阪神(★0対1☆)DeNA =リーグ戦11回戦・阪神甲子園球場=
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DeNA
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阪神
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勝利投手:井納 翔一(3勝0敗1S)
(セーブ:山﨑 康晃(2勝2敗18S))
敗戦投手:岩貞 祐太(3勝4敗0S)
  DAZN
◆接戦を制したDeNAが3連勝。DeNAは3回表、相手失策の間に1点を先制する。投げては、先発・井納が6回途中を3安打無失点。その後は砂田、三上、パットン、山崎の継投で逃げ切った。敗れた阪神は、投手陣が4回以降1安打無失点に抑えるも、打線がつながりを欠いた。

◆DeNA井納が今季初先発する。  8日阪神戦が濃厚で、大雨の影響を受け大幅に遅れて大阪入りした。今季は中継ぎに転向したが、3試合連続失点を許した5月下旬に2軍降格。ファームでは先発で調整を続け、1日にはイースタン・リーグ史上23人目のノーヒットノーランを達成し戻ってきた。「中継ぎでの経験を生かして投げたい」と闘志を込めた。

◆阪神岩貞祐太投手が8日DeNA戦(甲子園)で先発する。  当初は5日に先発予定だったが雨天で6日にスライド登板。さらにその6日も雨天となり、8日の先発で組み込まれていた。DeNAには今季1試合で対戦し1敗で防御率3・60。球宴前最後の登板に「勝てるように、打者1人1人に向かっていきたいと思います」と意気込んだ。

◆DeNA井納翔一投手が、8日阪神戦の先発マウンドを託された。雨天中止となった7日に先発予定だった東克樹投手はスライドせずに、井納が登板。ファームでは無安打無失点試合を記録し、1軍マウンドに帰ってきた。  アレックス・ラミレス監督は「ノーヒットノーランをやって、モチベーションを高く投げられる。だからこういう選択をした」と明かした。井納は「真っすぐあっての変化球。150キロ近いボールを投げる中で、どれだけ抑えられるか。ファームで変化球でかわすだけなら、もう少し早く上でやれたかもしれないけど」と、直球を磨き上げて1軍で今季初先発する権利を得た。

◆DeNA筒香嘉智外野手(26)はここまでリーグトップの19本塁打。5年連続となる20号まであと1本と迫っている。  過去に筒香が最も早く20号へ到達したのは16年のチーム81試合目。今日チーム75試合目で1発を放つと自身最速で20号到達となる

◆雨天中止の影響で登板が2度変更となった阪神岩貞祐太投手が5回を投げ、3安打1失点(自責点0)で降板した。3回2死二塁から宮崎をゴロに打ちとるも、遊撃を守る北條が失策。二塁走者の桑原が生還し、1点を先制された。4、5回は連続で3者凡退にしとめた。  「4回、5回と自分のリズムで投げることができましたが、序盤にもう少し丁寧な投球をするべきでした。先に点を与えてしまったことが悔やまれます」。粘りの投球をみせるたが、味方の援護なく4勝目はお預けとなった。

◆DeNAは3回、阪神北條のタイムリーエラーであげた1点を継投で1守りきった。今季初先発の井納は6回途中無失点の好投で3勝目。チームは3連勝を飾った。阪神は先発岩貞が好投したものの、DeNA投手陣の前に打線が沈黙した。

◆阪神は打線に決定打が出ず敗れた。3回に北條の適時失策で先制点を奪われると、打線はDeNA井納に苦戦。5回は2死三塁、6回は2死一、二塁と得点圏に走者を送ったが、あと1本が出なかった。  9日からの広島3連戦が中止となり、前半戦最後となった試合。金本知憲監督は先発岩貞を5回で下ろし、勝ちパターンの中継ぎ陣を総動員する攻めの采配を振ったが白星はつかめなかった。「いい当たりもしている。ちょっとな、糸原のレフトへの当たりとか、陽川の当たりとか、惜しい当たりもあったからね」などと振り返った。

