ヤクルト(☆7対0★)巨人 =リーグ戦20回戦・明治神宮=
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巨人
00000 0000 040
ヤクルト
20041 000× 7100
勝利投手:原 樹理(4勝6敗0S)
敗戦投手:山口 俊(8勝7敗0S)
  DAZN
◆ヤクルトは初回、雄平の適時打で2点を先制する。その後は、4回裏に原、青木、山田哲の適時打で一挙4点を加点すると、5回にも井野の適時二塁打でリードを広げた。投げては、先発・原が9回無失点のプロ初完封で今季4勝目。敗れた巨人は、投打ともに精彩を欠いた。

◆巨人山口俊投手(31)が4回6失点でKOされた。  死球と二塁打から1回2死二、三塁とピンチを招くと、迎えた打者は雄平。カウント1ー2からの5球目、ワンバウンドとなったフォークをはじき返された。右翼前へと落とされ、2点の先制点を献上した。4回には相手先発原に適時打を浴びるなど、4安打4失点。リズムを作れずに降板した。  斎藤雅樹投手総合コーチは初回の雄平の適時打に「あの球を打たれたらね...」とコメントした。

◆ヤクルト山田哲人内野手が、4試合ぶりの適時打を放った。4回2死満塁で、巨人山口俊から中前に2点適時打。「いい流れで回ってきたのでチームの流れで打てました」とコメントした。  その後に二盗にも成功し、今季27盗塁目。「トリプルスリー」達成条件の1つでもある「30盗塁」まで、あと3とした。

◆ヤクルト雄平外野手が、2夜連続の「秘打」を見せた。  1回2死二、三塁、巨人山口俊がカウント1ボール2ストライクから投じたワンバウンドのフォークを、ゴルフスイングのようにすくい上げての「ワンバウンド打ち」。打球は飛球となって右翼前に落ち、二者が生還し、「ボール球でしたがいいところに落ちてくれました」とコメントした。  前日15日の同戦では、内角低めのボール球を払いのけるようなスイングで右前適時打。2試合連続での"悪球打ち"による適時打に、ヤクルトのベンチは盛り上がった。

◆巨人がヤクルトとの3連戦で負け越し、3位に転落した。1勝1敗で迎えたこの日は散発4安打で今季8度目の完封負けに沈められた。  1度も得点圏に走者を進められずに完敗。今季55敗目で借金3となった。3連戦で投手陣が17四死球とリズムを攻撃にリズムを生み出せなかったのも敗因に挙がる。15日の同戦で途中交代した岡本和真内野手が「4番左翼」でフル出場。  チーム唯一の2安打で気を吐いたが勝利には結びつかなかった。17日からは本拠地東京ドームに戻り、中日との3連戦に臨む。

◆巨人山口俊投手(31)が4回6失点でKOされた。  死球と二塁打から1回2死二、三塁とピンチを招くと、迎えた打者は雄平。カウント1ー2からの5球目、ワンバウンドとなったフォークをはじき返された。右翼前へと落とされ、2点の先制点を献上した。4回には相手先発原に適時打を浴びるなど、4安打4失点。リズムを作れずに降板した。  7敗目(8勝)を喫し、「ここまで来たら結果を追い求めて投げている。そういう投球ができなかったことが反省。先制の2点でパッと抑えないといけない展開だった」と話した。

◆巨人岡本和真内野手(22)が2安打と気を吐いた。  4回にヤクルト原の直球を引っ張り、左前打。7回には二遊間へと強い打球を放ち、遊撃内野安打を記録した。9回2死からは左翼ポール際へと大飛球を打ったが、あと1つ伸びずに左飛となり、ゲームセットとなった。  前日15日は6回の打席で一塁へと全力疾走した後の守備から途中交代したが、この日はフル出場。8試合連続安打を放ち、体調の万全さを際立たせた。「(体は)大丈夫です。(調子は)いいんですけど、勝たないと意味がないので」と話した。

◆ヤクルトが原樹理投手のプロ初完封勝利で2カード連続の勝ち越しを決め、2位に再浮上した。  原は二塁を踏ませない好投で4安打無四球、12奪三振。打線も初回に雄平の2点適時打で先制し、4回に4点、5回に1点と確実にリードを広げた。  小川淳司監督は「今日は樹理(原)に尽きる。安心して見ていられた。制球がいつもより安定していた。4安打打たれているけど、パーフェクトと一緒。攻撃も先制、中押し、ダメ押しと、今日はパーフェクト。すべて原樹理に尽きる」と目尻を下げた。

