西武(☆14対11★)ORIX =リーグ戦11回戦・メットライフ=
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 123456789
ORIX
10300 1006 11130
西武
32300 501× 14181
勝利投手:多和田 真三郎(8勝3敗0S)
敗戦投手:山岡 泰輔(2勝7敗0S)
  DAZN
◆西武は1点を追う1回裏、浅村と外崎の適時打で3点を挙げ、逆転に成功する。その後は3回に森の2ラン、6回には外崎の2点適時打が飛び出すなど、終わってみれば18安打14得点の猛攻を見せた。先発・多和田は今季8勝目。敗れたオリックスは、13安打で11得点を奪うも及ばなかった。

◆西武山川穂高内野手(26)は、多和田が先発した12試合で6本塁打をマーク。山川に1発が出なかった7試合の多和田は3勝3敗だが、本塁打が出た5試合は4勝0敗で負けていない。山川が高校、大学の後輩を援護する本塁打を打てるか。

◆オリックス中島宏之内野手が左太もも裏を痛めて負傷交代した。3回2死二、三塁から右前適時打を放って出塁したが、続く西野が放った右翼線の当たりで二塁ベースを回ったところで転倒。はいつくばって二塁まで戻ったが、そのまま動けなくなった。  福良監督やトレーナーが駆けつけ担架に乗せられてベンチ裏へ下がった。

◆西武森友哉捕手が、史上66人目、71度目となるサイクル安打にわずかに届かなかった。  1回の第1打席で左二塁打、1点リードで迎えた3回の第2打席では8号2ラン。5回の第3打席は二塁ライナーに倒れたものの、6回に中前適時打を放ち、三塁打が出ればサイクルと、快挙に王手をかけた。8回は遊撃への内野安打をマークしたものの、三塁打とはいかなかった。  この日は特別だった。昨年6月28日、1軍投手コーチを務めていた森慎二さんが多臓器不全により42歳の若さで急死して1年の命日だった。  お立ち台に上がった森は「今日は試合前にウイニングボールを(他界した森コーチのために)取っておいてほしいという話があったので、今日は勝ちたいという気持ちで試合に臨んだ」と気持ちをバットに乗せた。  山賊打線の5番打者として4安打3打点の活躍を見せた小柄な森が、デッカイ仕事で勝利を呼び込んだ。

◆オリックス中島宏之内野手が左太もも裏の肉離れと診断された。  3回2死二、三塁で右前適時打を放って出塁したが、続く西野が放った右翼線の当たりで二塁ベースを回ったところで転倒。はいつくばって二塁まで戻ったが、そのまま動けなくなった。  福良監督やトレーナーが駆けつけ、担架に乗せられてベンチ裏へ下がった。試合中に病院に向かい、左太ももの肉離れと診断された。福良淳一監督は「状態が良かっただけにね...」と沈痛だった。

◆西武が今季最多18安打を重ね、14得点で打ち勝った。  辻発彦監督がポイントに挙げたのは、6回裏2死からの攻撃だった。表に1点を失い、8-5となっていた。まずは走者一、三塁で浅村が右前打を放った。三塁走者をかえすとともに、右に放ったことで、なお一、三塁の状況が続いた。そこから山川、森、外崎と、4者連続適時打で5点を奪い、突き放した。  辻監督は「1点取られた後だったので大きかった。やはり2死一、三塁で浅村の右前打。チームプレー。あの1点が大きかった」と評価した。  浅村は「一、二塁間があいていたので、そっちに打てばヒットになると思いました。詰められた後だったので。軽打しました」と冷静に振り返っていた。

◆西武多和田真三郎投手が5月19日以来の白星となる8勝目を挙げた。ただ、初回先頭の大城に死球を与えるなど、立ち上がりから制球が不安定だった。7回6安打5失点だったが、打線の援護に助けられた。  辻監督は「中9日で先発したんだから、責任は果たさないと。あの回で降りるのは計算外。僕は今日の多和田には点数は与えたくありません」と、大量援護にもかかわらず6回で降板したことに厳しかった。  多和田も「最初から全てのボールが良くなかったです。最後まで修正できず、流れを悪くしてしまいました」と反省の言葉を並べた。

