DeNA(★7対11☆)阪神 =リーグ戦14回戦・横浜スタジアム=
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阪神
12201 2210 11140
DeNA
10000 1014 780
勝利投手:メッセンジャー(10勝6敗0S)
敗戦投手:今永 昇太(2勝6敗0S)
  DAZN
◆阪神は同点で迎えた2回表、ナバーロの来日初本塁打などで2点を奪い、勝ち越しに成功する。その後は3回にロサリオの2ランが飛び出すなど、着実にリードを広げた。投げては、先発・メッセンジャーが7回2失点の好投で今季10勝目。敗れたDeNAは、投手陣が崩壊した。

◆阪神ランディ・メッセンジャー投手(36)のDeNA戦は通算21勝8敗。  他に現役でDeNAから20勝以上は石川(ヤクルト)33勝、内海(巨人)26勝、上原(巨人)24勝だけ。得意カードで外国人新記録の7度目の2桁勝利なるか。

◆超人すごすぎるぞ...。阪神糸井嘉男外野手が、1軍復帰後2戦連発となる12号ソロを放った。  4点リードの5回。113キロのカーブを強振すると打球は右翼スタンドに一直線。本塁打を放ち、足の負担を少なくしてダイヤモンドを一周した。  これで、この日は5回までに3打数3安打の猛打賞。痛いはずの超人が、虎を引っ張っている。

◆阪神ウィリン・ロサリオ内野手が2戦連発となる7号2ランを描いた。  「ベンチの雰囲気も良くて自分もチームに貢献したい気持ちだった。いい方向に強い打球を打つ事ができたね」  2点リードの3回無死一塁。真ん中にきた142キロ直球をロサリオが強振した。打球は右中間スタンドに着弾。スタンドインを確認すると、右手を突き上げてほえた。  21日は2本塁打を含む3安打3打点。調子を取り戻してきた。

◆阪神新助っ人のエフレン・ナバーロ内野手に来日1号が飛び出した。1-1と同点の2回無死、4球目の真ん中低め134キロスライダーを強くコンタクトした。高く上がった打球は横浜の風にも乗って右翼スタンドへ。勝ち越しとなる1号ソロをたたき込んだ。  ベンチに戻ると「強くボールを捉えることを心がけてスイングした。ホームランは狙っていたわけではないが、ライナー性の強い打球を打つ事を意識していました。来日初ホームランになってくれて素直にうれしいよ」と喜んだ。

◆やはり超人だった。右足腓骨(ひこつ)を骨折している阪神糸井嘉男外野手が先制適時打を放った。  初回1死一、二塁で4番糸井が打席へ。カウント1-2と追い込まれたが、4球目にしぶとく食らいついた。真ん中低めの135キロスライダーをバットの先で拾って二塁手の後方にポトリと落とした。  横浜に集った虎党を驚かせたのは、その後の走塁だった。2死一、三塁となると、一塁走者の糸井が猛然とスタートを切った。スピードを緩めることなく、二塁ベースに向かってスライディング。判定はアウトになったものの、超人が驚異の回復力と勝利への執念を見せた。

◆阪神ランディ・メッセンジャー投手(36)が7回3安打2失点で10勝目を挙げた。  1回にソトにソロを被弾も、2回以降は低めに丁寧に投げた。浅いカウントから打ってくるDeNA打線を手玉にとってゲームメーク。自身3年連続7度目の2桁勝利で、郭泰源の6度を更新。  歴史に名を刻み「今年達成したい目標の1つだったので、それが出来て非常にうれしいですし、何度も言いますけど、チームメートに感謝したいです」と笑顔で口にした。

◆阪神が4発を含む14安打11得点で勝った。打線が序盤から爆発。  その後も1発攻勢で流れを渡さなかった。2回にナバーロが来日1号。3回にはロサリオが7号2ランを放ち、5回には糸井が12号ソロ。7回にも不振に陥っていた陽川が4号2ランを放った。金本知憲監督は「どれも大きかったね。陽川も今日、迷ったけど、いかせてよかったなと思う」と振り返った。

◆阪神ウィリン・ロサリオ内野手が2戦連続となる7号2ランを放った。  3回無死一塁でDeNA先発今永の2球目、真ん中142キロ直球を強振。力で押した打球は横浜の風にも乗って右翼席に着弾した。  「いい感じで打てた。外のストライクゾーンをしっかり打とうと思って。いい方向に強い打球を打つことができたね。ベンチの雰囲気も良くて自分もチームに貢献したい気持ちだった」  打線の火付け役となった助っ人が先発野手全員安打となる14安打11得点を呼び込んだ。

