ヤクルト(★5対8☆)巨人 =リーグ戦12回戦・静岡草薙球場=
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巨人
20000 0600 880
ヤクルト
00002 0102 5142
勝利投手:ヤングマン(2勝0敗0S)
(セーブ:マシソン(0勝2敗4S))
敗戦投手:中尾 輝(6勝3敗0S)
  DAZN
◆巨人は初回、岡本の適時打などで2点を先制する。その後同点とされて迎えた7回表には、マギーと岡本の連続本塁打など打者一巡の猛攻で、一挙6点を加えた。投げては、先発・ヤングマンが今季2勝目。敗れたヤクルトは、山田哲がサイクル安打を達成するも、投手陣が振るわなかった。

◆巨人先発は前回の来日初登板で白星を挙げたテイラー・ヤングマン投手(28)。  来日初登板から2戦2勝は今年のガルシア(中日)がいるが、巨人の外国人投手では88年ガリクソン(4戦4勝)00年鄭■哲に次いで18年ぶり3人目となる。 ※■は王ヘンに民

◆お笑いコンビ「フォーリンラブ」のバービーが、見事に始球式を務めた。  バックスクリーンに自身が出演するテレビ静岡で放送中の番組「Girls Party」の映像が流れた後、ヤクルトの背番号8のユニホーム姿でマウンドに登場。大きく振りかぶってへそをあらわにしたかと思えば、思い切り前かがみになってヒップをアピール。後ろを守る二塁手山田哲を指さして挑発!? するなどセクシーさを振りまいた後で、ノーバウンド投球を決めた。

◆ヤクルトと巨人が試合前、球場の正面入り口で西日本豪雨災害の復旧支援のための募金活動を実施した。ヤクルトからは石山泰稚投手と近藤一樹投手、巨人からは鍬原拓也投手と中川皓太投手が参加した。10日と11日にも、同戦が行われる神宮球場で募金活動が実施される予定。各選手のコメントは、以下の通り。    ヤクルト石山「まだまだ力は必要だと思う。テレビで見られない方にも、いい報告ができるように伝えていただければと思います」  ヤクルト近藤「自分は神戸に家族を残していて、神戸でも避難しないといけない環境があると連絡がありました。周りに助けていただいたので、みんな協力はありがたいと思います」  巨人鍬原「テレビのニュースで多大な被害を受けている映像を見てショックを受けました。1日も早く元の生活を取り戻されることを祈っています」  巨人中川「西日本を中心とした豪雨で、高校3年間を過ごした広島も多くの方が被災されているので、何かお役に立てればと思っています」

◆ヤクルト山田哲人内野手が、ひと振りで試合を振り出しに戻した。  0-2の5回2死一塁、巨人ヤングマンのカーブを強振し、左翼ポール直撃の18号2ランを決めた。「打ったのはカーブです。うまく体が反応できたと思います。切れなくて良かったです」と振り返った。

◆ヤクルト山田哲人内野手が、史上66人目、71度目のサイクル安打を達成した。  第1打席で左前安打、第2打席は四球、第3打席で18号2ラン、第4打席で左二塁打、第5打席で巨人谷岡から右翼へ適時三塁打を放ち、快挙を打ち立てた。  ヤクルト球団では2003年7月1日の横浜戦で稲葉篤紀が達成して以来15年ぶりとなる。今季は4月21日の日本ハム戦でソフトバンク柳田悠岐外野手がサイクル安打を記録している。

◆ヤクルト山田哲人内野手が、史上66人目、71度目のサイクル安打を達成した。第1打席で左前安打、第2打席は四球、第3打席で18号2ラン、第4打席で左二塁打、第5打席で巨人谷岡から右翼へ適時三塁打を放ち、快挙を打ち立てた。  先発はヤクルトがカラシティー、巨人はヤングマン。巨人は1回、岡本の適時二塁打などで2点を先制した。ヤクルトは5回2死一塁、山田哲の18号2ランで同点に追いついた。先発のカラシティーは6回3安打2失点で降板した。巨人は7回、マギーと岡本の連続本塁打などで6得点。ヤクルトは9回追い上げるも6連敗。

