日本ハム(★5対10☆)阪神 =交流戦1回戦・札幌ドーム=
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阪神
01150 0030 10121
日ハム
00010 0040 581
勝利投手:メッセンジャー(8勝3敗0S)
敗戦投手:斎藤 佑樹(0勝1敗0S)
  DAZN
◆JAバンクイメージキャラクターで女優の松下奈緒(33)が、同社北海道スペシャルナイターの試合前に始球式を行った。10年前に行って以来2度目。  名前にちなんで背番号70のユニホームを着て登場。三塁側に外れるワンバウンドだった。「遠いですね。ノーバウンドで投げようと思いましたけど、なかなかうまくいかない。でも気持ちよかったです」と笑顔を見せていた。

◆阪神は2-0で迎えた4回表、高山の3ランと中谷の2ランで追加点を挙げる。その後は、8回に糸原と中谷に適時打が飛び出し、終わってみれば12安打で10得点を挙げた。投げては、先発・メッセンジャーが今季8勝目。敗れた日本ハムは、先発・斎藤佑樹が乱調だった。

◆2軍で調整していた日本ハム斎藤が、今日12日の阪神戦で今季2度目の先発を任されることになった。11日、札幌市内の室内練習場でキャッチボールなどで調整を完了。  今季初登板の4月7日ロッテ戦では3回2/3を無安打も8四死球で1失点とアピールができなかった。6日に30歳の誕生日を迎えたばかりで「30代。しっかりとした、いいスタートが切れるよう、ちゃんとしたものにしたい」と気合十分だった。

◆日本ハム斎藤佑樹投手(30)が4回8安打7失点(自責点6)でKOされた。  4月7日ロッテ戦(東京ドーム)以来となる1軍での先発登板。初回を3人で抑え、上々のスタート。しかし2回、2死二、三塁のピンチを背負うと梅野に遊撃への内野安打を打たれ先制される。続く3回にも犠飛で1点を許し、0-2で迎えた4回。四球と安打で1死二、三塁のピンチを招くと、2番高山に今季1号となる3ランを右中間スタンドへ運ばれ失点。さらに5番中谷には左翼ボール際に2ランを浴び、力尽き無念の降板となった。  「調子どうこうではなく結果的に失点してしまい、試合を作れませんでした。中継ぎ陣にも迷惑を掛け、またカードの初戦を任されたにもかかわらず、申し訳なかったです」と話した。

◆阪神が10得点で快勝した。中谷が2号2ランを含む3安打5打点の活躍。今季2度目の先発を任された日本ハム斎藤佑樹は4回8安打7失点で降板し、初勝利はならなかった。メッセンジャーは8勝目。

◆阪神が日本ハムの先発斎藤を打ち崩し、快勝した。この日1軍に昇格し、即スタメン出場した高山俊外野手が4回に今季1号となる3ランを放つなど活躍した。高山の試合後のヒーローインタビューは以下の通り。  -チャンスで打席が回ってきました。どんな思いで打席に?  高山 いやもう、得点圏だったんで、ここでやってやるという気持ちで。その前のリクエストみたいなのが、ファウルでよかったなと思います。  -リクエストで気持ちが少し難しい場面もあったと思いますが、改めてどう作り直したんでしょうか  高山 いや全然もう、ファウルはファウルなんで。別になんてことなかったですけど、はい。  -そして飛び出したホームラン、打った感触は  高山 ホントに芯に当たってくれて、まあホームランになってよかったです、はい。  -昇格即スタメンで金本監督も高山選手に期待をかけたわけですが、そのあたりはどうでしょうか  高山 やっぱりそういう思いに応えたいという気持ちが強かったですね。ずっと今シーズン、応えられてなかったんで。今日そういう形で、まず1歩踏み出したので、よかったなと思います。  -高山選手の帰り、タイガースファンも待っていたと思います、メッセージをお願いします。  高山 打てないときも、2軍に落ちても、たくさんあったかい言葉をかけてもらったので、今日から、また明日から1軍の舞台で活躍することが恩返しだと思うので、明日からも頑張っていきたいと思います。

◆阪神中谷将大外野手が、2号2ランを含む自身プロ最多となる5打点を挙げる活躍で、勝利に大きく貢献した。  1点リードの3回は1死満塁から左翼へ犠飛。4回には高山の3ランでリードを広げた後の2死三塁で、日本ハム斎藤の内角高め135キロ直球をフルスイング。左翼ポール際に2ランを運んだ。中谷は「入ってくれと思っていました」。金本知憲監督も「あれで結構、楽になったからね。5点差と7点差では大違いですからね」と評価した。  ダメ押し機は8回1死満塁で回ってきた。西村の外角低め変化球をすくい上げ、左前へ2点適時打を放った。これで今季初の猛打賞を記録し、過去最高だった1試合3打点を更新する5打点を挙げた。「今日はしっかりランナーをかえせたので、続けていけるように明日も頑張ります」。春先に調子を上げることができず、開幕を2軍スタート迎えた。悔しさをバネに、バットを懸命に振り続けている。