◆阪神のエフレン・ナバーロ内野手に来日1号が飛び出した。1-1と同点の2回無死、4球目の真ん中低め134キロ変化球をジャストミート。高く上がった打球は横浜の風にも乗って右翼スタンドへ飛び込んだ。  記念すべきアーチがロサリオとの助っ人競演弾となり、「2人で情報をやりとりしながら打席に入っている。2人で打ててうれしいよ」と笑顔だった。

◆DeNAラミレス監督が奇策を打ったが、勝利にはつながらなかった。  先発の今永昇太投手が3回表までに7安打5失点。3回裏の攻撃は8番今永からだが、代打を出さずに打たせた(結果は三振)。ところが、4回表にマウンドに上がったのは須田幸太投手だった。  ラミレス監督は「アクシデントではない。1-5で3回だったので(後半に)もしかしたら代打、野手を使わないといけないかもしれないので」と終盤の競った場面を想定し、野手を温存したと説明した。  実際に9回には、代打の佐野恵太内野手、途中出場の中川大志内野手、楠本泰史外野手が適時打を放っているが、いかんせん失点が多すぎ、反撃は届かなかった。  奇策は先発オーダーにもあった。2番には、初めてスタメン二塁手としてソトを起用した。9番には2年ぶりに梶谷隆幸を置いた。今季4戦4敗していた相手先発のメッセンジャー対策としての、攻撃型オーダーだった。ソトは守備で危なっかしい場面はあったものの、1回に同点本塁打を放ち、6回には犠飛で打点を挙げた。梶谷は8回にソロアーチを放った。両者ともに打点を挙げ、攻撃力増強の狙いは当たったが、いかんせん序盤の大量失点が響いた。  ラミレス監督は「この2日間(序盤の失点で)非常にタフな展開となってしまった。そうなると勝ちパターンの投手をつぎ込めず、失点が重なってしまう。ソトはまだ(二塁守備の)動きは慣れていないが、しっかり対応していた。もう少し時間をかけて様子を見ないといけない」と話した。

◆阪神4番糸井が打線の火付け役になった。1回1死一、二塁。今永の外角変化球に詰まりながら右前に落とし、先制適時打になった。3回は先頭で右前へ運んで生還。5回には須田のカーブに合わせて、ライナーで右翼席へ運んだ。2試合連続の12号ソロで、DeNAにとどめを刺した。  「チームみんな、一丸となってやります」。前日21日、右足腓骨(ひこつ)骨折から戦列復帰し、本塁打を放ったばかり。この日も快音を響かせ、5月22日ヤクルト戦(倉敷)以来、2カ月ぶりの猛打賞だ。上げ潮ムードの打線で、主砲が存在感を示した。

◆阪神ナバーロが来日初アーチを放った。2回先頭で迎えた第1打席。DeNA今永の134キロ変化球をジャストミートし、右翼席上段まで運んだ。  「強くボールを捉えることを心がけてスイングした。ホームランは狙っていたわけではないが、ライナー性の強い打球を打つことを意識していました」  来日1号がロサリオとの競演弾となり、喜びはひとしお。「2人で情報をやりとりしながら打席に入っている。スイングの指導もしてくれた。2人で打ててうれしいよ」。入団当初、2軍調整中のロサリオとしきりにコミュニケーションをとり、陽気に談笑する場面もあった。日本での"先輩"のサポートに感謝。勝ち越しアーチで恩返しだ。  試合前には敵将ラミレス監督からも「途中加入は難しいが、情報を集めて頑張れ」と激励された。日本での成功に向け、学ぶ姿勢は惜しまない。勤勉な助っ人が、大きな足跡を刻んだ。

◆阪神福留が勝利にも反省の言葉を並べた。「最後きちっと勝てるのが一番いい。勝った中でも反省することもあるので、しっかり反省を」。  打撃では6回にダメ押しの2点二塁打を放ち「少しでもいい状態をつないで、上に行けるようにしたい」と目線を上げた。

