◆ヤクルトは1点を追う4回表、雄平の2点適時打で逆転する。その後は同点を許すも、8回に1死二三塁から相手の野選の間に勝ち越しに成功した。投げては、2番手・中尾が今季5勝目。敗れた楽天は、打線が相手を上回る11安打を放つも、好機を生かしきれなかった。

◆すでに５敗している楽天美馬学投手の今季初勝利はまたもお預けとなった。 　美馬は４回に味方の失策や内野安打などが絡んで２失点。６回６安打２失点（自責１）と全体的にはまずまずの内容だったが、打線の援護もなく勝ち負けはつかなかった。 　「真っすぐが良くなかったので変化球を多めに投げた。気持ち的には勝負できてる。次につながる」と話し、次回登板へ気持ちを切り替えた。 　楽天はこれで５連敗。いまだ今季交流戦で勝利がなく、借金は１５年以来となる１７に膨れ上がった。

◆昨年のイースタン・リーグ盗塁王、楽天島井寛仁外野手（２７）が自慢の足を披露した。 　１点を追う８回裏１死。四球で出た銀次の代走で登場すると、次打者の２球目に今季３個目の盗塁を成功。「１点負けている状況だったので、あそこで代走を任されることは次の塁を取ってほしいということ。走ることが最初から頭にあって、勇気を持ってスタートを切ろうと思ってました」と振り返った。 　続く打者に安打が出ず、同点にはならなかった。それでも走ることが容易に想像できた場面で盗塁を決め、足のスペシャリストであることを強烈にアピールした。

◆ヤクルト先発の小川泰弘投手が、粘りの投球で６回９安打２失点で降板した。 　４回以外は安打で出塁を許す苦しい展開だったが、チェンジアップやカットボールなどの変化球を駆使。２－２の同点の状態で、リリーフ陣につなげた。勝敗はつかず、「最低限の仕事はできたと思うけど、反省すべきこともある。次につなげたい」と振り返った。

◆ヤクルトが接戦をものにして２シーズンぶりの５連勝を飾った。先発小川泰弘投手は６回２失点と粘投。２－２の８回に相手野選で決勝点をもぎとった。２番手の中尾がチームトップタイの５勝目を挙げた。 　交流戦も５勝１敗と好スタートに成功。小川淳司監督は「投手陣がよく頑張ってくれて、結果も出ている。内容も結果もいいし、素晴らしいゲームだったと思う」と笑顔で振り返った。

◆ヤクルト雄平外野手が、逆転の２点適時打を放った。 　０－１の４回１死満塁、楽天美馬の１４４キロ直球を中前にはじき返した。 　２試合連続のスタメン起用の期待に応える一打に、「バレンティンも四球でつないでくれたので、みんなでつなぐ気持ちで打ちました」とコメントした

◆ヤクルトの坂口が八回に好走塁で勝ち越し点をもぎ取った。先頭打者として四球で出ると、すかさず二盗。１死二、三塁で、代打畠山の遊ゴロの間に生還した。 　投球がバットに当たった瞬間に好スタートを切り、タッチを避けながらスライディングし「日々練習していること。セーフだとは思った」と事もなげに言った。小川監督は「坂口の走塁で１点が入った」とたたえた。

◆楽天は守備のミスが失点につながり、５連敗で借金は今季最多の１７に膨らんだ。１－０の四回は先頭打者の山田哲の放ったゴロを三塁手の内田が捕球できずに失策となり、ここから２失点。２－２の八回１死二、三塁では前進守備の遊撃手の茂木がゴロを捕球後に握り損ない、三塁走者の生還を許した。 　茂木は「自分がアウトにしていれば勝つ望みはあった」と肩を落とした。１２球団で唯一、今季の交流戦で勝利がない梨田監督は「投手にはかわいそうなことをした。守り勝つことができていない」とため息をついた。

◆ヤクルトが２－２で迎えた八回に１点をもぎ取り今季初の５連勝。２番手で登板した２年目左腕の中尾が１回１／３を投げ１安打無失点で５勝目（１敗）を挙げた。楽天・松井は５敗目を喫した。 　先制したのは楽天だった。三回、二死一、二塁とすると、ヤクルトの先発・小川から５番・今江が詰まりながらも三塁後方に運び、二走・田中が生還した。ヤクルトは四回、楽天の先発・美馬を攻め、一死満塁から５番・雄平が二遊間を破る２点打を放ち逆転。楽天は六回、一死二塁から６番・銀次が左中間への適時二塁打で追いついた。 　ヤクルトは八回、四球と安打で一死二、三塁とし、代打・畠山が松井の内角への直球を振り抜いたが、打球はボテボテの内野ゴロに。三走・坂口が本塁に突入するのを見た楽天の遊撃・茂木が本塁に送球するが、坂口は捕手を回り込むように滑り込み生還。楽天・梨田監督はリクエストしたが、判定は覆らずヤクルトが勝ち越した。