ヤクルト(☆12対9★)中日 =リーグ戦20回戦・明治神宮=
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中日
3300021000091512
ヤクルト
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勝利投手:近藤 一樹(5勝3敗1S)
敗戦投手:又吉 克樹(2勝5敗0S)

本塁打
【中日】ビシエド(23号・2回表3ラン),福田 永将(10号・7回表ソロ) 【ヤクルト】大引 啓次(2号・2回裏ソロ),武内 晋一(1号・9回裏2ラン),上田 剛史(1号・11回裏3ラン)

  DAZN
◆ヤクルトがサヨナラ勝ち。ヤクルトは6点を追う9回裏、代打・武内の2ランなどで6点を挙げ、試合を振り出しに戻す。延長11回には、2死一二塁から上田が3ランを放ち、試合を決めた。投げては、6番手・近藤が今季5勝目。敗れた中日は、9回以降に救援陣が崩壊した。

◆ 中日は1回、大島とアルモンテの適時打で3点先取。2回はビシエドが23号3ラン。ヤクルトは2回、大引に2号ソロが出る。 ヤクルトは4回、畠山、青木の適時打で2点を返した。先発小川は4回で降板。中日は6回、大島、ビシエドの適時打で2点追加。 ヤクルトは6点を追う9回に代打武内の1号2ランで反撃開始。雄平の2点打、大引の同点打などで6点を奪い延長に突入した。 ヤクルトは11回2死から西浦が四球、井野が右前打で一、二塁とし、上田がサヨナラの1号3ランを放ち、連敗を3で止めた。近藤が5勝目。中日又吉が5敗目。

◆ 9回の6点リードが、まさかのサヨナラ逆転負けになった。9回にこの日、出場選手登録されたばかりの田島慎二投手(28)を投入したのが大誤算。 先頭西浦に四球を出すと、代打武内に2ランを被弾。1死を取ったが、そこから3連打でで4失点。バトンを受けた祖父江、岩瀬、福谷も悪い流れを止められず同点に追いつかれた。最後は延長11回、田島とともに1軍復帰したばかりの又吉が伏兵上田にサヨナラ3ランを許し、今季32度目の逆転負け。不調のため2軍で再調整してきた2人のリリーバーが、そろって背信投球。台風による強風の中、竜の白星も吹き飛んだ。 田島は「ファームでやってきたことが、できていないし、ゲームの中で修正できなかった。チームに申し訳ない」と声を振り絞った。森繁和監督は「下(2軍)で十何試合無失点でも、問題はこっち(1軍)に来てからだ」と眉をつり上げた。 今季、松坂登板の次戦は9戦9勝だった"不敗神話"も崩壊。借金は今季最多15に膨らみ、神宮の連敗は8に伸びた。

◆ 中日は9回6点リードを田島が守れず、最後は延長11回に又吉がサヨナラ3ランを浴び逆転負けを喫した。 森繁和監督は田島で締める予定だったのかを問われ「そうじゃなきゃ使わない。下(2軍)で10何試合無失点でも、問題はこっち(1軍)に来てからだ」。

◆ 8月にセ・リーグ新記録となる月間安打数「47」をマークした中日ビシエドが2回、小川から23号3ランを放った。 「タイミングを取りづらい投手だが、うまくタイミングを取れて、球を捉えることができた」と来日3年目で放ったキャリアハイの1発に自画自賛。6回にも一飛と思われた打球が強風で内野安打になる幸運もあった。

◆ 来季の続投が決定したヤクルトの小川淳司監督が、試合前に「ありがたい。その思いしかありません」と明かした。 2日に、衣笠剛球団社長兼オーナー代行と会談を行い、球団からの続投要請を受諾。15年以来のクライマックスシリーズ(CS)進出を狙える位置につけており「勝つという目的が1番大きいですが、いかに戦力を整えて上げていくか。そういうことを含めて、やっていかなければいけない」とあらためて意気込みを口にした。

◆ ヤクルト上田剛史外野手(29)が、人生初のサヨナラ本塁打となる3ランを放った。 延長11回2死一、二塁、カウント2-0から中日8番手又吉の3球目、135キロのスライダーを捉えた。打球は、台風21号による強風の中で声を出し続けたヤクルトファンが待つ右翼席へ。本塁へ生還すると、チームメートから手荒い祝福を受け、小川監督からは背中をポンポンとたたかれた。「自分が決めようという気持ちでした。いつも消極的になってしまうので、今日は積極的にいこうと思っていた」。 小川監督も「なかなか、こういうゲームはない」と劇的な勝利を振り返った。上田については「ピンチヒッター、代走として貴重な存在。結果が出たことは大きい」と活躍を喜んだ。