◆ヤクルト山田哲人内野手が史上66人目、71度目のサイクル安打を達成した。今季では4月21日、日本ハム戦のソフトバンク柳田以来の快挙となった。  左前打、四球、18号2ラン、左二塁打で迎えた9回1死一塁での第5打席、巨人谷岡から右翼への適時三塁打を放った。試合に5-8で敗れ、チームは今季3度目の6連敗を喫した。  試合後の山田哲の主なコメントは、以下の通り。  -達成の心境  達成できたことはすごくうれしく思います。  -本塁打の場面  感触は良かった。連敗が続いていて、今日も負けたけど、最後まであきらめない姿勢は監督やコーチにも言われている。最後もつなぐ意識で打席に入りました。最終回に2点を取れたのは明日につながると思う。切り替えて、明日勝てるように頑張ります。  -最終打席は意識していたのか  三塁打を打てばってのは知っていたけど、あの場面は長打はいらないし、たまたま三塁打になった。  -チームの主軸として  自分が打たないと負ける自覚は持っている。前半戦残り2試合、勝てるように、ここって場面で打ちたいです。

◆巨人岡本和真内野手(22)が今季5度目の2試合連発となる16号ソロを放った。  5点リードの7回2死走者なしからヤクルト風張の141キロの直球を完璧に捉えた。打球はバックスクリーン左へと飛び込み、一挙6点を奪ったビッグイニングを完結させた。  5日まで32打席無安打に陥るなど不振に苦しんだが、復活を印象づける1発に「強引にならずに、自分のスイングの中でしっかりと芯でとらえることができました」とコメントした。

◆ヤクルト山田哲人内野手が今年の4月21日柳田(ソフトバンク)以来66人、71度目のサイクル安打を達成した。  ヤクルトでは59年7月26日町田、76年7月9日若松、90年8月23日池山、92年7月29日ハウエル、03年7月1日稲葉に次いで6人目。  地方球場での達成は14年9月2日、長野で記録したロサリオ(広島)以来となり、静岡(草薙)では初めてだ。山田哲は9回裏の三塁打で完成。土壇場の「9回裏」にサイクル安打を達成したのは、61年7月8日近藤和(大洋)68年5月28日和田(西鉄)に次いで50年ぶり3人目と珍しかった。

◆乾いた快音が響き渡った。巨人岡本和真内野手(22)が間髪入れず、一息に振り抜いた。5点リードの7回2死。ヤクルト風張の初球、ど真ん中にきた141キロ直球を真芯で捉えた。バックスクリーン左へ飛び込む16号ソロで6得点のビッグイニングを完結させた。「いいところで捉えられた。思い切っていけた」。3位浮上に導く、完璧な1発を自画自賛で振り返った。  汗が滴る間もなく先手を奪った。1回1死一、二塁、ヤクルト・カラシティーから左翼線への先制適時二塁打。不振脱却を告げる2戦連続安打で幸先よく走りだした。先制適時打&今季5度目の2戦連発弾で4番の仕事を全うし、打率を3割に復帰させるも「気を引き締めて頑張ります」と先の戦いを見据えた。  暑い夏が好きだ。この日、試合が行われた静岡市内の最高気温は31・1度。夏本番が目の前に「暑い方がいい」と歓迎する。夏バテ知らずの若き主砲は「春先より暑い方が体が動く」。体調管理のコツは7時間以上の睡眠時間と、1日3食にこだわらず、小まめに食事をとることで体重は96キロをキープする。  打球を飛ばすための技術は季節を問わない。ボールの内側かつ下寄りをインパクトポイントに設定。「基本的なことをしっかりやることが重要。高校の時はずっと腕を伸ばして、内側をたたく練習をした」とインサイドアウトのスイングを徹底し、ボールに力を伝えるすべを染みこませてきた。  湿ったバットはすっかり乾いた。5日まで32打席連続無安打も、ここ5戦で2本塁打を含む6安打5打点。高橋監督も「初回のタイムリーを見ても勝負強さが戻ってきた」。頼れる主砲の打撃音が勝ちどきを呼んだ。【島根純】
 ▼岡本が2試合連続となる16号。岡本の2戦連発は6月13、14日ソフトバンク戦以来で今季5度目だ。今季、巨人は地方球場で8試合目だったが、地方球場での岡本は全試合で安打を放ち、通算33打数16安打、4本塁打、11打点の打率4割8分5厘の大当たり。岡本の活躍もあって、地方球場の巨人は6勝2敗と勝ち越している。

