西武(★3対5☆)日本ハム =リーグ戦15回戦・メットライフ=
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日ハム
02000 0201 5140
西武
01001 1000 361
勝利投手:西村 天裕(2勝2敗1S)
(セーブ:浦野 博司(2勝1敗6S))
敗戦投手:菊池 雄星(9勝3敗0S)
  DAZN
◆日本ハムは1点ビハインドの7回表、近藤とレアードの適時打で2点を奪い、逆転に成功する。そのまま迎えた9回には、4番・中田のソロが飛び出し、貴重な追加点を挙げた。投げては、2番手・西村が今季2勝目。敗れた西武は、先発・菊池が要所で粘りきれなかった。

◆西武菊池雄星投手(27)はあと1勝で3年連続2桁勝利。西武で2桁勝利を3年以上続ければ12~14年岸以来だが、左腕では86~88年に3年連続、91~94年に4年連続で記録した工藤に次いでチーム2人目になる。

◆日本ハムの高卒5年目、渡辺諒内野手(23)が、西武の先発菊池から、2回に先制の4号ソロを左越えへ放った。  追い込まれてからの4球目、真ん中へ入ったスライダーを見逃さなかった。「甘く入ってきたスライダーは引っ張っても良いと思っていたので、タイミングを取って、しっかり打てたと思います。先制点が欲しい場面だったので、まずは1点取れて良かったです」と、コメントした。

◆日本ハム先発の堀瑞輝投手は、6回途中まで西武打線を3安打に封じたが、いずれも痛打となった。  最初の被安打は2点リードの2回。山川に35号ソロを浴びた。2安打目は5回、中村に20号ソロを浴びて同点とされた。3本目は6回先頭金子侑の右前打。俊足の金子侑に二盗を決められ、無死二塁から秋山の中飛で1死三塁に。続く源田に中堅へ犠飛を放たれ、勝ち越された。  5回2/3を3安打3失点で降板したが、味方打線が7回に2点を奪って逆転。黒星は免れた。  「前回のピッチング(9日楽天戦で5回7失点で黒星)でチームに迷惑をかけてしまったので、なんとか取り返したい、という気持ちで投げました。3連戦の頭で大事な試合ということも意識していました。ホームランは打たれましたけど、最少失点で抑えられたのかなと思います」と、振り返った。

◆日本ハムがシーソーゲームを制して、首位西武とのゲーム差を4・5に縮めた。  2回に2点を先行したが、6回までに逆転される展開。相手先発は菊池で、厳しい展開となったが7回にエース左腕を打ち崩した。  先頭の中島が内野安打で出塁し、二盗にも成功。2死三塁から近藤が粘って右翼前へポトリと落ちる同点適時打を放った。さらに中田も右前打で続き、最後はレアードが決勝の左前適時打を放った。  9回には中田が2試合連発となる21号ソロで突き放し、守護神の浦野がリードを守りきった。  栗山英樹監督は「まずは先に(勝利を)取れた。また、明日は(この日の勝利を)忘れて、必死になって取りにいく」。シーズンは残り38試合。逆転優勝へ、この3連戦は1戦必勝で臨む覚悟だ。

◆西武山川穂高内野手が自身初となる4試合連続本塁打を放った。  2回先頭で、日本ハム堀からバックスクリーン左へ35号ソロ。初対戦だったが「データより、自分の反応。甘い球は全部打つつもりで」と、真ん中に入った初球145キロを捉えた。  4試合連続本塁打には「どうでもいいです」と即答した。2位日本ハムとの直接対決3連戦の初戦に敗れた。首位チームの4番打者は「ハムは、意識しないといけない。あと2つ、勝てるように。その中でホームランを打てればいい」と話した。

◆首位西武は2位日本ハムとの直接対決3連戦の初戦を落とした。ゲーム差は4・5に縮まった。  先発の菊池雄星投手が踏ん張れなかった。2-3の7回、2死三塁で近藤に中前適時打を打たれ同点。打ち取った当たりだったが、カーブを右中間に落とされた。さらに、中田、レアードと連打され、勝ち越された。  今季3敗目を喫し「全体的に調子は良かったのですが、大事な場面で粘りきれなかった。申し訳ないです」と悔しそうに話した。

