日本ハム(☆11対3★)阪神 =交流戦3回戦・札幌ドーム=
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阪神
00000 0021 3111
日ハム
10001 243× 11130
勝利投手:マルティネス(7勝4敗0S)
敗戦投手:秋山 拓巳(5勝6敗0S)
  DAZN
◆日本ハムは2-0で迎えた6回裏、中田の2ランでリードを広げる。その後も効果的に加点し、終わってみれば13安打で11得点を挙げた。投げては、先発・マルティネスが7回無失点で今季7勝目。敗れた阪神は、先発・秋山が中盤以降に崩れ、打線もつながりを欠いた。

◆日本ハム近藤健介捕手が、アクロバティックな動きで打球直撃の危機を脱した。  初回1死一、三塁で打者レアードの場面。思い切り引っ張った打球が三塁走者の近藤めがけて飛んだ。近藤はとっさに体を宙に浮かせて打球を回避。あおむけになって転がり、そのまま何度も大きく深呼吸。心を落ち着かせてから立ち上がると、スタンドの観衆からは拍手が送られていた。

◆日本ハム中田翔内野手(29)が、痛みに耐えて4試合ぶりのアーチを放った。  6回無死二塁の場面で、左翼席へ15号2ラン。貴重な追加点にも、表情をゆがめて右腕を回しながらダイヤモンドを一周した。「打ったのはカーブかな。うまく体が止まって振りぬけた。感触も良かったし、打った瞬間に入ったと思った」と、振り返った。  実は快音を響かす直前に、アクシデントが襲っていた。阪神秋山が投じた初球、内角高めに食い込んできた直球系のボールに空振りし、捕手のミットではなく中田の右腕に直撃した(記録は空振り)。ベンチへ下がることもなく、痛みをこらえながら続く2球目は見極めてボール。そして、3球目の111キロのカーブを、ミスショットせず、とらえた。「痛かったけどね。打てて良かったよ」と、話した。

◆阪神福留孝介外野手(41)が史上33人目となる全球団からの本塁打を達成した。8点ビハインドの8回、日本ハム公文から完封を阻止する意地の2ランを放った。  この一発で17年6月6日のDeNAロペス以来、史上33人目となる全球団本塁打を達成。阪神では05年金本、08年新井貴に次いで3人目。なお阪神の選手では糸井もオリックス時代の13年に達成している。

◆阪神福留孝介外野手(41)が8回に5号2ランを放った。すでに8点のリードを許していた展開だったが、ゲームセットまで諦めないスイングを披露した。  8回無死一塁。内角高めにきた143キロ直球をバットに乗せた。内角球にうまく対応し、全身を回転させて捉えた打球は、右翼席に吸い込まれるように着弾。  "あと1本"に迫っていた。日本球界で261本目のアーチは、ついに日本ハム戦で飛び出した。これでNPB史上33人目となる全球団本塁打を記録。阪神では05年に金本知憲、08年に新井貴浩が達成して以来、球団3人目の快挙だ。  それでも試合後は敗戦の悔しさをにじみ出し、言葉を発することなくチームバスに乗り込んだ。

◆五回を終わって日本ハムが2点をリードしている。日本ハムは一回一死一、三塁で阪神の先発、秋山から中田が遊ゴロを放ったが、相手の遊撃手が一塁へ悪送球。三走が生還し、1点を先制した。五回には一死三塁から中島が左犠飛を放ち、2-0とした。  五回まで阪神は秋山、日本ハムはマルティネスが力投を続けた。

◆日本ハムが投打で阪神を圧倒して連勝、カードを勝ち越した。  打線は初回に中田の内野ゴロの間に先制。5回には中島の2年ぶりの犠飛で追加点。6回は大田の2点適時二塁打、中田の15号2ランなどで4点を加え、8回も近藤の3点適時二塁打でダメ押し。投げては先発のマルティネスが7回無失点と好投。毎回走者を許したが、決定打は防ぎ続けた。  連勝で阪神戦の勝ち越しを決め、交流戦も7勝7敗の勝率5割となった。栗山英樹監督(57)は「今日は、みんながんばったので良かったです」と、一息ついた。15日からは交流戦で好調なヤクルトを本拠地・札幌ドームで迎え撃つ。「とにかく明日。本当に好調なチームと戦う。しっかり戦いたい。がむしゃらに勝ちに行くしかない」と、勝って兜の緒を締めていた。

