阪神(★3対5☆)広島 =リーグ戦9回戦・阪神甲子園球場=
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広島
00010 2110 5100
阪神
00000 0030 370
勝利投手:大瀬良 大地(10勝3敗0S)
(セーブ:中﨑 翔太(0勝0敗18S))
敗戦投手:秋山 拓巳(5勝7敗0S)
  DAZN
◆広島は4回表、丸のソロで先制に成功する。その後は6回に菊池と鈴木の適時打で2点を奪うと、7回には田中の適時打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・大瀬良が7回3安打無失点の好投で今季10勝目。敗れた阪神は、打線が終盤に追い上げを見せるも、及ばなかった。

◆広島はシーズン10勝目を狙う大瀬良大地投手(27)が先発。  6月までに10勝を挙げると13年田中(楽天)以来で、チームでは08年ルイスが最後。広島の日本人投手では、82年北別府以来36年ぶりとなる。

◆阪神北條史也内野手が、昇格即「2番遊撃」でスタメン出場した。  この日に大山悠輔内野手が成績不振で出場選手登録を抹消され、代わって昇格を果たした。  また、21日オリックス戦にプロ初登板初先発したドラフト1位の馬場皐輔投手に代わって、ウエスタン・リーグトップタイの5勝をマークしている福永春吾投手が、今季初昇格した。

◆広島大瀬良大地投手が、13年楽天田中将大(現ヤンキース)以来となる6月での2桁10勝をマークした。チームでは08年のルイス以来10年ぶり、日本人投手では82年の北別府以来36年ぶりとなった。  節目の2ケタ勝利を鮮やかな投球で飾った。初回を3者凡退で滑り出すと、その後も危なげない内容。阪神打線に3安打しか許さず7回無失点、4点リードでマウンドを降りた。8回に2番手ジャクソン、3番手今村が打ち込まれ2点差に迫られ、なおも2死二、三塁とされたが4番手中崎が伊藤隼を遊飛に抑えピンチを切り抜けた。  2年連続の2桁勝利で10勝は自己最多タイ。「個人的なことよりセ・リーグのリーグ戦再開1発目の試合でいい流れをチームに持ってきたかった。(10勝は)僕だけの力じゃなくて野手だったり、サポートしてくれる方のおかげ」と感謝しきりだった。

◆広島が交流戦明けのリーグ再開初戦を白星で飾った。  先発大瀬良が7回3安打無失点と奮投。応えるように打線は丸が4回に先制ソロを放ち、その後も上位を中心にじわじわと加点した。継投に入った8回に救援陣が3点を失ったが、最後は中崎が今季初めてイニングをまたぐ投球で18セーブ目。大瀬良は両リーグ最速で10勝に到達した。  緒方孝市監督の談話は以下の通り。  -大瀬良が好投  緒方監督 ナイスピッチング。いい真っすぐ、力のある真っすぐを投げ切れていた。カーブ、フォークもしっかりコントロールできていた。  -打線も10安打5得点  緒方監督 前半、中盤までは(阪神秋山に)いろんなボールを使われて抑えられていたけどね。中盤以降はいい攻撃だった。内容のある打撃だったね。  -特に上位がよく打った  緒方監督 これがウチの野球だから。  -8回は早めの継投を仕掛けた  緒方監督 独特の甲子園の雰囲気にのみ込まれたら、力が発揮できなくなるのは分かっていた。ブルペンのスタンバイを早め早めにさせていた。  -リーグ再開の初戦に白星スタート  緒方監督 1試合勝ったからどうのこうのじゃないが、こういうゲームを続けていくことが大事。

◆広島大瀬良大地投手(27)が7回無失点の好投で、両リーグ最速10勝に到達した。3回に2死から連打で一、二塁とされたが抑え、4回以降に許した走者は四球による1人のみ。早くも自己最多タイの白星に並んだ。「リーグ戦の初戦だったので、チームにいい流れを持ってきたかった。通常の試合も大事だが、それ以上にいろんな思いを持ちながらマウンドに上がった。会沢さんにうまくリードしてもらって、前回の反省も生かしながら投げることができた」と振り返った。  節目の白星について聞かれると、真っ先に周囲への感謝を語った。「僕だけの力じゃない。野手だったり、サポートしてくれるトレーナーさんだったり、皆さんのおかげ。次に投げる時もチームが勝てるように頑張っていきたい」。ここまで安定感を欠く先発陣の中で奮投。今後も頼りになりそうだ。

