阪神(★0対1☆)ヤクルト =リーグ戦17回戦・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
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阪神
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勝利投手:小川 泰弘(6勝5敗0S)
(セーブ:石山 泰稚(3勝2敗23S))
敗戦投手:岩貞 祐太(5勝7敗0S)
  DAZN
◆ヤクルトは1回表、1死一塁から山田哲の適時二塁打で先制点を挙げた。投げては、先発・小川が7回4安打無失点の力投で今季6勝目。その後は近藤、石山とつないで虎の子の1点を守り抜いた。敗れた阪神は、最終回に一打逆転の好機をつくるも、あと1本が出なかった。

◆先発した阪神岩貞祐太投手が7回で降板した。119球を投じて5安打1失点。試合を作り、先発投手としての役割を果たした。 しかし、味方打線が好機をつくるもヤクルト先発小川の前に苦戦。7回1失点の好投も勝ち星に恵まれなかった。8月7日巨人戦で今季6勝目を挙げた後、これで3試合勝ちなし。

◆ヤクルト小川泰弘投手が7回4安打無失点と好投した。 直球、カットボール、スライダーともテンポ良くストライクゾーンに投げ込み、今季最多の131球で阪神打線を封じこめた。勝利投手の権利を持ったまま降板した小川は「今日は直球が良く、強い球が投げることができました。中盤からはテンポ良くいけたと思います」と振り返った。

◆「スミ1」で敗れた阪神岩貞祐太投手(26)にとっては、悔やみきれない1球になった。 初回1死一塁で山田哲に対し、1ストライクからの2球目を左中間にはじき返され、1点を失った。内角いっぱいを狙って投げた直球が、真ん中高めの絶好球になった。「負けて悔しいです。あそこを粘りたかった」。 2回以降は、自らの失策で招いたピンチをしのぐなど、小川と投手戦を演じて、7回1失点。ただ、味方の援護に恵まれず、7敗目(5勝)を喫した。 5連続で週の頭を任されてきた左腕。夏の長期ロードを終え、1カ月ぶりに戻ってきた甲子園で、勝利を呼び込めなかった。

◆悔しい完封負けの中、阪神俊介外野手が唯一のマルチ安打と気を吐いた。 2回の第1打席、ヤクルト先発小川のスライダーを中前にはじき返した。7回は小川の直球をセンター左へ運び、果敢な走塁で二塁打とした。しかし、9回2死一、三塁の好機で一飛に終わり、最後の打者となった。試合後は「最後打ちたかったです」と唇をかんだ。

◆阪神糸井嘉男外野手が反撃の二塁打を放った。 9回1死、ヤクルト石山の直球を捉え、右翼線に痛烈な打球を飛ばした。 26日巨人戦の1打席目では死球を受け、左手首を打撲。その影響を感じさせない働きぶりで、超人が意地を見せた。

◆阪神は33日ぶりの甲子園ゲームで完封負けを喫した。 夏の高校野球が幕を閉じ、久々に戻ってきた本拠地。ヤクルト先発小川の前に打線が沈黙し、1点を追う9回1死一、三塁の好機で最後は2者連続内野フライに終わった。金本知憲監督は試合後、「どうしても勝ちたかったけどね、本当...」と厳しい表情。ここ4試合で3度目の完封負けとなり、今季10度目の完封負けは巨人と並んでワーストの数字になった。

◆ヤクルトが3連勝で勝率を5割に戻した。 先発の小川が7回4安打無失点と好投。近藤、石山とつなぎ、初回に山田哲の適時二塁打による1点を守りきった。 小川淳司監督は「小川は今日は球に力があった。ナイスピッチングです。全然スピードが落ちなくて、球威も問題なかった。(5回)無死一、三塁で点が取れなかったのは、いろいろあるけど、しょうがない。こういう展開で守りきった。粘ったのは大きい」と先発小川を称賛。勝率5割には「これからですよね」と引き締めた。

◆阪神原口文仁捕手が9回に代打で登場し、意地の一打を放った。9回1死二塁。ヤクルト石山の5球目、内角高めにきた130キロスライダーを左前にはじき返した。 「(カウントが)追い込まれていたので、しっかりつなげてよかったです」 チームは無得点に終わったが、存在感を見せた。これで今季の代打成績は40打数19安打の打率4割7分5厘。与えられた打席で結果を残している。