◆6月絶好調の日本ハム中田が、今季2度目の1試合5打点と大爆発した。4番の頼もしさを発揮したのが6回の第3打席だ。空振りした初球が右腕に直撃。「痛かったけどね」と、表情をゆがめながらバットを構えた3球目、111キロのカーブを左翼席へ15号2ラン。7回にも2点適時二塁打を放って試合の大勢を決すると、代走が送られて、お役御免となった。  背番号と同じ月に入り、一気に調子を上げてきた。6月は11試合で打率3割6分6厘、3本塁打、16打点。主将として、打線の軸として申し分ない働き。ただ、中田は「まだまだ打ち損じもある。もっともっと集中しないと」と、浮かれていない。打点王争いでもリーグ1位の西武山川に7差と迫った。交流戦では19打点で12球団トップに浮上。栗山監督も「いい集中力で試合に出ている。このまま乗っていってくれたら」と、期待した。【木下大輔】

◆阪神梅野が内野安打2本としぶとさをみせた。  5回先頭の打席では三塁線にセーフティーバントを成功。7回1死からは打ちとられるも、三塁線に転がして安打とした。正妻として秋山のリードについては、「いいところでつながれてしまった。結果として引っ張ることができず、試合を作ることができなかった」と敗戦を悔やんだ。

◆阪神鳥谷が2戦連続安打を放った。  2回、先頭打者で中前打を放ち、チームを勢いづけた。ただ、8点を追う9回2死満塁では左飛に倒れて最後の打者になってしまった。試合後は「いいときもあれば、悪いときもあるので。次も頑張ります」と話してチームバスに乗り込んだ。

◆阪神中谷が痛恨のバントミスでチャンスの芽をつぶした。  2点を追う6回、1死一塁、マルティネスが投じた外角低めの変化球にバントを試みたが、捕邪飛に倒れた。金本監督は本人の判断かの問いに「知らん。言えません」と一言。この日は4打数無安打。前日まで2戦連続3安打と活躍していた姿はなかった。

◆途中出場の阪神俊介が2打数2安打1打点と終盤に奮闘した。  8回、先頭の高山に代わって代打で登場し、中前打。9点を追う9回、1死一塁から右中間を破る適時二塁打で1点を返した。「まだまだだと思うので練習するだけです」。1軍昇格後は6打数4安打だ。

◆阪神が苦境に立たされた。守護神ラファエル・ドリス投手(30)が14日、体調不良のため出場選手登録を抹消された。救援陣の軸を欠いたチームは、「日本生命セ・パ交流戦」日本ハム戦でも完敗し、5位に転落。今季最多タイの借金3となった。新外国人候補のエフレン・ナバーロ内野手(32=カブス傘下3Aアイオワ)とは近日中に正式合意の予定で、来日も間近だ。上昇気流を巻き起こしてくれ。  薄暗い札幌ドームのベンチ裏。敗者の列にドリスの姿はなかった。守護神離脱という苦境に立たされ、虎は3-11と惨敗した。頼みの綱、先発秋山は7回途中を自己ワーストの8失点で降板。想像を絶する悔しさを必死で押し殺しながら、「次、頑張ります」と言葉を絞り出すしかなかった。  全体練習が始まった直後、ドリスの出場選手登録抹消が公示された。前日13日は体調不良を訴えて宿舎で静養。39度台の高熱が続き、熱が引くまで数日かかる見込みから、抹消を余儀なくされたという。守護神が突然消え、ベンチ入りメンバーに外国人選手が1人もいない異例の事態。この日まで防御率2・09だった秋山の右腕にかかる期待は高まったが、熱い感情は結果に結びつかなかった。  守備陣にミスも飛び出す中、序盤は耐え続けた。だが4失点で迎えた7回、1死から3連打1四球でマウンドを譲り渡す。2番手守屋も踏ん張れず、まさかの大量失点で今季6敗目。金本監督は「今日はちょっと球自体がいっていないように見えたね。キレというか。スピードガンも出ていなかったし。その中で粘ったなという印象はあったんですけどね」と分析した。  借金は今季ワーストタイの3まで膨らみ、リーグ2位から5位に転落。そして何より、ここまで16セーブの守護神が24日広島戦まで再登録できない事実が痛い。指揮官は藤川、桑原を軸に代役を据える方針を示唆した上で、調子を取り戻しつつある打線のさらなる奮起に期待した。  金本監督 こういう時こそ打線がね。今まで投手にお世話になっているんですから。打線はなんとか上向いてきているんで、そういう試合ができれば、逆にもっと波に乗っていける。  獲得を目指す新助っ人候補ナバーロとの正式合意はもう間近。踏ん張りどころだ。一丸となって乗り切るしかないことは、ナインの誰もが分かっている。【佐井陽介】