◆ヤクルト山田哲人内野手(25)が史上66人目、71度目のサイクル安打を達成した。巨人12回戦(静岡)で単打、四球、本塁打、二塁打と3打数3安打で迎えた9回1死一塁、適時三塁打で決めた。今季では4月21日、日本ハム戦のソフトバンク柳田以来の快挙。看板打者の記念碑的安打も3-8の劣勢の局面でのもの。勝利をたぐり寄せることはできず、チームは6連敗を喫した。  完敗ムードでも、山田哲の集中力は切れていなかった。3-8の9回1死一塁。巨人谷岡の直球を逆方向へはじき返した。右翼長野がスライディングキャッチを試みたが及ばない。打球が外野を転々とする間に、三塁まで到達した。左前打、四球、左翼への18号2ラン、左二塁打で迎えた第5打席でサイクル安打を達成した。偉業達成を呼び水に3点差まで迫るも、6連敗。「達成できたことはすごくうれしく思います。三塁打を打てばというのは知っていましたけど狙ってはいなかった。たまたまです」と喜びは控えめだった。  最後の三塁打だけが「逆方向」だったことに、成長ぶりが凝縮されている。5点差で大振りになりがちな場面だが、山田哲の思考は正反対だった。「本塁打を打っても同点にならない。あの場面、長打はいらない。一番すべきことはつなぐこと。状況を考え逆方向に打とう」。15年から2年連続トリプルスリー達成は、強いスイングと思い切りの良さのたまもの。昨季は相手マークも厳しくなり、チームも最下位。オフに"野球観"を見つめなおした。「やっぱり勝たないと面白くない。勝つために何ができるかが大事でしょ」と、今季は"読み"と"状況判断"の比重アップを決断。データに目を通す回数を意識的に増やした。劣勢の中で達成した高3以来のサイクル安打は、山田哲の進化の証しだった。  それでも、勝てなかったことが喜びを半減させた。「自分が打たないと負けるという自覚は持っている。最終回に2点を取れたのは明日につながる。前半戦残り2試合、勝てるように、ここって場面で打ちたい」。感覚を研ぎ澄ましながら、勝利につながる一打を放ち続ける。【浜本卓也】

◆ヤクルトは"勝利の方程式"が崩れ、今季3度目の6連敗を喫した。2-2の7回にセットアッパー中尾が登板も、陽に決勝の適時三塁打を浴びるなど4失点で降板。無失点でしのぎ近藤-石山のトリオで勝機を呼び込む青写真が狂った。  どうしても勝ちたい一戦だった。静岡は、6月5日に肺がんで死去した元スカウト部長の小田義人氏(享年71)が生まれ育ち、天国へと旅立った場所。青木らの担当スカウトとして発掘した功労者に感謝を伝えようと、午前中に小川監督と小田氏の自宅を訪れたのが、守護神の石山だった。  社会人のヤマハ時代、担当スカウトとして常に見守ってもらった。12年ドラフト1位で入団。プロ入り後も「調子はどうだ?」と電話で励まされてきた。6年目の今季は守護神として交流戦の最高勝率達成に貢献し、監督推薦で2度目の球宴出場も決定。チームに不可欠な存在に成長した。  すべては小田氏との縁あってこそだった。最後に会ったのは2年前、沖縄春季キャンプ中だったという。それ以来の"再会"。恩師の写真が飾られた仏壇の前で目を閉じた。「小田さんがいなかったらプロには入れなかった。プロの道をつくってくれた人。ここまでお世話になった人なので『ありがとうございます。これからしっかり結果を出して頑張ります』と伝えました」。感謝の思いと固い決意を恩師に伝え、この一戦に臨んでいた。  6月29日阪神戦以来の登板は、この日もかなわなかった。「静岡とか関係なくチームのために投げたかった」。守護神としての責任感を口にした石山の姿は、天国の恩師にも頼もしく映ったはずだ。【浜本卓也】