◆これぞエースの投球だ。ヤクルト小川が7回無失点で5試合ぶりの白星となる6勝目を挙げ、チームを勝率5割に戻した。1-0の7回2死二塁のピンチでは、130球目でこの日最速の150キロをマーク。「悔いを残さないようにしっかり腕を振った。気持ちで絶対に勝つと思っていた」。気迫のこもった今季最多の131球に「粘り強く投げられた」とうなずいた。 ブルペン陣のピンチも救った。球場到着後、中継ぎ左腕のハフがコンディション不良を訴えて登録抹消。時間的に投手の補充が難しく、中継ぎ陣は1人減の6人で臨むことになった。 中継ぎ陣を温存したい6連戦初戦に訪れたチームの危機。小川は動じず「何とか最低でも7回」と意を決した。直球主体にテンポを意識した投球で粘り強くゼロを並べた。「8、9回も行きたいところだったけど最低限の仕事はできたかな」とほほ笑む小川に、田畑投手コーチは「ライアンに尽きる。中継ぎが1人少ない中であそこまでよく投げてくれた」と最敬礼した。 小川の後を近藤と石山がつなぎ、3投手で初回の1得点を守り切って3連勝。小川は「普段は(打線に)助けてもらっているので、投手で勝つ試合をどんどん作っていければ、より強いチームになる」と力を込めた。【浜本卓也】

◆神様が執念の一打で沸かせた。1点を追う9回1死二塁で代打コールされた阪神原口が左安打。一打同点、長打が出ればサヨナラのチャンスをつくった。「追い込まれていたのでしっかりつなげてよかったです」。カウント1-2からの5球目。内角高めにきた石山の130キロスライダーを、とらえ三遊間を割った。大山と俊介が凡退して勝利は呼び込めなかったが、あらためて勝負強さを見せつけた。 これで今季代打成績は40打数19安打で打率4割7分5厘。代打での得点圏打率は17打数12安打の打率7割6厘と驚異の数字だ。 球団記録も見えてきた。OBの桧山進次郎氏が08年に記録したシーズン代打安打の「23」にまで残り4本となった。 「(試合に)出たところで結果を出すことで(チームの)プラスになると思うので、頑張ります」。一振りにかける男の戦いは続く。【真柴健】

◆阪神岩貞は敗戦後、「負けて悔しいです...」とつぶやいた。7回1失点の好投だが、初回の1点が重くのしかかり7敗目を喫した。 初回1死一塁。打席には山田哲。1ストライクからの2球目。梅野が体ごと内角いっぱいに寄せ、ミットを山田哲の懐に構えた。だが144キロは真ん中高めへ。左中間にはじき返され、1点を失った。「あそこを粘りたかったというか...はい...」。痛恨の1球を振り返り、ため息をついた。 2回以降は小川にひけをとらない好投。5回は自らのバント処理悪送球、けん制悪送球で無死一、三塁のピンチを招いた。ここで山田哲を低めの142キロで見逃し三振、バレンティンは陽川がフェンス際で好捕して一邪飛、雄平は三ゴロ。6回、7回はギアを入れ直し、3人ずつで片付けた。 「(5回は)やってしまって頭が真っ白になったんですが、陽川のファインプレーに助けられて、粘れた。失点しなかったので(6回以降)流れを持って来られるように飛ばした」 5連続で週の頭を任された左腕。今季5勝中、3勝を挙げている甲子園のマウンド。打っては5回の打席で、三塁側へのファウルでテレビカメラを壊すハプニングもあった。だが、期待に応える仕事を果たしたとはいえ、残ったのは悔いばかりだった。【柏原誠】