◆日本ハム・マルティネスが粘りの投球でチームトップの7勝目を挙げた。  毎回走者を背負ったが、決定打は許さなかった。「試合序盤は制球に苦しんだけど、自信は失わないように意識していたら後半は制球が良くなった」と、7回6安打無失点と試合を作り、交流戦は無傷の3連勝。「交流戦は打つことも出来たし、楽しかった」と、振り返った。

◆日本ハムの中島が交流戦で5度目の複数安打をマークした。4-0の七回1死無走者から遊撃内野安打で出塁して追加点の足場をつくると、八回にも2死無走者から中前打を放ってダメ押し点につなげた。  1-0の五回1死三塁では秋山の外角への変化球に懸命に食らいついて2年ぶりの犠飛を記録。遊撃の高い守備力だけではなく、バットでも貢献している。「昨日(安打を)打てなかったので、今日は何とか打ちたいなと思っていた」と喜んだ

◆日本ハムが効果的に加点し、阪神に大勝し2連勝とした。2点リードの六回に中田翔内野手(29)が15号2ランを放つなど、2安打5打点と活躍。先発したニック・マルティネス投手(27)が7回6安打無失点と好投し、7勝目(4敗)を挙げた。阪神は2連敗。  日本ハムは一回一死一、三塁で阪神の先発、秋山から中田が遊ゴロを放ったが、相手の遊撃手が一塁へ悪送球。三走が生還し、1点を先制した。五回には一死三塁から中島が左犠飛を放ち、2-0とした。  日本ハムは六回、無死二塁から中田が15号2ランを放ち4-0とした。七回には一死二、三塁から大田が2点二塁打を放ち6-0。さらに一死一、二塁から中田が左越えに2点二塁打を放ち8-0とリードを広げた。  阪神は八回、無死一塁から福留が5号2ランを放ったが、日本ハムはその裏、3点を追加するなど、11-3で大勝した。  中田は「打ったのはカーブかな。うまく体が止まって振りぬけた。感触も良かったし、打った瞬間に入ったと思った」と15号2ランを振り返った。

◆阪神は3試合連続での2桁安打を勝利につなげられなかった。先発のマルティネスに対して毎回走者を出しながら、切れのある変化球の前に凡打が続き、七回まで無得点。粘りの投球を続けていた秋山を援護できなかった。  八回にようやく福留の2ランで反撃し、九回には俊介の右中間二塁打で1点を返した。金本監督は「いっときの安打も出ないという状況ではない。そこは前向きに考えたい」と話した。 阪神・香田投手コーチ(秋山に) 「粘ろうとしているのは見えたけど、勝負どころで少し球が高かった」 俊介(途中出場で2安打) 「まだまだだと思う。しっかり練習したい」 守屋(2番手で3失点) 「中継ぎとして先発の人が出した走者をかえすのは良くない。すごく悔しい」