◆日本ハム斎藤が4回7失点(自責6)でKOされ、今季初黒星を喫した。6日に30歳となり迎えた登板で、厳しい現実が突きつけられた。  すでに2点を失っていた4回に試合を壊した。「調子どうこうではなく、結果的に失点してしまい、試合を作れませんでした」。試合後、2軍降格が決まった。チームは今季初の4連敗。最大で10あった貯金も5に半減した。

◆阪神糸井が縦じまで初めて札幌ドームに凱旋(がいせん)した。  古巣日本ハム相手に「4番DH」で出場。ビッグイニングの4回に右前打を放つなど、3打数1安打2四球で勝利に貢献。「去年、甲子園でやったでしょ? 札幌ドームは初めてか。ハハハ」。そう笑う表情は柔らかかった。一昨年まで同球場の打率2割9分3厘。好相性なところを見せた。

◆阪神植田は快足でマルチ安打をもぎ取った。  9番遊撃で先発。4回無死一塁では投前犠打を内野安打に変え、この回一挙5得点をお膳立て。8回は先頭で三塁内野安打を放ち、この回3得点に導いた。「自分のいいところが出たと思うけど、凡打の内容をしっかり良くしていきたい」と謙虚だった。

◆阪神梅野は熱いヘッドスライディングで決勝点をたたき出した。2回2死二、三塁で遊撃内野安打。間一髪のタイミングで頭から滑り込み、リクエスト判定の結果、先制タイムリーとなった。「これは行ける、と思って。(打線がつながる)きっかけになればと思った。なんとか先制点を取れて良かったです」と笑顔。  貧打に苦しむチーム状況で気持ちを前面に出し、大量得点勝利を呼び込んだ。

◆ラーメンパワーさく裂!? 阪神メッセンジャーは8回途中5失点と試合を壊さず、ハーラートップまで1勝差に迫る8勝目だ。4回表までに7点リードをもらうと、大黒柱らしい落ち着いたマウンドさばきを披露。「週の頭に勝てて良かった。8回だけ残念だけど、あとは良かった。あれだけ点差があると楽に投げられたね」。1失点で迎えた8回に先頭から4連打を浴びて降板したが、余裕の投球だった。  前夜は験担ぎの意味も込めて、2年前の登板前夜に食べたモノと同じラーメンを胃袋に収めたという。16年6月11日の敵地日本ハム戦では7回無失点で勝ち投手に。あの好投をもう1度とばかりにラーメンを食し、3戦ぶりの白星をゲットした。

◆16年新人王の復活弾で快勝だ! 阪神高山俊外野手(25)が、昇格即1号3ランで12安打10得点の大勝を導いた。不振で2軍に降格していたが、12日の「日本生命セ・パ交流戦」の日本ハム戦(札幌ドーム)に1軍招集されて2番中堅で出場。2点リードの4回、斎藤佑樹投手(30)から試合を決定づける弾丸ライナーを右中間に運んだ。チームは再び2位に浮上。北の大地から逆襲開始だ。  冷静に振り抜いた。ゆらりとバットを揺らした構えから、高山が力強くスイング。白球は右翼スタンドへ一直線。今季1号は"打ち直し3ラン"だ。直前のリクエスト失敗で静まった場内を一気に跳び上がらせた。  「昇格してすぐにチャンスをもらったので、期待に応えたいという思いがありました。最高の結果になった。得点圏だったので、ここでやってやるという気持ちで。(リクエストが)ファウルでよかったなと思います」  2点リードの4回1死二、三塁。斎藤の6球目を捉えると、打球は鋭いライナーで右翼線に。フェアかファウルか-。見つめた先は、中腰で判定する一塁塁審。両手を上げてファウルのジェスチャーを見ると、ベンチから金本監督がリクエストを要求。大型ビジョンに何度も検証映像が流される間も、高山はバットの軌道を確認して集中を切らさなかった。7球目。外角137キロ直球を真芯ではじき飛ばした。「ホントに芯に当たってくれてホームランになってよかったです」。  開幕中堅スタメンを勝ち取ったが、打率1割8分にまで落ち込み、2軍降格。原因の1つが、対応力が高いがゆえ、打席でボールを追いかけてしまう癖だった。そんな時、春季キャンプ中から取り入れていた"ノーステップ打法"を思い出した。片岡ヘッド兼打撃コーチは「下半身始動で打つというように、練習している。何か1つ軸になるようなものを持つと、安定したスイングにつながるから」と説明。本来の体重移動を取り戻し2軍戦14試合で3割6分4厘と調子の波を安定させての昇格だった。  金本監督は「一番いいところで打ってくれましたね。前向きな姿勢というかね。声もよく出ていた。そういう姿勢を評価したい。もちろん、こっちもこれから期待しますよ」と絶賛。高山も「ずっと今シーズン、応えられてなかったんで。今日そういう形で、まず1歩踏み出したのでよかった」と充実の表情だ。  ヤクルトと並んで2位に浮上。さらに今季雨天中止翌試合は8戦8勝と不敗伝説を継続した。「今日から、また明日から、1軍の舞台で活躍することが恩返し」。高山の巻き返しが虎をジェット気流に乗せる。【真柴健】

