巨人(☆6対4★)広島 =リーグ戦13回戦・東京ドーム=
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広島
01010 0002 451
巨人
01050 000× 690
勝利投手:今村 信貴(2勝2敗0S)
敗戦投手:岡田 明丈(6勝3敗0S)
  DAZN
◆巨人は1点を追う4回裏、2死一二塁の好機から吉川尚が2点適時二塁打を放ち、逆転に成功する。その後も岡本の2ランが飛び出すなど、この回5点を挙げた。先発・今村は5回2失点で今季2勝目。敗れた広島は、先発・岡田が誤算で、打線も好機を生かしきれなかった。

◆巨人岡本和真内野手(22)が6月26日広島戦以来、46打席ぶりの本塁打となる15号2ランを放った。  1点を追う4回、吉川尚の左翼線2点二塁打、マギーの三塁内野安打、三塁暴投の間の1点で2点を勝ち越す。なおも2死一塁、岡本はカウント1ー2から広島先発の岡田の外角144キロ直球を強振。打球は右中間席最前段へ飛び込んだ。「しっかりと芯でとらえることができました。久しぶりに良い角度で上がってくれました」と喜んだ。一時、32打席無安打と苦しんだ第89代4番が待望の1発を放った。

◆巨人上原浩治投手(42)が4点リードの7回から1イニングを無失点に抑え、自身の連続無失点を7試合に伸ばした。  1死から会沢に死球、2死とし田中に中前打で一、三塁とピンチを招いた。それでも、菊池をスプリットで見逃し三振に抑えた。  8回の沢村、9回のマシソンとともに勝利の方程式の一員としての役割を果たし「ピンチもあったけど、ゼロだったから良かった。死球はもったいないけど、会沢も調子のいいバッターなので厳しくいかないと。迷惑かけたので結果を出していかないといけない」と表情を引き締めた。

◆ひと振りで全てを振り払った。巨人岡本和真内野手(22)が11試合ぶりの15号2ランを放ち、チームを昨年8月以来、広島戦6カードぶりの勝ち越しに導いた。逆転した直後の4回2死一塁。カウント1-2から岡田の外角高めの144キロ直球を捉え、打球は右中間席最前部へ飛び込んだ。6月26日広島戦以来、46打席ぶりの1発に「久々にいったなと。食らいついて最高の結果でした」と喜んだ。  今の自分をかみしめた。14号から5日のDeNA戦まで32打席連続無安打。打率も3割を切り「苦しいっちゃ苦しい」と悩んだが「本当にぜいたくな悩みですよね」と現状を客観視できた。「これまでは1軍にいることもできなかったし、いても打てなかった。その頃に比べたら、今は試合に出させてもらっている。出続けられるからこその悩みだと思う」。3年間で通算本塁打は1。ホームランバッターになるべきか悩んだ過去の自分と照らせば、今が楽に思えた。  もちろん4番の重圧は簡単に拭えない。「打順のことはあまり考えないようにしている。でも、やっぱり4番って特別ですよね...」。胸を張って重心を沈ませる構えが、いつしか背中が丸まっていった。ロッカールームで隣の阿部から「打っても、打てなくても胸を張ればいい。堂々としていろ。それが4番の仕事だ」と背中を押された。昨季まで4番を張ったベテランの金言に背筋が伸びた。  9回に2点差まで追い上げられるも逃げ切った。「守っててしんどかった」と王者の圧を感じたが「前回3タテされていたので、なんとか勝ち越したかった。結果的に追い上げられたので、打てて良かった」と安どした。「まだ(シーズンは)半分ある。また打てない時が来るかもしれない。残りの試合も引き締めてやっていきたい」。1つの壁を乗り越えた主砲が頼もしく見えた。【桑原幹久】

◆「2番・二塁」で6月26日以来、11試合ぶりのスタメンとなった巨人・吉川尚輝内野手(23)が一時逆転の2点打を放った。1-2で1点を追う四回二死一、二塁。広島・岡田の外角低めへの直球を左翼線にライナーで運び、一走・坂本勇の激走ホームインにより、逆転の2点二塁打となった。  さらに、次打者のマギーのゴロが三失となる間に、相手の隙を突いて三塁を回り、本塁へヘッドスライディング。4点目を刻んだ。直後に4番岡本に右翼席への2ランが飛び出し、この回5得点。四回を終えて6-2と逆転に成功した。