◆ヤクルト原樹理投手が、プロ3年目で初完封勝利をマークした。  得意球のシュートだけでなくスライダーやカーブなど両サイドと緩急を使い、巨人打線をテンポ良く打ち取った。123球で4安打無四球、自己最多の12三振を奪った。  原は「まさか完封できるとは思っていなかった。すごくうれしい気持ちでいっぱい。完封というよりも、1人で投げきろうと思っていた。8回でも1点取られてもいいやという気持ちだった。(最後は巨人岡本が左翼に大飛球)びっくりするどころじゃなかった。ファウルと思ったけど切れなくて入ったと思った。今日はついていたなと思います。今日は今日、明日から次の試合を見つめてやっていきたい」とほおを緩めた。

◆プロ初完封の瞬間は会心のガッツポーズ、ではなく苦笑いだった。3年目のヤクルト原樹理投手(25)は9回2死、巨人岡本に左翼へ大飛球を打ち上げられた。「びっくりするどころじゃなかった。ファウルと思ったら切れなくて...。本塁打だと思いました」。打球がフェンス手前で田代のグラブに収まると、原は手をひざにつき、ほおを緩めた。自己最多の12奪三振で4安打無四球。「1人で投げきると思っていたけど、まさか完封できるとは思わなかった。すごくうれしいです」と笑顔で汗を拭った。  どん底からはい上がった。若きエース候補として開幕ローテ入りしたものの、先発7試合で0勝5敗。6月中旬に中継ぎへと配置転換された。勝ち運がないという声も耳に入った。期待に応えられない悔しさも募った。「何とか取り返すしかない」。その一念で右腕を振り続けた。  鍵は「シュート投手」からの脱却だった。試合途中から投入される中継ぎを経験し、考え方に変化が生まれた。「僕は内角に投げる方が安心。外角の方が緊張するんです。でもいろんな球種を投げた方が長い回も投げられるし『原はシュートだけじゃないんだ』ってなったらいい」。シュート一辺倒の配球を見直し、スライダーやカーブを投げ込むと決めた。先発復帰後は150キロ前後の直球と変化球で緩急をつけた投球にチェンジし、これで5戦3勝1敗。この日もスライダーとシュートを軸にテンポ良く投げ込み、前夜11得点の巨人打線を封じこめた。  打っても4回に適時打と投打で躍動。チームを1日で2位に再浮上させ、小川監督からも「今日は樹理(原)に尽きる」と最大級の賛辞を贈られた。それでも「今日は今日。明日から次の試合を見据えてやっていく」と引き締めた。恐怖心に打ち勝って苦しい時期を乗り越えた原が、ここからヤクルトを救っていく。【浜本卓也】
 ▼原が無四死球の12奪三振でプロ初完封。ヤクルトで無四死球、2桁奪三振の完封勝ちは、07年9月4日グライシンガーが広島戦で記録して以来、11年ぶり。巨人戦で無四死球、2桁奪三振の完封勝ちしたヤクルト投手は、国鉄時代の55年8月24日金田以来、63年ぶり2人目。

◆巨人が今季8度目の完封で完敗した。先発山口俊が出はなをくじかれた。1回2死二、三塁、雄平にベース板付近にフォークを落としてショートバウンドさせたが、右前に運ばれて2点を先制された。さらに、4回には、2四球と相手先発原に適時打を許すなどで4失点。4回6失点で7敗目を喫し「結果を追い求めて投げている。(初回の)2点でパッと抑えないといけない展開。抑えられない自分が反省です」と敗戦を背負った。  打線も低調に終始した。被安打10、7失点に対し、散発4安打無得点。得点圏に1度も走者を進められず、イニングが単調に流れた。前夜、途中交代し、コンディションが心配されていた岡本が、フル出場して2安打をマークしたのが唯一の好材料。ヤクルトとの3連戦に負け越し、順位が入れ替わって3位に転落した。

◆ヤクルトの雄平が2点適時打を放った。0-0の一回2死二、三塁で山口俊のワンバウンドしたフォークボールをうまく拾って右前へ運び「ボール球だったけどいいところに落ちてくれた」とうなずいた。  前日15日にも難しい内角球を捉えて右前適時打としており、小川監督が「悪球打ちだからね」と評したばかりだった。意外性のある打撃で打線を活気づけた。