◆巨人ヤングマンが6回8安打2失点で2勝目を挙げた。毎回走者を背負うも粘り強い投球でイニングを進め「ベストではなかったが味方の守備の助けもあり、勝つことができた」と振り返った。助っ人の来日デビューから2戦2勝は球団史上18年ぶり3人目。サイクル安打のうち単打と本塁打を許したヤクルト山田哲には「(本塁打は)カーブをうまく捉えられた。いい打者だと感じた」と話した。  ▼ヤングマンが初登板の1日中日戦に続いて勝利投手。巨人の外国人で来日初登板から2戦2勝は88年ガリクソン(4戦4勝)00年鄭■哲(2戦2勝)に次いで3人目。※■は王ヘンに民

◆巨人の岡本が9日のヤクルト戦(静岡)で先制タイムリーを放った。  一回一死一、二塁。右腕・カラシティーから左前適時打を放ち「崩されながらも前で上手く打つことができました」と振り返った。  前日8日の広島戦(東京ドーム)では11試合ぶりの本塁打となる15号2ラン。一時は32打席連続無安打を経験したが、復調気配だ。

◆ヤクルト・山田哲人内野手(25)が、2点を追う五回に同点の18号2ランを放った。  ヤクルトはカラシティー、巨人はヤングマンと、ともに今季加入の新助っ人が先発。カラシティーは一回一死一、二塁から巨人・岡本に適時二塁打を浴びるなど2点の先制を許した。しかし、その後は四回まで安打を1本も許さない気迫の投球。助っ人右腕の熱投に応えるように、五回二死一塁から山田哲が左翼ポール直撃の同点弾を放った。  山田は「打ったのはカーブです。上手く身体が反応できたと思います。切れなくてよかったです」とコメントした。

◆巨人の岡本が先制の適時二塁打を放った。一回1死一、二塁でカラシティーの変化球を「崩されながらも前でうまく打つことができた」と左翼線へ運んだ。  6月27日の広島戦から7試合連続無安打と苦しんだが、8日の広島戦で11試合ぶりの本塁打を放つなど、復調の兆しが見えていた。序盤の好機で4番の仕事をこなすと勢いに乗り、7-2の七回には2試合連発の16号ソロを放った。

◆巨人は2-2で迎えた七回に6点を奪うビッグイニングをつくった。  陽岱鋼が無死三塁から右翼線へ勝ち越しの適時三塁打。「ランナーが(暴投で)3塁に進んだので、何とかかえしたいと思いました。コースに逆らわず、コンパクト(スイング)に打ち返すことができました」と振り返った。  二死後に中前適時打を放った吉川尚は「追い込まれたんですが、少し甘くなった変化球を打ち損じすることなく、はじき返すことができて良かったです」と笑顔。続くマギーは左翼席へ8号3ランを放ち「高めに浮いてきた変化球を強くたたくことができたよ」と話した。  とどめは、4番・岡本の16号ソロ。バックスクリーン左へ2者連続本塁打を放ち「(ストレートに対して)強引にならずに、自分のスイングの中でしっかりと芯でとらえることができました」と納得の表情だった。