◆DeNA井納翔一が先発再転向のマウンドで勝利を挙げた。最速150キロの真っすぐを軸に、阪神打線を封じた。  3回2死で阪神福留孝介を148キロの直球で見逃し三振。4回は1死一塁で中谷将大を直球で併殺に打ち取った。苦しい場面では直球勝負で切り抜けた。6回に2死から四球を出したところで交代。悔しそうな表情でマウンドを降りたが、後続が無失点リレーで勝利投手となった。お立ち台では「ファームでやってきたことがしっかりと出せた。次回投げる機会を与えてもらえるなら、四球4つを1つでも減らせるようにしたい」と課題を挙げた。  開幕直前に中継ぎ転向し、5月に防御率を下げると2軍に降格。先発再転向となると、1日のファーム戦でイースタンリーグ史上22人目の無安打無失点投球をし、昇格した。アレックス・ラミレス監督から「若手投手から勝ち取ってほしい」と競争を促され、迎えたマウンドでもあった。「うまく表現できませんが、新たに開幕したのかなと思います」と、先発での今季初勝利をかみしめた。

◆阪神鳥谷が6月27日DeNA戦(横浜)以来のスタメン出場でマルチ安打をマークした。  7回に投手強襲の内野安打で出塁。9回には山崎から右前打を放った。連続試合出場のストップや、二塁、三塁での出場もあった前半戦は、打率2割1分3厘で終わった。「後半戦また頑張ります」と話した。

◆今季初先発のDeNA井納翔一投手(32)は間合いの取り合いを制した瞬間、思わず叫んだ。3回2死。初球を投げる前から阪神福留は打席を離れ、間合いを取りにきた。だが、揺さぶりにも動揺はない。フルカウントから外いっぱいの直球で見逃し三振。強打者を封じ、感情が爆発した。  5月22日、2軍落ちを言い渡された夜から切り替えた。「この悔しさを忘れません」。過去3度、規定投球回数に到達した先発投手。開幕直前に7回の男として中継ぎに配置転換され、徐々に投球内容も成績も落ち、屈辱のファーム行きとなった。中継ぎの大変さ、回またぎの難しさを思い知った。「中継ぎがダメで投げる場所がなくなったというのが、僕の理解」。投げるためには場所を勝ち取るしか道はなかった。  体の内側から見つめ直した。夫人のすすめで「コールドプレスジュース」を取り入れた。野菜や果物が持つ栄養素を失うことなく搾り出す「低温低圧圧縮方式」という製法でつくられ、デトックス効果があるとされる。ほぼ毎食1本摂取。2日間しか保存がきかないため、今回の遠征中も宿舎周辺の店を事前に調べて購入し飲んでいた。中継ぎ転向後、自己最多の99・9キロまで増えた体重はジュースの効果もあって約5キロ減量。ベスト体重に絞り込んだ。  6回途中、3安打無失点で遠かった先発での勝利。久々のナイターに「ファームのときは寝る時間なので(ベンチで)眠くなりました」と笑わせたが、本音は違う。「うまく表現できないけど新たに開幕したのかなと思います」。先発マウンドに、生まれ変わって帰ってきた。【栗田成芳】