◆日本ハム・斎藤佑樹投手(30)が先発し、4回104球を投げ8安打7失点で降板した。この日出場選手登録され、4月7日のロッテ戦(東京D)以来となる1軍での先発だったが、阪神打線の前にKO。5四球と安定感も欠いた。  斎藤は二回、一死一、二塁の場面で捕手・鶴岡の後逸で二、三塁のピンチに...。打者・梅野に遊撃適時内野安打を浴びて先制を許した。三回には一死一、二塁の場面で阪神・糸井に四球を与え満塁とされると、中谷に左犠飛を許して0-2とされた。  四回には一死二、三塁から高山に右中間への1号3ランを被弾。なおも二死三塁から中谷に左翼ポール際への2号2ランを浴び、0-7とされた。日本ハムはその裏、アルシアの左越え適時打で1点を返した。五回から、鍵谷がマウンドに上がった。

◆阪神の梅野が執念のプレーで先制点をもたらした。二回2死二、三塁で斎藤のカットボールを二遊間の深い位置にはじき返し、一塁に頭から滑り込んだ。遊撃手中島の送球とのタイミングが際どく、栗山監督からのリクエストによるリプレー検証が行われたが、判定通りセーフで適時内野安打となった。  捕手として支える先発のメッセンジャーを攻撃でも援護し「いいコースに転がったので一生懸命走った。先制することができてよかった」と話した。

◆阪神は、日本ハムに10-5で打ち勝った。この日出場選手登録された2番・高山俊外野手(25)が四回に今季1号3ランを放つなど2安打3打点、5番・中谷将大外野手(25)も四回の2号2ランなど3安打5打点と若虎が躍動した。先発のメッセンジャーは7回0/3を投げて8安打5失点で8勝目(3敗)を挙げた。  日本ハムはこの日出場選手登録をされた斎藤が先発。阪神は二回二、三塁と好機を作ると、梅野の遊撃適時内野安打で1点を先制。三回には一死満塁から中谷が左犠飛を放ち、2-0とした。  四回には一死二、三塁から高山が右中間へ1号3ラン。さらに二死三塁から中谷が左翼ポール際へ2号2ランを放ち、7-0とした。その裏、日本ハムに1点を返されたが、八回に無死一塁から糸原が左中間へ適時二塁打を放ち1点を追加。なおも一死満塁から中谷が左越え適時打を放ち、10-1とした。  八回にメッセンジャーが4連打を浴びて3点を返されて降板。無死三塁でマウンドにあがった尾仲は、中田の三ゴロ間に三走の生還を許したが、最小失点で切り抜けた。九回は能見が3者凡退で締めた。

◆阪神は、日本ハムに10-5で打ち勝った。この日出場選手登録された2番・高山俊外野手(25)が四回に日本ハム・斎藤から今季1号3ランを放つなど2安打3打点で勝利に貢献。昇格即スタメンで結果を出した高山はヒーローインタビューで安堵の表情を浮かべた。  --3ランを放った四回はどんな思いで打席に  「得点圏だったので、ここでやってやるという気持ちで。その前のリクエストみたいなのがファールでよかったかなと思います」  --リクエストからどう気持ちを作り直した  「ファールはファールなんで、別になんてことなかったです」  --本塁打の感触は  「本当に芯に当たってくれて。ホームランになってよかったです」  --昇格即スタメン。金本監督は高山選手に期待をかけた  「そういう思いに応えたいという気持ちが強かったですね。今シーズンずっと応えられてなかったので、きょうそういう形でまず一歩踏み出せたのでよかったかなと思います」  --ファンが帰りを待っていた  「打てないときも、2軍に落ちてもたくさんあったかい言葉をかけてもらったので、またあしたから1軍の舞台で活躍することが恩返しだと思うので、あしたからも頑張っていきたいと思います」