◆ヤクルトは先発のカラシティーは6回2失点と粘ったが、中継ぎ陣が崩れて六回に一挙6点を奪われ、今季3度目の6連敗を喫した。  ヤクルトはカラシティー、巨人はヤングマンと、ともに今季加入の新助っ人が先発。カラシティーは一回一死一、二塁から巨人・岡本に適時二塁打を浴びるなど2点の先制を許した。しかし、その後は四回まで安打を1本も許さない気迫の投球。五回、二死一塁から山田哲が左翼ポール直撃の18号2ランを放ち、同点とした。  助っ人右腕は六回に代打を送られ、6回3安打2失点で降板。七回から中尾が2番手として登板したが、安打と自身の悪送球で無死三塁のピンチを作ると、陽岱鋼に右翼線へ勝ち越しの適時三塁打を許す。さらに二死一、三塁から 吉川尚に中前適時打を浴び降板。3番手・風張がマウンドに上がったがマギーに8号3ラン、岡本に16号ソロと2者連続で本塁打を被弾。この回で一気に6点を奪われた。  ヤクルトは7回、二死走者なしから山田哲が左翼フェンス直撃二塁打。続くバレンティンが中前適時打を放ち1点を返した。さらに九回にも山田哲がこの日4安打目となる適時三塁打を放ち、自身初のサイクル安打を達成。バレンティンも右前適時打で続き、この回2点を返したが、及ばなかった。

◆ヤクルトは投打がかみ合わず、今季3度目の6連敗を喫した。小川監督は「ベンチワークで流れが壊れた感じになった」と責任を背負った。  2-2の六回に好投していた先発カラシティーに代打を送ったが無得点に終わり、七回に救援陣が打ち込まれ「巨人からすれば打ちあぐねていたからラッキーくらいにしか思わなかったかもしれない」と悔やんだ。10日からは本拠地神宮球場に戻って前半戦最後の2試合に臨む。「とにかく(連敗を)止めるしかない」と話した。

◆巨人のヤングマンは8安打を浴びながらも6回2失点で粘り、1日の中日戦での来日初登板に続き2連勝を飾った。8回無失点だった前回のような快投ではなかったが「最大の目的は試合に勝つこと。守備にも助けられた」と喜んだ。  毎回走者を背負いながらも一、二回のピンチをともに併殺で切り抜けるなど、崩れなかった。「ベストの状態ではなかったが、失点を最小限に抑えようと思った」と振り返った。
カラシティー(6回2失点) 「一回は不運もあったし、うまく打たれたところもあった。その後はチームが波に乗れるようにしっかりと投げられた」 陽岱鋼(七回に右翼線へ勝ち越し三塁打) 「コースに逆らわず、コンパクトに打ち返せた」 マギー(七回に8号3ラン) 「高めに浮いた変化球を強くたたけた」

◆試合前に小川監督と石山が、6月に死去した小田義人元スカウト部長(享年71)の静岡市内の自宅を弔問した。守護神にとっては入団時の担当スカウトで「小田さんがいなければプロに入れなかった。『ありがとうございました。これからしっかり頑張ります』と伝えました」。この日は登板機会がなかったが、恩人のためにも腕を振り続ける。

◆先発のヤングマンは6回2失点で2勝目を挙げた。来日初登板から2戦2勝は球団史上3人目。毎回走者を背負いながら、五回の山田哲の一発による失点だけで粘った1メートル98の長身右腕は「ベストコンディションではなかったが、少ない失点で投げられた。守備陣にも助けられた」とチームメートに感謝した。

◆投打がかみ合わず、今季3度目の6連敗。小川監督は「ベンチワークで流れが壊れた感じになった」と責任を背負った。同点の六回二死二塁で中村の代打・畠山は申告敬遠。続くカラシティーの代打・荒木は一ゴロで勝ち越せなかった。直後の七回に救援陣が炎上。指揮官は「代打の使い方とカラシティーとの兼ね合い。巨人からすれば、打ちあぐねていたからラッキーくらいにしか思わなかったかもしれない」と悔やんだ。