◆阪神が予期せぬ形で球宴前の日程を終えた。今日9日からの広島戦(マツダスタジアム)の中止が決定したため、前半戦最終戦となった8日のDeNA戦(甲子園)。金本知憲監督(50)は1失点の岩貞祐太投手(26)に5回で代打を送るなど総力戦で臨んだが、今季7度目の完封負けを喫した。後半戦は借金3から逆襲を期す。  肩透かしの前半戦ラストゲームになった。西日本を襲った豪雨災害の影響で今日9日からの広島3連戦が急きょ中止。ナインは試合前に伝え聞いた。気合は空回りし、芯でとらえた打球は野手の正面を突く。今季7度目の完封負けを喫した。「まさか、こんな形になるとは...」。悔しがり、落胆する選手もいた。  まさにエアポケットだった。5日から3試合連続の雨天中止。この日は晴れ間が見えた。当初は前半戦の勝率5割復帰を目指し、残り4試合を戦い抜く心づもりだった。中国地方は交通機関がまひ。用具運搬のルートも入念に検討し、球団首脳も「ナイター後に出発して、12時間近くかかります」と説明していた。首位との3連戦が流れ、期せずして節目の一戦になった。  金本監督も戦い方を変えた。1点を追う展開。動いたのは5回1死二塁の攻撃だ。力投していた先発岩貞に代打原口を送る。指揮官は「攻めないとと思って」と振り返った。勝ちパターンの投手を積極的に投入して、必死で勝機を探った。総力戦で挑みかかった。  リリーフ陣も耐えに耐える。6回はベテラン能見が筒香からの攻撃を3者凡退で封じる。7回は好調の藤川だ。最速150キロと球威抜群の速球で2奪三振の3者斬り。打線の反撃を待った。テレビを見れば、2階まで浸水する街の光景が映る。犠牲者も出る惨状だった。藤川はキッパリ言う。  「明日から試合ができないので、しっかり練習してファンにいいプレーを見せられるように。自然災害なので...。しっかり、いいプレーを見せられるように練習します」  終盤に入っても、救援陣の心意気は衰えない。8回は桑原が奮戦し、9回はドリスが踏ん張った。4投手による鉄壁リレー。前日7日には金本監督が「後ろを固めたチームが最後、残りそうな気もする。今年の野球は」と後半戦のポイントを話していたが希望を持てる折り返しの継投だった。  前半戦を終えて74試合で35勝38敗1分けだ。借金3を背負って、勝負の後半戦に向かう。金本監督は語気を強める。「後半戦、いち早くかえせるように行くしかない。調整するだけ。投手も行かせるし。(2軍戦がある)鳴尾浜に、明日から」。敗れはしたがファイティングポーズを崩さず、ターンする。【酒井俊作】

◆阪神福留は切り替えて後半戦へ準備する。1回に右前打を放ち、自身9戦連続安打。一方で見逃し三振に倒れた3回にはDeNAバッテリーをにらみつける場面もあった。打率2割5分6厘、7本塁打で前半戦が終了。  広島3連戦が中止となり「被災されている方もいる。僕らが何か言えることではないけど、しっかり準備して、後半戦へ切り替えていくしかない」と語った。

◆3位・DeNAが無失点リレーで1点のリードを守った。3連勝で阪神と並んで2位となった。三回に相手の失策が絡み1点を先制すると、今季初先発の井納が5回2/3、100球を投げ3安打無失点と好投し、3勝目を挙げた。  阪神は岩貞、DeNAは井納の投手戦となった。先制したのはDeNA。三回、一死から桑原が右中間二塁打。続く神里は空振り三振に倒れたが、二死二塁から宮崎の遊ゴロを北條が適時失策し、1点を奪った。阪神は六回、二死一、二塁と好機を作ったが、中谷が2番手・砂田の前に見逃し三振に倒れた。  DeNAは井納の後、砂田、三上、パットン、山崎とつないだ。阪神は打線がつながらず、今季7度目の零敗となった。

◆阪神の岩貞は前半戦最後の登板で5回1失点(自責点0)と持ち味を見せたが、5月25日以来の4勝目を逃した。  三回2死二塁で宮崎を迎えて三遊間にゴロを打たせたが、遊撃手の北條が打球をはじいた間に二塁走者が生還し、先制点を許した。四、五回は三者凡退として追加点を許さなかったものの、0-1の五回裏に代打を送られ「先に点を与えてしまったことが悔やまれる」と話した。