◆阪神は広島先発大瀬良が天敵になっている。この日も球威に押されっぱなしで7回まで3安打無得点に終わり、敗因になった。唯一のチャンスは3回2死から連打で築いた一、二塁の場面。だが、北條が初球の外角速球を狙い打ったが、完全に詰まらされ、二ゴロに倒れた。  シーズン10勝目を献上。金本監督も「セ・リーグで一番、勝っている投手だからね。でも、そこを攻略していかないといけない。いい球を投げているし、そういう投手を打てるように練習してほしい」と振り返った。大瀬良には今季3戦3敗で、防御率0・83の窮状だ。降板後の8回に打線がキバをむいたが、1歩及ばず。リーグ戦再開初戦を落とし、引き分け1戦を挟んで3連敗。今季最多の借金4に増えた。

◆広島大瀬良大地投手(27)が両リーグ最速10勝目を挙げた。7回3安打無失点。緩急を織り交ぜ、迫力に欠けた阪神打線を黙らせた。得点圏に背負ったのは3回の2死一、二塁だけ。救援陣が2点差に迫られるも逃げ切り、自己最多タイの白星に早くも達した。交流戦7勝11敗だったチームに再び勢いをもたらした。  「リーグ戦が再開して最初の試合だったので、チームにいい流れを持ってきたかった。狙い球をしぼらせずにいい投球ができた。前回の反省も生かしながら投げることができた」  前回15日ソフトバンク戦は3被弾の今季ワースト7失点KO。「左足の踏み位置がいつもより外側で腕が遠回りしていた」。修正を図り、今季初の甲子園に備えてきた。これで阪神戦は今季3戦3勝だ。  昨年は対左打者の被打率が2割9分2厘あったが、今季は2割2分4厘に抑えている。昨秋キャンプからの取り組みが奏功。プレートの踏む位置を、一塁側から1年目に踏んでいた三塁側に戻した。「角度をつけて突っ込んでいくイメージ。キャンプでは投げづらかったけど、今はしっくりきている」。この日の3安打はすべて左打者だったが福留、糸井の3、4番を抑え込んだことも大きかった。  緒方監督は「力のある真っすぐを投げ切れていた。カーブ、フォークも制球できていた」とたたえた。節目の勝利を周囲に感謝した大瀬良は「去年より自信を持ってマウンドに上がっている。次も投げる時はチームが勝てるように」と通過点を強調。ここまで安定感を欠く先発陣を柱として引っ張る。【大池和幸】  ▼大瀬良が今季10勝目を挙げた。広島投手の両リーグ10勝一番乗りは16年野村以来7人目。野村の10勝到達は7月5日だったが、大瀬良は6月中にマーク。6月中に10勝到達は13年に24勝した田中(楽天)が6月25日西武戦で記録して以来となり、広島では08年6月15日ルイス以来、10年ぶり。広島の日本人投手で6月中に10勝は、82年6月10日中日戦で10勝目を挙げた北別府以来だった。

◆粘り合いで敗れた。阪神秋山は6回4安打3失点も、7敗目を喫した。4回に丸に先制ソロを被弾。ファウルで粘られ、粘りが真骨頂の秋山が先につかまった。6回1死から四球と菊池の適時二塁打で追加点を奪われ、鈴木にも適時打を浴びた。「粘ることを徹底され、それが続いて6回に粘れなかった。まだ対戦がある。粘ってきているときに早いカウントで打ち取るとか、考えながらやりたい」と悔しそうに振り返った。  援護に恵まれない投球が続くが「悪い流れの後に抑えるケースを増やせれば。成長するためにも乗りこえたい」と自分を責めた。昨季1試合、今季初登板と対戦は少ないものの広島戦は通算9試合で1勝5敗、防御率4・21。10年9月5日に勝ってから白星が遠い。反撃を目指すチームのエース格として。早めに広島から白星を奪っておきたい。