◆日本ハムのマルティネスが7回無失点の好投でチーム単独トップの7勝目を挙げた。6安打2四球と毎回、走者を背負いながら粘り強く投げ、本塁は踏ませなかった。「制球に苦しんだが自分の球や技術への自信を失わなかった」と誇らしげに振り返った。  来日1年目。交流戦は3戦全勝と抜群の結果を残した。「交流戦は打席に立って打つこともできた。とても楽しかった」と表情が緩んだ。 栗山監督(中田に) 「いい集中力で試合に出られている。このまま打ってくれたらチームとしても大きい」

◆日本ハムの近藤が3安打を放って打率を3割6分6厘に上げパ・リーグトップに浮上した。一回に中前打、六回に二塁打を放って得点につなげ、八回2死満塁では走者一掃の二塁打を放った。  初の首位打者を西武の秋山、ソフトバンクの柳田と激しく争う。「まだ6月だしチームの勝ちにつながるのが一番。後から成績がついてくればいい」と冷静に話した。

◆日本ハムの中島が交流戦で5度目の複数安打をマークした。4-0の七回1死無走者から遊撃内野安打で出塁して追加点の足場をつくると、八回にも2死無走者から中前打を放ってダメ押し点につなげた。  1-0の五回1死三塁では秋山の外角への変化球に懸命に食らいついて2年ぶりの犠飛を記録。遊撃の高い守備力だけではなく、バットでも貢献している。「昨日(安打を)打てなかったので、今日は何とか打ちたいなと思っていた」と喜んだ

◆--秋山は援護点があれば変わっていたか  金本監督 「いやぁ、きょうは球自体はね、ちょっと、いってないようにみえたね。やっぱりキレというか(スピード)ガンも出なかったし。悪い中で粘っていたなという印象ですね」  --守備で足を引っ張ったのでは  「どこがあったかな?」  --一回の植田の送球ミスなど  「あぁ。あれはどっちみち1点が入っているからね。ゲッツーとれないから」  --七回の高山も...  「あぁ...まぁ...。そういったらキリがないけど(苦笑)」  --六回の中谷のバントは自分でやったのか  「知らん...。知らんというか、いえません(苦笑)」  --ドリス離脱も痛いのでは  「そうですね。そこは(藤川)球児と桑原と後ろはあの2人とか、能見とか岩崎あたりがガッと頑張ってくれることを期待するしかないんだけど。ま、こういうときこそ打線がね。今まで投手にお世話になっているんですから、打線が。何とか上向いてきているので、そういう試合ができればもっと波に乗っていけると思うんで」  --ロサリオの昇格はまだ先か  「(苦笑いしながら)まだまだ...もうちょい、下(2軍)でしょう」