◆阪神が33日ぶりに帰ってきた甲子園で、ため息の0-1負けを喫した。真夏の長期ロード明け初戦、ロサリオの2軍落ちで久々の和製オーダーを組んだが、ヤクルト先発小川らの前に0行進。10度の完封負けは巨人と並んでリーグ最多の不名誉だ。CSホーム開催へ、2位ヤクルトに迫りたかったがゲーム差は3・5に拡大。有利なはずの本拠地甲子園での借金も10まで増え、乗れない日々が続く。 俊介が表情をゆがめ、力なく打ち上げたボールに視線を向ける。最後はため息だけが甲子園に充満した。1点を追う9回。ヤクルト守護神石山を1死一、三塁まで追い詰めた。ここで6番大山が内角高め148キロに差し込まれ、遊飛に倒れたのが痛恨だった。金本監督は「外野フライを1本打ってほしかったけどな」と残念顔。7番俊介も一飛に仕留められ、33日ぶりの甲子園戦は0-1の「スミ1完封負け」に終わった。 「どうしても勝ちたかったけどね、本当...」。指揮官は試合後、厳しい表情で本音をこぼした。夏の高校野球が幕を閉じ、久々に本拠地に戻ってきた。ましてや、長期ロード最終戦となった26日敵地巨人戦では5点差を8回にひっくり返す劇的勝利を決めていた。勢いづくには最高のタイミングだったはずの一戦。結果はあまりにも寂しかった。 前日27日にロサリオを2軍降格させて迎えたヤクルト戦。手は打った。この日の先発投手は右腕小川。試合前の時点で右打者相手の被打率は2割8分6厘、左打者には2割4分8厘というデータもあり、5番以降の4人は右打者をスタメンに並べた。一塁にはナバーロではなく1軍再昇格した陽川。三塁は鳥谷を外して大山。中堅は伊藤隼ではなく俊介。「対小川はちょっと右の方が分が良かったんでね。期待しましたけどね」と指揮官。6月30日ヤクルト戦(神宮)以来約2カ月ぶりの和製オーダーで勝負をかけたが、陽川と大山は無安打と沈黙した。 今季10度目の完封負けは巨人と並ぶリーグワースト。何より、ここ4試合で3回完封負けした事実が気がかりだ。「確かに小川は良かった」。指揮官がそう振り返った通り、この日の右腕は150キロ前後の直球、変化球のキレ、制球力ともに上々。先週末に0封された巨人菅野、メルセデスも抜群だった。とはいえ、これ以上聖地で0を並べ続けるわけにはいかない。 2位ヤクルトに迫るどころか3・5ゲーム差をつけられた。有利なはずが、今季16勝26敗1分けで借金が10まで増えた甲子園。CSホーム開催を勝ち取るためにも今日、明日の直接対決は、総力を結集して連勝したい。【佐井陽介】

◆ヤクルトが3連勝。一回に3番・山田哲が放った先制二塁打の1点を守った。先発の小川は7回を投げ8三振を奪うなど4安打無失点6勝目(5敗)。八回は近藤、九回は石山とつないだ。  ヤクルトは一回一死二塁から、山田哲が左中間二塁打を放ち、1点を先制した。その後は二回、三回、五回に好機も作ったが、追加点を奪えず。それでも、小川の投球がさえた。阪神は、長期ロード明けの甲子園での試合だったが、零封負け。九回一死一、三塁の好機も生かせなかった。先発の岩貞は7回を5安打1失点8奪三振と好投したが、7敗目(5勝)を喫した。

◆「7番・三塁」で先発出場したヤクルトの広岡がこの日も起用に応えた。1軍に昇格した26日にDeNA戦で2号ソロ本塁打を放った3年目の大型内野手は、阪神の岩貞から二回に左翼線へ二塁打、四回には中前打を放った。  遊撃で開幕戦先発の座をつかんだものの、不振のために5月の途中から2軍暮らしが続いた。しかし川端の離脱で回ってきた好機で、定位置獲得へ好アピールを続けている。「2軍で結果を残し、もう一度先発の座を取ることで、これからの成長に何かあるのでは」という小川監督の期待に応えた。