◆巨人の岡本が四回、右中間席へ15号2ランを放った。追い込まれてから右腕・岡田の直球をとらえた。  6月26日の広島戦(マツダ)以来、11試合ぶりの一発。「しっかりと芯でとらえることができました。久しぶりに良い角度で(打球が)上がってくれました」と振り返った。

◆巨人が逃げ切り、この3連戦を2勝1敗と勝ち越した。1点を追う四回に2番・吉川尚の逆転2点二塁打、岡本の11試合ぶりの一発となる15号2ランが飛び出すなど一挙5点を奪った。先発した今村が5回1安打2失点で2勝目(2敗)。六回から谷岡、上原、沢村、マシソンとつないだ。  先制したのは広島。二回二死走者なしから、バティスタがバックスクリーンへ飛び込む13号ソロを放った。その裏、巨人は二死一、二塁で今村が相手先発の岡田から中前適時打を放ち、同点に追いつく。  広島は四回一死一、三塁で、西川の遊ゴロ併殺崩れの間に三走が生還し、2-1と勝ち越し。その裏、巨人打線がつながった。二死一、二塁で、吉川尚が左翼線2点二塁打を放ち、3-2と逆転に成功。さらに二死二塁の場面で、マギーの三ゴロを西川が一塁へ悪送球する間に、吉川尚が二塁から一気に本塁へ。ヘッドスライディングで生還し、4-2とした。なおも二死一塁で、岡本が右中間スタンドへ飛び込む15号2ランを放ち、6-2とした。広島は九回に満塁の好機を作り、松山の遊撃内野安打などでマシソンから2点を奪ったが、あと一歩及ばなかった。
四回に2点打を放った吉川尚の話 「つなごうという意識で打席に立ちました。しっかり思いっきっていけたのでよかったです」

◆巨人が逃げ切り、この3連戦を2勝1敗と勝ち越した。1点を追う四回に2番・吉川尚の逆転2点二塁打、4番・岡本の11試合ぶりの一発となる15号2ランが飛び出すなど一挙5点を奪った。お立ち台に呼ばれた岡本は待望の一発を喜んだ。  --長く待ったホームラン、右方向への打球でした  「それはよかったと思います」  --いい感触  「追い込まれたのでなんとか食らいついていこうと思った。それが最高の結果になってよかった」  --この一週間なかなか安打が出ない時期もあったが、心の支えになったのは何ですか  「打てなくてもずっと試合に出させてもらったので、なんとかしようと日々取り組んでいました」  --改めて巨人軍の4番というのはどういうものか   「そこは意識してないんですけど、しっかり打っている限りは頑張りたいと思います」

◆広島は2-1の四回に5点を奪われて逆転を許し、巨人との3連戦に負け越した。先発した岡田は4回6失点と試合をつくれず「ストライク先行ができなかった。野手が点を取ってくれた次に失点してしまったのが反省」と肩を落とした。  西日本豪雨の影響で、9日から予定されていた阪神3連戦が中止となり、この日が球宴前最後の試合となった。白星で締めくくることはできなかったが、緒方監督は2-6の九回に2点差まで追い上げたことを「粘り強く攻撃してくれた」と評価した。

◆巨人の今村が5回2失点と粘り、6月6日以来の2勝目を挙げた。「野手の皆さんに感謝です」と打線の援護に感謝した。  140キロ台の直球に、チェンジアップやカーブで緩急を付け、許した安打は二回にバティスタに浴びたソロ本塁打だけだった。ただ、5四死球を与えるなど91球を要し「多く四球を出してしまったので、申し訳ない気持ち」と反省の言葉も口にした。

◆岡本と一番の話し相手でもある吉川尚が「2番・二塁」で11試合ぶりに先発出場。1点を追う四回に左翼線へ逆転の2点二塁打を放った。続くマギーの三塁内野安打で、三塁手の一塁送球がそれる間に本塁生還と躍動した。一回無死二塁の場面では中飛に倒れていた。「1打席目がふがいない結果だったので、いい形で次につなげたいと思っていました。持ち味を生かした走塁ができてよかった」と笑顔で振り返った。

◆巨人はこの日、西日本豪雨の被災地支援のため、広島戦が行われた東京ドームで募金活動を実施した。各入場ゲートに募金箱を設置。球団マスコットのジャビットらが来場者に協力を呼びかけた。集まった募金は、巨人の社会貢献プロジェクト「G hands」の一環で被災地に寄付される。