◆秋山はよく投げた。  相手のマルティネスも2点台の防御率だから味のある投手戦となった。ということは、前夜(13日)の7-8の試合と、この夜のゲームが同じ値段では右翼席で日本ハムファンを圧倒した黄色の大集団には気の毒だ。  実際、あの阪神ファンのなかには飛行機に飛び乗ってかけつけている方が多い。熱い。以前、函館の五稜郭に行ったときに、その五角形の建物の前にある展望台の売店をのぞいて驚いた。  なんとそこに「タイガース・コーナー」がある。札幌ではない。♪はるばるきたぜ函館ぇ...の五稜郭の真ん前の食堂に...だ。おそるべし! 猛虎党のエネルギー。  だからこっちは早めにサッサッと点をとって、大差をつけてサ、当番デスク野下俊晴がドスをきかせてパッパッと指示をだしてサ、とっととススキノでもいって札幌ラーメンでも食えッ...(別に会社の金で出張にもいけない窓際の虎ソナのトットちゃんとしてはヒガンでるわけじゃないけど...)。すんなり紙面ができあがれば、それだけ猛虎党の皆様も気分よくご出勤できるわけだし...。 実はこの日、球団揚塩健治社長と球団谷本修副社長が札幌に駆けつけられた。もちろん、スコアラー氏の仙台での一件で意気消沈しているかもしれないナインや金本監督、コーチへの元気づけの意味もある。いつもはテキパキと行動力もある揚塩社長も淡々とされていたそうだ。  つまり...はじめから虎は"引いた空気"のままで戦っていたわけ。  「ドリスが抹消されて、メッセンジャーは登板間隔の関係でベンチにはいない。ロサリオはもちろん2軍ですから、いわゆるカラダのデカイ選手はいないわけです。なんかそんなことも寂しさを感じたりなんかしてます」とはサブキャップ長友孝輔の電話だ。  この日も札幌は冷え込んでいたが、オホーツクの寒気は情け容赦なく阪神だけに吹きつける? それを外野スタンドで頑張る阪神ファンの熱気はハネのけようとするが...。商売抜きで七回表の札幌ドームに流れた♪六甲おろしに思わず当番席の野下デスクに聞こえないように...ソッと口ずさんでしまった。 モニターTVにアップになる金本監督の思い詰めたような表情...ジリッジリッと足をからめて日本ハムは孤立無援の秋山を"真綿で首をしめるように..."攻める。七回、秋山の110球目は大田がすくい上げ、哀しくなるような長打となる...ここでプツンと何か音がした...。  投手戦だったのが、終盤にはワンサイドの電話番号みたいなことになってしまった。  実はわずか2年前の金本阪神の1年目、同じ6月14日には交流戦(対オリックス)に2-0と完封勝利。同日昼の阪急阪神HDの株主総会では「若虎で超変革の阪神は素晴らしい!」という株主の声が充満したのだ。それが今年はどう"変革"しちゃったのか...。  八回にやっと福留の2ランで一矢報いたけれど...。  -時有りて尽くるとも、この恨み綿々として...と756年のこの日に楊貴妃の死に玄宗皇帝は涙した。それを白楽天は『長恨歌』としてのこした。それぐらい悔しがれよなぁ...虎戦士。

◆中谷は六回一死一塁で初球にセーフティーバントを試みたが、捕邪飛に倒れた。金本監督は「中谷自ら試みたのか?」との問いに「知らん...。知らんというか、言えません」と苦笑い。2号2ランを含む5打点を挙げた第1戦から2戦連続で猛打賞と好調を維持していたが、この日は4打数無安打。なんとかしようという策も実らなかった。

◆植田は一回一死一、三塁で中田の遊ゴロを二塁へ悪送球。併殺を完成させるはずが適時失策となった。「(ボールを)握れていないということはなかったのですが、抜けてしまいました。しっかり練習しないといけないです」と反省。久慈内野守備走塁コーチは「ゲッツーいけると思ったなら、見せ場なんだから。ちゃんとやらないと」と苦言を呈した。

◆近藤が、4打数3安打3打点で今季5度目の猛打賞をマークし、打率を・366とした。6点リードの八回には「チャンスだったので打席を大事にしようと思った」と走者一掃の左翼線二塁打。西武・秋山を抜いて打率リーグトップに返り咲いたが「まだ6月、チームの勝ちにつながるのが一番。1日1本いいところで打ちたい」と気を引き締めていた。

◆福留が0-8に突き放された直後の八回無死一塁で右翼へ5号2ランを放ち、史上33人目の全球団本塁打を記録した。2番手・公文の2球目、内角高めの143キロ直球をスタンド中段に突き刺した。阪神では2005年の金本(現監督)、08年新井貴(現広島)以来3人目で、糸井もオリックス時代の13年に達成している。主将は試合後、コメントを残すことなく、足早に帰りのバスへと乗り込んだ。