◆文字通りの史上最強助っ人だ。阪神ランディ・メッセンジャー投手(36)がスイスイと投げ続けた。7回3安打2失点の好投。中5日での登板もなんのその、わずか89球での省エネピッチで押し込んだ。これで3年連続7度目の2桁勝利となる10勝目。7度の2桁勝利は外国人投手で史上初の快挙。メッセンジャーは汗をぬぐい、胸を張った。  「今年達成したい目標の1つだった。クールだね。長きにわたって名を残せる記録の1つになったと思う。たくさんのいい投手がいたなかで、上に立てるのはすごくいい経験です」  1回にソトに同点ソロを食らったが、以降は低めを丁寧についた。早打ちのDeNA打線を手玉にとった。3回から5回は1人の走者も出さず、自軍の打線爆発を呼び込んだ。7回の筒香には146キロの直球の後、116キロのカーブで見逃し三振。金本監督も「時にパワー、時に頭、時に駆け引きとか。考える力がないと、この世界はなかなか難しい。それがメッセはあるからね。おめでとうだね」と最敬礼だ。  チームを、日本を愛している。日本語の教科書を手に取って勉強。「次のページにいったら、もう前のページのことは忘れているけどね」と笑い飛ばす。球団スタッフの異動が決まれば送別会を主催して別れを惜しんだ。鳴尾浜での残留練習では若手投手の投球をブルペンでチェック。助言を惜しまず「投球のことを伝えたよ。投手コーチはノーチャンスだね(笑い)」と豪快にジョークを飛ばした。愛する分だけ愛される右腕は、新記録樹立にも「チームメートに感謝したい」と口にした。  バッキー氏が記録した虎助っ人最多勝利の100勝にも、あと6勝と射程圏内。指揮官は今後も短い間隔でローテを回すことを明かし、自身も「もちろんだよ」と今季中の到達に狙いを定める。最強助っ投ロードを歩んでいく。【池本泰尚】
 ▼メッセンジャーが7回2失点で今季10勝目を挙げ、3年連続7度目の2桁勝利。外国人投手で7度の2桁勝利は、最多で並んでいた郭泰源(西武)を上回り、史上初めてとなった。また阪神で2桁勝利を7度以上は、67~75年に9度達成の江夏以来。

◆虎が大逆襲へ号砲だ。先発野手全員安打&今季初4本塁打の猛攻で、阪神がDeNAに連勝して4位に浮上した。1発攻勢の中でも、長く不振に苦しんだウィリン・ロサリオ内野手(29)が連夜の豪快アーチをかっ飛ばして完全復調の気配だ。虎浮上のカギを握る大砲を軸とした攻撃的布陣で、逆襲ロードを突き進む。  確信した瞬間、ロサリオがハマの夜空に向かって大絶叫した。高々と右手を突き上げて喜び走る。右翼スタンドに豪快に押し込んだ。2戦連続となる7号2ランに喜びを爆発させた。  「いい感じで打てた。外のストライクゾーンをしっかり打とうと思って。いい方向に強い打球を打つことができたね。ベンチの雰囲気も良くて自分もチームに貢献したい気持ちだった」  やっと、目覚めた。実績十分で来日したが、外角の逃げるボールに手が出てしまう癖があり、日本野球に対応できなかった。2軍落ちも経験。ただ、腐らなかった。ファームでは矢野2軍監督に日本野球特有の配球について質問攻め。姿勢は貪欲なままだった。  前日に2発を放っても、そのスタンスは変わらない。試合前にDeNAラミレス監督と同僚のナバーロを交えて約5分間の野球談議。相手はNPBに13年間在籍し、通算2017安打を放って、名球会入りした"先輩"。もちろんあいさつもあるだろうが、どんな言葉も逃さない思いもある。「いい感じで(ナバーロと)2人とも打てたので、これを続けていけばチームも勝てる。小さいことから大きいことまでいろいろ必要だと思うが、続けてやっていきたい」。ナバーロとの共闘宣言にも復調の手応えがうかがえる。  金本監督も「右投手のスライダーにアジャストでき始めている。ボール球で誘ってくるなというときにパッと見逃したり、でき始めている」と評価を高めたように、状態は紛れもなく上向いている。打線の軸を担う大砲の快音と同時に、打線も活発化してきた。戦列復帰したばかりの糸井も2戦連発に加え、猛打賞。さらに盗塁を仕掛ける場面もあり、右足骨折から力強く復調してきている。7回には陽川が豪快バックスクリーン弾。ナバーロの来日1号を含め、チーム今季初の1試合4発の猛攻だった。  先発野手全員安打の14安打11得点。まだチーム309得点はリーグワーストだが、ロサリオ、ナバーロを併用する攻撃的布陣が確実に奏功し始めた。週明けの24日からは本拠地甲子園に首位広島を迎える。迎撃する準備は整った。【真柴健】
 ▼阪神の1試合4本塁打は、17年9月2日中日戦の4本塁打(坂本、大山、福留、中谷)以来。  ▼阪神の複数の外国人選手が1試合にそろって本塁打を放ったのは、16年3月30日ヤクルト戦のヘイグ、ゴメス以来。

