ソフトバンク(★4対6☆)巨人 =交流戦3回戦・福岡ヤフオクドーム=
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巨人
01020 2001 691
福岡
02001 1000 440
勝利投手:鍬原 拓也(1勝1敗0S)
(セーブ:カミネロ(1勝0敗10S))
敗戦投手:石川 柊太(7勝3敗0S)
  DAZN
◆巨人は1点ビハインドで迎えた4回表、岡本の2ランで逆転に成功する。その後同点とされるも、6回に坂本勇のソロと岡本の適時打が飛び出し、再びリードを奪った。投げては、先発・鍬原がプロ初勝利。敗れたソフトバンクは、先発・石川が5失点と精彩を欠いた。

◆巨人のドラフト1位ルーキー鍬原拓也投手(22)がプロ初勝利を飾った。3度目の先発で5回2/3を投げ4失点(自責3)。苦しみながらつかんだ1勝だった。  お立ち台では「先輩方が勝たせてくれた勝利だと思ってます」と振り返った。初回は2者連続三振を奪うなど3者凡退の立ち上がりも、1点リードの2回に松田に2ランを浴び逆転された。再び1点リードの5回にも甲斐に適時二塁打を許し同点にされた。それでも直後の6回に坂本の本塁打、岡本の適時打で勝ち越し。6回2死、上林にソロ本塁打を浴び1点差とされた場面で降板した。  逆転され、追い上げられるたびに援護してくれた打線だけでなく、2番手沢村以降の投手陣も1人の走者も許さないパーフェクトリレーを見せた。チーム一丸でドラ1ルーキーに白星をつけた。「勝てたというよりは勝たせてもらった。次は(チームを)勝たせたい。今日の課題を次の試合に生かしていきたい」と鍬原。早くも次をにらんだ。

◆巨人のドラフト1位ルーキー鍬原拓也投手(22)がプロ初勝利を飾った。3度目の先発で5回2/3を投げ4失点(自責3)ながら打線の援護と、2番手以降の投手陣の踏ん張りで白星をつかんだ。

◆ソフトバンクが4位に転落した。6月以降にBクラス落ちするのは、最終順位4位だった13年の10月以来となった。  チーム勝ち頭の先発石川が3被弾するなど6回5失点で3敗目。2回には松田の14号2ランで一時逆転したが、投手陣が踏ん張れなかった。  工藤監督は「向こうは5回、先頭打者が出ている。こちらは1回。その差が出た。苦しいのは間違いないですけど、やることは変わらない」と話した。

◆苦難の初勝利は格別だった。巨人のドラフト1位鍬原拓也投手(22)がプロ初勝利を挙げた。「日本生命セ・パ交流戦」ソフトバンク戦に先発。5回2/3を投げ4失点で待望の勝利球をつかんだ。過去2度の先発は白星には恵まれなかったが、阿部、岡本、坂本勇の本塁打攻勢で援護をもらい、力強い投球で強打の相手打線を押し切った。右肘痛での出遅れを取り戻し、刻んだ第1歩。ここからのし上がっていく。  苦しんだ先に白星が待っていた。鍬原はウイニングボールを握りしめ「先輩たちが勝たせてくれた勝利と思っています」と笑みをこぼした。6回2死から1点差に迫られるソロを上林に被弾し、降板。「勝ち越してくれた6回を投げきらないと勝ち投手じゃないと思っていて、悔しかった。9回2死まで勝ち投手と知らなかった」と振り返った。  右肘痛で新人合同自主トレ初日から出遅れ、本格的なブルペン投球にこぎつけた2月12日だった。3軍沖縄キャンプ中の宿舎への帰り道で、宮崎で行われていた1軍紅白戦で同期入団の新人5人が出場したことを知った。「今は野球が嫌いです。他人のことを気にしている余裕もない」。素直に喜べなかった。  プロの重圧に心がつぶされそうになった。3月下旬に3軍で実戦復帰し、2軍昇格。4月26日、2軍のヤクルト戦で3回89球4四球と荒れた。「投げ方が分からなくなった」。原因は自身が勝手に背負い込んだ周囲の期待感だった。「代わりなんていくらでもいる。『これがドラ1か』と思った」。プロ入り後に変えたフォームを中大時の投げ方に戻した。だが、試行錯誤が実らず「投手をやめたい」と思った。  立ち止まっても居場所はない。プロ入り後、初めて練習用の野球ノートを作った。内海、杉内とベテランに話を聞き、試そうと思ったことや課題を箇条書きして、1つ1つつぶした。同じように試合で取れるアウトも1つ1つ。5月の2軍戦、3戦で防御率は1点を切った。「結果が出ないとすぐ弱気になる。でも1人、また1人と抑えることが自信になる」。失意の2月から4カ月、帽子のつばには「力むな 強気」とかき込んだ。戦うための負けん気を取り戻し、1軍マウンドで思い切り腕を振った。  今は「あの時期があったから、心も体も強くなった」と思える。「次はチームを勝たせる投球をしたい」。苦しんだドラ1が1歩目を踏み出した。【島根純】