◆沈黙の甲子園を、踏み込んだ一振りで燃え上がらせた。バチンとしばいた白球が、右翼席に飛び込む。振り切った阪神糸原もピョンと跳ね上がって走りだした。  「いい感じで打てました。後ろにつないで、プレッシャーを与えることができた」  5点を追う8回2死一塁。ジャクソンが投じた、内角低め140キロのスライダーをしばき返した。今季1号2ランは得点力不足に悩む猛虎打線に力を吹き込むアーチ。7回まで無得点に抑えられていた首位広島に一矢報いた。  力強いスイングで打球が伸びた理由は「日課」にある。筋力トレーニングを行った直後や試合前、トレーナーに腰付近に太めのチューブを巻き付け、グッと引っ張ってもらう。左足に体重を乗せて右方向に強いステップを繰り返す。球団トレーナーは「野球は縦の筋力よりも、横の動きが多いので(筋力の)変換を。打席での踏み込みが強くなるように。ストレッチも兼ねているのでケガ予防にもなる」と説明。踏み込む足を確認すると同時に、鍛えた筋力を「飛距離」に変えていた。細かなトレーニングにも励んできたから生まれた1号だった。  金本監督は「センターから逆方向のヒットが多かったけど、強い打球を引っ張れるのが彼の良さ。だいぶ糸原らしさが出てきた」と評価。最後まで粘りを見せた打線に「上向いてくると信じています」と期した。試合に敗れ、引き分けを挟んで3連敗。今季最多の借金4。6位中日とは0・5ゲーム差...。リーグ戦再開でいきなり厳しい状況が進んでしまったが、逆襲に欠かせない意地はみせた。【真柴健】

◆広島の丸が四回に先制の9号ソロ。阪神の秋山の高めに浮いた内寄りの140キロを引っ張ると、文句なしの当たりは右翼ポールを巻き、スタンド中段に飛び込んだ。  第1打席に右翼線に二塁打を運ぶなど振れている3番打者は、2試合連続の一発で勝ち頭の大瀬良を援護し「良い反応で上からたたくことができた。手応え十分」と振り返った。

◆広島が5-3で逃げ切った。先発の大瀬良大地投手(27)が7回3安打無失点で両リーグ最速の10勝目(3敗)。打線は効果的に点を重ねた。  先制したのは広島。四回一死走者なしから、丸が右越え9号ソロを放ち、均衡を破った。六回一死一塁から菊池の左越え適時二塁打、さらに二死三塁から鈴木の左前適時打で3-0とリードを広げた。  広島は七回二死一、三塁で田中が中前適時打、八回にも一死一塁から松山の左中間適時二塁打で5-0と突き放した。  阪神は八回二死一塁で糸原が左越え2ラン。さらに二死一、二塁から糸井の左中間適時打で3点目を奪った。しかし、反撃もそこまで。八回二死から登板した守護神・中崎がイニングまたぎで九回を無失点で締め、リーグトップの18セーブ目をマークした。

◆広島が5-3で逃げ切った。先発の大瀬良大地投手(27)が7回3安打無失点で両リーグ最速の10勝目(3敗)。打線は効果的に点を重ねた。ヒーローインタビューで大瀬良は充実感を漂わせた。  --両リーグ通じて10勝一番乗り、おめでとうございます  「ありがとうございます」  --節目の勝利いかがですか  「個人的なことというよりもセ・リーグのリーグ戦再開して1発目の試合だったので、なんとかいい形でチームに流れを持っていきたいなという風に思っていました」  --リーグ戦再開後のの初戦、この試合に向けたくさんの思いはありましたか  「やっぱり通常ももちろん大事なゲームですけど、やっぱりそれ以上にいろんな思いを持ちながらマウンドに上がってました」  --自身キャリア最多の10勝にこの時期に並んだ  「僕だけの力じゃなく、野手であったりサポートしてくれるトレーナーさんであったり、皆さんの力があってこそなので、みんなに感謝しながら、また次も頑張りたいなと思ってます」  --前回は少し悔しいピッチング。そこからの今日の修正はいかがでした  「やっぱり前回すごく悔しい思いもして、情けないなと思いながらこの1週間練習を積んできたので、しっかりと修正した姿を見せられたかなと思うので、また次もっといいピッチングができるように頑張りたいと思います」  --今日は7回無失点。特にどのあたりで修正がうまくいきましたか  「いろんな状況の中で色んな球種を使いながら打ち取っていくというという風な形で会沢さんがしっかりとリードをしてくださったおかげだと思います」  --リーグトップの10勝となり、もちろんこの後も白星を伸ばしてほしいという期待も高いと思いますが  「また次、僕が投げるときはチームが勝てるような、そういうピッチングができるように頑張っていきたいと思います」