◆ヤクルトが3連勝。一回に3番・山田哲が放った先制二塁打の1点を守った。先発の小川は7回を投げ8三振を奪うなど4安打無失点6勝目(5敗)。ヒーローインタビューでは喜びに浸った  --1点リードの九回裏はベンチで  「ちょっとヒヤヒヤしましたけど、石山投手を信じて見てました」  --投手戦を投げ勝ちました  「気持ちで絶対に勝つって思ってましたし、キャッチャー中村もしっかりリードしてくれましたし、バックも守ってくれたんで、リズム良く投げることができました」  --素晴らしいストレート  「力強い球を多く投げられたと思うので、次も調整して、次も勝ちたいと思います」  --130球目に150キロを計測  「一週間やってきたことをしっかり出すっていう気持ちで投げましたし、魂で投げ勝つんだっていうその思いしかなかったので、それが150キロという形になりました」  --明日以降の戦い  「これからが大事だと思いますし、週の頭を取れたっていうのは大きいと思うので、明日からチーム一丸となってがんばりたいと思います」

◆ヤクルトの山田哲が一回の二塁打で、チーム唯一の得点をたたき出した。リードを守り切り「粘り強い野球がヤクルトの象徴になっている」と接戦勝利を喜んだ。  1死一塁で岩貞の内角直球を捉えて左中間を深々と破った。「つなぐ意識でコンパクトに打てた」と振り返った通り、大振りはせず、状況判断が光った。打率は3割1分9厘で、30本塁打は既にクリア。30盗塁まであと一つで迎えたこの日、盗塁はなかったが「明日以降、頑張ります」と前向きに話した。 石山(九回に招いたピンチを脱して23セーブ目)「チームが勝ったことが一番良かった。試合を壊さなくて良かった」 中村(リードで完封リレーに貢献)「それぞれの投手が一人一人の打者に集中してくれた結果」 小川監督(小川に)「球に力があった。とにかくナイスピッチング」

◆憂(うれい)あり 新酒の酔に 托(たく)すべく...(漱石)  本当ならもうそういう季節なのです。だけど世間サマじゃあちこちでコゲ付いていて新酒どころじゃありゃしませんヮ。困ったもんです。  やっと阪神は"夏の旅路"が終章を迎えてロード12勝12敗で帰ってまいりました。なんとなく「骨折り損のくたびれ儲け」という感じです。  「今日から球場周辺で『夕暮れ球場縁日』(3日間)がはじまりました。夏休み名残のファンサービスで僕も楽しみにしてたんですが、アッと思ったらものすごい行列ができてまして...みるとフロントの皆さんが汗だくでがんばってました」と虎番サブキャップ長友孝輔の報告だ。これを聞く度にコケのはえた古手の元トラ番としてはグッと胸にくる。というのは我々がピヨピヨ時代には「客は勝てば来るんじゃ!」と吐き捨てた方もいらして...それが勝てないからいってるんです! とギスギスした会話をしたことが何度もございました。  それがいまや球団のサービス精神には涙がこぼれるのであります。  長友はいう。「あいにく僕はたこ焼きのタコが苦手でして、ファンの皆さんが美味しそうに食べてるのを横目でみて、冷えたドリンクを楽しみましたョ。でも、タコ焼きっていうのはハフハフしながら人が食べてるのをみると本当に美味そうで...それを焼いてる球団の人をみるのも楽しくて...」  その点、キャップ阿部祐亮は大のタコ焼き党で「美味しかったですョ」とハフハフ...おいおい、肝心の金本監督は久しぶりの本拠で表情はどうだった? といったら阿部は「午後2時頃に少し雨が降りまして、練習は室内となって再スタートとしては気勢をそがれるかと思ったんですが監督は元気いっぱいでしたョ」という。  阿部記者がタコ焼きを買う前の昼過ぎ、荷物を記者席に置こうとしたらたまたま記者席が台風の影響で甲子園の黒土が舞い上がって黒々としてたらしい。それを「阪急阪神クリーンサービス」というユニホームを着た方たちが、阿部がみている前でモノの見事にきれいにしていった。  阿部はタコ焼きをハフハフしながらいうのですヮ。「グラウンドは阪神園芸さん。そしてスタンドはクリーンサービスさん。いずれも実にあざやかにきれいにしていったのですョ。感謝しかありません。さすがは甲子園! という思いでした」  とにかく甲子園は至芸の"桧舞台"だからワンダフル。が、皮肉をいうつもりはないが、その舞台の花道で歌舞伎役者のような大向こうを唸らせる大看板の「阪神十八番」の大見得をきってサマになる役者がチト少なかったなぁ。それが悔しい。  そういえば試合前に女性記者箭内桃子が「あの...私、最近、金縛りというのに時々、なるんですけど...先輩はどうです」と突然聞いてきた。そりゃ女房の前でも会社でも俺はいつも"金縛り"だぜ...といったら桃子記者は大笑い。「今夜は甲子園だから阪神がノビノビとした気分で元気に打ち、走り、岩貞さんもノビノビと投げてくれると思いますヮ...」といっていたが...虎打線が小川に"金縛り"にあってスコアボードはまるで"タコ焼き"状態だ...。投手戦というより「貧打&拙攻戦」というべきで、赤ヘルのせせら笑いが浜風にのって聞こえてきたのは幻聴なのかしらん...。