◆阪神の中谷が2号2ランを含む3安打を放ち、プロ初の1試合5打点と猛威を振るった。三回一死満塁で左犠飛をマークすると、四回二死三塁では斎藤の高めの135キロを左翼席へ運び「コンパクトにバットを出せたことがいい結果につながった」と胸を張った。  八回一死満塁でも左前打でダメ押しの2点を奪った。5番の役割を果たし「走者をしっかりかえせた。これを続けられるように」と話した。 メッセンジャー(8勝目) 「チームとしていい戦いができた。(4失点した)八回だけは残念だった」 金本監督(高山に) 「一番いいところで打ってくれた。声もよく出ていた。前向きな姿勢を評価したい」

◆日本ハムの斎藤が4回7失点と序盤から打ち込まれ、チームの連敗を止めることができなかった。今後は2軍で調整することが決まった。  4月7日以来の登板だったが、制球が甘く次々と失点を重ねた。0-2の四回には高山に3ランを浴びると、中谷にも2ランを許した。この回限りでマウンドを降り「試合をつくれなかったのが一番。低めにうまく決まらなかった」とうなだれた。  チームは4月21日以来の2桁失点で今季初の4連敗を喫し、交流戦はこれで5勝7敗と苦戦している。 栗山監督(今季初の4連敗) 「一日一日なので。やるべきことをやり尽くして、いくしかない」 日本ハム・吉井投手コーチ(斎藤に) 「最後はかわしにいって手詰まりになった。もっと自分を信じて攻めていった方がいい」

◆前日11日、気まぐれな梅雨空のため甲子園のロッテ戦は試合直前に中止となった。元々、雨天中止によって組みこまれた試合で、当初は札幌への移動日だった。  移動するのは一人や二人じゃない。監督、コーチ、選手に裏方のスタッフ全員の、それこそ"ゲルマン民族大移動"となるわけ。阪神の馬場哲也チーフマネジャーが必死にホテルの予約や飛行機の便を調整して、なんとか12日の当日移動に変更したところで...。結局、雨で中止なんて。空模様との勝負だからてんやわんや! 糸井ら数人は前日夜に移動したが、チーム便はこの日の昼。  編集委員上田雅昭がこんな電話をくれた。「出来るだけチームに"いい状態"で試合に臨んでもらうことが大前提やから、球団の馬場マネジャーの動きはそら大変なんよ。まぁ長いこと俺もトラ番をやらせてもろてるが彼の機転と配慮はすごいんや...それでとにかくチームは無事に昼の便で札幌入りはすんなりや。いつもながら大したもんなんや...」という。  そして上田は少し声をひそめて「それほどの"達人"でも、9日(ロッテ戦)にたまたまスタメン表の守備位置をちょっと間違った。誰もが馬場マネを信頼しきってるから、ノーチェックでツツーと通過して...そのまんまオーダー交換となった(糸井が中堅、中谷が右翼になっており、試合開始と同時に入れ替え)。1700試合ほど馬場マネは担当していてタッタ1回...金本監督も馬場さんを冷やかしてたぐらいや。つまりや。それほどの"らつ腕"馬場マネでもエッということは起きた。そやから...今日の斎藤佑樹に阪神打線は意外に手こずることになるかもしれんでぇ」。おいおい...。  申し訳ないが、コレが甲子園を沸かせたハンカチ王子か...。30歳となってマウンドで130キロのスピードを見せられるとヤンキースのエースとして頑張るマー君(田中将大)との人生のコントラストには胸が痛んだ。  札幌の寒さがしみたとキャップ阿部祐亮はいう。その札幌生まれの箭内(やない)桃子記者は高校まで札幌で育ったのに、この日、大急ぎで大阪から移動したため夏スタイルで思わず「寒い、寒い...」を連発している。  大学は明大で東京。トラ番記者として大阪暮らしが2年目だから、すっかり北海道の寒さを忘れたか? それともトラ番としていつもカッカと燃えて仕事をしているから札幌の気候は忘れてたのか? 「でも...」と桃子記者はサブキャップ長友孝輔に「札幌の空気は大阪より清々しいでしょ」と売り込んだ。小声で言ったのだが京都生まれの上田雅昭が小耳にはさんで「コラァ...関西の空気は粉もんとたこやきで"美味しい"んじゃ!」。  つまりです。久しぶりに記者席でもトラ番連中に笑顔がいっぱいでありました。だって札幌ドームだから雨天中止はないし、申し訳ないがこっちはメッセンジャーで相手は斎藤佑樹...。誰の思いも"正直"だ。案の定、前半でケリがつく。こんな夜はススキノは虎の咆吼が響き渡るだろうが、13日の日本ハムは好調上沢直之...手強いぞ、わかってるか。