◆巨人岡本和真内野手(21)が、セ・リーグ首位打者に躍り出た。ソフトバンク戦で決勝12号2ランを含む2安打3打点。4番の役割を果たし、打率を3割4分3厘まで上げヤクルト坂口を抜いた。長打力を買われ4番を務めるが、状況に応じて打ち分けるバットコントロールが光る。打点も43まで伸ばし、ヤクルト・バレンティンと6打点差。タイトルを十分射程に入れている。  スタンドに揺らす打球を涼しげに見届けた。岡本がソフトバンク石川の"センタリング"を捉えた。1点を追う4回1死一塁。カウント1ボールから高めに浮いたスライダーをバットに乗せ「芯は芯です。うまく引っかかった」と独特の表現で一打を振り返った。体をやや右足側に倒し、豪快に振り抜く。2戦連発の決勝2ランを決めた。  チームトップ12号も、長距離砲だけにとどまらない能力を発揮している。5戦連続マルチ安打で4月24日以降は3割超えをキープ。打率3割4分3厘で首位打者に立った。「びっくりしている。(打率は)意識していない部分なので...食らいついていった結果がうまくいっているのかなと思います」と遠慮気味にうなずいた。  ロシアワールドカップ(W杯)の開幕に合わせ、独特な感性も披露した。「あんまりサッカーは分からない」としながら「打撃は、ボレーシュートの感覚ですよね。ん? 意味分かりますか? すみません」と苦笑いした。体を倒しながら、味方からのパスをダイレクトにゴールへ蹴りこむのがボレーシュート。華やかで高難度な技術と重ねた。「完璧に捉えすぎるよりも少し詰まったぐらいがいい。その方が自分の場合は調子を維持できる」とも加え、少々の強引さを併せ持つ点取り屋をイメージ。相手投手は敵ではなく自身の打撃を"アシスト"するパサーだと位置づけた。  頼れるストライカーが打線のど真ん中に座り、2カード連続の勝ち越し。高橋監督は「本当に、坂本とともに頼れる選手。本塁打も適時打もそうですし、みんながよくつないでよく守って、鍬原にいい初勝利をプレゼントできたと思います」と目を細めた。巨人の4番に座る岡本の決定力は半端ない。【為田聡史】

◆巨人鍬原拓也投手(22)はゲームセット直前まで自身の初勝利を知らなかった。5回2/3を投げ4失点で待望のプロ初白星。しかし、その裏側では関西出身ならでは? の"天然ボケ"がさく裂していた。  6回表の攻撃でチームが2点を勝ち越し。直後の6回裏、2死からソフトバンク上林にソロを被弾。1点差に迫られて、マウンドを降りた。「6回表に勝ち越して、6回を投げきらないと勝ち投手じゃないと思っていた。途中で降板して悔しかった」と勘違い。その後、2番手で登板した中大の先輩でもある沢村がリリーフに向かう時に「絶対にお前を勝たせてやるから」と声をかけられたが、ハテナマークが頭に浮かぶ。中井や田中俊が「このまま言ったら勝ち投手だぞ」と言われてもふに落ちず、内海が「(初勝利のためにも)応援せいよ!」と言われるのが不思議でならなかったと振り返る。  そんな状況の中、中井と田中俊が勝ち投手の条件を説明。「9回表2アウトくらいまで勝ち投手と知らなかった」とようやく自身に白星がつくことを知ったと振り返った。  試合終了後は初めてのウイニングボールを手にし「勝たせてもらったというのが1番に来る言葉だと思います。交流戦でもローテに入らせてもらえるなら、もっと持ち味を生かしていきたい」と話した。