◆   --最後はチャンスだったが  金本監督 「外野フライ、1本打ってほしかったけどな」  --大山をそのまま打席に立たせたのは直球への強さがあるから?  「う~ん。今年は直球に強いのか弱いのかはあれなんだけど、外野フライを打ってくれたらな...というのはあったからね」  --最近は相手投手の状態がいい  「多少はよかったですよね」  --陽川ら、状態のいい右打者をそろえたが  「対小川というのは右(打者)の方が分がよかったんでね。期待しましたけどね、陽川とか大山とか。俊介は2本打ったり」  --岩貞は一回がもったいなかった  「う~ん...まぁ、そうだな。結果的にはな」  --甲子園で勝てない  「う~ん。どうしても勝ちたかったけどね...ホント」

◆福留は4打数無安打に終わり、これで22日の中日戦(ナゴヤドーム)の第2打席以降、21打席連続無安打となった。一回一死一塁では外角147キロ直球で遊ゴロ併殺打。反撃のチャンスを拡大できなかった。その後の3打席では3三振。試合後は報道陣の問いかけには無言で、クラブハウスへと引き揚げた。

◆糸井は「4番・右翼」で先発出場。26日の巨人戦(東京ドーム)で左手首に死球を受け、出場が心配されていたが、試合前練習も問題なくこなし、スタメンに名を連ねた。九回一死からは右翼へ二塁打を放ち、一打同点の好機を演出。しかしあと1本が出なかった。試合後はコメントを残さず帰路についた。

◆ア、アホか~!! 33日ぶりに地元甲子園に戻って零封負けって...そんなもんあるかー!! きょうは俺、スゲ~タチの悪い阪神ファンになったるでェ!!  先発の岩貞は7回5安打1失点と頑張ったよ~。だけど、ヨ~イ、スタートの一回に得点許すなよ~!! もしかして岩貞「このマウンドに夏の高校野球のヒーロー、金足農高の吉田くんが立ってたんや、ブルブルブル...緊張するわ~」となってたんじゃねーんだろうなあっ!! 打線も「この打席に大阪桐蔭高の根尾くんや藤原くんが入ってたんやなあ。ウ~ン、感動で体震えるわ~」だったんじゃねーの!?  それはさておき、何で九回二死一、三塁、ヒット1本で同点の場面で、代打・鳥谷もしくはナバーロを送らなかったん? 俊介が2安打と当たっていたから? かつて西鉄ライオンズの知将・三原脩監督は3打数3安打の打者に、あえて代打を送ったのだ。その理由はいたって単純で「4打数4安打なんて、確率的にはほとんどないわ...」。  ならば俊介には申し訳ないが(3安打するようなら、とっくにレギュラーになっているはず)左の代打やろー!? とりあえず悔しさを胸に、甲子園の土を持って帰りやがれー!!

◆岩貞は7回5安打1失点の粘投も7敗目(5勝)。一回に奪われた1点が決勝点になり「負けて悔しいです。粘りたかった」と肩を落とした。五回には自らのミスもからんで無死一、三塁のピンチを迎えたが、後続を三者凡退。「やってしまったと思って頭が真っ白になったけど、陽川のファインプレーにも助けられて粘りきれました。もっと練習していきたいです」と前を向いた。 岩貞と今季14度目のバッテリーを組んだ阪神・梅野 「よく粘ってくれたと思います。最悪のピンチ(五回)もありましたけど、展開的に最低限の守りはできました」

