ソフトバンク(☆5対1★)西武 =リーグ戦17回戦・福岡ヤフオクドーム=
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西武
00000 0001 120
福岡
10010 102× 560
勝利投手:ミランダ(2勝0敗0S)
(セーブ:森 唯斗(1勝4敗25S))
敗戦投手:十亀 剣(5勝8敗0S)
  DAZN
◆ソフトバンクが破竹の8連勝。ソフトバンクは初回、松田宣の適時打で先制する。その後は4回裏に松田宣のソロで追加点を奪うと、3点リードで迎えた8回には、柳田と松田宣の連続ソロで2点を加えた。先発・ミランダは9回途中1失点で今季2勝目。敗れた西武は打線が沈黙した。

◆西武中村剛也内野手が通算1500試合出場を果たした。 6番DHで先発出場。5回裏が終わり試合が成立すると、記念ボードを贈られた。 プロ17年目で到達し「入団した時には、このような記録のことは考えていなかったです。正直うれしいです。起用していただいた今までの監督、コーチの皆さん、トレーナー、スタッフの皆さんに感謝です。そして、どんな時も熱い声援を送ってくれるファンの皆さまにも感謝です」と話した。

◆先月に入団したばかりのソフトバンクのアリエル・ミランダ投手はあと打者3人のところでノーヒットノーランを逃すも9回途中1失点と力投した。達成していれば、球団では2リーグ以降、初の快挙だった。 来日後2試合目の先発登板。12球団で打率トップの西武打線に無安打投球を続けていたが、9回無死で秋山に安打を許した。その後1点を失い、2死二塁の場面で交代した。 ミランダはキューバ出身の29歳。メジャーでは通算13勝をマークし、7月16日に来日。初登板となった今月18日オリックス戦で6回途中2失点で来日初勝利を挙げている。

◆西武が完敗した。 打線が初対戦のソフトバンク・ミランダに8回まで3四球のみの無安打に抑えられた。9回、先頭秋山が右越えにチーム初安打を放ち、ノーヒットノーランを逃れた。1死二塁から浅村が右越えに適時二塁打を放ち、完封も免れた。ただ、今季最少の2安打にとどまり、2位との直接対決3連戦に連敗。ゲーム差を6に縮められた。 辻発彦監督は、ミランダについて「良かった。あんなに変化球が多いとは思わなかった。良い投手だね。チェンジアップが低めに落ち、うまくタイミングを外された。今日は完敗」と潔く負けを認めた。 先発十亀は6回1/3、4安打3失点で8敗目。ビッグイニングはつくらなかったが、6四球を出した。特に、初回は2死走者なしから2四球でピンチを広げ、松田宣の先制打につなげられてしまった。 辻監督は「結果的に3点だけど、いきなり四球2つ」と、失点の仕方に反省を求めた。

◆キラーぶりは健在だった。ソフトバンク松田宣浩内野手(35)が、得意としている西武十亀を攻略してチーム8連勝を呼び込んだ。 初回2死一、二塁。「グラシアル、ギータ(柳田)が四球でつくってくれたチャンス。(十亀とは)相性がいいけどそこで打つか打たないか。ほんと集中していた」。2球目の直球を振り切った。三遊間を割る先制のタイムリーとなった。 1打席目のヒットで気をよくすると「カモ」にまたしても襲いかかった。先頭打者で迎えた4回の2打席目。120キロのカーブを左翼テラス席に運ぶ中押しの25号ソロだ。「追い込まれていたし、マークしていたカーブ。一昨日、昨日とヒットを打ってなかったし、まずいな、と思っていたからね」。十亀とはこれで今季14打数7安打、5本塁打。相性のいい相手を攻略し、さらに勢いに乗った。8回には柳田と連弾となる26号ソロを増田から放った。豪打西武のお株を奪う2発のアーチ。「現状2位だけど、残り試合が少ないし、ウチは目の前の試合を全力でやらないと。やるしかない」。逆転Vへ向け、言葉に力を込めた。

◆西武打線が初対戦のソフトバンク・ミランダに沈黙した。落差のあるチェンジアップ、フォークにバットが当たらない。8三振は全て空振り。かと思えば、最速150キロの直球をズドンと決められた。 2回り目からは追い込まれる前に積極的に打ちにいったが、ゴロとフライ。8回まで3四球のみに封じられた。ノーヒットノーランの屈辱がよぎった9回、先頭秋山が右越えにチーム初安打。1死二塁から浅村が右越えに適時二塁打で完封も免れたが、今季最少の2安打に終わり、2位との直接対決に連敗した。ゲーム差を6に縮められた。 辻監督は潔かった。「あんなに変化球が多いとは。良い投手。チェンジアップが低めに落ち、うまくタイミングを外された。打者も必死にやっている。今日は完敗です」と認めた。 光明は9回。秋山は、それまでの3打席から「アプローチを変えよう」と、ややベースから離れて立った。結果につなげ「また対戦する。4打席目は風景を変えました。他の選手の参考にもなればいい。たとえ凡打になっても、それまでと違う凡打になればいいなと思って」と言った。転んでも、ただでは起きない。生きたデータを手に入れた。【古川真弥】