◆阪神陽川が土壇場で踏みとどまった。4試合連続無安打でスタメン落ちの窮地だった。この日は7番に降格。3回に左前へ運び、16日巨人戦以来、21打席ぶりの安打を放つと、本領発揮は7回だ。1死一塁で三嶋の低めスライダーを豪快にすくい、バックスクリーンに今季4号2ランを放った。  快勝後、金本監督は自ら切り出した。「陽川も今日、迷ったけど、いかせてよかったなと思う。(先発落ちの)そういう意見もあったけどね。みんなでもうちょっと我慢しようかと」。実質上のラストチャンスで鮮やかな底力を見せつけた。  試合前練習中、金本監督は自らの経験を「打てないときはアメリカンノックとか」と話した。連日、自らノックバットを振り、陽川にゴロを散らした。指揮官の右手親指付け根は出血し、バットに付くほどだ。陽川は言う。「試合中、考えても仕方ない。練習でやってきたことを打席で出すだけ。打席に入る前に思い出して」。主砲候補が流した汗はウソをつかなかった。

◆DeNAは今永、阪神はメッセンジャーが先発した。阪神は1-1の同点で迎えた二回、ナバーロが今永の4球目を強振。ボールは右翼席ポール際中段に飛び込む1号ソロとなった。なおも二死二塁で糸原が右中間へ適時二塁打を放ち追加点。阪神が2点をリードした。  阪神は三回、先頭の糸井が右前打で出塁すると、続くロサリオが右中間席へ7号2ランを叩き込みリードを広げた。

◆阪神がエフレン・ナバーロ内野手(32)の来日1号ソロを含む4本塁打などで11得点を奪い連勝を飾った。先発のランディー・メッセンジャー投手(36)は7回3安打2失点で10勝目(6敗)を挙げた。  阪神は一回一死一、二塁で糸井が中前適時打を放ち1点を先制した。DeNAはその裏、ソトが左翼席へ12号ソロを放ち、同点に追いついた。  阪神は二回、ナバーロが今永の4球目を強振。ボールは右翼席ポール際中段に飛び込む1号ソロとなった。なおも二死二塁で糸原が右中間へ適時二塁打を放ち追加点。三回には先頭の糸井が右前打で出塁すると、続くロサリオが右中間席へ7号2ランを叩き込みリードを広げた。  五回にも先頭の糸井が右翼席に12号ソロを放ち1点を追加。さらに六回、二死一二塁から福留が左中間へ2点適時二塁打を放って加点した。七回には一死一塁から陽川がバックスクリーン直撃の4号2ランを放ち突き放し、八回にも中谷の犠飛で1点を加えた。  六回にソトの犠飛、八回に梶谷の7号ソロで2点を返され、九回には4点を返されたが、DeNAの反撃に耐えてリードを守り切った。

◆阪神が11得点を奪い連勝を飾った。先発のランディー・メッセンジャー投手(36)は7回3安打2失点で10勝目(6敗)を挙げた。メッセンジャーは試合後、2桁勝利に「今年達成したい目標の一つ。それができて非常にうれしい」と喜びの言葉を口にした。  --自身の出来について  「本当に良かった。これだけ点も取ってくれ、しっかり守ってくれましたし、何よりチームが勝ったということが本当に良かった」  --7月中に2桁に到達  「少し時間がかかってしまいましたけど、これからもどんどん勝っていきたい。チームメートがしっかり守ってくれて点も取ってくれてるんで感謝したい」  --横浜戦は5試合投げて5勝負けなし  「イイネ。自分でも何でかよく分からないですけど、こんなピッチングをどのチーム相手にでもしたい。たまたま横浜戦でいい投球ができているというだけ」  --外国人投手で7回2桁勝利を挙げたのは史上初めて  「今年達成したい目標の一つであったので、それができて非常にうれしい。何度も言いますけどチームメートに感謝したい」  --早くも10勝。あといくつ勝ってくれるか  「ガンバリマスネ」

◆DeNAはメッセンジャーに開幕から5戦全敗となった。強打のソトを「2番・二塁」、昨季21本塁打の梶谷を「9番・右翼」で起用する超攻撃的オーダーを組んだが、今永が3回5失点と崩れては厳しかった。5位に転落し、ラミレス監督は「序盤の大量失点が試合を決めた。エース相手に苦しい」と嘆いた。  前日はエースに任命している石田が3回KOで、2軍降格。中継ぎ転向は見送る方針としたが、頼みの両サウスポーの乱調は苦しいチーム事情を浮き彫りにした。 今永(3回5失点で6敗目) 「立ち上がり、慎重に入るということを課題にしたが、守りの投球になってしまった」 梶谷(八回に7号ソロ) 「とにかく結果が欲しかったので、必死に食らい付いた」 ソト(メッセンジャーから12号ソロと犠飛) 「3度目の対戦でどのようなボールを投げるか分かっていた」