◆山田哲が一回一死一塁から左中間へ適時二塁打を放ち、これが決勝点となった。「直球を待っていた。つないでいこうと思っていた。たまたま打点がついてよかった」。30盗塁まであと1としているが、第2打席からは3連続三振で、盗塁はなし。チームの"スミ1"勝利に「粘り強い野球が今年のヤクルトの象徴。ナイスゲームだった」と胸を張った。

◆九回は守護神・石山が登板。一死から糸井に右翼線二塁打を浴びると、原口の左前打で一、三塁のピンチを招いたが、大山を遊飛、俊介には自己最速の152キロをマークするなど、1ボールから4球連続の直球勝負で一飛に打ち取った。21日に夏の甲子園決勝で敗れた金足農高OBの右腕は、「チームが勝ったのが一番。これからはこういう場面が多くなると思うので、抑えられてよかった」と23セーブ目に笑みをこぼした。

◆絶対最後まで諦めん!! 阪神・原口文仁捕手(26)が1点を追う九回一死二塁で左前打を放ち、最終回で見せ場を作った。原口の代打安打は今季19本目で、球団では切通猛らを抜き、歴代単独3位に浮上した。新神様がミラクルを起こす!!   その名前がコールされると、甲子園は大歓声に包まれた。「代打・原口」。ゲームセットまであと少し。虎が誇る切り札の登場だ。詰まった白球が三遊間を突破する。また一歩"神様"に近づく一打で、チームの希望をつないでみせた。  「しっかりつなげてよかったです。追い込まれていたんですけど、対応できました」  1点が重くのしかかり、スコアボードに8個の「0」が並んだ。迎えた0-1の九回一死。糸井が右翼線への二塁打で出塁してチャンスを作ると、原口の出番だ。  石山に3球でカウント1-2と追い込まれるもファウルで粘り、5球目。内角高めにきた130キロのスライダーをコンパクトに振り抜いて左前に運んだ。後続が倒れてチームは敗れたものの、最大の見せ場を作って1カ月ぶりの聖地に詰めかけた虎党をわかせた。  これで代打で19安打目。打率・475(40打数19安打)もスゴいが、シーズン代打安打数は西山和良(1963年)、切通猛(1977年)、永尾泰憲(1982年)の「18」を抜き、球団単独3位になった。永尾が86年に記録した球団2位の「22」までも残り3。先発マスクは7月27日のヤクルト戦(神宮)から遠ざかっているが、バットで存在感を放つ。  日に日に磨きがかかる集中力。その手応えは、練習方法にもあらわれている。打球の軌道を確認するために、昨季は早出練習などで行っていたロングティー。今季は春先から行うことが少なくなったが、それも好調のバロメーターのひとつだ。「いいバットの軌道が続いていますから」。ここぞの場面で集中力が際立つ今季。試行錯誤が詰まった19本目だ。  「出たところでしっかり結果を出すことが、プラスになると思う。頑張ります」  敗戦に笑顔はない。チームのため、原口はまた打席へと向かう。 (竹村岳)