◆日本ハムが終盤に畳み掛け、西武のエース菊池を攻略した。2-3の7回、内野安打を足がかりに2死三塁と好機を広げ、3番近藤、4番中田、5番レアードと中軸の3連打で2点を奪い試合をひっくり返した。  同点打の近藤は、フルカウントからカーブを中前へ運び「追い込まれていたんですけど、粘り強くいけて良かった。気持ちで打ちました」と、執念の一打。勝ち越しの左前適時打を放ったレアードは「打ったのは甘く入ってきたスライダーだよ。ラッキーだったね。タイミングだけ合わせて打ちにいったよ」と、喜んだ。

◆実力者の本領発揮だ。日本ハム近藤健介捕手(25)が、芸術的な一振りで西武菊池雄星投手(27)とのハイレベルな攻防を制した。1点を追う7回2死三塁、フルカウントから最大球速差30キロのカーブに反応。同点の中前適時打とした。マウンド上の菊池は珍しく落胆。チームは試合をひっくり返した。首位とは4・5差。まだまだ食らいつく。  日本ハム近藤が、神懸かり的な"反応"で西武のエース菊池を打ち砕いた。2-3の7回2死三塁、156キロの剛速球をファウルにしてフルカウントとし、続く6球目だった。「何も考えていませんでした。基本、タイミングは真っすぐに合わせていましたし。体が反応して、止まりました。意識はしていません」。無の境地で直球を打ちにいきながら、実に球速差30キロの126キロのカーブに、下半身がピタリと止まった。  中前へはじき返した打球は、起死回生の同点適時打に。マウンドで両膝に手をつき、うなだれる菊池の姿を、しっかりと見届けた。驚異の一打で相手エースの心を折った25歳は「ぶっさいくな打ち方でしたけどね」と、屈託なく笑った。  兄貴分で4番を打つ中田が、こんなことを話したことがある。「コンちゃん(近藤)は、追い込まれるのが嫌じゃないんだって。追い込まれても、打てる自信があるんだよ。すごいな~って思う」と、4歳下の後輩に感心していた。近藤本人は「追い込まれると何も考えなくていいから、逆にリラックスできるんですよね」。平然と、いとも簡単に言ってのけるのだ。  日本ハムが誇る球界最高峰の技術。「打席ではフルカウントにすることを、常に心がけています」。自信のある勝負カウントに持ち込み「後ろには中田さんがいて、走者をためて1発打たれるより、僕と勝負してくると思いました」と相手投手の心理を読んだ。「こっちは、あたって砕けろ。どんどん攻めていけたら」。逆転Vは諦めない。【中島宙恵】

◆日本ハムが盤石の継投で、負けられない首位西武との3連戦初戦を取った。打線が7回に勝ち越すと、勝利の方程式が登場。7回は宮西尚生投手(33)、8回はマイケル・トンキン投手(28)、9回は守護神の浦野博司投手(29)が無失点リレーで締めた。2週間前の直接対決の初戦は、終盤に悔しい逆転負けを食らった。同じ舞台で、きっちりとリベンジを果たし、負けられないカードで先勝した。  今季の西武相手に、僅差で3イニングを逃げ切るのは、至難の業。12球団随一の長打力を誇る山賊打線を封じた日本ハムの勝利の方程式は強力だった。先陣を切ったのは宮西だ。1点を勝ち越した直後の7回に登板。気迫は、いつも以上だった。6番森を左邪飛、7番中村と8番炭谷は空振り三振。3者凡退で終えても、表情は引き締まったままだ。「今回のカードは、余裕がない状態だからね」。  2週間前の悪夢が、頭にあった。この日と同じ、メットライフドームでの首位西武との3連戦初戦。2点リードの7回裏無死一、三塁で登板した。犠飛で1点差とされたが、2死満塁から浅村は遊ゴロ。併殺打でピンチを脱出した-と思われた直後にミスが出て、逆転負け。その後、チームの状態も停滞した。  「エラーした方が負ける。ミスから、これだけゲーム差も開いた。こっちも流れが悪くなった」。当時は2・5ゲーム差からの逆転負け、この日は5・5ゲーム差で迎えたカード初戦。チームには、負けられる「余裕がない」。自身の出番までに奮闘してくれたチームメートにも報いたかった。「打線も点を取ってくれたし、今日は(先発)堀が、よく投げてくれた」。野手陣や、先発で試合を作った2年目左腕への感謝を結果で示した。  8回のトンキンも1安打は許したが、危なげなく守護神の浦野へリレーした。7月下旬から抑えを任される浦野は「点差はないと思って投げた。気持ちで投げました」。9回2死一塁で中村を迎え、3ボールとなりながら最後は147キロの直球で空振り三振で6セーブ目。栗山監督は「よく投げてくれた」と、3人をねぎらった。だが、百戦錬磨の宮西は言う。「明日、明後日が、もっと大事。勝つしかない」。フル回転の覚悟は出来ている。【木下大輔】