◆チーム勝ち頭のソフトバンク石川が自己ワーストの3被弾で3敗目を喫した。  2回、阿部に先制の5号ソロ、4回には岡本に逆転の12号2ラン。同点の6回には坂本に勝ち越しの9号ソロ...。痛恨の3発に唇をかんだ。「(ホームランは)球が高かったのが反省。踏ん張れなかった。申し訳ないのひと言」。チームはBクラスに転落し、言葉は少なかった。

◆五回を終わって3-3の同点となっている。巨人は二回、一死走者なしで阿部がソフトバンクの先発、石川から5号ソロを放ち先制した。  ソフトバンクはその裏、二死一塁で松田が巨人先発、D1位ルーキーの鍬原(中大)から左翼席へ14号2ランを放ち逆転した。  巨人は四回、一死一塁から岡本が12号2ランを放ち3-2とした。  ソフトバンクは五回、二死三塁から高田がニゴロを放ったが、相手の二塁手が打球をお手玉し、さらに一塁へ悪送球。三走が生還し同点となった。

◆巨人・岡本和真内野手(21)が「4番・一塁」で先発出場。1点を追う四回一死一塁から、左翼席へ12号2ランをたたき込んだ。  鋭い打球だった。第2打席の2球目を捉え、2試合連発。先発したドラフト1位・鍬原(くわはら、中大)は、奈良・橿原磯城シニアの1学年先輩。一時逆転となる一撃で、先輩を助けた。

◆巨人・阿部慎之助内野手(39)が、「5番・DH」で先発出場。二回一死の第1打席に、右翼席中段に飛び込む5号ソロを放った。  完璧に捉えた。相手先発・石川が投じた124キロのスライダーを強振。鋭い打球がスタンドに突き刺さった。この日は中大の後輩でドラフト1位・鍬原(くわはら、中大)が先発。右腕が前回登板した7日の楽天戦に続き、後輩を援護する一発を放った。

◆巨人のドラフト1位・鍬原(くわはら)拓也投手(22)=中大=が先発。5回2/3で87球を投げ、4安打4失点(自責点3)と粘投した。  苦しくも、粘った。二回に中大の先輩・阿部が5号ソロを放ち、先制点をもたらしてくれた。だが、その裏に松田に2ランを浴び、逆転を許す。1点リードの四回にも2四球で一死一、二塁とされたが、ここは連続三振で無失点。五回に失策が絡み1点を失い、六回二死から上林に右越えソロを浴びたところで降板した。この日の直球の最速は149キロ。7三振を奪った。  ここ2試合は四球から失点を許すなど、白星はなく、「3回連続で同じことの繰り返しだと全く進歩がない」と意気込んで臨んだ一戦。勝ち投手の権利を持って降板し、後を継いだ沢村が、六回二死から松田を抑えた。

◆巨人は先発したドラフト1位ルーキーの鍬原拓也投手(22)=中大=が5回2/3を投げ、4安打4失点(自責は3)でプロ3試合目の登板で初勝利(1敗)を挙げた。打線は2本塁打などで6点を挙げるなどルーキーを援護した。以下はプロ初勝利を挙げた。鍬原の一問一答。  --プロ初勝利  「先輩たちが援護してくれてつかんだ勝利だと思う」  --どんな気持ちでマウンドへ  「過去の反省点として四球からの失点をなくしていかないといけなかった。そういう意味できょうは強気で投げられた」  --投球を振り返って  「勝てたというより勝たせてもらった、という感じ。次は僕がチームを勝たせてあげられるようなピッチングをしたい」  --ウイニングボールを手にしての気持ち  「やっと勝ったなという感じ。ボールは母にあげたい。前回はお母さんの前で勝てなかったけど、しっかり勝ったよと報告したい。次はお母さんの前で勝つよといいいたい」  --次回に向けて  「きょうもたくさん課題が出たので、それを克服して次の試合にいかしていきたい」