◆夏のロードを終え、33日ぶりに本拠地・甲子園に帰ってきた阪神はヤクルトに零封負け。小川に対して右打者を5人並べたオーダーが不発で2位に3・5差まで開いた。借金は7で、我が家であるはずの甲子園で、今季16勝26敗1分け、借金10の惨状。なんとかしてくれ!!   これはひどすぎる...。1点を追う九回一死一、三塁。一打同点、長打で逆転の場面で大山はインハイに詰まって遊飛。二死からここまで2安打の俊介も一飛に倒れ、ジ・エンド。甲子園で勝てない。夏のロード明けの本拠地。4万超の観衆の中、今季10度目の完封負け。駆けつけた虎党の期待を裏切った。  「う~ん。(甲子園で)どうしても勝ちたかったけどね、ほんと...。外野フライ、1本打ってほしかったけどな」  甲子園では今季43試合で16勝26敗1分け。ついに借金は2桁の10まで膨れ上がった。会見で金本監督は何度も「う~ん」といううなり声をあげ、疲労感をあらわにした。  九回一死後、糸井の右翼線二塁打で風穴を空け、続く代打・原口も左前へ運んだ。指揮官は昇格したばかりの江越と植田の快足コンビを代走に次々と投入。サヨナラ勝ちへの道は作られていただけにダメージは大きい。  この日のスタメンには昇格させたばかりの陽川、俊介ら右打者を並べた。「(右投手の)対小川という点では右(打者)の方が分がよかったんでね。期待しましたけどね、陽川とか大山とか」。試合前まで小川の対左被打率・248に対し、対右同・286。データに照らし合わせたものの攻略できず...。  逆に最後はベンチに鳥谷、ナバーロも代打要員として控えていた中、左打者に相性が悪い石山(対右被打率・195、対左同・257。試合前まで)を相手に得点圏打率1割台の大山と俊介を信じて、そのまま打席に送り、失敗。  「(大山は)今年は直球に強いのか弱いのかはあれなんだけど、外野フライ打ってくれたらなというのはあったから」。大山は無言を貫いた。  これで最近4試合で3零封負け。26日の巨人戦(東京ドーム)で梅野や伊藤隼らの働きで5点ビハインドから逆転勝ちしたが、その勢いは一瞬にして消えた。33日ぶりに帰ってきた甲子園での悲しすぎる現実。勝負の就任3年目。2位・ヤクルトとは3・5ゲーム差に開き、ジリ貧傾向は止まらない。クライマックスシリーズ進出へ、がけっぷち。湿りっぱなしの打線に光は見えない。 (阿部祐亮)

◆ヤクルトは28日、阪神17回戦(甲子園)に1-0で逃げ切り、3連勝を飾った。先発の小川泰弘投手(28)が7回4安打無失点で6勝目(5敗)を挙げ、2015年4月15日の広島戦(松山)以来、3年ぶりとなる"スミ1"勝利を演出。チームは勝率5割に復帰し、29日の同戦で4月16日以来の貯金生活に挑戦する。  祈るような表情で勝利の瞬間を待った。九回二死一、三塁のピンチ。阪神打線を7回無失点に封じた小川は守護神・石山が俊介を一飛に打ち取ると、満面の笑みで歓喜のハイタッチに加わった。  「悔いが残らないように腕を振りました。直球で強いボールがいっていたのでカウントもとれたし、アウトを重ねることができた」  一回に山田哲の適時二塁打で挙げた1点を守り抜いた。六回が終わった時点で109球。七回も田畑投手コーチに「迷いなく、いってもらった」と背中を押された。二死から俊介に二塁打を浴びたが、梅野をカットボールで遊ゴロに打ち取り、4安打無失点で救援陣にバトンを渡した。  近藤、石山も無失点でつなぎ、完封リレーで、2015年4月15日以来の"スミ1"勝利だ。敵地、甲子園では1997年5月16日(吉井理人-伊藤智仁)以来。実は3年前も、21年前もリーグVを達成している。  1週間前まで第100回全国高校野球選手権が行われた甲子園。小川も愛知・成章高3年春(08年)のセンバツに21世紀枠で出場し、1回戦で駒大岩見沢(北海道)に勝利。エースとして創部103年目の甲子園初勝利に導いた。  「1球投げる度に大歓声。そんなマウンドに立ったのは初めてでした。当時、地元・田原市の盛り上がりはすごくて、『町から人が消えた』とも言われました」と当時の熱狂ぶりを懐かしむ。  高校時代にもらった「一瞬の苦しみから逃げたら、一生の後悔」という言葉が今も支えとなっている。「1学年上のエースだった先輩が帽子のつばの裏に書いてくださったんです。苦しいピンチも、その言葉で乗り越えられました」。昨年10月に右肘疲労骨折の手術を経験し、約3カ月間のノースロー生活やその後の苦しいリハビリも、先輩から受け継いだ言葉を胸に乗り越えてきた。  小川は5月27日のDeNA戦(神宮)から13試合連続で5回以上を投げ、3失点以下。抜群の安定感を小川監督も「小川が本当によかった。きょうはボールに力があった。こういう展開を守り切った、粘ったのは大きい」と絶賛した。  今月21日以来の5割復帰で29日は4月16日以来の貯金生活を狙う大事な一戦となる。エースの熱投に応えるため、絶対に負けられない。 (横山尚杜) ★1997年のヤクルト  開幕戦は広島から加入した4番・小早川が3打席連続本塁打の大活躍。4月は9連勝するなど好発進した。38本で本塁打王を獲得したホージーとMVPに輝いた攻守の要の古田らが打線の中心を担った。6月には先発陣が奮闘し、10連勝を飾った。伊藤智、石井一もけがから完全復活し、石井一は9月2日の横浜戦(横浜)で無安打無得点試合を達成。翌日にはマジックが点灯し、同28日にリーグ優勝が決定。日本シリーズは西武に4勝1敗で2年ぶりに日本一を奪還した。