◆今季最多4本塁打が飛び出した阪神は、先発野手全員安打の14安打11得点と猛攻を仕掛け、4位に浮上した。金本監督は「甲子園でもこれくらい打ってくれたらいいけど」と目尻を下げた。  ナバーロの来日1号に触発されるように、前日2本塁打のロサリオが一発。糸井も2試合続けてアーチを架け「チームみんな一丸となっている」と誇らしげだ。過去4試合安打のなかった陽川が周りの勢いに乗り、1本塁打を含む2安打2打点をマークしたのも大きな収穫となった。

◆真夏の夜のハマスタで虎党ビアガーデンに酔ったったア!!  先発野手全員の14品(安打)のおつまみもいけるけど、やはり虎の4アーチ酒がそれぞれ別格の味わいで、もううっとり、夢世界で~す!  二回、ナバーロの来日初ホーマー酒は、実に軽く振り抜いた、乾いたのどに駆けつけ一杯の生ビールの心地よさ。連日のロサリオの7号2ランは体が開かず、沖縄キャンプで報道陣の度肝を抜いたセンター中心の強い打球。忘れていた日本酒の深さを思い出させてくれた一杯、いや一発!! これまた、連日の糸井の本塁打はためてためてのジックリと寝かせて熟成させたウイスキーの味わいだったのだ!!  そして、バックスクリーンへの陽川の一発は「オレが4番やでェ!!」と先日まで4番を任されていたのに不調で降格させられた若虎の意地が弾けたハイボールホームランに思えたのだ!!  あ...。忘れちゃいけない7回3安打2失点で10勝目を挙げた虎の大黒柱、メッセンジャーのお酒ね? う~ん、珍しくカッカすることも一切なかったし...。ノンアルコール勝利ってことで!! この大勝に乾杯!!

◆試合前にDeNAのラミレス監督はファンに囲まれて写真に収まったり、セッセとコミュニケーションをとっていたと編集委員上田雅昭は伝えてきた。  それは大変素晴らしいことだ。同時にどこかに"今日は今永だからいただきだ..."という自信みたいなものがあったのかも。コントロールはいいし、それに速球はキレる。そう簡単にはいかない相手だ。  トラ番キャップ阿部祐亮も「ま、今日の先発は今永ですからねぇ...」とちょっと含みのある表現をしていた。これはてっきり阿部記者独特のシニカル(皮肉)な"逆説"なのか...と思っていたら三回が終わって記者席から電話をくれて、「いやあ、僕の読み違いでしたヮ。今日は苦戦するぞ...とみてましたが、暑さでボケてました。アハハ...」だと。  阪神は二回はナバーロが来日1号、三回はロサリオが2ラン。これでもう5点で、今永は3回で84球。虎のマウンドはメッセンジャーだ。すでに"へたくそなミステリー"みたいに「結末」は見えているのに、なぜかDeNAはその戦意喪失の今永を三回裏の打席に立たせて...あっさり三振。そして次の回に投手を須田に交代させるチグハグ。それじゃあ何のために漫然と今永を打席に出したのか? こっちのさい配がよほどミステリーだ。  さて阪神金本監督の試合前の表情は? といったら編集委員上田雅昭は「いゃあ、それが練習中も元気いっぱいでなぁ、次々と若手に三塁付近にノックの雨や...この暑さのなかで。つまり気合をいれて"辛口"にひきしめている感じですヮ」という。  阿部キャップは「監督のノックは昨日と今日とどっちがきつかった? と聞いたら、陽川選手は間髪入れず『どっちもでしたョ』ですって」とのこと。ここ3試合は金本監督のちょっと暑さをぶっ飛ばすシリアス・ノックは名物? になった。  ♪上を向いて歩こう 涙がこぼれないように 思い出す春の日...どこからか坂本九さんの唄が聞こえてきそうな展開。  そういえば竹村岳記者が試合前のベンチ裏の通路の光景を、こんな風に伝えてきたのを思い出した。実は竹村はDeNAのマスコット『チャピー』(黄色くて丸いマスコットで、結構ちゃっかり屋で人気者)が大好きで、そのチャピーと陽川選手が何か親しそうにしているところに遭遇した。「阪神では中谷選手と一番仲良しなんですが、チャピーは虎の若手も大好きなんです」とのことだ。陽川選手は満面の笑みで、このチャピーと"交流"していたそうである。こんなところには前夜の阪神連敗脱出の明るさもよく出ていたと竹村は感じた。もちろんノーヒットが続いていた陽川にもヒットが出て、おまけに七回にはバックスクリーンに2ランまでドカン!  攻撃力は完璧によみがえった感のある阪神打線は、五回に糸井の12号! おいおいこんなにボカスカとホームランを思い出しちゃった阪神って、何時からなんだ。  57年前(1961年)のちょうど今頃のこの真夏に『上を向いて歩こう』という曲は出来て世界的にヒットしたが、7年前の東日本大震災でも被災者を元気づけた。そして今、西日本豪雨被害の皆様にも勇気をくれている。そして阪神にも...  ♪にじんだ星をかぞえて 上を向いて...

