ソフトバンク(★5対12☆)西武 =リーグ戦12回戦・北九州市民球場=
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西武
34000 1031 12152
福岡
01001 0012 561
勝利投手:ウルフ(3勝2敗0S)
敗戦投手:武田 翔太(2勝7敗0S)
  DAZN
◆西武は初回、山川と外崎の適時打で幸先よく3点を先制する。続く2回表には、浅村と山川の連続適時打で4点を追加するなど、終わってみれば15安打で12得点を奪った。投げては、先発・ウルフが5回2失点で今季3勝目。敗れたソフトバンクは、先発・武田が乱調だった。

◆ソフトバンク内川聖一内野手(35)の北九州での通算成績は、横浜時代を含めて14試合で59打数19安打、3本塁打、8打点、打率3割2分2厘。同球場では14年から7試合連続安打中だ。  今季は打率2割3分2厘(17日現在)と低迷している内川だが、得意としている球場で好打は出るか。

◆北九州での「鷹の祭典」は大敗した。  先発武田が自己最短の2回で7失点KO。その後も西武打線を抑えられず、12失点を喫した。工藤公康監督(55)は「(武田は)ボールはいっていたように思ったが、少し高いかな。(3回以降も)投げさせたい気持ちはあった。(マウンドで)調整すると次にも生きるが、そこまでいかなかったかな」と武田について話した。  8回には代打福田が3号ソロ。9回には内川8号、松田の3戦連発となる17号の2者連続本塁打が飛び出した。最後まで残って応援してくれた北九州の鷹党へアーチをかけた。工藤監督は「最後にああやって集中力を切らさずに打ってくれたことはファンに少しでも喜んでもらえたのではないか。勝つことはできなかったので」と打撃陣の姿勢をほめた。  4月の試合が雨天中止になり、この日が今年最初で最後の北九州開催。試合後はファンが投げたのか? チームバスへ選手たちが乗り込むエリアへペンライトが投げ込まれ、黄色くむなしく光り続けていた。

◆西武が打ち勝ち、連敗を2で止めた。  初回、山川の先制左前打など3安打で3点。2回にも5安打で4点を加えた。中盤以降は1発攻勢だった。6回、秋山が14号ソロ。8回、浅村が19号3ラン。9回、中村が7号ソロ。計15安打12得点で、山賊打線の本領を発揮した。  辻発彦監督は「よく打線が点を取ってくれた。この球場は(両翼92メートルと狭く)何点あっても分からない。秋山のホームランが効いた。点を取られた後だったので。浅村の3ランも効いたね」と目を細めた。

◆山賊たちに猛暑は通じない。西武山川は「全然、暑くないです」と言い放った。人いきれでムワッとする試合後の北九州市民球場。先制打を含む2安打3打点でソフトバンクに打ち勝った主砲は沖縄出身。さすが...「いえ、メットライフドームと比べたらです」。蒸し暑さで知られる本拠地で、たくましく育った。  前日までのドームと一転、炎天下で始まった。練習開始の午後4時時点で34度。球場正面には「本日の暑さ指数」が張り出され「厳重警戒(激しい運動は中止)」の警告文がおどろおどろしかった。後半戦開幕前、辻監督も訓示した。  「よく寝て、よく食べて、体調管理を注意していこう。ヤマは、まだまだこれから。秋に、みんなで喜びを分かち合おう」  ところがだ。山川だけじゃない。2回に2点適時二塁打を放ち、8回にはリードを9点に広げるダメ押し3ランの浅村も「試合が始まったら涼しかった」とケロリ。食欲も減らないという。みんな、暑さには耐性がある。  思いはホットだった。後半戦開幕カードは前日まで2連敗。首位は保つが、相手は昨季王者。この日も負ければ勢いづかせる。試合前の円陣で山川は言った。  「2つ、やられているから、今日はどんな内容でも勝ちましょう!」  浅村も「ここを倒さないと。毎年やられている。3つ負けると、これからのダメージがでかい。1つ取れてよかった」と、1勝の意味を説いた。頼もしき山賊たち。白星1つ引っ提げ首位を守り、東へ帰る。【古川真弥】

