた。  この日が今季の出場108試合目で、129試合出場だった2年前を上回るペースで本塁打を量産している。それでも「今は優勝するために、とにかく結果を出そうと思っている」と個人成績には関心を示さなかった。 緒方監督(三回に2ランの鈴木に) 「3ボールからだったけど、しっかり一振りで決めた。誠也の素晴らしいバッティングだった」 松山(二回に先制ソロ) 「積極的に振っていた中で、いい結果になってよかった」 田中(三回に適時打) 「(二塁走者の)松山さんがよく走ってくれました」

◆敗れたDeNAはリーグ優勝の可能性が消滅。20年連続でリーグ制覇を逃すことになった。  野村の投球術に手玉に取られた。ラミレス監督は「2年連続でAクラスに入った。プランBとして2位を狙い、去年と同じように(ポストシーズンで)頂点を目指す」と前を向いた。  今季は戦力の充実ぶりから1998年以来の優勝を推す声も多かった。春先こそ首位に立ったが、先発陣の不振が響いて失速した。 ラミレス監督(三回の柴田の盗塁死に) 「ランエンドヒットの指示だが、投球が低く打者が振らないボールになった」 飯塚(久しぶりの先発も3回4失点) 「カウントを悪くし、甘く高めに浮いたボールを打たれてしまった」

◆打線がつながらずに零封負け。背中の張りを訴えていた宮崎が先発に復帰して2安打したのは好材料だったが、8月29日以来の最下位に転落した。首位・広島との差は18ゲームに広がり、20年連続でリーグ優勝を逃すことが確定。ラミレス監督は「去年も優勝は逃したが、日本シリーズに進んでいる。『プランB』で2位を狙い、(CSを勝ち進んで)頂点を狙うだけ」と切り替えた。

◆中5日で先発した野村は6回4安打無失点で、34日ぶりの7勝目を手にした。松山と一緒にお立ち台に上がり、「松山さんが先制本塁打を打ってくれたので、チームに勢いがつきました」と先輩を持ち上げた。7月の西日本豪雨で被害が大きかった岡山・倉敷市出身の右腕は、「ここ(広島)で決められるようにしたい」と、27年ぶりの地元Vを熱望した。 二回に先制の12号ソロの広島・松山 「積極的に振っていた中で、いい結果になってよかった」

◆打った瞬間、スタンドインを確信した。一気に盛り上がるマツダスタジアム。広島・鈴木が29号2ランで一気に試合の流れを引き寄せた。  「1打席目はクイックに差し込まれてやられた。ノーステップ気味に変えたところは修正できたところ。ただ1打席目の好機で打ちたかったです」  1-0で迎えた三回一死一塁。カウント3-0からの4球目だった。甘く入った飯塚の変化球を振り抜くと打球は左翼席に一直線。一回二死二塁の場面では二飛に倒れたが、同じく走者を置いた次の打席で対応してみせた。  これで自己最多(2016年の記録)に並ぶ29本目のアーチ。「シーズンが終わってから、もし(30号に)いっていたら喜びたいです」と大台へ王手をかけた。さらに、現在35本でセ・リーグの本塁打王を走る丸とともに、2005年に前田智徳&新井貴浩が達成して以来の赤ヘル30発コンビの誕生も秒読み段階だ。  とどまるところを知らない成長を支えているのは4番の自覚だ。6連敗を脱し、久々の勝利に酔いしれた前日12日のDeNA戦(マツダ)。丸の適時打で2-1と勝ち越した直後、鈴木はフェンス直撃の中越え適時三塁打で貴重な追加点を挙げたが、その他の打席では4三振。「連敗を打開したのは結果的に丸さん。チームが連敗しているようなときに、自分が打って流れを変えないといけない」。弱冠24歳にして鯉の主砲を任される男は自らに課せられた役割を誰よりも理解している。  「最近は好機であまり打てていないので情けない。4番としての仕事をしていない。勉強して、しっかりチームを助ける一打を打ちたいです」  2位のヤクルトが勝利したため、マジックは一つ減って「6」。最短優勝は本拠地9連戦の初戦となる20日となった。悲願の地元優勝へ-。若き4番のひと振りが歓喜の瞬間をたぐりよせる。 (原田遼太郎)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
74502 0.597
(↑0.004)
M6
(↑1)
17647
(+4)
572
(-)
166
(+2)
77
(-)
0.266
(-)
4.12
(↑0.03)
2
(-)
ヤクルト
62612 0.504
(↑0.004)
11.5
(-)
18581
(+4)
605
(+2)
118
(+1)
63
(-)
0.268
(↑0.001)
4.35
(↑0.02)
3
(-)
巨人
60654 0.48
(↓0.004)
14.5
(↓1)
14570
(+2)
530
(+4)
135
(+1)
58
(-)
0.259
(-)
3.88
(-)
4
(-)
阪神
55631 0.466
(↓0.004)
16
(↓1)
24490
(+2)
524
(+6)
76
(-)
63
(+1)
0.256
(-)
4.02
(↓0.01)
5
(1↑)
中日
59702 0.457
(↑0.004)
17.5
(-)
12564
(+6)
597
(+2)
88
(-)
57
(+1)
0.266
(↑0.001)
4.34
(↑0.02)
6
(1↓)
DeNA
55672 0.451
(↓0.004)
18
(↓1)
19494
(-)
582
(+4)
154
(-)
69
(-)
0.253
(-)
4.35
(-)