◆3位・DeNAが無失点リレーで1点のリードを守った。3連勝で阪神と並んで2位となった。三回に相手の失策が絡み1点を先制すると、今季初先発の井納が5回2/3、100球を投げ3安打無失点と好投し、3勝目を挙げた。  --初先発で初勝利、最後はどんな気持ちでベンチから声援を送っていた  「信じるしかなかった。うちの守護神ですし、(山崎)康晃で打たれたらもうしようがないという思いで見守っていました」  --5月22日以来の1軍マウンド、そして今季初先発、どんな気持ちで  「ファームに1カ月少しいましたけど、やってきたことをしっかりやろうとそれだけを心がけてマウンドに立ちました」  --一番ファームで取り組んできたことは  「真っすぐの質をよくするということだけこだわってやってきた。今日はよかったのかなと思います」  --甲子園で阪神打線ということで策はあったか  「策は嶺井に任せて、嶺井が出したサインにうなずいて、そこにしっかり投げるのが仕事だと思っているので、本当に嶺井のリードに尽きると思います」  --今日のピッチングを振り返って  「ヒットが3本というのはよかったかもしれないが、その分四球を4、5つ出しているのでそこを1つ2つでも減らせていければ、結果論になるが6回投げ切れたのかなと思う」  --セットアッパーでスタートしたシーズン。途中で先発に代わって、そして先発初登板で今日の1勝。いままでと違うのでは  「うまく表現できないが、また新たに開幕したのかなと思います」  --次回登板は球宴明けになると思うが、後半戦はどんなピッチングを  「投げるチャンスがあれば、今日みたいに真っすぐで押していければと思いますし、四球をしっかりと少なくしていければ自分のリズムにもなるので、そういう投げる機会を与えてもらえるならやっていきたい」

◆広島球団は夕方、9日からのマツダスタジアムでの阪神3連戦の中止を発表した。  この結果、阪神は8日の甲子園でのDeNA戦が球宴前のラストゲームとなった。まさに"水入り"で「天災」にはひれ伏すしかない...。  3日間の雨天中止を経て、4日ぶりとなったタイガースの試合を前に、当番デスクの堀啓介は「雨の後の試合には苦い経験があるんですョ...古い話ですけど...」という。  2001年、野村克也監督(現サンケイスポーツ専属評論家)の3年目。5月22日から星野ドラゴンズ(当時)との北陸3連戦があったが、雨のため富山、金沢と2試合中止。24日の金沢での2戦目で、やっと試合は出来たが...。打線は中日の野口にあわや...の1安打だ。「0-2の完封負けでした。しかも矢野さん(現2軍監督)の内野安打だけで、あとは16三振...」と堀は振り返っていた。  余談がある。当時のトラ番キャップは現運動部ゴリラ部長の稲見誠だったが、この遠征中は休みで、サブキャップ吉松祐(現東京本社整理部長)が司令塔役だった。鬼キャップだった稲見はいない...。トラ番の一番の若手が堀啓介で、怖いキャップのいない初めての北陸出張となれば、まさに「ゴリラのいぬ間に命の洗濯」となる。  ところが、この遠征が終わってキャップ稲見が戻ってきたとき、ある同業他社の記者が、何の悪気もなく「サンスポのみんなは、稲見さんがいないとノビノビとしてましたョ」と言ってしまった。ゴリラのこめかみがピクピク! 「おまえらッ、俺がおらんと羽根を伸ばしてたのか! そうやのゥ、え!」。そ、そ、そんなこと(当然でしょとは言えないから...)ブルルッ、絶対にありませんョ!  とにかく、雨天中止が続いてやっと出来た試合で、1安打完封負けした記憶が、試合前の堀の頭によぎったわけで...。まさにそれが現実となってしまった。  甲子園の若虎諸君、久しぶりの試合なのに、もちっとノビノビと野球をやろうぜ。  井納が打てない。こっちだって岩貞が落ち着いて投げていた。三回に1失点...いいですか、タッタ1点で5回80球だ。しかもその1点だって守りのちょっとしたほころびデス。悪くないョ。金本監督は五回、あえて好投の岩貞に代打原口を出して「1点を取りにいく作戦」をとらざるを得ない切なさ。  歯ぎしりが出た。編集局の窓際で周囲にわからすようにソッと涙をぬぐって舌打ちもした。実は1982年のこの7月8日、期待の安藤統男監督1年目の阪神は、岡山県営球場での広島戦で佐野仙好が打席の時に突然の"停電"。これはヘビが照明灯にヨジ登り「阪神よ、シャンと打たんかい!」と貧打にあきれてヤジリたおし(ウソです)電線にふれてショートして球場全体が真っ暗闇。中断18分。  こんなハプニングのあと阪神は9-7で勝利している。ちなみに先発は小林繁-宇田-大町-福間-池内-○山本和という必死の継投で"ヘビの絶叫"にやっと応えたのデス。  だけど、この夜の甲子園は完封負け...響きわたったのは虎党の悲鳴だけでした...。