◆最後は"ガス欠"になった。それでも北海道の虎党から降り注がれた拍手が癒やしてくれた。帰りのバスの前を吹き抜けるキーンと冷たい風も、クールダウンには心地良い。8勝目を挙げたメッセンジャーが笑顔をみせた。  「週の頭で、いい戦いができた。八回は残念だったけどね。あれだけ点差があると、失投を気にすることなく、楽に投げられる」  最速147キロの直球とスライダーを織り交ぜながら、丁寧な投球をみせた。7-0の四回にレアード、アルシアに連続二塁打を許し、日本ハム戦の連続イニング無失点は「18」で止まったが、援護に恵まれなかったここ2試合の登板から一転、これだけ味方が打ってくれれば、3試合ぶりの白星へまっしぐらだ。  七回先頭のアルシアの打球が右太もも付近を直撃も、マウンドに向かおうとしたトレーナーを手で制すなど気合満点。だからこそ八回、無死からのまさかの4連打で降板となったのが悔しかったが、7回0/3を120球(5失点)の熱投だった。 札幌入りしたのは前夜。験担ぎも兼ねて、好物のラーメンを食べにいった。「以前、好投したときのラーメンを食べにいったよ」。みそや塩味ではなく、やっぱり、しょうゆ豚骨ベース。「また、次も食べにいきたいね」。こだわるところはこだわりながら、通算92勝。上田二朗氏(サンケイスポーツ専属評論家)に並んだ。  チームとして、雨天中止の次の試合は、これで今季8戦全勝。うちメッセンジャーも5勝と大貢献。"水も滴る"ナイスな助っ人だ。 (阿部祐亮) データBOX  メッセンジャーはこれで日本ハム戦は通算7試合で3勝2敗、防御率2・57。失点は登板3試合ぶりで、日本ハム戦の連続イニング無失点は「18」で止まった

◆左翼ポール際に高々と舞い上がる白球。ファウルか、フェアか-。三塁塁審が、ぐるぐると右手を回す。ホームラン! 中谷の2号2ランに、札幌ドームに詰めかけた虎党が沸いた。  「入ってくれと思っていました。追い込まれてしまったので、つなぐ意識で打ちにいきました」  斎藤を一気呵成に攻め立てた四回。高山が右中間へ3ランを放ち、5-0と突き放したが、それだけでは終わらせなかった。二死一塁で打席に入ると、2球目に一走・糸井が二盗成功。捕手の悪送球も絡んで二死三塁とチャンスが広がった。カウント2-2から5球目。135キロ直球を振り抜いた。「コンパクトにバットを出せたことが、いい結果につながってくれました」。一挙5得点のビッグイニングで"ハンカチ王子"をKOだ。  猛打賞は今季初。三回に左犠飛、八回にも一死満塁からダメ押しの2点打を放ち、プロ8年目で初の1試合5打点と、大暴れの一日となった。 チームトップの20本塁打を放った昨季。華々しい活躍で、ファンからの差し入れや贈り物も増えた。どれもうれしかったが、特に励みになったのが小さい子どもたちからの手紙だ。「部屋にしまってあります。たまに読み返したりして。頑張ろうって思いますね」。つたないひらがなで書かれた言葉のどれもが、若き大砲を突き動かす原動力。子どもたちの目を輝かせるような一打を、今後も放ち続ける。  金本監督は中谷の5打点に「あれで結構、楽になったからね」と目を細めた。この日昇格し、大活躍した高山も同じ中堅手。「そこは競争というかね。今だったら両方使いたいけど、ポジションの数は決まってますからね」。この日本ハム、楽天との6連戦はDHが使える。この日はDHに糸井が入ったため"共存"できたが、来週からは1枠を争う激しいサバイバルが、再び始まる。  「きょうはランナーをしっかり返せたので、続けていけるようにあしたも頑張ります」と気を引き締めた中谷。競争を勝ち抜き、中堅をつかみとる。5打点は、その決意表明だ。 (箭内桃子)

◆--高山がいきなり結果を出した  金本監督「一番いいとこで打ってくれましたね。(三回の右前打も)いい形じゃないかな」  --四回のリクエストも、あれだけ本人がアピールしていると...  「なぁ(笑)。まぁ、ヒットが欲しかったんじゃない!? そりゃ、誰だって欲しいし。きょうはいいところで、いい当たり、彼らしいライト前...あのファウルもうまいこと曲芸みたいに打って、彼らしさというか。きっちり打つというよりも悪球をうまく打つタイプでもあるからね」  --中谷も5打点  「あれで結構、楽になった。5点差と7点差では大違いだからね」  --高山の活躍で、いい刺激になる  「そこは競争というかね。今だったら両方使いたいけど、ポジションの数は決まってますからね」  --メッセンジャーで中継ぎが休ませられた  「彼が(一番)残念(に思っているん)じゃないかな、最後は(笑)。4連打を食らうとこっちも思ってないしさ。あれだけ甘い球投げると、そりゃ打たれる(苦笑)」