◆西武辻発彦監督(59)は苦笑いで会見を締めた。「森コーチが一番、怒ってるんじゃない? そう書いといてよ」。先発多和田が6回7安打5失点。リリーフ陣は、9点リードの9回に上がったワグナーが大乱調。6失点で3点差まで追い上げられた。なんとか逃げ切ったが、スカッとした勝ちとはいかなかった。  絶対に勝ちたい理由があった。6月28日。多臓器不全のため42歳の若さで急死した森慎二投手コーチの一周忌だった。辻監督は「今日がその日ということは前から分かっていた。いつも以上に勝ちたいと思っていた」と明かした。ブルペンとベンチに森さんの背番号89のユニホームが飾られ、試合前には、首脳陣が「恥ずかしい試合だけは、しないように」とハッパをかけた。キャプテンの浅村は「みんな分かっていた」。チーム一丸で今季最多18安打を重ね、14点を奪った。  ポジションに関係なく、森さんの思い出を話す時、みんな優しい目になる。故障明けの15年、二人三脚で復活の道を歩んだ大石は「兄貴のような。何でも聞ける人」。増田も「『打たれても次の日は切り替えろ。9回を任せてるんだから』と。よく失敗していた時期に言われました」と感謝する。4安打3打点の森も「昔の映像を見ると、やんちゃな印象だった。お会いしたら、すごく優しくて、気にかけてくれました」と同じだ。  辻監督はウイニングボールを森さんの家族に送るよう手配した。負ければ2位日本ハムとゲーム差なしの土俵際だった。「明日も全力で勝てるように」。天国の森さんへ、秋に最高の報告をする。【古川真弥】

◆涙の誕生日だ。オリックスが、ともに今季ワーストタイの18被安打、ワースト14失点で大敗を喫した。先発山岡が5回10安打、自己ワーストの8失点で7敗目。3発の本塁打を浴びてリーグワーストの被本塁打15と「1発病」が直らない。投手陣が打ち込まれて福良監督の58歳バースデーを勝利で飾ることはできなかった。  山岡が序盤から山賊打線につかまった。初回に浅村、外崎にタイムリーで3失点すると、2回には秋山に右越え2ラン、3回にも森の右中間2ラン、メヒアの左越えソロと3被弾。4月22日楽天戦の2勝目から2カ月以上も白星から遠ざかる右腕は「先発としての役割を果たせず申し訳ないです」とガックリだ。  ショックは重なる。調子を上げてきたベテラン中島が、3回の走塁中に左脚を負傷。試合中に病院に向かい左太ももの肉離れと診断された。福良監督も「調子が良かっただけに...」と沈痛。前日27日に下半身のコンディション不良で2軍落ちした小谷野に続き、登録抹消の可能性が高い。交流戦をパ・リーグ勝率1位で終えたオリックスに暗雲が漂った。【桝井聡】

◆ブルペンからマウンドに向かう前に、西武松本直晃投手(27)は背番号89のユニホームに一礼した。  「森さんは僕にプロのイロハを教えてくれた。森さんに会って、『ああ、プロに来たな』と思いました」  多臓器不全のため42歳の若さで亡くなった森慎二投手コーチの一周忌。ブルペンに掲げられた森さんのユニホームも見守る中、3年目の松本が好投した。8回に3番手で登板し、オリックスT-岡田、安達、伏見と3者連続三振。13-5と大量リードがあったが「点差は関係ありませんでした。2試合続けて失点していた。気合が乗りました」。絶対に0で抑えるつもりだった。  入団1年目の16年。森さんは当初は2軍担当だった。5月に1軍に配置転換となったが、松本にとって、森さんがプロで初めて師事したコーチだ。「フォークは森さんに教えてもらいました。森さんもブルペンで投げていた方。準備の仕方や気持ちの面。僕のベースは、森さんに習いました」と、感謝の気持ちは大きい。  ずっと大事にしている教えがある。「リリーフはマウンドに上がったら、初球から100%で行け」だ。T-岡田への初球はストライクからボールになるフォーク。森さんから吸収した球種で空振りを奪った。  「真っすぐも148キロ出たし、シュートも同じスピードで投げられました。今日はイメージ通りでした」と胸を張った。辻監督も「松本が良かった」と名指しで評価した。昨季は1軍登板なしに終わったが、この日で登板17試合目。1年目の2試合を大きく上回っている。森さんのまいた種が芽吹いている。【古川真弥】