◆体調不良で2日連続でチーム練習を休んだナバーロが全体練習に再合流し、「5番・左翼」でスタメン出場。2打数無安打ながら2四球とチャンスメークに徹し、九回には筒香の左越えの打球に素早いクッションボールの処理を披露した。「中村(外野守備)コーチに教えてもらっていることが頭にあって助かった」と感謝し、「(雨天中止で)3日、試合がなかった影響は感じなかった」と話した。

◆『平穏に阪神の試合が 見られるだけでしあわせなのに 負けるとやっぱり悔しいんだな にんげんだもの あいだんみつを』  悔しいー! 3日連続の雨天中止で虎に飢えていたのに負けるなんて...。悔しいー! 8勝2敗と圧倒していたDeNAにやられるなんて...。悔しいー! 試合を決めた1点が北條のタイムリーエラーだなんて...(もっとも世界で一番悔しいのは北條自身だろうから、これをバネに虎党に100倍返しする努力してくれー!!)。悔しいー! 雨天中止の次の試合は9試合負けなしの『雨の後の虎神話』が途切れたー!!  ただ、5回なのに3安打5奪三振と好投していた岩貞に代打・原口を送る金本さんの早い仕掛けには大賛成なのだ!!  オールスターまで阪神の中止は、次の広島戦を入れて15試合。ペナント後半には恐怖の20連戦なんてのもあり得るのでは? そうなるとヘロヘロで連勝は厳しくなるので、7・8月中はガンガン攻めて攻めて攻めての攻め達磨に徹するべし!!

◆「2番・遊撃」で出場した北條は、三回二死二塁で宮崎の三遊間への打球をグラブに当てて後逸し、痛恨の適時失策で先制点を与えてしまった。これが決勝点となり「岩貞さんにもチームにも迷惑をかけてしまいました。もっと練習して投手からもチームからも信頼されるようにならないと」と猛省した。六回には筒香の二遊間への当たりを横っ飛びで好捕し、その裏は左前打で7試合連続安打とした。悔しさを糧に後半戦で挽回する。

◆6月30日のヤクルト戦(神宮)での危険球退場から中7日だった岩貞は味方のミスで先制点を与えてしまったが、5回3安打1失点(自責0)と粘投。今季4敗目に「先制点がすべてという試合になった。あそこで、どうにか粘らないと」と責任を背負い込んだ。