◆日本ハムは12日、阪神1回戦(札幌ドーム)に5-10で敗れ、今季初の4連敗。今季2度目の先発となった斎藤佑樹投手(30)が、4回8安打7失点(自責6)と炎上し、今季初黒星を喫した。  「試合を作れなかったのが一番。中継ぎ陣にも迷惑を掛け、またカードの初戦を任されたにもかかわらず、申し訳なかったです」  6日に誕生日を迎えた斎藤にとって、30代初めての1軍登板。二回に先制を許すと、0-2の四回には高山に右中間への3ラン、中谷にも左越え2ランを許し、一挙5失点。マウンドでは何度も天を仰ぎ、降板後はベンチで、ぼう然とした。  今季初登板だった4月7日のロッテ戦では8四死球と制球を乱し、無安打ながら5点リードの四回途中1失点で降板。この日も5四球と苦しんだが、コースを丁寧に突いた結果に栗山監督は「審判との相性もある。何とかしようとする思いは伝わった」とかばった。  13日に出場選手登録を抹消されるが、試合後、指揮官から掛けられた言葉は「もう一回しっかりやってこい」。斎藤は、ここから再びはい上がる。 (中田愛沙美) 斎藤について日本ハム・吉井投手コーチ 「結果をほしがってかわしにいく。斎藤の悪い投球が出た」

◆左翼ポール際に高々と舞い上がる白球。ファウルか、フェアか-。三塁塁審が、ぐるぐると右手を回す。ホームラン! 中谷の2号2ランに、札幌ドームに詰めかけた虎党が沸いた。  「入ってくれと思っていました。追い込まれてしまったので、つなぐ意識で打ちにいきました」  斎藤を一気呵成に攻め立てた四回。高山が右中間へ3ランを放ち、5-0と突き放したが、それだけでは終わらせなかった。二死一塁で打席に入ると、2球目に一走・糸井が二盗成功。捕手の悪送球も絡んで二死三塁とチャンスが広がった。カウント2-2から5球目。135キロ直球を振り抜いた。「コンパクトにバットを出せたことが、いい結果につながってくれました」。一挙5得点のビッグイニングで"ハンカチ王子"をKOだ。  猛打賞は今季初。三回に左犠飛、八回にも一死満塁からダメ押しの2点打を放ち、プロ8年目で初の1試合5打点と、大暴れの一日となった。 チームトップの20本塁打を放った昨季。華々しい活躍で、ファンからの差し入れや贈り物も増えた。どれもうれしかったが、特に励みになったのが小さい子どもたちからの手紙だ。「部屋にしまってあります。たまに読み返したりして。頑張ろうって思いますね」。つたないひらがなで書かれた言葉のどれもが、若き大砲を突き動かす原動力。子どもたちの目を輝かせるような一打を、今後も放ち続ける。  金本監督は中谷の5打点に「あれで結構、楽になったからね」と目を細めた。この日昇格し、大活躍した高山も同じ中堅手。「そこは競争というかね。今だったら両方使いたいけど、ポジションの数は決まってますからね」。この日本ハム、楽天との6連戦はDHが使える。この日はDHに糸井が入ったため"共存"できたが、来週からは1枠を争う激しいサバイバルが、再び始まる。  「きょうはランナーをしっかり返せたので、続けていけるようにあしたも頑張ります」と気を引き締めた中谷。競争を勝ち抜き、中堅をつかみとる。5打点は、その決意表明だ。 (箭内桃子)

◆高山、今季1号3ランありがと~う! 中谷、2号アーチを含む3安打5打点ありがと~う! メッセンジャー、8勝目ありがと~う! 雨天中止の次の試合に勝利の虎神話を『8』に伸ばしてくれた雨の神様、最大にありがと~う!!  さて、本日は虎党を離れ一野球ファンとして、かつてハンカチ王子として注目を集めたのに4回7失点KOで沈んだ斎藤佑樹にモノ申すのだ!!  まさに、アイロンをかけたハンカチのようにキチンキチンと理想的なキレイな投球を追いかけすぎなのだ!!  顔も甘いし、早大卒とエリートかもしれないが、野球界で生きていくなら、汚いけど絶対に必要な『雑巾王子』になりやがれってんだー!!  通算251勝の東尾修は、体もデカくないし、速球がえげつないわけでもなかった。得意のスライダーを生かすために、日本記録の165与死球で相手に決して踏み込ませない、プロとして生き残る道を見つけたのだ!! そんなに苦労しても愛する娘を自分と年の違わない石田純一さんに持っていかれちゃうんだから、人生は厳しいだろう? 汚いけど、プロをうならせる『雑巾王子』フィーバーを見せてくれー!!