◆広島打線は1~5番がそれぞれ打点を挙げるなど機能した。四回に丸が右翼ポール際に先制ソロを放つと、六回は菊池の左翼フェンス直撃の二塁打と鈴木の左前打で2点を加えた。七回の田中に続き、八回は松山も阪神の救援陣を捉えた。  緒方監督は「これがうちの野球だから」と誇らしげ。切り込み隊長の田中は適時打を中前に運び「みんながうまくつないでくれたので、自分もつなぐ気持ちで打った」と汗を拭った。

◆阪神の試合前の練習が始まるころ、サッカーW杯の取材でロシアに出張中のサッカー担当大石豊佳に電話をかけました。  「いまボディーチェックを受けているところです。5分後くらいにまたお願いします」  今月1日に日本を出発し、オーストリアでの事前合宿から西野ジャパンに密着している大石は、大会中の練習拠点のカザンには滞在10日目。それでも毎回、練習施設の入り口でカバンを開き、パソコンに電源を入れ、さらに、厳重なボディーチェックを受けてから入場しているそうです。  「警備員は同じ人なんです。ロシアの人は、頑固というかまじめというか。"お前の顔は覚えたよ。でも仕事だからな"という感じです」 テロ対策でもありますから警備が厳重でも不便を感じてはおりません。食事も「ロシア料理はおいしいです。特に赤カブのスープ、ボルシチがうまい。野菜も肉もいっぱい入っていていかにも栄養価が高そうで、食べると元気が出ます」。  不満は街中にコインランドリーが見当たらず下着やシャツをホテルの部屋で自分で洗っていることと、長期の出張で、2歳半の愛娘、羽彩(はや)ちゃんの顔をしばらく見ていないこと。  「日本を出発する前に千葉で国内合宿もありましたから、1カ月会ってないです」  日本代表が第1戦で2-1でコロンビアに快勝したW杯は、大石にとって痛しかゆしの展開になっています。日本が1次リーグで敗退すれば今月末には帰国できます。が、決勝トーナメントに進出し、勝ち上がっていくと出張はそのぶん延びていく...。  「早く帰って娘の顔が見たいという気持ちも正直あります。でも、できるだけ長くワールドカップの取材もしたい」  ハムレットのような心境になっている大石が現地時間の朝、ボディーチェックを受けていたころ、甲子園はトラ番たちがナイター前の取材で球場に入るところでした。 「止められた? いいえ。『こんにちわ~』と言って、すっと入りました」  箭内桃子が、ナンの質問ですか? という口調です。トラ番2年目になってスタッフの方々とも顔なじみになっています。首からは大きな取材パスをさげています。入り口で5分以上チェックを受けるようなことは、まずありません。  「年配のファンの方に『箭内さんですね。虎のソナタで読んでますよ』と呼び止められたことは何回かあります。取材パスをみて声をかけてくださったんだと思います。読んでいる人、いるんですね」  お~い、こらこら。とスネていたら...。  「あ、きょうは久々に広島の赤いユニホームをみて、リーグ戦が再開するんだなと実感しました。パ・リーグには赤いユニホームのチームがないですからね。それと、先発の秋山投手が気合入ってましたよ。前日には『大瀬良も前回打たれての登板で、自分も同じ状況。しっかり結果を出したいです』と話していました」  急に、いろいろしゃべりはじめました。しかし、秋山は気合が力みになってしまったのか、6回3失点。赤いユニホームが元気の出るボルシチに見えてきた...。