◆7月に加入したソフトバンクの左腕ミランダが、強打の西武を8回まで無安打に封じる好投で、来日初登板から2連勝で2勝目を挙げた。 球団では1リーグ時代の43年に南海の別所昭が達成して以来のノーヒットノーランが見えた。ミランダも「そういう気持ちでいった」とやる気満々だったが、9回、先頭の秋山に甘く入ったスライダーを右翼フェンスまで運ばれ、快挙を逃した。 その直後、就任4年目で初めて工藤監督が直接マウンドへ向かった。「(無安打が)途切れた時、本人の顔を見て判断しようと。本人もまだいきたいと言っていたので」と続投を決断。1点を失いなおも2死一、二塁のピンチを迎えたところで降板となったが、「見ていてワクワクドキドキした」と快投をほめた。 直球は最速150キロ。同じ腕の振りから投げ分ける勝負球の落差が大きいスプリットとタイミングをずらすチェンジアップがはまった。「子どものころから練習した球。米国のボールより少し小さいし縫い目もあって制球しやすい」と、低めに器用に操った。 メジャー通算13勝左腕はお立ち台で「アリガトウ」と大きな声を出し、「野球人の中で一番好調なマウンド。逆転優勝へ頑張りたい」と言った。首位西武とのゲーム差は6に縮まった。連覇をあきらめていないチームを加速させた。【石橋隆雄】
 ◆アリエル・ミランダ キューバ・ハバナ州出身の29歳。13年までキューバリーグでプレー。亡命を経て15年にオリオールズとマイナー契約。16年にメジャーデビューし、同年7月にマリナーズ移籍。来日初登板の18日のオリックス戦では先発し5回2/3、2失点で初勝利。188センチ、86キロ。左投げ左打ち。

◆ソフトバンクの松田宣が今季3度目の1試合2本塁打をマークした。四回に十亀のカーブを左越えにソロを放つと、八回には増田からバックスクリーンへ26号ソロ。「とにかく勝つことを意識してやる」と熱っぽく話した。  十亀からは一回にも2死一、二塁で三遊間をゴロで抜く先制打を記録するなど通算42打数26安打で打率6割1分9厘、9本塁打と圧倒している。「いい投手なので、打ち返そうと思っているだけ」と事もなげだった。

◆ソフトバンクが今季初の8連勝。アリエル・ミランダ投手(29)が先発し、西武打線を相手に8回2/3を2安打1失点で2勝目を挙げた。九回に先頭の秋山に右翼線安打を浴びるまで無安打ピッチング。打線も効果的に点を重ねた。  西武の先発は十亀。ソフトバンクは一回、二死からグラシアルと柳田が四球で一、二塁。松田宣が左前に先制適時打を放ち、1点を先制した。四回は先頭の松田宣が左越えに25号ソロ。1点を追加して、2-0とした。  ソフトバンクは六回、先頭のグラシアルが右翼線二塁打。柳田、松田宣が四球で無死満塁とし、中村晃が中犠飛。1点を加え、3-0とした。さらに八回にも2点を追加。西武は九回に1点を返したが、反撃が遅かった。

◆西武は自慢の打線が八回まで沈黙した。ミランダに無安打無得点試合を達成されるかと思われた九回、先頭打者の秋山がチーム初安打をマークし、1死後に浅村が適時二塁打を放った。1点を返すのがやっとの展開に、辻監督は「この試合は完敗」とお手上げだった。  初対戦だったミランダの変化球に苦しんだ。「あんなに変化球が多いと思わなかった。いいチェンジアップを投げていたし、思ったよりも良かった」と相手をたたえた。

◆西武の十亀は勝負どころで粘れず、七回途中を3失点で8敗目を喫した。一回は2死走者なしから四球を二つ与えて苦手の松田宣に適時打を浴びた。四回はまたも松田宣にソロを浴び「松田さん一人にやられてしまった」と悔やんだ。  7月3日に挙げた5勝目を最後に、後半戦はまだ白星がない。「もう少し頑張らないといけない。こういう形で申し訳ない」と反省ばかりを口にした。 秋山(九回にチーム初安打) 「ミランダは真っすぐの軌道に近いチェンジアップを投げていて、空振りさせられていた。打席の立ち位置など微調整して、それが(結果に)出たのが九回の4打席目」 中村(通算1500試合出場) 「起用してもらった今までの監督、コーチ、そしてトレーナー、スタッフの皆さんに感謝です」