◆巨人は9日、ヤクルト12回戦(静岡)に8-5で勝ち、2連勝で3位に浮上した。4番の岡本和真内野手(22)が七回、バックスクリーン左へ2試合連続となる16号ソロを放つなど、2安打2打点で打線を引っ張った。「32打席無安打」から完全復活した若き主砲の活躍で、静岡での3年連続勝利を飾った。  暗い夜空に、鮮やかな白いアーチを描いた。岡本の打球はバックスクリーン左へ。打った瞬間に大歓声が起きる、完璧な一撃だった。  「(バットの)いいところで捉えられた。初球から思い切っていこうと思っていました」  勝ち越しに成功した七回。3番・マギーの8号3ランで5点リードとした後、続く岡本が風張の初球の真っ直ぐを16号ソロ。一挙6得点のビッグイニングを生み出した。一回にも先制の適時二塁打を放つなど、2安打2打点で4番の務めを果たした。  11試合ぶりの一発となった前日8日の広島戦(東京ドーム)の15号2ランに続く、自身5度目の2戦連発。5日のDeNA戦(東京ドーム)まで32打席無安打だった不振を脱し、再び好調ムードを漂わせ始めた。  高卒4年目の大ブレークを支えるのが「少々詰まっても(スタンドへ)持っていけるようになった」と、自身も実感する飛距離の向上。きっかけは、昨年12月の西武・中村との合同自主トレだった。キャンプ中の練習について相談し、パ・リーグで本塁打王6度の「おかわり君」から助言を受けた。  「まずは自分の使っているバットを振れるようになること。その次は、形を気にせず、目いっぱい打球を飛ばせ」  岡本は今春のキャンプで教えを実践。多くの選手が使うマスコットバットは一切手にせず、全身を使ったフルスイングを繰り返し、打撃フォームの微調整は最後に行った。手のひらをマメだらけにして得た豪快な打撃が、覚醒の礎となった。  「いい打球が出てきた。勝負強さも戻ってきているので、また調子を上げてほしい」と高橋監督もうれしそうだ。若き主砲の活躍で、チームは3位に浮上した。1934年に巨人の前身である全日本チームが米大リーグ選抜と対戦した静岡・草薙球場で、3年連続の白星。"伝説の地"に、新時代を担う第89代4番も足跡を残した。 (谷川直之)
七回の勝ち越し三塁打に巨人・陽岱鋼 「右打ちのサインが出ていた。コースに逆らわず、コンパクトに打ち返すことができた」 七回の8号3ランに巨人・マギー 「高めに浮いてきた変化球を強くたたくことができた」

◆ヤクルト・山田哲人内野手(25)が9日、巨人12回戦(静岡)でプロ野球史上71度目(66人目)、セ・リーグでは36度目(33人目)となる自身初のサイクル安打を達成した。三塁打を残した九回一死一塁で、右翼に適時三塁打を放って決めた。球団では2003年に稲葉篤紀(現日本代表監督)がマークして以来の快挙。試合は5-8で敗れて6連敗を喫したが、背番号1が見せた執念に希望が見えた。  チーム優先の姿勢を貫いた山田哲に、野球の神様がほほ笑んだ。サイクル安打まで三塁打を残して迎えた九回一死一塁。「長打は狙っていなかった」。谷岡の直球を押し込んで右前に強い打球を放つと、前進した長野が後逸。一気に三塁に到達し、静岡の観客席に傘の花が咲いた。「ああ、よかったと思った」と少しだけ表情を崩した。  「最後まで諦めない姿勢というのは監督、コーチから常々言われていることだから。つなぐ意識で逆方向(右方向)に打とうとだけ思っていた。達成できたことはすごくうれしく思う」  一回に左前打、五回に左翼ポール直撃の18号2ラン、七回に左越えの二塁打を放って迎えた九回だった。3-8と5点を追う劣勢だったが、3番・山田哲に続くように4番・バレンティンも右前適時打。最後まで執念を見せて打線をつないだ結果が、プロでは初、野球人生では小学生時代と大阪・履正社高3年時に日本代表の親善試合で達成して以来、3度目となるサイクル安打だった。  「マメができにくい体質」と笑いながら広げた両手に、強打の秘密が隠されている。振り込みを重ねた春季キャンプでは右打者が通常できる左手ではなく、右手に大きなマメができた。「変わっているでしょ? 昔から右手にできる。押し込む手が強いっていうことかな」。五回の本塁打はヤングマンの内角高めのカーブに一度タイミングを合わせ直し、右手で押し込んだ。天才的なタイミングの取り方。体の回転。押し込みの強さ-。真骨頂の打球だった。  燕打線は最終回に執念を見せたが、連敗は6に延びた。青木が頭部死球を受けて離脱した時期に重なる。山田哲自身、正面から受け止めている。「(青木不在で)自分が打たなければ負けるという自覚がある。前半戦は残り2試合。最終回の攻撃を明日につなげていきたい」。2015、16年と2年連続で打率3割、30本塁打、30盗塁の「トリプルスリー」を達成し、中心選手としての宿命と向き合う25歳に、新たな勲章が加わった。(長崎右)
★サッカー日本代表に超感動  競技は違えど、日の丸を背負って戦う姿に胸を打たれた。山田哲は日本時間2日深夜に行われたサッカーW杯決勝トーナメント1回戦・日本対ベルギーをテレビ観戦。日本が惜敗する姿に、目を奪われた。「競技は違うけど、ああいう姿を見ると僕も頑張ろうって思うよね。一試合一試合、絶対に勝つんだっていう気持ちでやりたい。あれでモチベーションが上がった」。気持ちを高め、チームを引っ張る。