◆西武は28日、昨年多臓器不全のため42歳の若さで急死した森慎二投手コーチの一周忌を迎える。チームは27日、同コーチのユニホームをベンチとブルペンに掲げてオリックス戦を行うと発表。先発予定の多和田は「いい投球をして、勝ちを届けたい」と意気込んだ。 (メットライフ)

◆西武の秋山が6試合ぶりに本塁打を放った。3-1の二回一死二塁、山岡の内寄りの速球を鋭いスイングで捉え右翼席へ12号2ラン。18日のDeNA戦以来の一発となった。  一回の打席では見逃し三振に倒れて1番打者としての役割を果たせなかったが、チームは浅村の適時打などで3点を奪ってくれた。「一回はひどい打席をみんなにカバーしてもらった。この打席は何とかしたいと思った結果、打てて良かった」と喜んだ。

◆西武が今季最多の18安打で14点を奪った。0-1の一回に外崎の2点適時打などで3点を奪い逆転。二回に秋山の2ラン、三回には森の2ランなどで加点した。多和田が3年目で自己最多の8勝目。オリックスは序盤の失点が痛かった。

◆オリックスの2年目の山岡が5回を投げ、ともに自己ワーストとなる3被本塁打、8失点で7敗目を喫した。「先発としての役割を果たせず、申し訳ない」とうつむいた。  一回に4長短打を許して3点を失うと、二回には秋山に2ランを浴び、三回に森とメヒアにも一発を打たれた。これで今季の被本塁打は15本となった。その後は立ち直ったが、5連敗で4月22日以来の白星はならず「負のスパイラルに入っている」と言葉少な。福良監督は「球自体は悪くないが。勝っていないこともあるのかもしれない」と嘆いた。
福良監督(九回に6得点した打線に) 「最後はいい粘りを見せてくれた。大事じゃないですか」 T-岡田(九回に5年連続2桁本塁打となる満塁弾) 「みんながつないでつないでだったので、僕も何とかつなぎたかった。いいきっかけにしていきたい」

◆西武の山川が7日のDeNA戦以来、16試合ぶりとなる19号ソロを放った。13-5と大差のついた八回一死走者なしで、沢田から左中間席に豪快な一発を運び「うれしい。気持ち良かったし、ホームランはいい」と笑顔で喜んだ。  三回の左翼線への安打、六回の中前適時打で2日以来の1試合3安打もマーク。復調気配の主砲は「これを2、3試合続けてから」と慢心なく話した。
多和田(6回5失点ながら打線の援護を受け自己最多の8勝目) 「最後まで修正できず流れを悪くしてしまった。打線に感謝です」 外崎(3安打4打点) 「打てて良かった。何とか打って、守って、走って多和田を助けられたらと思った」

◆オリックスの中島が三回の走塁中に左太もも裏に痛みを感じて交代した。右前打で出塁した後、西野の右翼線への安打で二塁を踏み、三塁へ進もうとしたが倒れ、担架で運ばれた。埼玉県所沢市内の病院で肉離れと診断された。  福良監督は「そこがいなくなると、考えなければいけない」と話し、今季10本塁打のマレーロを昇格させることを明らかにした。

◆オリックス・中島宏之内野手(35)が28日の西武戦(メットライフ)で負傷交代した。三回の走塁中に左足を痛め、担架に乗せられてベンチ裏に下がると、そのまま所沢市内の病院へ。MRI検査を受け、左太もも裏肉離れと診断された。29日に出場選手登録を抹消され、代わってクリス・マレーロ内野手(29)が1軍に再昇格する。