◆広島は8日、西日本豪雨で多大な被害が出ていることを考慮し、9日から広島市のマツダスタジアムで予定されていた阪神との3連戦を中止にすると発表した。鈴木清明球団本部長は「被災した心情や、救助が進む中で試合ができる状況ではない」と説明した。  9日からの阪神3連戦が中止-。球宴前最後の試合となった巨人戦後、東京ドームで口を開いた広島・緒方監督が、被災地を心配した。  「まだ行方不明の方もいらっしゃる。そういった中で試合をするのは厳しい環境だと球団が判断し、当然の措置」と球団の姿勢を支持した。  選手会長の会沢も「僕らはなるべく勇気や元気を与えられるように、それがプロ野球選手の使命。何らかの形で支援や協力をしていきたい」と神妙な表情で話した。  最近では、2011年の東日本大震災でのシーズン開幕の延期や、16年熊本地震での試合中止もあったが、本拠地球場での3連戦、すべて中止というのは異例の決断だ。甲子園で取材に応じた日本野球機構(NPB)の杵渕和秀セ・リーグ統括は、自ら交通機関にも状況を問い合わせたといい「今回はこの被害状況やもろもろを諮って3試合を事前に中止することを受理した」と説明した。  対戦相手の阪神も、この日のDeNA戦で前半戦が終了。3試合雨で流した後の試合だったが、ここからさらに1週間、試合がなくなり、11日間で1試合という状況だ。  主将の福留は試合後、「僕らが判断することではないので、連盟の決定に従うしかない。被災されている方もいる。僕らが何か言えることではないですけど、しっかり準備してまた後半戦切り替えてやるしかない」と、被災地を思いながら、前を向いた。  チームは9、10日、ウエスタン・中日戦(鳴尾浜)に一部の1軍選手を派遣し、実戦感覚を維持させる予定。金本監督は「投手も、いかせる」と話した。

◆  ―ホームが  金本監督「遠かったですね」  ―得点圏での打撃か  「ま、そうですね。でも、いい当たりはしていたけど、ちょっとなぁ...。糸原のレフト(への打球)とか、陽川とか。惜しい当たりもあったけどね」  ―変則日程。実戦感覚のズレか  「いや、それは...。3試合でしょ? 3試合は全然...関係ないでしょ」  ―岩貞に代打を送ったのは前半戦最後だから  「もちろん、もちろん。攻めないと」  ―岩貞は前回、危険球退場だったが  「尻上がりによくなってきたかな、という感じはしますね」  ―借金3で前半戦終了  「後半戦、いち早く返せるようにやっていくしかないんでね」  ―9日からの広島3連戦が中止。調整面で難しさがあるのでは  「投手、いかせるし。鳴尾浜(2軍)に、明日(9日)から」

◆DeNAは8日、阪神11回戦(甲子園)に1-0で勝ち、3連勝で阪神に並ぶ2位に浮上した。今季初先発となった井納翔一投手(32)が、最速150キロをマークするなど六回途中無失点で3勝目。今季は開幕から救援で起用されてきたが、2軍での再調整を経て先発に再転向した最初の試合で結果を残した。  頼もしい男が帰ってきた。完全敵地の甲子園で今季初先発の井納が力強い速球でグイグイ押し、虎打線をねじ伏せた。  「ファームでやってきたことを出せた。いい投球ができてよかった」  六回途中まで許した安打はわずかに3本。4四球は「球数が増えて6回を投げきれなかった要因。減らさないと」と反省したが、緊迫した接戦で試合を作った。三回に福留から見逃し三振を奪った際は、気合が入りすぎて「しゃあ!」とシャウト。「審判の方から『あまり威嚇しないように』と言われました」と頭をかいた。  プロ6年目の今季は初めて開幕から救援に回ったが、適応仕切れず5月に3試合連続失点を喫して2軍へ。先発での再調整を命じたラミレス監督は「"名前"では判断しない。若手と競って、先発の座を奪い取ってくれ」とハッパをかけた。一昨年に開幕投手を務めた右腕は150キロ近い直球をもう一度磨き直し、新たな決め球としてカーブにも力を入れた。  1日のイースタン・リーグ、日本ハム戦(横須賀)で無安打無得点試合を達成。文字通りはい上がって得たチャンスで、今季2勝8敗と苦手にしていた虎に土をつけ、ラミレス監督は「非常によかった」と目を細めた。DeNAに戻るべき男が帰ってきた。 (伊藤昇)
井納とバッテリーを組んだ捕手のDeNA・嶺井 「直球がすごくよかった。こういう時の井納さんは、ちゃんとやってくれる」