◆ヤクルトが6点差を逆転してサヨナラ勝ち。この試合は9回表終了時のスコアが3-9。9回裏に6点差を追い付いたのは03年4月11日巨人が阪神戦(1-7→7-7)で記録して以来、15年ぶり。 03年巨人は最終的に延長12回8-8の引き分けで、98年7月12日には横浜が中日戦で9回裏に3-9から9-9に追い付いたが、この試合も延長12回で引き分け。9回表終了時に6点リードされていた球団が逆転勝ちは、93年6月5日近鉄がダイエー戦で9回裏に7点を挙げて2-8から9-8でサヨナラ勝ちして以来、25年ぶり。

◆ ヤクルトが、名脇役の活躍で奇跡の大逆転勝利を飾った。延長11回、上田剛史外野手(29)が人生初のサヨナラ本塁打となる3ランで試合を決めた。9回裏には代打武内晋一内野手(34)の2ラン、約3月ぶりに先発した大引啓次内野手(34)の適時打などで追い付く驚異的な粘りを発揮。チームは連敗を3で止め、5割に復帰。クライマックスシリーズ(CS)進出へ大きな1勝を手にした。 鳴り物を使った応援もできなくなった午後10時39分。上田の一振りが激闘に決着をつけた。延長11回2死一、二塁、カウント2-0から中日8番手又吉の3球目、真ん中に甘く入った135キロのスライダーを捉えた。振り抜いた瞬間、右拳を突き上げて走った。ヤクルトファンの待つ右翼席へ、人生初のサヨナラ本塁打。「抜けたとは思ったけど、入るとは思わなかった。最高です!」と興奮気味に振り返った。小川監督も「本当にすごい。奇跡のようなゲームだった」と選手をたたえた。 上田は代打の切り札として期待されながら結果の出ない時期もあった。それでも毎朝の早出練習を欠かさなかった。宮本ヘッドコーチをはじめ、常に向き合ってくれる存在がいた。「今まで歯がゆい思いだった。それでもみんなが教えてくれて、今日の結果につながった」と感謝した。 名脇役がしっかり仕事を果たした。6点差で迎えた9回無死一塁、今季2打席目の武内が2ランを放ち、反撃のムードをつくった。4年ぶりの本塁打だった。さらに2死一塁、大引の二塁打で同点に追いついた。武内は今季はずっと2軍生活。苦しい時に支えにしていた言葉は、小川監督がシーズン当初から言っていた「執念」だった。「自分も諦めないで、やろうと思っていた。正直、ほっとしました」と笑みがこぼれた。6月7日ソフトバンク戦以来、約3カ月ぶりにスタメンに名を連ねた大引は2回に2号ソロ。「自分の打撃をしようと思っていた。台風の風にも押されました」と話した。 首位広島に3連敗を喫し、立ちこめていた重苦しい雰囲気を一変させた。特に1日、2日の試合ではどちらも序盤に失点を許し、試合の流れをつかめていなかった。この日も6点差。それでもベンチでは青木を中心に「これから、これから」と声が出ていた。最後まで粘ってつかんだ勝利。指揮官は「みんながよく食らいついてくれた」と目を細めた。【保坂恭子】

◆ 来季の続投が決定。ヤクルト小川淳司監督のコメント。 「ありがたい。その思いしかありません」 「今年、来年と勝つことが一番大きい目的ですが、いかに戦力を整えて上げていくか。もちろん優勝するために一丸となって戦う思いに変わりはないが、そこに向かい一生懸命やるだけです」 「手応えというか、選手の頑張りです。CSは狙えるので、なんとかそこで終われれば」 試合は9回に6点差を追いつき11回、上田の3ランでサヨナラ勝ち。 「本当にすごい。奇跡のようなゲームだった」

◆ ヤクルトの武内晋一内野手が、反撃ののろしを上げた。 3-9で迎えた9回無死一塁、捕手中村の代打で今季2度目の打席へ。カウント1-0から、中日田島の141キロ直球を右中間スタンドへ運び今季1号2ラン。笑顔でベンチに戻ると、チームメートからの祝福を受けた。 今季は2軍で調整しており、8月31日に昇格したばかりだった。本塁打は、14年8月24日DeNA戦(松山)以来、約4年ぶり。神宮では、同年7月22日広島戦以来だった。「ずっと下にいたので、上げてもらって、使ってもらって、久々に打ててすごく良かったです」と振り返った。 雰囲気を盛り上げる1発となり、打線がつながって打者一巡の猛攻で一挙6点を奪い、同点とした。チームは延長の末、サヨナラ勝ち。「結果的に、みんなが打ってくれたから勝てた。チームは勝ったことが一番です」と喜んでいた。

