西武(☆5対4★)楽天 =リーグ戦22回戦・埼玉県営大宮公園野球場=
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楽天
00100 0300 480
西武
00000 101 5120
勝利投手:伊藤 翔(2勝0敗0S)
敗戦投手:ハーマン(2勝3敗18S)
  DAZN
◆西武が逆転サヨナラ勝ち。西武は2点を追う9回裏、秋山の2点適時打が飛び出し、試合を振り出しに戻す。さらに2死二塁の好機をつくると、山川が適時打を放ち、試合を決めた。投げては、3番手・伊藤が今季2勝目。敗れた楽天は、4番手・ハーマンが誤算だった。

◆西武榎田大樹投手(32)が初の2桁勝利を目指す。 阪神でプレーした昨年の榎田は3試合に登板して0勝。前年0勝投手が移籍1年目に2桁勝利を挙げると、09年に巨人で0勝、10年にオリックスで10勝の木佐貫以来になる。

◆5年目の楽天内田靖人内野手が、規格外のパワーを見せつけた。同点で迎えた7回1死一塁。西武榎田の低め137キロ直球を左翼スタンドの上段まで運んだ。5月23日のオリックス戦以来となる5号2ラン。 1軍昇格した前日28日に「夏なのに冬眠していました」と冗談を言っていた和製大砲候補。「田中さんや西巻が出てきて、2軍でも同じ右の岩見がいる。アピールしないといけない。完璧な当たりでした」と話したが、チームは9回に逆転サヨナラ負けを喫した。

◆キッチリとひっくり返した。西武が楽天にサヨナラ勝ちし、今カードを連勝した。2点を追う9回1死二、三塁で、秋山翔吾外野手(30)が同点2点適時打。なお2死二塁で、山川穂高内野手(26)が右中間を破るサヨナラ打を放った。主力がキッチリ仕事を果たし、今季7度目のサヨナラ勝ち。2位ソフトバンクとの6差を守り、10年ぶりリーグ優勝に向けてひた走る。 ウオーターシャワー用のタンクを促しながら、栗山はグラウンドに駆けだした。今季7回目の歓喜の輪。殊勲打の山川を、満面の笑みとハイタッチでたたえた。「今年は2点差、3点差をワンチャンスで何度もひっくり返してきた。いけると思って声を張ってました」と力強くうなずいた。 この男のバットが、サヨナラ劇への序章となった。2点を追う9回1死走者なしで代打で登場。頭は冷静に、心は熱く、打席に向かった。「2点差だったので、まず塁に出る。代打なんで打てる球は思い切っていく」。カウント2-2から甘く入った145キロを逃さず振り抜き、右越えの二塁打。打線に点火し、秋山の同点打、山川のサヨナラ打につながった。何が何でも優勝したい。プロ17年目。期するものがある。7月中旬。入団1、2年目の日記を何げなく読み返した。打撃の課題などが書き連ねられたノートをめくりながら実感したのは、時間の経過だった。栗山 プロの世界に入って、こんなにたっているんだなと。これだけ時間がたっているなら優勝せなあかん。優勝争いをしている今の状況を、面白いと思わないと損なんですよ。勝つために打席に立ち、悔しい思いも重ねてきた。「自分の成績だけに目がいってしまうと、正直しんどい部分もある」とこぼしたこともあった。前カードのソフトバンク戦で3タテを食らった後は、2010年が脳裏をよぎった。優勝目前の9月中旬に福岡で3連敗を喫してV逸した苦い記憶。それでも「今年はあと1カ月ある。目の前の試合に集中すればいい」と悔しさを糧に、前だけを見据えた。最短で9月2日にマジック19がともる。栗山は力を込めて言った。「全員が1つになって戦って、1つ1つ勝っていくだけです」。こんな骨太な男が支えるから、今の西武は強い。【佐竹実】

◆楽天の今江が0-0の三回二死一、三塁で適時打を放ち、16日以来の打点を挙げた。内角の速球を左前にはじき返し「何とか走者をかえせて良かった」とほほ笑んだ。  前日の28日には一回に三重殺を喫するなど、3打数無安打に終わっていた。「昨日はことごとくチャンスをつぶしていたのでね」と名誉挽回の一打に一息ついた。

◆西武が逆転サヨナラ勝ちを収めた。2-4の九回、秋山の2点適時打で追い付き、なおも二死二塁で山川が右越えに適時打を放って試合を決めた。伊藤が1回無失点で2試合連続で白星を挙げた。楽天は抑えのハーマンが誤算で5連敗。

◆楽天は4-2の九回に抑えのハーマンが崩れ、逆転サヨナラ負けで5連敗を喫した。平石監督代行は「それまでは勝つならこの形、というイメージ通りに運べていたけど」と落胆した。  ハーマンは制球が定まらなかった。暴投などで1死二、三塁のピンチを招いて秋山に同点の2点適時打を浴びると、なお2死二塁で山川にサヨナラ打を許し「何を言っても言い訳になる。自分の仕事ができなかった」と悔やんだ。 辛島(6回1失点の好投でも白星付かず) 「六回の場面で粘り切れなかったことが悔しい」 田中(七回に2試合連発の16号ソロ) 「追い込まれていたので変化球も頭にあったけど、直球に体が反応してくれた」

◆楽天の内田は1軍に再昇格して2試合目の試合で、5月23日以来の本塁打を放った。1-1の七回一死一塁で左越えに特大の5号2ランを運び「完璧でした」と喜んだ。  榎田のクイックでの投球にタイミングが合わず、速球に差し込まれていた。狙い通りに直球を捉えた一発に「対応できたので良かった。試合の中で修正できたのが大きい」と手応えを口にした。