◆ソフトバンク武田翔太投手(25)がプロ最短の2回、7失点KOを食らった。首位西武に3連勝を狙った大事なマウンドで炎上。北九州市民球場での「鷹の祭典」は5-12で大敗した。ファンが投げたのか? 試合後、選手が乗り込んでいたチームバスの手前に、約10センチのペンライトが飛び込んできた。  北九州市はこの日最高気温34度を記録する猛暑。「暑さは大丈夫だった」と武田は話すが、1回2死二塁から山川に先制の左前適時打を許すと、外崎にも2点適時三塁打を浴びるなど3安打3失点。2回も勢いを止められず、さらに5安打を浴び4点を失った。「カーブを(選択肢から)消してしまったことが一番かな。単調になってしまった。ふがいない」と肩を落とした。  工藤監督は「投げさせたい気持ちもあったが、そこまでいかなかった」。5月13日の日本ハム戦で2戦連続完封し2勝目を挙げて以降、8試合(7先発)で勝ち星がなく5連敗。今日19日にも出場選手登録を抹消される。工藤監督は「これで終わりではない」と復調を期待した。  西武との3連戦は勝ち越し。指揮官は「根負けしないように」と自分に言い聞かせるようにうなずいた。【石橋隆雄】

◆首位・西武は15安打12得点の猛攻で連敗を2で止め、オリックスに敗れた2位・日本ハムとのゲーム差を2・5に広げた。山川穂高内野手(26)が2打席連続適時打を放つなど二回までに7点を奪い主導権を奪った。序盤から試合を優位先発したブライアン・ウルフ投手(37)が5回3安打2失点(自責1)で3勝目(2敗)を挙げた。  西武は一回、ソフトバンクの先発、武田を攻め、二死二塁とすると、山川の左前適時打で先制。さらに一、二塁とチャンスを広げると外崎の右越え2点三塁打で3-0とした。二回には一死満塁から浅村の2点二塁打、山川の2点打などが飛び出し7-0と試合の主導権を握った。  この後、先発のウルフが2点を失ったものの、六回に秋山が14号ソロを放つなど追加点を挙げた。八回にも浅村の19号3ランでリードを広げた。ソフトバンクはその裏、福田のソロで1点をかえした。  西武は九回に中村が7号ソロを放ち12-3とした。ソフトバンクはその裏、内川が8号ソロ、松田が17号ソロ放ったが、序盤の大量失点が響いた。  本塁打を含む5打点の活躍で勝利に貢献した西武・浅村は「たまたまですが、相手のクイックに合わせて、うまく打つことができた」と納得の表情。「毎年、ソフトバンクにやられているので、3つ負けるわけにいかない」と意地をみせた。

◆西武のウルフが5回3安打2失点(自責点1)で、5月31日以来となる3勝目を挙げた。一回は三者三振の立ち上がり。二回にデスパイネにソロを浴びたが、打線の大量援護を受け、安定した投球でまとめた。  来日9年目。地方球場での登板にも「何度も北九州に来ているから問題ない」と自信を示していた。チームに後半戦初勝利をもたらし「自分のピッチングはある程度できた」と満足そうだった。 秋山(六回に14号ソロ) 「三回から追加点が取れていなかったので、何とか1点でも取りたい場面だった。そこで打てたことが良かった」 浅村(19号3ランなど3安打5打点) 「一つ勝てて良かった。いい流れで試合ができた」

◆ソフトバンクのデスパイネが、ロッテに所属した2016年から3年連続となる20号に到達した。二回にウルフの内角球に腕をたたんでスイング。弾丸ライナーで左翼席に放り込み「当たりは良かったが、入るとは思わなかった」と驚いた様子だった。  前半戦は厳しい内角攻めで感覚を狂わされた時期があり、打率は2割台前半に低迷。それでも時折放つ大きな当たりが、昨季本塁打、打点の2冠王に輝いた右打者の地力を示している。 内川(九回に8号ソロ) 「思い切りいった」 松田(九回に3戦連発となる17号ソロ) 「負けている中でも集中できて良かった」 長谷川勇(五回に代打で適時打) 「最近ヒットが出ていなかったので、ちょっとストレスがなくなった」