◆巨人打線は、岡本の復調で活気づいてきた。前日8日(広島戦)の四回の5得点。この日の七回の6得点と、ビッグイニングを作っている。  岡本の復調を呼んだのは、高橋監督の我慢だった。7日まで10試合、本塁打がなく、その間に32打席連続無安打。まだ若く、初体験の4番の座。リフレッシュさせるために打順を変えてみようか...。他選手への影響もあるから、降格させてみようか...などと、考えたくなるものだ。  そこをこらえて4番を任せ続け、岡本も自身の力で信頼に応えた。巨人の巻き返しには、心強い傾向だろう。  逆にヤクルトは依然、もがいている。2-2の六回二死一、二塁で勝負をかけ、先発のカラシティーに代打・荒木を送り、無得点に終わったあとの七回には、勝ちパターンのリリーフ、中尾を投入。結果は"凶"と出て、大量失点になった。  陽岱鋼の勝ち越し三塁打までは、許容範囲といえる。左対左の吉川尚に、追い込んでから高く浮いたスライダーを中前タイムリーにされたのは、悔いが残る。最少失点で切り抜けておけば、巨人のリリーフ陣も不安定だけに、勝機は望めたはず。試合の流れをしっかり読んで、ていねいに投げてもらいたかった。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
433210.573
(-)
0
(-)
67379
(-)
330
(-)
90
(-)
43
(-)
0.261
(-)
4.08
(-)
2
(-)
DeNA
363820.486
(↑0.007)
6.5
(↑0.5)
67291
(+5)
322
(+4)
89
(+3)
50
(-)
0.248
(-)
3.87
(-)
3
(↑1)
巨人
384110.481
(↑0.007)
7
(↑0.5)
63359
(+8)
326
(+5)
74
(+2)
43
(-)
0.259
(↓0.001)
3.91
(↓0.02)
4
(↓2)
阪神
353810.479
(-)
7
(-)
69280
(-)
310
(-)
42
(-)
44
(-)
0.243
(-)
3.72
(-)
5
(-)
ヤクルト
344010.459
(↓0.007)
8.5
(↓0.5)
68330
(+5)
364
(+8)
67
(+1)
38
(-)
0.258
(↑0.002)
4.39
(↓0.02)
6
(-)
中日
354310.449
(↓0.006)
9.5
(↓0.5)
64313
(+4)
364
(+5)
49
(+1)
40
(+1)
0.259
(↑0.001)
4.42
(↓0.02)