◆先発マスクを被った梅野が、メッセンジャーを好投に導いた。「きょうに限れば、ランディ(メッセンジャー)と一致するところが少なかったんだけどね」としながらも「要所で入り球をしっかり注意して。ランディも意図があったし、しっかり意識してくれたのでうまくいきました」と汗をぬぐった。ここ2試合、早いカウントから狙われた反省を生かし、ベイ打線を翻弄した。

◆2番に入ったソトが「二塁」で来日初先発。ともに長打力のある梶谷と共存する『超攻撃的オーダー』で2人はそろって本塁打を放ったが、大量失点の前に反撃は及ばなかった。ラミレス監督は「動きが良くないところもあるが、もう少し長く使ってみないと分からない」と継続を示唆。一回に12号ソロを打つなど打撃好調のソトは「状態はすごくいい。守備も少しずつ慣れていきたい」と前向きだった。 代打温存の意図から打席に立った後に降板し3回5失点だったDeNA・今永 「もう1回でも任せてもらえる信頼感を増さないといけない。下を向いている暇があったら次に向かっていきたい」 八回、右越えに7号ソロを放ったDeNA・梶谷 「とにかく結果が欲しかったので、必死に食らいついていきました」

◆  --1試合4本塁打  金本監督「どれも大きかったね。陽川もきょう迷ったけど(スタメンで)いかせてよかった。そういう(外すという)意見もあったけどね。みんなでもうちょっと我慢しようか、と」  --直接ノックでしごいたかいがあった  「だろ?(笑) あんまり関係ないけど、関係あることにしようよ(笑)」  --ロサリオは  「(本塁打以外も)右投手のスライダーを、甘いところだけど、アジャストでき始めている。いい当たりのショートゴロ、2回あったかな。あれがヒットゾーンに飛び出してくれば期待通りの活躍ができるんじゃないかと思うし、もうちょっと厳しいのは手を出さないというね。見逃し三振はオッケーだから」  --メッセンジャーは中5日で  「本人の希望ですから。その方がリズムがいいらしいね」  --7度目の2桁勝利。外国人最多となった  「おめでとう、ですね。安定感もあるし、やっぱり考える投球ができている。パワーピッチだけじゃなく、ときにパワー、ときに頭という駆け引きとか。打者も一緒でそういう考える力がないと、なかなかこの世界は難しいと思う。それはメッセはあるからね」

◆超人がグラウンドに立つ以上、もう何をしても驚かない。糸井が前日21日の1軍復帰即の決勝3ランに続き、12号ソロを含む3安打2打点の大活躍。ベースを踏むしぐさにはまだ慎重さが残っても、プレーはハッスルそのものだ。  「チームみんな、一丸となってやっています」  5-1の五回無死。須田の113キロカーブをぐっとこらえ、振り抜いた。打球は弾丸ライナーでベイ党で埋まった右翼席へ。今季初の2試合連続アーチで、DeNAにトドメを刺した。  試合の流れを呼んだのも、糸井だ。一回一死一、二塁。先発・今永の変化球を、右手一本でしぶとく右前に落とした。先制点をもたらすと、なお二死一、三塁の場面。ベンチも虎党も、目を見開いて驚いた。  なんと、一走の糸井が二盗を試みたのだ。6月30日のヤクルト戦(神宮)で死球を受け、右腓骨を骨折してから、わずか22日...。際どいタイミングでアウトになったが、骨折の影響すら感じさせない力強い走りだった。ベンチの金本監督は「...出すわけないやろ、サイン(笑)」と首をかしげたが「そういう気持ちは買いましょ」と熱い気持ちにうなずいた。  三回無死でも右前打で今季5度目の猛打賞。右膝に保護サポーターをつけている以外は、もはやプレーになんの違和感もない。感じさせないのが超人たるゆえん。糸井が復帰してから、チームも2連勝だ。もう、離れない。糸井がいれば、まだまだ虎は、星を取り返していける。(竹村岳)