◆ソフトバンクは投打がかみ合い、8連勝と勢いが止まらない。今月11日の時点で首位西武に11・5ゲーム差をつけられていたが、短期間で6まで縮め、工藤監督は「ナイスゲーム」と大きな声で言った。  21日から26日までの日本ハム、西武との6連戦を優勝争いに踏みとどまるための大事な試合と位置づけている。「とにかく一つずつ、勝てるように頑張っていきたい」と表情を引き締めた。

◆初対戦のミランダに八回まで無安打。九回先頭で秋山が右翼フェンス直撃のチーム初安打を放ち、1点につなげたのが精いっぱいだった。「違ったアプローチをしようと、少しベース寄りに立った。真っすぐも角度があるし、チェンジアップも真っすぐの軌道に近いから、あれだけ空振りをさせられた」と秋山。2連敗で、今カードでの優勝へのマジックナンバー点灯はお預けとなった。

◆もしミランダが無安打無得点試合を達成していたら、球団史上2人目、南海時代の1943年5月26日の別所昭(のちに毅彦)以来、75年ぶりの快挙だった。12球団で達成からもっとも遠い鷹。観戦した後藤オーナー代行兼球団社長は「王会長と一緒にみていたけど『70年か』と話しながらね。見たかったな。だけど、そんなこと言ってられない。勝ったことが最高」と逆転優勝を期待した。

◆回を追うごとにガッツポーズに力がこもった。107球目を痛打され、気合十分の表情が少しだけ崩れた。ノーヒットノーラン目前。来日2度目の先発で、ソフトバンク・ミランダが奇跡への道を加速させる快投だ。  「九回は『やるぞ』という気持ちでいったけどね。野球人生で一番の好調だったと思うよ」  八回まで無安打。快挙を予感させたが、九回に先頭の秋山に右翼フェンス直撃の安打を浴びた。完封と完投も逃したが、8回2/3を2安打1失点。二回で5三振を奪うと、終盤までバットの芯に当てさせなかった。  最速150キロの直球、空振りを奪うフォークとカウントを稼ぐチェンジアップの投げ分け。少年時代から操ったという変化と緩急が「日本の球の縫い目の方が投げやすい」と、面白いようにタイミングを外した。  初被安打の後は、工藤監督が就任4年で初めて自らマウンドへ。称賛と敬意を表した。「緊張感もあったし、顔を見て(続投を)判断しようと。わくわく、ドキドキする投球だった」。左腕は初登板から2連勝でチームは今季最長8連勝。11日に最大「11・5」まで開いた西武とのゲーム差を、わずか2週間で「6」まで縮めた。  球団の外国人獲得には大切な基準がある。「性格はみます。まじめさ、日本の野球を見下していないかも」と渉外担当。昨年は米大リーグ、マリナーズで8勝を挙げた実績を持つ左腕だが、今年7月に来日すると「以前から日本でプレーしてみたかった」と、すぐに家族も呼んだ。「海に行ったり、おいしい店を探したり。すしと焼き肉はどちらも好きだね」。前向きな気持ちで即成功。初観戦した家族の前で輝き、本拠地初登板で鷹党の心もつかんだ。  「ファンの拍手が一番力になったよ。逆転優勝を狙って頑張りたいね」  26日も勝てば、大逆転へのムードは一気に高まる。8試合の直接対決を残すライバルに強烈な印象を残した勝ち方も、大きい。 (安藤理)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
654420.596
(↓0.006)
0
(-)
32613
(+1)
515
(+5)
156
(-)
105
(-)
0.271
(↓0.001)
4.31
(↓0.01)
2
(-)
福岡
584910.542
(↑0.004)
6
(↑1)
35503
(+5)
456
(+1)
157
(+3)
66
(-)
0.263
(-)
4.04
(↑0.03)
3
(-)
日ハム
585130.532
(-)
7
(↑0.5)
31485
(+3)
465
(+3)
123
(+1)
74
(+2)
0.252
(↑0.001)
3.8
(↑0.01)
4
(-)
ロッテ
515530.481
(↑0.005)
12.5
(↑1)
34423
(+6)
449
(+5)
52
(-)
100
(-)
0.254
(↑0.001)
3.79
(↓0.01)
5
(-)
ORIX
515850.468
(↓0.004)
14
(-)
29422
(+5)
456
(+6)
83
(-)
72
(-)
0.239
(-)
3.71
(↓0.02)
6
(-)
楽天
476230.431
(-)
18
(↑0.5)
31401
(+3)
442
(+3)
102
(+1)
54
(+1)
0.241
(↓0.001)
3.66
(↑0.02)