◆意地の一撃、反撃の号砲だ! 阪神は日本ハムに10-5で快勝し、2位タイに浮上。高山俊外野手(25)が1軍昇格即「2番・中堅」で起用され、四回に豪快な1号3ランを放った。不振による2軍降格を経て、はい上がってきた3年目のドラ1が、北の大地から再び走り出す!! 声が出た。思わずベンチに訴えかけた。気持ちが入っていたから、白線の内側にも入っているように見えた。これまでとは違う高山が、そこにいた。フェアなら2点二塁打かと思われた右翼線ギリギリの当たりが、リプレー検証で判定通りファウルに。熱く冷静に-。直後の137キロを北の大地のはるか彼方まで運び去った。今季98打席目。右中間スタンドへ、最高の1号3ランだ。  「いやもう、得点圏だったので。もう、ここでやってやるという気持ちで。その前の"リクエストみたいなの"が、ファウルでよかったかなと、ハイ。ファウルはファウルなので。別に何てことなかったですけど」  2-0の四回一死二、三塁。5月17日以来の1軍に帰ってきた高山が打席に立った。相手は同じ"悩めるドラ1"で、高校時代に全国制覇を成し遂げた斎藤(早実、高山は日大三)。フルカウントから6球目、右翼線の打球のファウル判定に高山は、違う違う! と身ぶり手ぶりでアピール。気持ちを前面に出し"リクエストをリクエスト"してきた心意気を、金本監督は買った。  「ヒットが欲しかったんじゃない!? そりゃ、誰だって欲しいし。きょうはいいところで、いい当たりを。ファウルもうまいこと曲芸みたいに打って。悪球をうまく打つタイプでもあるから」 天才的なバットコントロールが、最高の結果とともに帰ってきた。それも、体中に熱さを宿して-。指揮官は「前向きな姿勢というかね。声もよく出ていたし。そういう姿勢というのもすごく評価したいと思う。これから期待しますよ」と、大きくうなずいた。  新人王に輝いた1年目。屈辱を味わった2年目。3年目の今季は中谷との競争に勝ち、開幕スタメンを勝ち取った。しかし打率・180の不振で5月18日に2軍降格。鼻をへし折られる、どころではなかった。鳴尾浜で汗を流す日々。試合では、盗塁のサインを何度も出された。「打つことに『隙を見せたら走る』というのをプラスアルファできたら。調子が悪くても使ってもらえる可能性が出てくる」という矢野2軍監督からのメッセージだった。  何度も話し合い、走って、汗と土にまみれ、これまでの「高山俊」をぶっ壊した。ウエスタン・リーグで打率・346を残し、はい上がった。  「やっぱり、そういう(起用してくれた)思いに応えたいという気持ちが強かったですね。ずっと今シーズン、応えられてなかった。まず1歩踏み出せたので、よかったかなと思います」  金本監督に見出され、金本虎の象徴ともいえる男が、ようやく居るべき位置にきた。もう立ち止まらない。全身全霊で、打っていく。 (長友孝輔)