◆力のこもった直球でねじ伏せた。0-1の七回に登板した藤川が、無失点リレーをつないだ。ベテラン3人のリリーバーが、六、七、八回をパーフェクトピッチ。終盤に待ち受ける過密日程も準備OK。虎に頼もしい中継ぎ陣が待機していることを、改めて証明した。  「あしたから試合ができないので、しっかり練習して、ファンにいいプレーを見せられるようにしたいですね」  六回を8球で三者凡退に終わらせた能見からバトンを受けて、マウンドへ上がった。先頭の嶺井には6球連続直球勝負。最後は外角148キロで空振り三振に斬った。続く代打・楠本への2球目はこの日最速の150キロをマーク。148キロ直球で右飛に仕留めると、最後は倉本を高め147キロで空振り三振。エンジン全開の直球勝負で、次々とバットに空を切らせた。  八回に登板した桑原も1番・桑原からの好打順を3人斬りだ。ビハインドの展開ながら、前半戦最終戦となったこともあり、"方程式"を総動員した金本監督の期待に、全員が結果で応えた。  9日からの広島3連戦(マツダ)が中止になったことで今季の中止は、はや15度目。まだ振り替え日が決まっていない試合が「10」となった。10月13日開幕のCSファーストステージまでの間に、すべて組み込むことになるため、最大で20連戦以上の過密日程となる可能性も...。だからこそ、チーム一丸で乗り越えていくしかない。  藤川は「(中止は)自然災害なので。しっかりいいプレーを見せられるように、練習します」と気合を入れ直した。能見も「しっかり準備するだけです」とキッパリ。安定感抜群のリリーフ陣が、後半戦もフル稼働で立ち向かう。(箭内桃子)
九回に登板し1回1安打無失点の阪神・ドリス 「全体的によかったと思います。自分のできることをやっていくだけです。思った通りに投げられるようにしたい」 阪神・谷本副社長兼球団本部長 「10月いっぱいを使って消化していこうということ。(故障離脱の)糸井選手や、調子を落としている選手もいるので、彼らが戻った時に試合が出来る、というポジティブな捉え方をしています」

◆打線沈黙で2年ぶり借金ターン...。阪神はDeNAに0-1で敗戦。4日ぶりの試合で快音は響かず、今季7度目の無得点負けとなった。西日本豪雨で9日からの広島3連戦(マツダ)が中止となったため、これで前半戦が終了。金本知憲監督(50)勝負の就任3年目。借金3の原因、誤算はなんなのか-。  9日からの広島3連戦が中止となり、思わぬ形で前半戦が終わった。しかも今季7度目の無得点負けで、借金は3-。  「後半戦、いち早く(借金を)返せるようにやっていくしかない」  金本監督は16日の巨人戦(甲子園)からの出直しを誓ったが...。前半戦での5割以上を「最低限」としていただけに、表情は厳しかった。  23年ぶりの3試合連続中止による調整の狂いは「3試合でしょ? 3試合は全然...関係ないでしょ」と首を振ったが、4日ぶりの試合は、セ・リーグ最下位のチーム打率・243を象徴するような寂しい内容だった。  春季キャンプを打ち上げた際、指揮官は「これまでのチームで一番強い」と胸を張った。優勝への手応えを明確に口にして、臨んだシーズン。その誤算とは-。  (1)遊撃など、固定できていないポジション  戦前から課題と言われていたセンターライン。開幕は捕手・梅野、遊撃・糸原、二塁・鳥谷、中堅・高山で迎えたが、74試合を消化し、そのままなのは梅野だけだ。上本の故障離脱で糸原は二塁でほぼ固定されたが、要の遊撃は植田、熊谷、そして北條が日替わりで出場。ただこの日、北條が適時失策したように遊撃手のミスは目についた。  今季のチーム失策数51も、12球団ワースト。就任1年目がリーグワースト97、昨年も同ワースト2位86で、守備の立て直しを図った中、さらに悪化させている現状は、固定できないポジションにあらわれている。  (2)大山の伸び悩み  昨季、三塁でゴールデングラブ賞を獲得した鳥谷を二塁にまわしてまで金本監督は三塁・大山にこだわった。だが大卒2年目には敷居が高かったか。打率・204、2本塁打、16打点。6月下旬には一度、2軍落ち。ウエートの強化で大山本来の柔らかい打撃が薄れてしまったのでは、という声も漏れ聞こえる。  (3)ロサリオの不振  金本監督の今季の開幕前の手応えは、なんといっても年俸3億4000万円で獲得したロサリオだった。しかし本人は一挙手一投足が注目されることを極度に嫌がった。「俺は野球をしに日本にきたんだ...」。配球の読みにも欠点を露呈。マジメな性格が空回りしてパニックに陥り、6月上旬に2軍落ち。元々、球団内では外国人野手2人制のプランもあったが、現場の肝いりでR砲を獲得したため緊急補強も慎重に。ナバーロを6月中旬に獲得したが、後手後手感は否めなかった。  糸井の死球骨折も痛いが、それ以前にチームの「基本形」が定まらないまま、開いていった首位広島との7ゲーム差だ。チーム防御率3・72はリーグ1位だが、自慢の投手陣も猛暑に入る。勝負の就任3年目、ここからどう立て直すか。過密日程確実な後半戦、より手腕が問われる。 (阿部祐亮)