◆西武菊池は逆転を許した7回を悔いた。3-2の2死三塁で日本ハム近藤を迎えた。カウント3-1から、この日最速156キロ。ファウルで追い込んだが、続くカーブを右中間に落とされた。30キロ差を反応された。マウンドで両手を膝につき、無念をにじませた。「裏をかく中でカーブを投げた。いい方に転ぶこともあるが、いいところに落とされた。(カーブの)選択は後悔してません」。ただ、同点後も中田、レアードの連打で勝ち越され「勝負どころで抑えきれない。今年の自分の全てかな」と唇をかんだ。  メジャー12球団のスカウトも視察する中、突っ込み気味のフォームを修正していた。右足を引き上げてから下ろす時に中堅方向へつま先までピンと伸ばし、軸足に体重を残すことを意識づけた。「球はいい方。でも、投球はトータルなので」。次は今季初のソフトバンク戦。プロ入り以来0勝12敗の相手に真価を発揮するしかない。【古川真弥】

◆西武・菊池は17日の日本ハム戦(メットライフ)に先発する。16日はメットライフで調整を行った。自身の3年連続の10勝目がかかるうえに、2位チームが相手だけに、「大事な試合になる。突っ込み気味のフォームを修正してきた」と力を込めた。米大リーグの公式サイトに自身の紹介記事が掲載されたことについては、「今は優勝することだけしか考えていない」と話した。

◆日本ハムの渡辺が3試合連続で先発出場し4号ソロを放った。0-0の二回1死で菊池に2球で追い込まれながらも1ボールの後のスライダーをコンパクトな振りで捉え、左翼席へ運んだ。  2試合ぶりのアーチに「追い込まれていたが、甘く入ってきたスライダーは引っ張ってもいいと思っていたので、タイミングを取ってしっかり打てた」と胸を張った。昨季までの4年間で1本塁打だったのが今季は早くも4本と成長ぶりを見せた。

◆西武の山川が4試合連続の35号ソロを放った。0-2の二回、先頭打者で堀の初球の甘く入った速球を見逃さず、豪快なスイングで中越えへ運んだ。  ここ8試合で7本塁打。六回にも中前打を放って2試合連続の複数安打と勢いが止まらない。だがチームは敗れ「この3連戦は特別だと思ってやっている。本塁打を打って、あと2試合勝てるように頑張りたい」と話した。 辻監督(菊池に) 「打者への圧力がおとなしい気がする。甘く行ったら打たれてしまう」

◆日本ハムの近藤が菊池から同点打を放ち、勝利に貢献した。2-3の七回2死三塁で156キロの剛速球をファウルにし、カーブを巧みに捉えて中前へはじき返し「粘り強くいけて良かった。気持ちで打った」と興奮気味に振り返った。チームはこの回計2点を奪い、逆転した。  菊池からは一回に四球を選び、五回には変化球を左前打とした。首位西武との直接対決でエースを攻略し、存在感を示した。 レアード(七回に勝ち越し打) 「大事な試合。(前の打者が打って)チームメートが喜んでいる姿を見て、僕も燃えた」 堀(5回7失点だった前回から一転して六回途中3失点と粘り) 「前回迷惑を掛けたので、取り返したい気持ちで投げた」

◆広島新庄高出身の2年目、堀が六回途中を3安打3失点。勝ち負けはつかなかったが、西武・菊池との左腕対決で堂々と投げ合った。前回9日の楽天戦(札幌ドーム)は5回7失点で黒星。山川、中村に一発こそ浴びたが「なんとか取り返したいという気持ちで投げた」と振り返った。