◆西武の秋山が2-4の九回一死二、三塁でハーマンの高めの速球を右前にはじき返し、貴重な2点適時打を放った。チームを救う同点打に塁上で珍しく大きなガッツポーズが飛び出した。  さらに2死後、山川の打席で二盗に成功し、右越えの安打でサヨナラのホームを踏んだ。「ハーマンの足が1球目から上がっていたので。いいタイミングで走れた」と胸を張った。 伊藤(新人でプロ初勝利から2日連続で白星) 「勝てたのでうれしい。2点差なら、すぐ追い付いてくれると思っていた。テンポよく、追加点を与えないようにと思っていた」 辻監督(サヨナラ勝ちに) 「最後の山川の一打は、全員が一丸となって打たせた」

◆逆転負けの中で、1番を打つ田中が3安打と気を吐いた。三回は左前打で出塁後、今江の適時打で先制のホームイン。五回は中前打、七回には右越えに16号ソロを放った。2試合連続弾に「変化球も頭にあったが、直球に体がうまく反応してくれた」と胸を張った。打率は・294に上昇し、ここまで19盗塁をマーク。立大から入団2年目ながら、新人王候補に浮上した。

◆前日に救援でプロ初勝利を挙げたD3位・伊藤(四国IL・徳島)が九回に登板。「追加点をやらないようにテンポよく投げた」と3者凡退に仕留め、その裏の逆転サヨナラ勝ちで2勝目を手にした。「逆転して勝ったのが一番うれしい。今のチームは2点差ぐらい、すぐに追いついてくれる」。新人がチームの2試合連続で勝利投手となるのは、2004年の山崎敏以来14年ぶり。強運の19歳に辻監督は「持っているね」と笑顔だった。

◆パ・リーグ首位の西武は29日、楽天22回戦(大宮公園)に5-4で今季7度目のサヨナラ勝ちを飾った。2点を追う九回に"新2番"の秋山翔吾外野手(30)が同点の右前2点打、4番・山川穂高内野手(26)が右中間に今季2度目のサヨナラ打を放ち、試合を決めた。負ければ2位・ソフトバンクに再び5ゲーム差に迫られる状況で連夜の逆転勝ち。勢いを取り戻した獅子が、リーグ優勝へ一気にギアを上げる。  一塁ベースを回った山川が、右拳を突き上げた。  「2回振って当たらなくて帰りたかった。当たったのは超まぐれです」  殊勲の主砲は、お立ち台でジョークを飛ばし、レオ党と劇的勝利の味をかみしめた。  2点を追う九回、恐怖の「獅子おどし打線」が楽天の守護神・ハーマンに襲いかかった。一死から代打・栗山が中越え二塁打で出塁すると、前日28日からの新オーダー「1番・源田、2番・秋山」が機能。源田が四球を選んでチャンスを広げると、秋山が「ファウルを打ちながら合ってきた。抜けてよかった」と右前に2点打を放ち、まず同点に追いついた。  この間、ベンチで集中力を高めていたのが4番・山川だ。「必ず回ってくると思っていた」と、バットに念を送りながら頭を整理。「(この日の2)三振は高めを振っていたので、低めの球を打とうと思っていた」と狙いを定め、二死二塁から外角低めのスライダーを右中間にはじき返した。  前カードのソフトバンク3連戦(ヤフオクドーム)では13打数無安打に終わり、チームも3連敗。「本来はつなぐことが西武の得点力につながっている。でも、最近は自分が止めてしまっていた。ふがいない」と責任を痛感していた。  前日28日にチームは連敗を止めたが、山川は前橋から帰京する車中でも思い悩んだ。「バットを持っていないときは、いいイメージを持つしかない」と芯に当たる感覚を思い返し、この日の劇打につなげた。  今季2戦2敗だった"鬼門"の大宮公園でのサヨナラ勝ち、連夜の逆転勝利に、辻監督は「見事に逆転してくれた。山川の一打は全員が打たせてくれたような気がする」とうなずいた。優勝へのマジックナンバー点灯は最短で9月2日。お立ち台で、山川は「必ず優勝します!!」と誓い、力強く"復活"へののろしを上げた。 (花里雄太)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
674520.598
(↑0.003)
0
(-)
29632
(+5)
536
(+4)
159
(-)
107
(+2)
0.272
(↑0.001)
4.35
(↑0.01)
2
(-)
福岡
605010.545
(↑0.004)
6
(-)
32523
(+7)
466
(-)
161
(-)
68
(+2)
0.263
(-)
4.01
(↑0.04)
3
(-)
日ハム
605130.541
(↑0.001)
6.5
(↓0.5)
29493
(-)
467
(-)
124
(-)
74
(-)
0.253
(-)
3.75
(-)
4
(-)
ロッテ
525730.477
(↓0.004)
13.5
(↓1)
31426
(-)
465
(+7)
52
(-)
103
(+1)
0.252
(↓0.002)
3.82
(↓0.02)
5
(-)
ORIX
525950.468
(-)
14.5
(↓0.5)
27430
(-)
461
(-)
83
(-)
76
(-)
0.239
(-)
3.69
(-)
6
(-)
楽天
476530.42
(↓0.003)
20
(↓1)
28412
(+4)
457
(+5)
105
(+2)
55
(-)
0.241
(-)
3.7
(↓0.02)