◆日本ハムは14日、阪神最終戦(札幌ドーム)に11-3で快勝した。「4番・一塁」で先発出場した中田翔内野手(29)が、六回に右越えの15号2ランを放つなど2安打5打点と大暴れした。  「うまく体が止まって振りぬけた。感触も良かったし、打った瞬間に入ったと思った。気持ちいい本塁打でした」  自画自賛の一発が飛び出したのは、2点リードの六回無死二塁で迎えた第3打席。秋山の3球目、111キロカーブを左翼席に運んだ。直前に初球を空振りした際、右腕にボールが直撃。顔をゆがめながら、ダイヤモンド一周し「打ててよかったよ」と苦笑いした。 七回には一死一、二塁から左翼線へ2点二塁打。痛みを押してのハッスルプレーを見せた。一回には相手の失策を誘う遊ゴロで先制。5試合連続打点で交流戦19打点とし、12球団トップに躍り出た。  チームは3カードぶりの勝ち越しで、首位・西武とのゲーム差を2に縮めた。「まだまだ打てる。気を抜くことなく、状態が良い日が長く続くよう集中したい」と中田。主将を務める主砲を中心に、獅子を追う。 (中田愛沙美) 5打点の中田について日本ハム・栗山監督 「いい集中力で試合に出ている。翔が打てばこのチームは勝ちやすくなる」

◆大、大、大拙攻! 阪神は11安打を放ちながら3得点しか奪えない拙攻で、日本ハムに敗戦。札幌ドームの日本ハム戦では2010年に2連勝して以来、今年も勝ち越せなかった。金本知憲監督(50)は打線の復調に手応えを感じつつも、つながらない攻撃陣にさらなる奮起をうながした。15日からは仙台に移動して楽天戦。出直しや!  終盤まで、なかなか火がつかなかった。だが確かに、くすぶっていた打線が燃えはじめている。はるばるやってきた北の大地で、カード初戦を取りながら連敗。試合中も何度も顔をしかめた金本監督だったが、打線の復調は確信に変わった。  「いっときのね、ずっとヒットが出ない状態ではないから。だいぶん、皆、調子が上がってきているから。あとは得点圏、チャンスでヒットが出るようになれば点も入るようになるし、そこは僕は前向きに考えたい」  序盤に攻めきりたかった。初対戦となった日本ハムのマルティネスを、毎回走者を出して攻めたが、あと一本が出ない。六回までに4度も先頭打者が安打で出塁したが"決定力不足"で7回6安打無得点。その間に先発・秋山がこらえられなくなり0-8。だが、ここから反発力はみせた。  八回に福留が右越え5号2ランを放つと、2番手左腕の公文にこの回、4安打を浴びせ、今季初の3試合連続2桁安打。2-8の九回にも途中出場の俊介が右中間へ適時二塁打。12残塁でも、最後までファイティングポーズを取り続けた。 残った結果は厳しいが前は向ける。いや、向くしかない。札幌ドームでは2010年を最後に連勝、勝ち越しともになく11年から4勝10敗の「鬼門」。これで交流戦全5カード連続で勝ち越しなしとなり、ワーストタイの借金3に逆戻り。5月23日以来の5位転落となってしまった。苦境でも、とにかく打ち勝っていくしかない。  「こういうときこそ打線がね。今まで投手にお世話になっているんですから、打線が。何とか上向いてきているので、そういう試合ができればもっと波に乗っていけると思うんで」  将も言葉に力を込める。打たれても打ち返す。肌寒い北海道に別れを告げ、虎打線はもっとアツさを取り戻す。 (長友孝輔) 先発した秋山について阪神・梅野 「つながれて、いいところでタイムリーを打たれた。試合をつくれなかった。自分も含めて考えていかないといけない」