◆試合前の高山のフリー打撃を見た瞬間、「きょうは打てる」と確信した。それほど、以前とは違ういい形で打てていた。本人に「2本、行こうぜ!」と声を掛けたら、「3本、行きます!」と返ってきた。相当、自信を取り戻してきているのだろう。  具体的には、スイングに入った際に、左肩が前(投手方向)に出てこなくなった。左肩が出てくると、内角に詰まってしまう。フリー打撃では、その部分をかなり意識していたのだろう。まず、左肩を残した理想型で左方向へ何本か打って、続いて左中間方向。最後に右方向。最後まで形が崩れないから、本番の爆発が予測できたのだ。  ちなみに本塁打を放った打席のカウント3-1からの5球目。際どい球がストライク判定になったが、私はテレビ中継で「日本ハムにとっては四球のほうが良かったのでは」と言ってしまった。偶然ではなく、必然。この日の斎藤が、この日の高山を抑えるとは思えなかったからだ。  本塁打直前、リクエストした右翼線へのファウルも、低めの難しいカットボールにスムーズにバットが出ていた。この状態を継続すれば、左方向への長打が出るだろう。  私は、高山が最も生きる打順は1番だと思っている。その打順に高山が固定された時、阪神打線も理想に一歩近づく。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
332310.589
(↓0.011)
0
(-)
86269
(+1)
239
(+4)
57
(+1)
31
(-)
0.257
(↓0.003)
3.86
(↓0.01)
2
(↑1)
阪神
272800.4909
(↑0.01)
5.5
(↑1)
88184
(+10)
203
(+5)
29
(+2)
31
(+1)
0.234
(↑0.003)
3.21
(↓0.03)
2
(↑1)
ヤクルト
272810.4909
(↑0.01)
5.5
(↑1)
87239
(+3)
258
(+1)
52
(-)
31
(-)
0.249
(↓0.002)
4.11
(↑0.06)
4
(↓2)
DeNA
262720.4906
(↓0.009)
5.5
(-)
88223
(-)
221
(+3)
68
(-)
34
(-)
0.251
(↓0.002)
3.68
(-)
5
(-)
巨人
283010.483
(↑0.009)
6
(↑1)
84270
(+8)
241
(+2)
55
(+1)
30
(-)
0.268
(↑0.001)
3.86
(↑0.03)
6
(-)
中日
273210.458
(↓0.008)
7.5
(-)
83240
(+1)
274
(+5)
41
(-)
33
(-)
0.263
(↓0.002)
4.34
(↓0.02)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
342300.596
(↓0.011)
0
(-)
86327
(+1)
250
(+3)
63
(-)
69
(-)
0.275
(↓0.003)
4.11
(↑0.02)
2
(-)
日ハム
322700.542
(↓0.01)
3
(-)
84241
(+5)
233
(+10)
64
(-)
44
(-)
0.238
(-)
3.72
(↓0.09)
3
(-)
福岡
302800.517
(↓0.009)
4.5
(-)
85249
(+2)
235
(+8)
73
(-)
38
(-)
0.256
(-)
3.94
(-)
4
(-)
ORIX
302910.508
(↑0.008)
5
(↑1)
83212
(+4)
226
(+1)
46
(+2)
35
(-)
0.232
(↓0.001)
3.57
(↑0.05)
5
(-)
ロッテ
282900.491
(↑0.009)
6
(↑1)
86237
(+3)
235
(-)
29
(+2)
57
(-)
0.258
(↑0.001)
3.71
(↑0.06)
6
(-)
楽天
203810.345
(↑0.012)
14.5
(↑1)
84178
(+5)
254
(+1)
46
(-)
30
(+1)
0.228
(-)
4.06
(↑0.05)

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
10200.833
(↑0.015)
0
(-)
654
(+3)
34
(+1)
13
(-)
4
(-)
0.238
(↓0.01)
2.56
(↑0.14)
2
(-)
西武
7500.583
(↓0.053)
3
(↓1)
673
(+1)
59
(+3)
17
(-)
13
(-)
0.264
(↓0.009)
4.89
(↑0.18)
3
(↑1)
ロッテ
7500.583
(↑0.038)
3
(-)
646
(+3)
37
(-)
7
(+2)
9
(-)
0.289
(↑0.004)
2.63
(↑0.24)
4
(↓1)
福岡
7500.583
(↓0.053)
3
(↓1)
650
(+2)
50
(+8)
16
(-)
8
(-)
0.24
(↑0.003)
3.83
(↓0.01)
5
(↑1)
ORIX
7500.583
(↑0.038)
3
(-)
641
(+4)
43
(+1)
11
(+2)
7
(-)
0.243
(↓0.004)
3.53
(↑0.24)
6
(↓1)
広島
6600.5
(↓0.045)
4
(↓1)
653
(+1)
60
(+4)
11
(+1)
5
(-)
0.27
(↓0.015)
4.5
(-)
7
(↑2)
巨人
6700.462
(↑0.045)
4.5
(-)
552
(+8)
48
(+2)
15
(+1)
9
(-)
0.252
(↑0.007)
3.49
(↑0.12)
8
(↓1)
DeNA
5600.455
(↓0.045)
4.5
(↓1)
747
(-)
51
(+3)
15
(-)
5
(-)
0.251
(↓0.008)
4.79
(↑0.14)
9
(↓1)
日ハム
5700.417
(↓0.038)
5
(↓1)
665
(+5)
57
(+10)
15
(-)
10
(-)
0.243
(↓0.001)
4.4
(↓0.46)
10
(-)
中日
5800.385
(↓0.032)
5.5
(↓1)
546
(+1)
66
(+5)
8
(-)
5
(-)
0.264
(↓0.009)
5.17
(↓0.04)
11
(-)
阪神
4700.364
(↑0.064)
5.5
(-)
739
(+10)
43
(+5)
5
(+2)
4
(+1)
0.243
(↑0.01)
3.15
(↓0.18)
12
(-)
楽天
3900.25
(↑0.068)
7
(-)
627
(+5)
45
(+1)
6
(-)
7
(+1)
0.225
(-)
3.65
(↑0.25)