◆広島は8日、西日本豪雨で多大な被害が出ていることを考慮し、9日から広島市のマツダスタジアムで予定されていた阪神との3連戦を中止にすると発表した。鈴木清明球団本部長は「被災した心情や、救助が進む中で試合ができる状況ではない」と説明した。これによって、広島と阪神は球宴前の前半戦が終了。セ・リーグでは今後の日程調整を急ぐ構えをみせた。  9日からの阪神3連戦が中止-。球宴前最後の試合となった巨人戦に4-6で敗れた後、東京ドームで口を開いた広島・緒方監督が、被災地を心配した。  「まだ行方不明の方もいらっしゃる。そういった中で試合をするのは厳しい環境だと球団が判断し、当然の措置」と球団の姿勢を支持した。選手会長の会沢も「何らかの形で支援や協力をしていきたい」と神妙な表情で話した。  活発な梅雨前線による西日本豪雨は8日も各地で被害が拡大し、死者は80人以上に上った。安否不明者も50人以上だ。広島県呉市では、道路に流れ込んだ土砂が捜索現場へ向かう消防や警察の行く手を阻んだ。広島市安芸区の山間部では道路が土砂で埋もれ、インフラが途絶え、水や食料が尽きつつあるなど、緊迫した状態が続いている。  最近では、2011年の東日本大震災でのシーズン開幕の延期や、16年熊本地震での試合中止もあったが、本拠地球場での3連戦、すべて中止というのは異例だ。甲子園で取材に応じた日本野球機構(NPB)の杵渕和秀セ・リーグ統括は、自ら交通機関にも状況を問い合わせたといい「今回はこの被害状況やもろもろを諮って3試合を事前に中止することを受理した」と説明した。  今回の決定によって、対戦相手の阪神も、この日のDeNA戦で前半戦が終了。3試合雨で流した後の試合だったが、ここからさらに1週間、試合がなくなり、11日間で1試合という状況だ。主将の福留は0-1で敗戦後、「被災されている方もいる。僕らが何か言えることではない」と被災地を思いやった。  チームは9日と10日は、ウエスタン・リーグ中日戦(鳴尾浜)に一部の1軍選手を派遣し、実戦感覚を維持させる予定。金本監督は「投手もいかせる」と話し、対応する構えだ。
★広島の球団発表コメント全文  「今回の西日本を中心とした豪雨による災害におきまして、被災されたみなさまにお見舞い申し上げます。これまで地域と共に歩んできた広島東洋カープといたしましては、このような甚大な被害により、多数の犠牲者が出ている中で試合を行っていいものか十分に検討した結果、明日からの阪神戦を中止する決断をいたしました。楽しみにしてくださっていたお客様には大変申し訳ございませんが、このような判断にいたったことをご理解いただきたくお詫び申し上げます。そして被災された地域の一日も早い再建と復興を、心からお祈り申し上げます」 ★セ・パで9試合中止  今回の豪雨では、6日に予定されていた中日-ヤクルト12回戦(ナゴヤドーム)が、ヤクルトの用具を運ぶトラックの球場到着が大幅に遅れ、ドーム球場としては異例の中止となった。ここ1週間でセ・パ両リーグの中止は9試合に上った。 ★高校野球・広島大会も開幕延期  西日本の豪雨は、夏の甲子園にも影響している。広島高野連は前日7日に予定されていた広島大会の開会式を中止とした。第1日を11日に行うことを発表した。