◆--最後は追い詰めたが  金本監督 「そうですね。チャンスで糸井がね。上向いてくることを信じています、打線はね」  --糸原は持ち味を生かした打球  「どうしてもセンターから逆方向にヒットが多かったけど、引っ張れるというのが彼のよさだからね。昨日もセンターにライナーでいい当たりを打ったしね。だいぶん、糸原らしさが出てきたのかな、と思う」  --大瀬良をなかなか打てない  「セ・リーグで一番勝っている投手だからね。そこを攻略していかないといけないんだけど。いい球を投げているし、そういう投手を打てるように練習してほしいと思う」

◆ZZZ...。連夜のサッカーW杯のテレビ観戦でスッカリ睡眠不足で頭がボッ~...。阪神よ、首位広島をたたいて俺の頭をスッキリとさせてくれー!!  ZZZ...。いか~ん!! 広島先発・大瀬良に七回まで3安打無得点の眠った虎打線に誘われ眠っちまったじゃねーか!!  八回、糸原の2ランと糸井の適時二塁打で目覚めかけたけど、前半に得点を取れー!!  前半勝負! 試合開始早々、広島のハンドでレッドカードで退場!! 1人少ない8人の広島と野球をやろう!! さらに得点力アップで4番は大迫いったれー!! い、いかん頭がW杯になってるぞ...。スマン。  とにかく、連勝すれば広島に3・5ゲーム差になるのだから負けは許せん!! 大事なのは第2戦! この4試合好投の岩貞だけど広島は足の速いマネやニャンがいるからとにかく慎重に投げるべし!!  あ~、またしても頭がサッカーになってたー、ゴメンなさい!! 俺の頭からサッカーを引きはがすように阪神よ、第2戦は広島セネガルに勝って決勝トーナメントに進出してくれー!! アレ!?

◆糸井が極限の集中力をみせた。3点差へと迫った、八回二死一、二塁。今村の7球目、134キロフォークを左中間に運ぶ適時二塁打だ。前日21日のオリックス戦(甲子園)でも、1点ビハインドの九回に同点の10号ソロ。打率・318と主砲として奮闘している。試合後は敗戦の悔しさから、言葉を残さずにクラブハウスへと引き揚げた。

◆広島戦今季初登板だった秋山は6回4安打3失点で今季7敗目(5勝)。四回に丸の右越えソロで先制を許すと、六回一死一塁では菊池に左翼フェンス直撃の適時二塁打を浴びるなど2失点。「六回に粘れなかった。今後も対戦がありますし、少ないカウントで打ち取る方法とか対策を考えていかないといけないです」と振り返った。打線も大瀬良を前に沈黙し援護がなかったが「ゲッツーのあとだとか、まずい攻撃の後に抑えるケースを増やしていければ、後からついてくると思う。成長するために乗り越えたいです」と前を向いた。

◆代打・原口が反撃の口火を切った。八回一死、梅野の代打として打席へ。ジャクソンのカットボールに2度空振りするも、3球目の同じ球を中前に運んだ。「対応できたのは、よかったです」。その後の3得点を呼び込んだ。今季の代打成績は18打数8安打。打率・444と高い集中力をみせている。「自分の結果がチームの結果にあらわれれば、それはいいことなので」と表情を引き締めた。