◆ソフトバンクの松田が0-1の二回に14号2ランを放った。2死一塁から真ん中に入った初球のスライダーを捉え、左翼席へ運んだ。巨人の鍬原の失投を逃さず「切れるかなと思ったが、良い打ち方ができた」と自賛。ルーキーとの初対戦だったが「走者を置いてからは変化球が多い情報はあった」と、積極的に振り切った。  その後の3打席は凡退した。今季は打撃の調子がなかなか上がらず、打率は2割1分8厘。まだ確実性に欠けるだけに、この一打を浮上のきっかけにできるか。

◆巨人のドラフト1位・鍬原(くわはら)拓也投手(22)=中大=が14日、ソフトバンク最終戦(ヤフオクドーム)に先発。5回2/3で87球を投げ、4安打4失点(自責点3)と粘投し、プロ初勝利を挙げた。  「ぼくが勝てたというより、勝たせてもらった。今度はぼくが(チームを)勝たせてあげられるようにしたい」  1点リードの四回には2四球で一死一、二塁とされたが、連続三振で無失点。五回に失策が絡み1点を失い、六回二死から上林に右越えソロを浴びたところで降板した。この日の直球の最速は149キロ。7三振を奪う力投だった。  ヒーローインタビューを受けた22歳は、ウイニングボールについて聞かれると「お母さんにあげたいと思います」と明言。女手一つで育ててくれた母・佐代子さんに贈ることを明かした。さらに「しっかり『勝ったよ』と。お母さんの前で勝ちたかったけど、連絡したいですね。次はお母さんの前で勝てるように頑張ります」と福岡のファンの前で誓った。

◆巨人のドラフト1位・鍬原(くわはら)拓也投手(22)=中大=が14日、ソフトバンク最終戦(ヤフオクドーム)に先発。5回2/3で87球を投げ、4安打4失点(自責点3)と粘投し、プロ初勝利を挙げた。  六回途中で降板した右腕。試合後、まさかの発言が飛び出した。  「九回2アウトまで勝ち投手って知らなかったんですよ。先行だったじゃないですか? 六回表に勝ち越してもらったので、その裏を投げきらないと勝ち投手じゃないと思っていたので。めっちゃ悔しくて...。途中まで知らなかったです」  六回二死から、中大の先輩・沢村が松田を遊ゴロに抑えてベンチに戻ってくると「お前を絶対勝たせてやる」と声をかけてきてくれた。だが、「意味が分からなかったんです」と困惑していたという。「そして、中井さんと(田中)俊太さんに『このままいったら勝ち投手だぞ』と言われて。中井さんに理由を説明してもらいました」と鍬原。投球は強気でも、実はおちゃめなルーキーが、今後も巨人にいい風を吹かせてくれるだろう。

◆巨人の坂本勇が攻守で躍動した。3-3と追いつかれた直後の六回に勝ち越しソロを放ち、九回には貴重な追加点をもたらす適時打。その裏の守備では、先頭打者の上林が放った三遊間の深いゴロを巧みにさばき、ピンチの芽を摘んだ。  ルーキー鍬原にプロ初勝利をプレゼントし、チームは2カード連続で3連戦を勝ち越し。巨人を引っ張る主将は「鍬原にとっても、チームにとっても大きな勝ち」とうなずいた。

◆巨人のドラフト1位・鍬原(くわはら)拓也投手(22)=中大=が14日、ソフトバンク最終戦(ヤフオクドーム)に先発。5回2/3で87球を投げ、4安打4失点(自責点3)と粘投し、プロ初勝利を挙げた。  奈良・橿原磯城シニア出身の右腕。その1学年後輩・岡本がこの日は、2戦連発の12号2ランを含む2安打3打点と活躍し、援護してくれた。「(シニアの)後輩の岡本も僕の時に本当に打ってくれるので、感謝しかないというかうれしいです」と鍬原。多くの後押しを受けた初勝利だった。