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
332510.569
(↓0.01)
0
(-)
84276
(+2)
259
(+8)
60
(+2)
32
(+1)
0.258
(-)
4.08
(↓0.07)
2
(-)
ヤクルト
282910.4912
(↑0.009)
4.5
(↑1)
85249
(+6)
269
(+4)
53
(+1)
34
(+1)
0.251
(↑0.002)
4.16
(↑0.01)
3
(↑1)
DeNA
272820.4909
(↑0.01)
4.5
(↑1)
86228
(+4)
228
(+1)
69
(-)
37
(+3)
0.253
(↑0.002)
3.63
(↑0.08)
4
(↑1)
巨人
293110.483
(↑0.008)
5
(↑1)
82278
(+6)
249
(+4)
59
(+3)
30
(-)
0.268
(-)
3.86
(↑0.01)
5
(↓3)
阪神
273000.474
(↓0.008)
5.5
(-)
86194
(+3)
222
(+11)
30
(+1)
32
(+1)
0.238
(↑0.001)
3.45
(↓0.14)
6
(-)
中日
283310.459
(↓0.008)
6.5
(-)
81246
(-)
281
(+4)
42
(-)
33
(-)
0.263
(↓0.002)
4.31
(↓0.01)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
352400.593
(↓0.01)
0
(-)
84338
(+4)
260
(+6)
66
(+1)
74
(+2)
0.276
(-)
4.12
(↓0.03)
2
(-)
日ハム
342700.557
(↑0.007)
2
(↑1)
82260
(+11)
243
(+3)
67
(+1)
48
(+2)
0.241
(↑0.002)
3.76
(↑0.02)
3
(↑1)
ORIX
322910.525
(↑0.008)
4
(↑1)
81232
(+8)
233
(+2)
51
(+1)
35
(-)
0.235
(↑0.001)
3.57
(↑0.03)
4
(↓1)
福岡
312900.517
(↓0.008)
4.5
(-)
83257
(+4)
243
(+6)
77
(+2)
39
(+1)
0.254
(↓0.002)
3.94
(↓0.04)
5
(-)
ロッテ
293000.492
(↓0.008)
6
(-)
84244
(+1)
240
(+4)
29
(-)
60
(+1)
0.258
(↓0.001)
3.65
(↑0.01)
6
(-)
楽天
213910.35
(↑0.011)
14.5
(↑1)
82185
(+4)
260
(-)
49
(+1)
33
(+3)
0.23
(↑0.002)
4.01
(↑0.07)

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
11300.786
(↑0.017)
0
(-)
464
(+6)
45
(+4)
14
(+1)
7
(+1)
0.247
(↑0.008)
3
(↓0.08)
2
(↑2)
ORIX
9500.643
(↑0.028)
2
(-)
461
(+8)
50
(+2)
16
(+1)
7
(-)
0.254
(↑0.003)
3.53
(↑0.12)
3
(↓1)
西武
8600.571
(↓0.044)
3
(↓1)
484
(+4)
69
(+6)
20
(+1)
18
(+2)
0.267
(↑0.001)
4.84
(↓0.09)
4
(↓1)
ロッテ
8600.571
(↓0.044)
3
(↓1)
453
(+1)
42
(+4)
7
(-)
12
(+1)
0.285
(↓0.006)
2.57
(↓0.06)
5
(-)
福岡
8600.571
(↓0.044)
3
(↓1)
458
(+4)
58
(+6)
20
(+2)
9
(+1)
0.23
(↓0.008)
3.86
(↓0.17)
6
(-)
日ハム
7700.5
(↑0.038)
4
(-)
484
(+11)
67
(+3)
18
(+1)
14
(+2)
0.258
(↑0.01)
4.49
(↑0.12)
7
(↑1)
巨人
7800.467
(↑0.038)
4.5
(-)
360
(+6)
56
(+4)
19
(+3)
9
(-)
0.252
(↑0.001)
3.52
(↑0.03)
8
(↑2)
DeNA
6700.462
(↑0.045)
4.5
(-)
552
(+4)
58
(+1)
16
(-)
8
(+3)
0.257
(↑0.01)
4.38
(↑0.48)
9
(↓2)
広島
6800.429
(↓0.033)
5
(↓1)
460
(+2)
80
(+8)
14
(+2)
6
(+1)
0.27
(↓0.003)
5.39
(↓0.26)
10
(↓1)
中日
6900.4
(↓0.029)
5.5
(↓1)
352
(-)
73
(+4)
9
(-)
5
(-)
0.263
(↓0.008)
4.91
(↑0.03)
11
(-)
阪神
4900.308
(↓0.025)
6.5
(↓1)
549
(+3)
62
(+11)
6
(+1)
5
(+1)
0.262
(↑0.004)
4.19
(↓0.61)
12
(-)
楽天
41000.286
(↑0.055)
7
(-)
434
(+4)
51
(-)
9
(+1)
10
(+3)
0.234
(↑0.006)
3.48
(↑0.27)