◆虎が誇るガッツマンが、最後までファイティングポーズを取った。乾いた打球音とともに、打球が真っすぐに伸びる。糸原が渾身の今季1号2ランだ。右翼ポール際へ突き刺し、赤く固い壁にヒビを入れた。 「いい感じで打てました。後ろにつないで、相手にプレッシャーを与えられたら...と思っていました」  スコアボードに並んだ7つの「0」。虎キラー・大瀬良の前に、手も足も出なかった。零封ムードが漂う八回二死一塁。糸原が打席へと向かった。ジャクソンの内角140キロカットボールを一閃。厳しいコースでも、身体をクルリと回転させた。これを待っていた。  虎党の六甲おろしがこだまする。この一振りが呼び水となり、その後、2四球と糸井の適時二塁打で1点を追加。27個目のアウトを奪われるまで、首位を走る鯉に食い下がった。  金本監督は「どうしてもセンターから逆方向にヒットが多かったけど、引っ張れるというのが彼のよさだからね。昨日もセンターにいい当たりを打ったしね。だいぶん、糸原らしさが出てきたのかな、と思う」とチルドレンの待望の一発に、うなった。キャンプ中には、放つ打球の力強さが新助っ人ロサリオと遜色ないことから"小サリオ"と命名。「ずっと使ったら本塁打10本くらい打つんじゃないですかね」と話していた。63試合目に出た1号で、指揮官の見立てを立証した。  「やることは一緒なので。毎試合毎試合、自分の仕事をするだけです」  敗戦に、笑顔はない。虎ナインに、虎党に、糸原が示した。最後まで諦めないという、強い姿勢を。  (竹村岳)

◆交流戦を終えたプロ野球は22日、セ、パ両リーグの6試合が行われ、同一リーグ同士の対戦が再開した。セは首位広島が阪神に5-3で勝利。先発した大瀬良大地投手(27)が7回無失点で両リーグ最速、2013年の楽天・田中将大(現ヤンキース)以来となる6月中の2桁勝利を達成した。 逃げ切りに成功し、カープがリーグ戦再開を白星スタートだ。「投」のヒーローは大瀬良。プロ5年目で覚醒した右腕が敵地・甲子園で輝きを放って、両リーグ最速の2桁勝利に到達した。  「自分が勝つということは、チームが勝っているということ。これからもチームが勝てるように良い投球をしたい」  100球を投げ、7回3安打無失点で10勝目。球団で両リーグ最速の2桁勝利到達は2016年の野村以来、2年ぶり。6月中の到達は、24勝0敗と伝説的なシーズンとなった2013年の楽天・田中将大(現ヤンキース)以来の、スピード記録だ。  福留、糸井ら左の強打者が並ぶ虎打線に対し、今季からとりいれている"二段モーション"を駆使。丁寧な投球でミスショットを誘い、三塁すら踏ませなかった。  これで阪神戦は今季3勝0敗、防御率0・83。先発に転向した昨年からは8試合で6連勝と、カモにしている。「抑えているイメージはないですが、自信を持ってやっていきたいです」とさらなる意欲をみせた。 19日はサッカーW杯・日本-コロンビア戦をテレビ観戦。普段サッカーは見ないが、思わずリモコンの手が止まって「勇気をもらいました」。日本から約7000キロ離れたロシアで日の丸を背負って戦う男の姿を目に焼き付け、この日はマウンドで闘志を燃やした。  「セ・リーグが再開する一発目。粘り強くゼロを並べることができて良かったです」  交流戦はチーム防御率12球団ワーストの5・60に低迷し、7勝11敗で4年ぶりに負け越し。そんな"投壊"の不安を大瀬良が吹き飛ばし、3連覇へ新たな一歩を踏み出した。(柏村翔)