◆巨人のドラフト1位・鍬原(くわはら)拓也投手(22)=中大=が14日、ソフトバンク最終戦(ヤフオクドーム)に先発。5回2/3で87球を投げ、4安打4失点(自責点3)と粘投し、プロ初勝利を挙げた。  六回二死。鍬原の降板後にマウンドに上がったのが、中大の先輩・沢村だ。松田を遊ゴロに打ち取り、反撃の芽を摘むと、七回も無失点。奮闘する後輩のため、全力で腕を振った。  「鍬原のためだし、それがチームのためにもなる。あいつの初勝利だと分かっていたし、どんな形でも勝ってスタートラインに花を添えられてよかった。彼はこんなもんじゃないと思っている。もっともっと勝ってほしいし、それがチームの勝ちにつながる」  この日は、同大OBの阿部も先制弾を放った。多くの援護に鍬原も「本当にうれしいです。沢村さんもホームランを打たれた後に抑えてくれた。亀井さんもずっと打ってくれているので、うれしい」と笑みがこぼれた。

◆巨人はソフトバンク戦(ヤフオクドーム)に6-4で勝ち、2カード連続の勝ち越しを決めた。攻撃では"看板打者"だちが一発攻勢を仕掛けた。  二回一死、5番阿部が右翼席中段へ「完璧でした」と自画自賛の特大5号先制ソロを放った。  四回一死一塁では、4番岡本が2戦連発となる12号2ラン。同点の六回無死では、1番坂本勇が左翼席へ9号勝ち越しソロをたたき込んだ。直前の守備で適時失策を犯した二塁手・吉川尚を救う一撃にもなり、「いつもあいつの守備で救われている。みんなでカバーするのがチーム」とうなずいた。初のアーチ競演となった3人は、ともに2安打をマークするなど打線を引っ張った。  高橋監督は坂本勇について「ミスはあるもの。そこであのようにキャプテン(坂本勇)が(七回の勝ち越し弾で)すぐに取り返してくれたというのは、チームにとっては非常に大きい」とたたえた。また、4戦連続マルチ安打で打率がリーグトップの・343に浮上した岡本の活躍に、「本当に、坂本とともに頼れる選手ですね」と声を弾ませた。

◆鍬原を野球の道に導いた阿部は二回、右翼席中段へ「完璧でした」と自画自賛する特大の5号ソロを放ち、中大の後輩でもある新人右腕を援護した。前日13日には二塁打を放って後続の適時打で激走した場面があり「昨日(13日)の全力の1周が体の切れを出した。勝ってよかった」と笑顔。通算400本塁打まで、残り7本に迫った。

◆ソフトバンクはオリックスに抜かれ、4位に転落した。勝ち頭の7勝を挙げている石川は6回を投げ、今季ワーストの5失点。いずれも変化球を捉えられての3本塁打を浴びて3敗目を喫し、「踏ん張れなかった。申し訳ないの一言」と落胆した。6連勝で滑り出した交流戦も、それ以降2勝6敗と低迷。工藤監督も「苦しいのは間違いない」とさえない表情だった。 0-1の二回に14号2ランを放ったソフトバンク・松田 「切れるかなと思ったが、いい打ち方ができた。(鍬原は)走者を置いてからは変化球が多い情報はあった」