◆心配していた岩貞が、素晴らしい投球をしたのは収穫。前回登板がヤクルト・青木への頭部危険球で退場。その後、先発予定試合が2日連続雨で流れて、メンタル的に厳しい環境だったが、思い切って内角を攻めていたし、直球を勝負球にできていた。球宴登板を挟んで後半戦に視界良好だ。  ただ、他の先発陣は喜んでいられない。9日から1週間、試合がない。夏場のこの時期に11日間で1試合しか消化できていない状況は、ほぼ誰も経験していない異常事態だ。  球宴出場で登板機会が確保されているメッセンジャーは大丈夫だが、登板間隔が開きすぎる若手投手はコーチの的確な指示が必要になる。2軍戦に投げるのも一手だが、全員が投げられるわけではない。シート打撃などの実戦形式も取り入れることになる。それでも、実戦勘の維持は難しいが...。大きな試練だ。  攻撃陣の淡泊さも気にはなる。打てなくてもファウルで粘られると嫌なものだが、そんな姿が見えたのは福留ぐらい。個々がどれだけ打席で食らいつく姿勢を示せるか。それでもすぐ簡単に打てるモノでもない。こちらは糸井の早期復帰を望むばかりだ。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
433210.573
(↓0.008)
0
(-)
67379
(+4)
330
(+6)
90
(+1)
43
(-)
0.261
(↓0.001)
4.08
(↓0.01)
2
(-)
阪神
353810.479
(↓0.007)
7
(-)
69280
(-)
310
(+1)
42
(-)
44
(+1)
0.243
(↓0.001)
3.72
(↑0.05)
2
(↑1)
DeNA
353820.479
(↑0.007)
7
(↑1)
68286
(+1)
318
(-)
86
(-)
50
(-)
0.248
(↓0.001)
3.87
(↑0.05)
4
(↑1)
巨人
374110.474
(↑0.006)
7.5
(↑1)
64351
(+6)
321
(+4)
72
(+1)
43
(-)
0.26
(↑0.001)
3.89
(-)
5
(↓2)
ヤクルト
343910.466
(↓0.006)
8
(-)
69325
(+4)
356
(+5)
66
(+1)
38
(-)
0.256
(↑0.001)
4.37
(↓0.02)
6
(-)
中日
354210.455
(↑0.008)
9
(↑1)
65309
(+5)
359
(+4)
48
(+1)
39
(-)
0.258
(↓0.001)
4.4
(↑0.01)