◆阪神の球団幹部は22日、大阪市内の阪神電鉄本社で坂井信也オーナー(70)=阪神電鉄相談役=ら本社首脳への定例報告会を行った。貧打解消のメドが立たず、本社首脳が2軍落ちしているウィリン・ロサリオ内野手(29)について「これからどうするのか」と事情聴取したことが判明。新助っ人エフレン・ナバーロ内野手(32)とのダブル昇格プランなど異例の注文が出た。チームは3連敗で、借金は今季ワーストの4。23日にも最下位転落の危機だ。 これまでとは明らかに空気が違っていた。最高気温31度と夏日となった大阪・野田の電鉄本社で熱い議論が交わされた。  テーマのひとつはロサリオ問題だった。坂井オーナーら本社首脳への定例報告を終えた出席者の1人の谷本副社長兼球団本部長は「これから(ロサリオを)どうするのか、という話はあった」と内容を明かした。  報告会は午後2時から始まった。通常の営業報告や定例報告だけでは終わらなかった。打率・230、4本塁打、22打点で、今月3日に初めて2軍落ちしたロサリオの善後策に話は及んでいた。  本当ならば、リーグ戦が再開されるこの日から、年俸3億4000万円の助っ人を1軍復帰させたかっただろう。しかし、金本監督が視察した前日21日のウエスタン・オリックス戦(鳴尾浜)は4打数1安打1打点も外角変化球に狂わされての空振り三振と上がり目を証明できず、昇格は見送られた。谷本副社長は「昨日も調子は悪かったみたいですしね。今後は様子、状態をみながらになる」と説明。23日からのファーム交流戦・ヤクルト2連戦(新潟)に渉外担当も帯同させ、送り出した。 13日に開催された阪急阪神ホールディングスの株主総会では株主から「外国人を高いお金を払って連れてきても全く打てない」と厳しい声が相次いだ。助っ人の不振はもはや球団単体の問題ではない。本社首脳からはロサリオについて「孤立させないために」と緊急獲得したナバーロとの同時1軍昇格プランも進言された。もちろん現場の責任者である金本監督が判断することではあるが、貧打解消の数少ない手段である助っ人の起用法に異例の注文がつく事態となった。  リーグ戦再開の広島戦も八回に糸原の1号2ランや糸井の適時打が飛び出し、追い詰めたものの、内容としては完敗。大瀬良には7回無失点の好投を許し、今季3戦で3勝を献上。先発に再転向した昨季から計8戦勝ちなしで"無策"といわれても、仕方がない。  当面国産打線で臨むしかない金本監督は「(大瀬良は)セ・リーグで一番勝っている投手。そこを攻略していかないといけない」と話した。1分け挟んでの3連敗で、借金は今季ワーストの「4」。23日にも最下位に転落する。打つ手無しの貧打ぶりに球団だけではなく、本社も頭を抱え始めた。  (阿部祐亮)

◆阪神が逆転優勝する最低条件は大瀬良攻略。2番手、3番手の投手は、さほど点を取ることに苦労しないことがこの試合でも分かった。つまり、連敗が続いている大瀬良をどう打ち崩すか。その一点に尽きる。  この夜も同じパターンでやられた。緩急だ。カットボール、チェンジアップ、フォークを組み合わせた投球に翻弄されてしまっていた。  七回までの攻めを振り返ると、揺さぶることなく、スイスイ投げさせてしまった点が気になる。たとえば二回。一死から伊藤隼が安打を放った。打席には選球眼のいい鳥谷。最終的に6球目を打って二ゴロ併殺打だが、この間、一塁走者がスタートを切ることは一度もなかった。カウントによってエンドランがあっても良かったのではないか。  対する秋山は広島の走者が出ると、意識してしまい再三、けん制をしていた。六回の2失点は初めて四球を与え、走者を気にして力んで制球を乱して痛打されたもの。同じことは大瀬良にも言える。自分のペースで投げさせなければ、何かが起きる。これ以上、同じ投手に負けるわけにはいかない。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
352810.556
(↑0.008)
0
(-)
79298
(+5)
286
(+3)
66
(+1)
34
(-)
0.256
(-)
4.2
(↑0.02)
2
(↑1)
巨人
313310.484
(↑0.008)
4.5
(-)
78292
(+8)
257
(+5)
61
(+1)
32
(+2)
0.266
(-)
3.75
(↓0.02)
3
(↓1)
DeNA
293220.475
(↓0.008)
5
(↓1)
80241
(+3)
255
(+4)
75
(+2)
43
(+1)
0.248
(-)
3.67
(↑0.01)
4
(-)
阪神
293310.468
(↓0.007)
5.5
(↓1)
80207
(+3)
242
(+5)
33
(+1)
38
(-)
0.236
(↓0.001)
3.4
(↓0.03)
4
(-)
ヤクルト
293310.468
(↓0.007)
5.5
(↓1)
80268
(+5)
296
(+8)
55
(+2)
35
(-)
0.253
(↑0.001)
4.25
(↓0.05)
6
(-)
中日
303510.462
(↑0.009)
6
(-)
77265
(+4)
299
(+3)
45
(-)
35
(-)
0.261
(↓0.001)
4.31
(↑0.03)