◆3度目の正直だ!! 日本生命セ・パ交流戦で巨人は14日、ソフトバンク最終戦(ヤフオクドーム)に6-4で勝ち、セ・リーグ4位に浮上した。先発のドラフト1位・鍬原(くわはら)拓也投手(22)=中大=が、5回2/3を投げて4安打4失点(自責点3)でプロ初勝利を挙げた。負ければ4年連続で交流戦の勝ち越しがなくなる一戦で3試合目の登板となったルーキーが粘り、2カード連続の勝ち越しに貢献した。 感謝、悔しさ。交錯する思いをぶつけた。鍬原は勝利の瞬間、笑顔でベンチを飛び出し、仲間とハイタッチ。勝利球を手に、白い歯を光らせた。  「やっと勝てたな、と思います。先輩たちが勝たせてくれた(自身初)勝利だと思います」  3度目の登板で念願のプロ初勝利をつかんだ。2四球で招いた四回一死一、二塁のピンチは「次のバッターで抑えればいい」と切り替え、連続三振で無失点。最速149キロの直球と縦の変化球を武器に7三振を奪う力投を見せた。5-3と勝ち越した直後の六回に上林のソロで1点差とされたところで降板し「めっちゃ悔しくて...。九回2アウトまで勝ち投手とは知らなかった」と"ビックリ発言"も飛び出した。  阿部に導かれた。小3で野球を始めた鍬原少年は、テレビ越しに活躍する大打者を見て「野球をやりたい」と決意。福井・北陸高から阿部の母校・中大に進学し、憧れの背番号10と同じユニホームに袖を通した。  だが、今春のキャンプは右肘痛のため3軍スタート。悩んでいた1月に、手を差し伸べてくれたのも阿部だった。自主トレ先のグアムから国際電話で「大丈夫か」と心配され「気にかけてくれたんです。うれしかった」。そんな"恩人"が二回、前回登板時に続く5号ソロ。試合後には握手を交わし「本当に僕のときに打ってくれている。うれしいです」と22歳は笑みを浮かべた。 女手一つで育ててくれた母・佐代子さん(49)にウイニングボールを贈ることを明かし「次は(母を球場に)呼んで勝てるように」と誓った。若く新しい風が、チームの追い風となる。 (赤尾裕希) 初勝利の鍬原に巨人・高橋監督 「立ち上がりは彼らしく、真っすぐも変化球も三振が取れていた。素晴らしい投球。また一歩ずつ、プロ野球人生を歩んでいってほしい」 六回二死から鍬原に代わって登板し、1回1/3を無失点に抑えた中大の先輩、巨人・沢村 「鍬原のためだし、それがチームのためにもなる。あいつの初勝利だと分かっていたし、どんな形でも勝ってスタートラインに花を添えられてよかった」

◆1点リードの七回、なぜ「リクエスト」しない!? 八回、なぜ慣れないダブルスチールをさせる!? これは逆転負けか...。多くのG党がそう考えたんじゃないかな。  エモトには、引っくり返される予感は、全くなかったね。これだけ打線が効果的に得点すると、後ろの投手にも好影響が波及する。流れがよくなる。今季の巨人には珍しく、投打のバランスで、試合を作ったからだよ。  阿部が真ん中のカーブ、岡本と坂本勇が抜けたスライダーを、いずれも本塁打した。石川の数少ない失投を、逃さずにたたいたのは、見事。  さらに見事だったのが、九回の坂本。加治屋のくさいボール球をしっかり見極めた末、投手強襲タイムリー。技術もさることながら、「ここで打てば、試合が決まる」というカンどころの押さえ方が、さすがだった。  この流れに乗って、沢村、マシソン、カミネロが無安打リレー。3人の完ぺきなそろい踏みは、初めてみたかな(!?)。  こういう勝ち方ができたのならば、浮上してこないとウソだよ。交流戦残り3つ、いこうか。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
332510.569
(↓0.01)
0
(-)
84276
(+2)
259
(+8)
60
(+2)
32
(+1)
0.258
(-)
4.08
(↓0.07)
2
(-)
ヤクルト
282910.4912
(↑0.009)
4.5
(↑1)
85249
(+6)
269
(+4)
53
(+1)
34
(+1)
0.251
(↑0.002)
4.16
(↑0.01)
3
(↑1)
DeNA
272820.4909
(↑0.01)
4.5
(↑1)
86228
(+4)
228
(+1)
69
(-)
37
(+3)
0.253
(↑0.002)
3.63
(↑0.08)
4
(↑1)
巨人
293110.483
(↑0.008)
5
(↑1)
82278
(+6)
249
(+4)
59
(+3)
30
(-)
0.268
(-)
3.86
(↑0.01)
5
(↓3)
阪神
273000.474
(↓0.008)
5.5
(-)
86194
(+3)
222
(+11)
30
(+1)
32
(+1)
0.238
(↑0.001)
3.45
(↓0.14)
6
(-)
中日
283310.459
(↓0.008)
6.5
(-)
81246
(-)
281
(+4)
42
(-)
33
(-)
0.263
(↓0.002)
4.31
(↓0.01)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
352400.593
(↓0.01)
0
(-)
84338
(+4)
260
(+6)
66
(+1)
74
(+2)
0.276
(-)
4.12
(↓0.03)
2
(-)
日ハム
342700.557
(↑0.007)
2
(↑1)
82260
(+11)
243
(+3)
67
(+1)
48
(+2)
0.241
(↑0.002)
3.76
(↑0.02)
3
(↑1)
ORIX
322910.525
(↑0.008)
4
(↑1)
81232
(+8)
233
(+2)
51
(+1)
35
(-)
0.235
(↑0.001)
3.57
(↑0.03)
4
(↓1)
福岡
312900.517
(↓0.008)
4.5
(-)
83257
(+4)
243
(+6)
77
(+2)
39
(+1)
0.254
(↓0.002)
3.94
(↓0.04)
5
(-)
ロッテ
293000.492
(↓0.008)
6
(-)
84244
(+1)
240
(+4)
29
(-)
60
(+1)
0.258
(↓0.001)
3.65
(↑0.01)
6
(-)
楽天
213910.35
(↑0.011)
14.5
(↑1)
82185
(+4)
260
(-)
49
(+1)
33
(+3)
0.23
(↑0.002)
4.01
(↑0.07)