◆武田はプロ最短となる2回で降板。7失点で7敗目、自身5連敗と元気がなく「単調になってしまった」と肩を落とした。一回二死二塁から山川に先制打を許すと、森を歩かせ、外崎に外角球を捉えられた。伸びた打球は目測を誤ったような右翼手・上林の頭上を越え、さらに2者が生還。二回は一死から5連続長短打で4点を失い、60球でマウンドを去った。

◆先発のウルフが5回3安打2失点(自責点1)で、5月31日以来となる3勝目(2敗)を挙げた。打たせて取る投球が持ち味だが、一回は3者連続三振。大量援護を受け、安定した投球でまとめた。チームに後半戦初勝利をもたらした右腕は「低めにコントロールすることを心がけた。自分のピッチングはある程度できた」と満足そうだった。

◆西武は18日、ソフトバンク12回戦(北九州)に12-5で勝ち、後半戦初勝利を挙げた。3番の浅村栄斗内野手(27)が、19号3ランを含む3安打5打点と爆発した。  「感触はよかった。(相手失策の直後で)ダメージを与えられた」  6点リードの八回一死一、二塁で浅村が五十嵐の直球を左中間席中段にズドン。両翼92メートルの北九州市民球場で、辻監督は「何点あっても分からない」と警戒していたが、昨季王者の息の根を完全に止める一発となり、殊勲の主将は「毎年やられているので、ここを倒さないと。3つやられるのはこれからのダメージが大きい。1つ取れてよかった」と息をついた。  後半戦再開の16日、指揮官はヤフオクドーム室内のブルペンにコーチ、選手、スタッフを集め「優勝を狙える位置にいる。食事、睡眠をしっかり取り、体調を整えて秋に喜び合えるように頑張ろう」と訓示。だが16失点、6失点と2試合連続で思わぬ完敗を喫した。  この日は試合前に「どんな内容でもいいから勝とう!!」と山川が鼓舞し仕切り直し。その山川が一回に先制打を放ち、二回には浅村の2点打を含む5連打で4点を追加。秋山、中村の一発も飛び出し、9日のロッテ戦(メットライフ)以来となる2桁得点を奪った。  この日の北九州の最高気温は34度。球場に掲示された暑さ指数は「厳重警戒」だった。それでも浅村が「日が落ちてからは涼しかった」と振り返れば、山川も「暑くない。(本拠地の)メットライフに比べれば」と意に介さず。辻監督命名「獅子おどし打線」が、真夏のような九州で熱く復活を遂げた。 (花里雄太)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
473310.588
(↑0.006)
0
(-)
62453
(+12)
389
(+5)
103
(+3)
90
(-)
0.275
(↑0.001)
4.48
(-)
2
(-)
日ハム
453610.556
(↓0.007)
2.5
(↓1)
61350
(+2)
317
(+3)
91
(-)
55
(-)
0.246
(↓0.001)
3.5
(-)
3
(-)
福岡
413800.519
(↓0.007)
5.5
(↓1)
64347
(+5)
338
(+12)
116
(+4)
47
(-)
0.253
(↓0.001)
4.09
(↓0.09)
3
(↑1)
ORIX
413840.519
(↑0.006)
5.5
(-)
60317
(+3)
308
(+2)
63
(-)
53
(+2)
0.241
(-)
3.49
(↑0.02)
5
(-)
ロッテ
404120.494
(↓0.006)
7.5
(↓1)
60326
(+2)
331
(+6)
43
(-)
84
(+2)
0.254
(↓0.001)
3.66
(↓0.03)
6
(-)
楽天
324910.395
(↑0.007)
15.5
(-)
61286
(+6)
332
(+2)
75
(+2)
43
(-)
0.24
(-)
3.83
(↑0.02)