◆西武・菊池雄星投手(27)は、7回11安打4失点(自責点3)で3敗目を喫し「ボール自体は今年の中でもいい方だったけど、大事な場面で粘りきれなかった」と悔やんだ。  15日(日本時間16日)に米大リーグ公式サイトが、来季からメジャーでプレーする可能性があると伝えた。この日はメジャー12球団、18人のスカウトがバックネット裏から熱視線を送り、ナ・リーグ球団のスカウトは「今オフは大物FA選手が多い。菊池も大物だけど、ポスティング(システム)を使うなら早い時期がいい」と話した。  次回先発は24日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)の予定。プロ入りから12連敗中の相手だが「残りも少ない。信頼してもらえるような投球がしたい」と前を向いた。 (花里雄太)

◆1点を追う五回に中村が一時同点の20号ソロを放った。堀のチェンジアップをライナーで左翼席に運び「(打球が)伸びました。風が吹いていたので」と振り返った。これで11度目のシーズン20本塁打に到達。清原の持つ球団記録に並んだが、試合に敗れ「記録には興味がないです」と悔しそうに引き揚げた。

◆西武-日本ハム15回戦は聴覚機器およびワイヤレス通信機器の世界的企業、ソノヴァ・ジャパン株式会社による「フォナック補聴器×ライオンズ こどもスペシャルデー」として開催された。補聴器業界のプロ野球スポンサー冠試合は初めて。試合には聴覚障害を持つ子供らが招待され、チームを代表して斉藤彰が記念撮影などで交流。斉藤彰は「今日は来てくれて、ありがとうございました。熱い応援をよろしくお願いします」と感謝を示した。

◆日本ハムは17日、西武15回戦(メットライフ)に5-3で勝ち、首位との直接対決を制した。「7番・二塁」で先発した渡辺諒内野手(23)が、先制の4号ソロを放つなどプロ5年目で初の猛打賞。チームは2桁安打で相手エース、菊池の攻略に成功した。  「内角に入ってくるスライダーは引っ張ってもいいと思っていた。感触はよかったです」  渡辺が胸を張った。0-0の二回だ。菊池の139キロのスライダーに、体勢を崩しながらも食らいついた。打球はピンポン球のように左翼席へ。若武者が菊池攻略の流れを作ると、2-3の七回には近藤、中田、レアードの主軸が3連打で逆転。7回11安打4得点を浴びせ、撃破した。  渡辺は第3、4打席でも中前打を放ち、プロ初の猛打賞だ。2014年に東海大甲府高からドラフト1位で入団。けがに苦しめられた未完の大器だが、「二塁はポジションが空いている。打ってレギュラーを取りたい」と貪欲に燃えている。  これで西武とは4・5ゲーム差。重要なカード初戦を制し、栗山監督は「選手の気持ちが出た」とご機嫌だ。この日は北海道の大雪山系黒岳で観測史上最も早く初冠雪を記録し、「白星がたくさん降ってきた」と吉兆と捉えた。西武との直接対決は10試合。指揮官は「何かが起きる」と不敵に笑った。 (伊藤昇)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
614120.598
(↓0.006)
0
(-)
39580
(+3)
486
(+5)
147
(+2)
104
(+1)
0.273
(↓0.001)
4.31
(-)
2
(-)
日ハム
574620.553
(↑0.004)
4.5
(↑1)
38452
(+5)
422
(+3)
116
(+2)
69
(+1)
0.25
(↑0.002)
3.67
(↑0.01)
3
(-)
福岡
514910.51
(↑0.005)
9
(↑1)
42455
(+9)
434
(-)
146
(+3)
62
(-)
0.26
(↑0.001)
4.13
(↑0.04)
4
(↑1)
ロッテ
485130.485
(↑0.005)
11.5
(↑1)
41395
(+1)
415
(-)
50
(-)
95
(+2)
0.253
(-)
3.74
(↑0.04)
5
(↓1)
ORIX
495450.476
(↓0.004)
12.5
(-)
35400
(-)
427
(+9)
80
(-)
71
(-)
0.239
(-)
3.68
(↓0.05)
6
(-)
楽天
455920.433
(↓0.004)
17
(-)
37380
(-)
414
(+1)
96
(-)
51
(-)
0.242
(↓0.001)
3.64
(↑0.03)