◆クライマックスシリーズ(CS)進出を目指すには負けられない相手、2位ヤクルトに屈辱の0-1負け。対戦成績では10勝7敗とまだ上回っているがサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(52)は「弱みを見せてしまった」と危惧した。打者有利のカウントでも強いスイングができず、速球を仕留めることができない若手打者には「糸井&福留頼み」からの脱却を。先発岩貞の拙守には「大反省」を求めた。  CS進出を逃さないためにも2位ヤクルトは現状で最大のライバルであるはず。にも関わらず、阪神は弱みを見せてしまったように映った。  まず無得点に終わった打線だ。本来、打者はバッティングカウントでは自分本来のスイングで強振していくもの。だが、この日昇格した陽川は、最初の打席(二回一死走者なし)で、カウント1-1からの3球目のボール、インコースに来た真っすぐに窮屈な空振りをしていた(結果は10球目で右飛)。四回の2打席目も、初球の外角への真っすぐをおっつけるようにライト側へファウル。踏み込めておらず、当てにいっているようなスイングだった(この打席は空振り三振)。  全員が打てていなかっただけに逆方向への意識があるのは分かるが、追い込まれるまではしっかりと自分の形で振ってほしい。フェアゾーンに飛ばされなくとも、しっかりと強いスイングをされることが投手には怖さになる。それはのちのち効いてくるものでもある。  あとは若い打者に総じて言えることだが、やはり追い込まれてからの真っすぐに弱い。145キロ以上になると空振りしてしまう。キャンプから課題として取り組んできていることも知っている。だが、自分で若手が窮屈なスイングをしてしまっていることと、速い球を打てないということが、今でも糸井、福留に頼らざるを得ない状況を作っていると思う。この日の小川は「福留、糸井だけは抑える」と完全に2人に集中しているように見えた。だからこういう結果を招いてしまう。  先発の岩貞には「大反省」を求めたい。一回を1失点で封じたのはよかったとしても、五回のバント処理での二塁悪送球と、けん制悪送球は反省してほしい。その後の一死一、三塁ではバレンティンへの初球をインハイでよく攻めた。梅野もよく要求をして弱気にならなかったと思う。ただ、あの悪送球2つはチーム全体の弱さを見せてしまっている。投打ともにヤクルトに「やりやすい相手」だと思わせてしまっては、後々苦しくなる。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
664420.6
(↑0.004)
M21
(-)
31581
(+10)
507
(+5)
148
(+1)
71
(+4)
0.269
(↑0.002)
4.15
(↓0.01)
2
(-)
ヤクルト
555510.5
(↑0.005)
11
(-)
32522
(+1)
537
(-)
106
(-)
62
(+1)
0.269
(↓0.001)
4.42
(↑0.04)
3
(-)
巨人
576020.487
(↓0.004)
12.5
(↓1)
24527
(+5)
485
(+10)
122
(+2)
53
(-)
0.26
(↓0.001)
3.89
(↓0.04)
4
(-)
阪神
505710.467
(↓0.005)
14.5
(↓1)
35421
(-)
475
(+1)
66
(-)
51
(-)
0.25
(-)
4.01
(↑0.03)
5
(↑1)
DeNA
506120.45
(↑0.005)
16.5
(-)
30451
(+5)
525
(+3)
141
(+3)
62
(-)
0.252
(-)
4.33
(↑0.01)
6
(↓1)
中日
526410.448
(↓0.004)
17
(↓1)
26485
(+3)
522
(+5)
77
(-)
51
(-)
0.264
(-)
4.31
(↓0.01)