◆ヤクルト・原樹理投手(25)が4安打12奪三振でプロ初完封勝利を飾り、4勝目(6敗)を挙げた。  ヤクルトは原、巨人は山口俊が先発した。  ヤクルトは一回、一死から青木が死球で出塁。二死後にバレンティンが二塁打を放ち、二、三塁から雄平が先制の右前2点打を放った。  四回、一死から川端が四球で出塁。西浦の中前打、井野の二ゴロで二死一、三塁から原が中前適時打で3-0。坂口が四球を選び満塁となり、青木の右前適時打で4点目。さらに山田哲が中前2点打を放ち、6-0とした。  五回、ヤクルトは二死から西浦が左翼へ二塁打。続く井野が左中間へ適時二塁打を放ち7-0とした。

◆ヤクルト・原樹理投手(25)が4安打12奪三振でプロ初完封勝利を飾り、4勝目(6敗)を挙げた。原樹理との一問一答は以下の通り。  --プロ初完封  「すごくうれしい。まさかできるとは思っていなかった。中継ぎを経験して、1つ1つのアウトの積み重ねが大事だと気付いた」  --井野が好リード  「井野さんが引っ張ってくれて感謝しかない」  --四回には適時打  「2点差よりは3点差の方がいい。何とかどんな形でもいいから、1点を取るぞという気持ちで打席に入った」  --1勝1敗で迎えた3戦目  「絶対に勝ち越すことを意識した。その結果、勝ててよかった」  --プロ入り後最多の12奪三振  「打たせて取る投手なので、井野さんのリードがそうさせてくれた」

◆前日15日の試合で途中交代した巨人の岡本がフル出場して2安打を放ち、元気なところを見せた。四回にシュートを詰まりながらも左前打とし、七回には遊撃内野安打をマークした。  前日は六回の打席で遊ゴロに倒れた後の守備から退き、試合中に球場を離れた様子だったが、この日は最後まで出場した。体調の不安は感じさせず「全然、大丈夫です」と話した。 巨人・村田ヘッド兼バッテリーコーチ(原にプロ初完封を許し) 「打撃コーチに聞いて」

◆ヤクルトは16日、巨人20回戦(神宮)に7-0で勝利。2016年のドラフト1位・原樹理投手(25)が9回4安打のプロ初完封で4勝目を飾った。  原樹理の東洋大時代の恩師、高橋昭雄前監督(70)は、前橋市の自宅でテレビ観戦し、初の完封勝利を見届けた。オールスター前の試合をテレビで見ていて、電話で「アウトローのボールがよくなった。テークバックで腕が体に近くなっているな」と励ましたという。恩師は「僕のために開いてくれた会(1月=感謝の集い)に来たとき、10勝以上を-と声をかけたけど、それに近い勝ち星へ、やってくれそうだね」と期待していた。

◆雄平が"悪球打ち"を披露した。一回、二死二、三塁から山口俊が投じたワンバウンドのフォークボールを捉え、右前に落ちる見事な先制2点打を「ボール球でしたけど、いいところに落ちてくれました」と振り返った。「試合前にやっているワンバウンドを打ち返す練習が生きたかな」といたずらっぽく笑った。

◆山口俊は4回6安打6失点で7敗目(8勝)を喫した。一回、青木への死球をきっかけに雄平に先制の右前2点打を浴びると、四回は4安打2四球で4失点。投手の原にも中前適時打を許し、「初回の2点で抑えないといけない展開。反省するしかない」と唇をかんだ。

◆巨人は16日、ヤクルト20回戦(神宮)に0-7で敗れ、3位転落。ヤクルト・原にプロ入り初の完封勝利を献上した。  前日15日の同カードで途中交代した4番・岡本が2安打と気を吐いたものの、打線全体では散発の4安打。二塁すら踏めず、12三振を喫した。  直近3試合で計8安打を放っていた重信は4打数無安打3三振と封じられ、1番の役割を果たせず。「スライダーを見極められなかった。直球は低めにきていて、球も強かった」。4打数無安打2三振の3番・マギーは「いろいろな球種を交ぜて、いいところに投げられた」と悔しがった。  吉村打撃総合コーチも「調子がいいとは聞いていた。変化球をコースに決められた」と、原に脱帽するしかなかった。 (吉村大佑)