◆森が2ランを含むプロ初の4安打で勝利に貢献。お立ち台で「(森コーチの一周忌で)絶対に勝ちたい気持ちだった」とナインの気持ちを代弁した。故人の人柄について「1年ちょっとしか一緒にやっていないけど、すごく優しかった」。辻監督はウイニングボールについて「マネジャーに言って、(森コーチの)奧さんに渡してもらう」と明かした。

◆今季ワーストの14失点で敗れ、福良監督の58歳の誕生日を祝えなかった。4位タイとロッテに並ばれたが、打線は九回に6得点を奪う意地を見せた。無死一塁から武田、後藤、吉田正、小島の4連打で2点を奪い、一死後、T-岡田がバックスクリーンへ今季10号となる満塁弾。主砲が5年連続2桁アーチを描き、「たまたまです。みんながつないでくれたのでなんとかつなごうと思った」と振り返った。将も「いい粘りでしたね。大事やないですか」と評価した。

◆西武は28日、オリックス11回戦(メットライフ)に14-11で勝ち、試合のなかった2位・日本ハムとのゲーム差を1に広げた。先発した多和田真三郎投手(25)が5失点を喫しながら6回まで粘り、ルーキーイヤーの2016年を上回る自己最多の8勝目を挙げた。  「野手のおかげです。結果として勝てたのは、よかった」 そう振り返った通り、苦しい投球だった。一回に先制を許し、4点リードの三回には3連打で1点差に詰め寄られた。それでも"猛獣打線"が4本塁打を含む今季最多の18安打で14得点と爆発。白星が転がり込んだ。  この日は、多臓器不全のため42歳で亡くなった森慎二前投手コーチの一周忌。ベンチとブルペンには『S.MORI 89』のユニホームが掲げられ、それぞれが特別な思いを持って迎えた。  1年前の6月28日。多和田は故郷・沖縄でのロッテ戦に先発。試合後のロッカールームで森コーチの訃報を知り「信じられない...」と絶句した。  強靭(きょうじん)な下半身は森コーチとのアメリカンノックで作り上げられたもの。「アイデアが豊富で、人とは違う視点を持っていた。悩んだときに、それを引き出していきたい」と感謝の思いを口にする。 あれから、ちょうど1年。不安定な投球に「森コーチが一番怒っているんじゃないか」と辻監督は厳しかったが、多和田は「反省して、これから白星を積み上げていきたい」と誓った。エースナンバー「18」の背中を、森コーチはきっと天国から見守っている。 (花里雄太)
今季最多の4打点を挙げた西武・外崎 「最近、森さんの話が出ていた。いつもより絶対に勝ちたかった」 16試合ぶりの19号ソロに西武・山川 「久々の感触で気持ちよかった。みんな気持ちが入っていた」
★西武・1年前は...  ブルペン担当の投手コーチを務めていた森慎二氏が、6月28日に福岡市内の病院で多臓器不全のため42歳で急逝した。24日までチームに帯同し、27日に休養が発表されたばかりだった。辻監督は、沖縄で行われたロッテ戦の試合前練習後に説明を受け、試合後に「数日前まで一緒に戦っていた仲間。頑張ってくれていた」と目を赤くした。

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
402810.588
(↑0.006)
0
(-)
74390
(+14)
308
(+11)
80
(+4)
85
(+1)
0.278
(↑0.003)
4.16
(↓0.08)
2
(-)
日ハム
403000.571
(-)
1
(↓0.5)
73303
(-)
273
(-)
82
(-)
52
(-)
0.245
(-)
3.66
(-)
3
(-)
福岡
363200.529
(-)
4
(↓0.5)
75292
(-)
277
(-)
92
(-)
44
(-)
0.251
(-)
3.87
(-)
4
(-)
ORIX
353330.515
(↓0.007)
5
(↓1)
72274
(+11)
270
(+14)
58
(+1)
44
(+2)
0.239
(↑0.002)
3.55
(↓0.15)
4
(↑1)
ロッテ
353300.515
(-)
5
(↓0.5)
75269
(-)
267
(-)
33
(-)
70
(-)
0.258
(-)
3.58
(-)
6
(-)
楽天
254410.362
(-)
15.5
(↓0.5)
73221
(-)
290
(-)
59
(-)
37
(-)
0.235
(-)
3.91
(-)