◆中日のビシエドが来日3年目で自己最多となる23号本塁打を放った。3-0の二回1死一、二塁から小川が投じた内角速球を完璧に捉え、左翼席に運んだ。「タイミングを取りづらい投手だが打席でうまく計れて、ボールを捉えることできた」と自賛した。  8月は47安打を放ち、セ・リーグの月間記録を更新。9月に入ってもこの一発で9打数6安打とし、勢いが止まらない。

◆中日は九回に6点リードを守れず、同点の延長十一回は又吉が上田に3ランを打たれて大逆転を許した。8月19日の巨人戦で4点差を九回に逆転されて以来となる屈辱的なサヨナラ負けとなった。  不調のため7月に2軍落ちし、この日出場選手登録された田島が誤算だった。九回から登板し、四球を出して代打武内に2ランを献上。さらに暴投で1点を失い、連打を許して降板した。後の投手も流れを止められない。2死から岩瀬が雄平に2点打を浴びると福谷も大引に適時二塁打を許し、この回計7安打を浴びて同点となった。 田島(九回から登板も4失点で降板) 「チームに申し訳ない」 中日・朝倉投手コーチ(継投について) 「九回は田島でいくと決めていた」

◆6点のリードを追いつかれてのサヨナラ負け。神宮での連敗は8に伸び、森監督は「何も言うことはありません。もうちょっとね...」とショックを隠せなかった。この日出場選手登録された田島が誤算だった。九回に四球を出して代打・武内に2ランを献上。さらに暴投で1点を失い、連打を許して降板した。救援陣が課題のチームは1分けを挟んで4連敗。借金は今季最多の15に増えた。 九回に登板。4失点で降板した中日・田島 「チームに申し訳ない」

◆ヤクルトが延長十一回、上田の3ランでサヨナラ勝ちして勝率5割に復帰した。3-9の九回、代打武内の2ランなど7安打を集めて6点を奪って追い付いた。近藤が5勝目。中日は九回、田島の投入が裏目に出て逃げ切れなかった。

◆一時は6点リードを許したヤクルトが、サヨナラ勝ちで連敗を3で止めた。9-9の延長十一回2死一、二塁から上田が右中間への3ランで試合を決め、ガッツポーズ。仲間にもみくちゃにされ、笑顔になった。  驚異的な粘りを見せたのは3-9の九回だった。口火を切ったのは代打武内。無死一塁から4年ぶりの本塁打となる2ランを放ち、チームを勢いづけた。1死後に坂口が二塁打で出塁し、田島の2暴投で難なく生還。さらに青木、山田哲の連打で二、三塁の好機をつくった。2死後に雄平の2点中前打で追い上げ、大引の二塁打でついに同点。土壇場で主軸、脇役、ベテラン、若手と全ての力を集めた猛攻を見せた。

◆ヤクルトの武内が4年ぶりの本塁打を放った。6点を追う九回無死一塁から代打で2ラン。ベテランは「全員がつないで勝てたので良かった」と逆転勝利を喜んだ。  141キロの浮いた球を捉えると「風にも乗ってくれた」と打球は右中間席に届いた。今季は出番に恵まれず、まだ2打席目。「明日からまた準備したい」と浮かれることなく言った。 青木(3安打。九回には右前打でつなぎ) 「最後まで諦めない気持ち。こういうゲームをものにできたのは大きい」

◆奇跡を呼び込んだのは34歳のベテラン、武内の勝負心だった。6点を追う九回無死一塁で、田島から右越えに代打1号2ラン。8月31日に今季初昇格したばかりで、本塁打は2014年以来、4年ぶりだった。「一、二塁間を考えていた。風にも乗ってくれた」。開幕から2軍暮らしが続いたが、終盤戦での一振りにかけた男は「(昇格は)ないかもしれないと思うこともあった。(精神的に)きつい時は監督の『執念』という言葉を思い出していた」と喜びをかみしめた。

◆「6番・三塁」で出場した大引が、九回二死一塁から右中間へ同点二塁打。「(前打者の)雄平がつないでくれたので、何とかしたかった」と冷静に振り返った。二回には中越えに2号ソロ。下半身のコンディション不良から復帰し、8月31日に出場選手登録されたばかりのベテランは「(相手先発のガルシアに)みんな苦労していたので。風に乗ってくれた」と笑った。