◆長~い日本プロ野球の歴史の中で、幾多の助っ人が足跡を残してきた。あいつは凄かった。あいつも...。そんな伝説の世界に、虎のメッセンジャーが踏み入れた。ハマの夜空の下、記録した今季10勝目は3年連続であり、通算では7度目。この記録、郭泰源(元西武)の6度を抜き去り、NPB助っ人投手の単独トップに躍り出た。  「今年中に達成したい目標の1つだったから、本当に嬉しいよ。チームメートに感謝したい。でも、これだけ打ってくれたらね」  DeNA戦は5戦5勝。ヒーローインタビューでは「他のチームにもこのぐらい勝ちたい」と笑わせた。ただし、試合中は鬼神の形相。チーム状態は決してよくない。こんな時に抑えるのがエースの仕事だから。それを誰よりも分かっている。低めに丁寧に投げ続けた。一回にソトに一発を食らい、六回にも1点を失ったが、省エネ89球で7回を3安打2失点。ゲームセットはベンチで10勝目を満喫した。  今月2日、ニューヨークタイムズの電子版に、日本野球の50年を紹介する記事が掲載された。インタビューを受けたのはジーン・バッキー氏(80)。阪神で球団外国人投手最多の100勝を挙げた剛腕であり、メッセンジャーが尊敬し、親交もある、偉大な助っ人の大先輩だ。  そのタテジマの先達は取材を受けて、メッセンジャーが2桁勝利を重ねていることを紹介。「沢村賞を獲れ!」とエールも送ってくれた。助っ人の歴史を切り開いたバッキー氏が、醸成させた後輩に思いを託す-。メッセンジャーはニューヨークでちょっとした有名人になっている。  これで通算94勝。次なる目標は通算100勝。「ことし中に?」と問われて「オフコース!」。その先にある優勝を、さらには沢村賞を信じて投げ続ける。  記録に残る助っ人となった男は、今度は記憶に残る助っ人への道をばく進する。 (上田雅昭)

◆ドッカーーン! 打った瞬間だった。強い西日に照らされながら、ナバーロの放物線はハマスタの右翼席最上段に着弾した。41打席目で、ついに出たぞ、来日1号!  「強く球をとらえることを心がけてスイングしたよ。本塁打を狙っていたわけではないけれど、ライナー性の強い打球を打つことを意識していた。素直にうれしいよ」  1-1で迎えた二回先頭。早くも乱打戦のニオイが漂う中、左腕・今永のカットボールを一閃した。メジャー通算わずか3発という実績を疑ってしまうほどの超特大弾。9日のウエスタン・中日戦(鳴尾浜)で2ランを放っていたが、この1軍の舞台こそ正真正銘の1号。金本監督も「ツボにくれば飛ぶというのを見せてくれた」とニンマリした。  練習前、DeNA・ラミレス監督から"塩"をプレゼントされていた。  グラウンドに足を踏み入れた後、ロサリオとともに敵将にあいさつに向かった。現役時代、日本で長く活躍したこと。異国の地で監督業を務める大変さ。尊敬の言葉をつむぐと、ラミレス監督はいつものスマイルで「シーズン途中(6月)から日本にくるのは(適応が)難しいと思うけれど、情報を集めながら、頑張れ」と返してくれたという。  実はナバーロは米国時代、いわゆるヤマ張り型の打者だった。カブス傘下3Aで一緒だったステファン・ブルーノ内野手(27)は「相手を研究して合わせるというより、自分のスタイルを貫くタイプ。狙い球を絞り、自分のスイングをする」と証言。救世主としてタテジマに袖を通した今、これまでの自分を変えようとしている。ラミレス監督は「アドバイス? ノー。アイサツダケ」と照れくさそうに監督室に戻ったが、敵味方を超えたものがそこにあり、ナバーロは"金言"を大事に懐にしまった。  「(ロサリオとは)情報をやりとりしながら、打席を迎えている。違うスイングをしていたら指導もしてくれる。2人で打てたことはよかった」  球団の助っ人アベック弾は2年ぶり。戻ってきたホームランボールは「70歳とか80歳になったとき、自分への思い出として残したい」という。掘り出し物の優良助っ人となりそうだ。 (阿部祐亮)