◆ヤクルトは16日、巨人20回戦(神宮)に7-0で勝利。2016年のドラフト1位・原樹理投手(25)が9回4安打のプロ初完封で4勝目を飾った。無四球、自己最多の12奪三振で自身3連勝。巨人打線を寄せつけず、ブキャナンに続き今季2人目の完封でチームも2カード連続の勝ち越し、2位に浮上した。  マウンド上の原は、巨人の4番・岡本が放った大飛球を左翼手・田代がフェンス手前でキャッチすると表情を崩した。9回4安打無失点。二塁を踏ませぬ快投で、自己最多の12奪三振。123球の"圧投劇"だった。  「最後は本塁打かと思ってドキッとしたけれど、完封ができてすごくうれしい。一人で投げ抜くという気持ちだった」  今季は本拠地開幕戦の先発を任されたが、苦難の連続だった。8試合に登板して一度も勝てずに5敗。ノーワインドアップからセットポジションへ。一時は2段モーションのフォームも試すなど試行錯誤した。現在はセットからゆっくりと左足を上げ、右足に十分な体重を乗せてから踏み込むフォームに固めた。  6月13日から任された中継ぎが転機だった。一人一人を全力で-。いつからか口癖のように、自分にいい聞かせるように報道陣の前でも話すようになった。「中継ぎで経験してきた一つ一つのアウトを積み重ねることが大事、ということがきょうもできました」。お立ち台で改めて快投の要因を振り返った。  神宮外苑の試合前練習が終わると、登板日以外はファンにサインをするように心がけている。自身も小学生の時に、現在のほっと神戸で当時の日本ハム・ヒルマン監督にサインをもらったことを鮮明に記憶している。「初めてもらったサイン。うれしくて部屋に飾っていました。今は子供が少しでも興味を持ってくれたらと思ってやっています」。子供の頃の純粋な気持ちを今も忘れていない。  小川監督も「今日は樹理に尽きる。すべてがうまくいった」と絶賛。チームはこれで2カード連続の勝ち越しで2位に浮上。登板過多の中継ぎ陣の負担も減らした。夏場の正念場に原が最高の結果で投手陣を救った。 (横山尚杜)

◆原はシュートが持ち味の投手だが、昨季まではその特性に頼り過ぎて、「原点」である直球がおろそかになっている部分があると感じていた。しかし、昨季後半から直球に関して意識を持つようになり、左打者の内角、右打者の外角へ、しっかり投げ切れるようになった。軸である直球が走っているから武器のシュートも生きる。  さらに、2種類のスライダーをうまく使い分け、投球の幅が広がった。カウントを取れる大きな変化のスライダーに加え、フォークのように縦に落ちるスライダーで空振りを取れるのが大きい。3三振の重信が振らされていたのは、この縦のスライダーだ。  原は私の監督2年目、2016年のドラフト1位。1年目は先発した試合で3、4人連続で死球を当ててしまったことが尾を引き、ストライクが入らなくなったこともあった。シュートピッチャーは死球を怖がっては投げられない。この壁を何とか越えてほしいと願っていたことが思い出されるが、昨季あたりからそんな姿は消えた。  今季は直球という、しっかりした軸ができ、岡本、マギーら右打者の内角にうまくシュートを使う投球には頼もしさを感じた。シーズン終盤、小川とともに先発の柱としてチームを引っ張ってほしい。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
604020.6
(↓0.006)
0
(-)
41522
(+2)
447
(+3)
132
(-)
58
(-)
0.265
(↓0.001)
4
(↑0.01)
2
(↑1)
ヤクルト
495110.49
(↑0.005)
11
(↑1)
42466
(+7)
489
(-)
96
(-)
55
(+1)
0.267
(-)
4.4
(↑0.05)
3
(↓1)
巨人
525520.486
(↓0.005)
11.5
(-)
34485
(-)
446
(+7)
109
(-)
50
(-)
0.26
(↓0.001)
3.92
(↓0.03)
4
(-)
阪神
475010.485
(↑0.006)
11.5
(↑1)
45392
(+3)
434
(+2)
60
(-)
50
(+2)
0.249
(↑0.001)
4
(↑0.03)
5
(-)
DeNA
455620.446
(↓0.004)
15.5
(-)
40406
(+5)
481
(+11)
122
(+3)
59
(-)
0.249
(-)
4.34
(↓0.07)
6
(-)
中日
475910.443
(↑0.005)
16
(↑1)
36443
(+11)
481
(+5)
68
(+2)
51
(-)
0.263
(↑0.002)
4.32
(-)