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
11300.786
(↑0.017)
0
(-)
464
(+6)
45
(+4)
14
(+1)
7
(+1)
0.247
(↑0.008)
3
(↓0.08)
2
(↑2)
ORIX
9500.643
(↑0.028)
2
(-)
461
(+8)
50
(+2)
16
(+1)
7
(-)
0.254
(↑0.003)
3.53
(↑0.12)
3
(↓1)
西武
8600.571
(↓0.044)
3
(↓1)
484
(+4)
69
(+6)
20
(+1)
18
(+2)
0.267
(↑0.001)
4.84
(↓0.09)
4
(↓1)
ロッテ
8600.571
(↓0.044)
3
(↓1)
453
(+1)
42
(+4)
7
(-)
12
(+1)
0.285
(↓0.006)
2.57
(↓0.06)
5
(-)
福岡
8600.571
(↓0.044)
3
(↓1)
458
(+4)
58
(+6)
20
(+2)
9
(+1)
0.23
(↓0.008)
3.86
(↓0.17)
6
(-)
日ハム
7700.5
(↑0.038)
4
(-)
484
(+11)
67
(+3)
18
(+1)
14
(+2)
0.258
(↑0.01)
4.49
(↑0.12)
7
(↑1)
巨人
7800.467
(↑0.038)
4.5
(-)
360
(+6)
56
(+4)
19
(+3)
9
(-)
0.252
(↑0.001)
3.52
(↑0.03)
8
(↑2)
DeNA
6700.462
(↑0.045)
4.5
(-)
552
(+4)
58
(+1)
16
(-)
8
(+3)
0.257
(↑0.01)
4.38
(↑0.48)
9
(↓2)
広島
6800.429
(↓0.033)
5
(↓1)
460
(+2)
80
(+8)
14
(+2)
6
(+1)
0.27
(↓0.003)
5.39
(↓0.26)
10
(↓1)
中日
6900.4
(↓0.029)
5.5
(↓1)
352
(-)
73
(+4)
9
(-)
5
(-)
0.263
(↓0.008)
4.91
(↑0.03)
11
(-)
阪神
4900.308
(↓0.025)
6.5
(↓1)
549
(+3)
62
(+11)
6
(+1)
5
(+1)
0.262
(↑0.004)
4.19
(↓0.61)
12
(-)
楽天
41000.286
(↑0.055)
7
(-)
434
(+4)
51
(-)
9
(+1)
10
(+3)
0.234
(↑0.006)
3.48
(↑0.27)