◆闘牛が止まらん、今度は右へドカーン! 阪神はウィリン・ロサリオ内野手(29)が2試合連発の7号2ランを放つなど、今季初の1試合4本塁打でDeNAに11-7で大勝した。苦しんできた大砲が2戦3発と覚醒モードに入り、チームも2連勝で4位浮上。破壊力アップの猛虎打線が、24日、甲子園で首位広島に襲いかかる!!  白球はピンポン球のように右中間フェンスを軽々と越えて、スタンド中段に着弾した。一塁ベースを蹴ると、ロサリオが高々と右拳を突き上げた。これが俺の打球だ! 確かな感触が両手の先からハートに伝わり、横浜の夜空にトロ(闘牛)の咆哮が響いた。  「いい感じで打てました。しっかりと、外のストライクゾーンを打とうと思っていました。結果が出てよかったですね」  勝利に貢献し、声が弾んだ。3-1の三回無死一塁。今永の110キロカーブを見逃し、2球目。外角142キロ直球を完璧に捉えた。完全覚醒を予感させる7号2ラン。2戦で3発-。しかも来日210打席目で初めて逆方向への一発が出た。  引っ張ってよし、流してよし。全方向へ長打を打てるのが、春季キャンプまでは披露していた本来の魅力だった。しかし開幕からは外に逃げる変化球に苦しむあまり、調子を崩して2軍降格。スローボール打ちの練習をするなど、技術も頭も整理。今月17日に昇格してからこれで4試合連続安打、2戦連発だが、何よりの成長の証明が、この右方向への一発だ。  金本監督は「外の真っすぐだけど、駆け引きというか。次、ボール球で誘ってくるな、と思っているときにパッと見逃しができ始めているから。そこですよね、経験というか。考える力ですよ」と評価。さらに右投手相手の遊ゴロ2つにも「アジャストでき始めている」とうなずいた。  大砲が打てば打線は当然、活気づく。二回に来日1号を放ったナバーロとのRN砲初のアベック弾に始まり、五回は糸井が2戦連発、陽川も七回にズドン。今季初の1試合4本塁打に、4度目の2桁得点&先発野手全員安打と"虎祭り"だ。  今月11日。まだ1軍昇格が見えず、鳴尾浜で必死に汗を流しながら突入した球宴休み。愛息の誕生日パーティーを神戸市内の自宅で開いた。招待したのは同じドミニカンのマテオ、ドリスら。家族やタテジマの仲間とテーブルを囲み、ケーキを食べて大盛り上がりだったという。最高のリフレッシュとともに、改めて胸に刻んだ一家の大黒柱としての自覚。虎の助っ人砲としてのプライド。そして、マテオの抹消で巡ってきた昇格のチャンスに、見違えるような姿を披露した。  チームは2連勝で4位に浮上。24日からは10ゲーム差をつけられた首位の広島を、甲子園に迎える。  「いい感じで(ナバーロと)2人で打てた。2人で打てたらチームも勝てる。続けていきたいですね」  ナバーロとの最強タッグ結成を宣言し、力強く逆襲を誓った。まだ取り返す時間はある。残り63試合。右へ左へ快音を飛ばして、真夏の大反撃の先頭に立つ。 (新里公章)

◆開幕から試行錯誤を続けてきた阪神だが、ようやく「面白い打線」ができつつある。最大の要因はもちろんロサリオ。強打者には徹底して外角を攻めてくる日本の投手に対して、右方向へ大きな打球を打てるかどうかが成功のポイントと何度も言ってきた。その打球を連日打っている時点で覚醒の予感がする。  アウトのなり方も変わってきた。3打席目、4打席目の遊ゴロは、自分の形からあまり崩れることなくスイングができていた。ということは、少しでも打球が上がれば、ヒットになったであろう内容は評価したい。  もちろん、課題がすべて解消したわけではない。連日の本塁打はいずれも左腕から。右投手の、外へ逃げていく球への対応はまだ未知数。それでも、好結果が続いたことで、気分よく右腕にも対処していけるのでは。  やや調子が落ちかけたと思ったナバーロも、バットが体に近いところでスイングできていたことが本塁打につながった。陽川も練習で徹底して右打ちを繰り返し、ボールを体の近くにもっていくことを意識した結果が一発になった。引っ張りはいつでもできるのだから、今の右打ち練習を継続してほしい。  1、2番の出塁率が高く、3番から7番まで一発がある。広島を追う条件は、この打線のフル稼働しかない。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
483310.593
(↑0.005)
0
(-)
61414
(+8)
357
(+6)
100
(+5)
48
(+2)
0.261
(↓0.001)
4.03
(↓0.01)
2
(-)
巨人
434410.494
(↓0.006)
8
(↓1)
55405
(+6)
365
(+8)
86
(+2)
45
(+1)
0.26
(-)
3.99
(↓0.04)
3
(-)
ヤクルト
394310.476
(↑0.007)
9.5
(-)
60370
(+5)
399
(+4)
76
(+2)
43
(+2)
0.261
(-)
4.33
(↑0.02)
4
(↑1)
阪神
374210.468
(↑0.006)
10
(-)
63309
(+11)
345
(+7)
50
(+4)
44
(-)
0.244
(↑0.002)
3.85
(↓0.04)
5
(↓2)
DeNA
384420.463
(↓0.006)
10.5
(↓1)
59331
(+7)
371
(+11)
102
(+2)
53
(+1)
0.248
(-)
4.06
(↓0.08)
6
(-)
中日
384810.442
(↓0.005)
12.5
(↓1)
56348
(+4)
404
(+5)
58
(+2)
42
(+1)
0.262
(↑0.001)
4.47
(↓0.01)