◆巨人は8日、広島13回戦(東京ドーム)に6-4で逆転勝ちし、今季初めて広島戦の同一カード勝ち越しを飾った。4番の岡本和真内野手(22)が、2点リードの四回二死一塁で右中間席へ貴重な追加点となる15号2ランを放った。14号ソロを放った6月26日の広島戦(マツダ)の第2打席の後は32打席無安打の大不振に陥った若き大砲が、11試合ぶりの一発。不祥事が続いたチームに勝利をもたらした。 頼りになるヤングGだ! お立ち台では、ジャビットを挟んで岡本(左)と吉川尚が力強くガッツポーズ (撮影・大橋純人)【拡大】  迷いのない強振だった。スタンドでは直前に逆転した余韻が残る中、岡本が右翼席へ豪快な2ランをぶち込んだ。  「追い込まれていたので、食らいつこうと思っていました。最高の結果になってよかった」  1点を追う四回。吉川尚の2点二塁打で逆転し、さらに1点を加えて迎えた二死一塁。岡田が投じた外角への144キロの直球を逆らわずに押し込んだ。22歳4番の2ランが勝利を決定付けた。  復活を告げる一発だ。6月26日の広島戦(マツダ)の第2打席で14号ソロを放ってから、今月5日のDeNA戦(東京ドーム)の第2打席に左中間適時二塁打を放つまで、32打席無安打のスランプに陥った。  「どこかで油断していた部分もあった。毎試合大事にしていたけど、どこかで気の緩みが出たかもしれない」  知らず知らずのうちに力任せな打撃になり、ボール球に手が出た。精神的なつらさはどんどん膨らんだが、「打てなくても、ずっと試合で使ってもらっていたので」と奮い立ち、本来の打撃を取り戻した。実に11試合46打席ぶりのアーチで、復調をアピールした。  ファン投票で球宴に初選出されたほどブレークを遂げた前半戦。だが、満足はしていない。昨季限りで退団した村田修一(現BC栃木)から背番号25を継承した今季、村田に2桁本塁打を"厳命"された。6月2日のオリックス戦(京セラ)の4番初打席で約束を果たす10号ソロ。その試合後、村田からLINEのメッセージが届いた。  「まだまだこれからやぞ。頑張れよ」  NPB通算360本塁打を誇り、岡本が入団前からあこがれていた兄貴分は、褒めるのではなく、激励してくれた。この言葉に「10本より15本、20本。自分に求められているのは打点や本塁打。もっと打っていかないと」とさらなる奮起を誓った岡本。この日は村田の真骨頂でもあった逆方向への強打で15本塁打に到達し、また一皮むけた姿を披露した。  前日7日、球団は選手のロッカーから盗みを働いていた若手選手を解雇。この日、窃盗容疑で逮捕された。不祥事続きで揺れるチームに、若き大砲がバットで光を差した。  「本人も吹っ切れる一打になってくれればいいと思います」と、高橋監督も岡本に期待した。首位・広島に今季初のカード勝ち越しを決め、9日のヤクルト戦(静岡)から球宴前最後の3連戦に臨む。主砲の復活が、チームに勢いをもたらす。 (谷川直之)

◆がっついていないところが好結果を呼んだ。岡本の本塁打を、そう評したい。  第1打席は、カウント3-1から真ん中にきたスライダーを芯で捉えた左飛。第2打席は、1-1からの低めのカーブを左前打。岡田のカーブは、早いカウントでは頭に入れていない球種。待たずとも、自然に反応し、崩されることなく、ライナーで弾き返した。  そして第3打席。1-2と追い込まれ、全ての球種に対応する必要がある状況で、ポイントを遅めにしてストレートを右中間スタンドに運んだ。  打てるコース、甘い球には瞬時に反応する。逆に、ボール球には1度も手を出さなかった。追い込まれるまでは、ストライクといえども厳しいコースなら見送っていた。そうした判断力が光っていた。「がっついていない」とは、そういう意味だ。  初めて4番を任されたシーズン。これからも、いくつかヤマはあるだろうが、この姿勢なら、ますます好結果が望めそうだ。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
433210.573
(↓0.008)
0
(-)
67379
(+4)
330
(+6)
90
(+1)
43
(-)
0.261
(↓0.001)
4.08
(↓0.01)
2
(-)
阪神
353810.479
(↓0.007)
7
(-)
69280
(-)
310
(+1)
42
(-)
44
(+1)
0.243
(↓0.001)
3.72
(↑0.05)
2
(↑1)
DeNA
353820.479
(↑0.007)
7
(↑1)
68286
(+1)
318
(-)
86
(-)
50
(-)
0.248
(↓0.001)
3.87
(↑0.05)
4
(↑1)
巨人
374110.474
(↑0.006)
7.5
(↑1)
64351
(+6)
321
(+4)
72
(+1)
43
(-)
0.26
(↑0.001)
3.89
(-)
5
(↓2)
ヤクルト
343910.466
(↓0.006)
8
(-)
69325
(+4)
356
(+5)
66
(+1)
38
(-)
0.256
(↑0.001)
4.37
(↓0.02)
6
(-)
中日
354210.455
(↑0.008)
9
(↑1)
65309
(+5)
359
(+4)
48
(+1)
39
(-)
0.258
(↓0.001)
4.4
(↑0.01)