◆セ・リーグ2位のヤクルトは4日、中日20回戦(神宮)に延長十一回、12-9でサヨナラ勝ちした。九回に3-9から追い付き、十一回に上田剛史外野手(29)が1号サヨナラ3ランを放って試合を決めた。台風21号の影響で強風が吹き荒れる中、両軍計31安打21得点と大荒れのゲームを制して連敗を3でストップ。今季最大の6点差からの逆転劇を、来季続投が決まった小川淳司監督(61)は「奇跡」と表現した。  一人一人をたたえるように、小川監督は選手たちの背中をたたきながら「奇跡のようなゲームだった」と興奮を隠さなかった。九回に6点差を追い付き、迎えた延長十一回二死一、二塁。上田が振り抜いた打球は、一直線に右翼スタンドまで飛んだ。2年ぶりの本塁打は「人生初」というサヨナラ弾。お立ち台で喜びを爆発させた。  「最高です。自分でも(本塁打だと)思っていなかった。台風の中で来てくれたファンのためにも打ちたかった」  指揮官が常々口にする「執念」を選手が体現した。驚異的な粘りを見せたのは3-9の九回。代打・武内が4年ぶりの本塁打となる2ランで勢いをつけ、坂口、青木、山田哲がつないだ。8-9の二死一塁から大引が同点二塁打を放ち、試合を振り出しに戻した。  5連勝の後、前カードの広島戦(神宮)で3連敗。この日も二回までに6点を失った。しかし、誰も諦めていなかった。  決着をつけたのは指揮官が「代打でも、代走でも貴重な存在」と語る上田だった。上田には忘れられない失敗がある。"第1次・小川政権"の2011年。巨人とのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ初戦を控えた前日に、渋谷でコーヒーを飲んでいると携帯電話が鳴った。  野手ミーティングの日時を勘違いしていたことを知ると、タクシーですぐクラブハウスに向かった。到着後、空いていたのは小川監督の隣の席だけ。ナインににらまれながら、ミーティングの輪に入ったときは「(野球人生が)終わった」とさえ思ったという。  だが、監督は「罰金50万円を持ってこい」と通達。外野に集まったナインに「上田がチームに迷惑をかけたけど、俺はスタメンを外そうとは思わない。罰金でチャラにしてやってくれないか」と頭を下げた。  後日、罰金は上田に全額返金された。「両親に仕送りをしているのを知っていたから」と指揮官。この日の劇弾に、上田は「恩返しができてよかった」と声を弾ませた。  最大6点差以上から逆転勝ちしたのは今季初で、昨年7月26日の中日戦以来となった。台風21号の影響で強風が吹き荒れる中、思わぬ守備のミスも頻発し、両軍で計31安打21得点が飛び出した大荒れの試合を制し、チームは再び勝率を5割に戻した。  荒天にも負けず、集まった1万4582人の観衆に上田は「CSへ、あしたからまた戦っていきます」と誓った。この日の「執念」は、CS進出、そしてさらなるミラクルをも予感させるほど強烈なものだった。 (横山尚杜) 3安打のヤクルト・青木 「(右前打でつないだ九回は)最後まで諦めない気持ちだった。こういうゲームをものにできたのは大きい」 九回の左翼線二塁打にヤクルト・山田哲 「つなぐ意識だった。全員があきらめないという気持ちをもっているから、こういう結果になったと思う」

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
72442 0.621
(↑0.004)
M12
(↑1)
25618
(+5)
528
(+4)
156
(+1)
76
(+1)
0.268
(-)
4.06
(↑0.02)
2
(-)
ヤクルト
58581 0.5
(↑0.004)
14
(-)
26552
(+12)
570
(+9)
111
(+3)
63
(-)
0.269
(↑0.001
4.39
(↓0.03)
3
(-)
巨人
59623 0.488
(-)
15.5
(↓0.5)
19556
(-)
513
(-)
126
(-)
58
(-)
0.261
(-)
3.93
(-)
4
(-)
阪神
52601 0.464
(↓0.004)
18
(↓1)
30448
(+4)
493
(+5)
67
(-)
57
(+2)
0.253
(↑0.001)
3.96
(-)
5
(-)
DeNA
51642 0.443
(-)
20.5
(↓0.5)
26464
(-)
553
(-)
143
(-)
68
(-)
0.252
(-)
4.36
(-)
6
(-)
中日
53682 0.438
(↓0.004)
21.5
(↓1)
20519
(+9)
564
(+12)
82
(+2)
53
(+1)
0.265
(↑0.001
4.39
(↓0.06)